2008年09月29日

中小企業の人材採用と育成について(小山昇 講演会)

 

Book-No.70
「辞めない採用、即戦力の育成で儲かる会社になる!」
人に苦労しない強い会社のつくり方

小山 昇 著
あさ出版


「辞めない採用、即戦力の育成で儲かる会社になる!」
小山昇 出版記念講演
08年9月29日 リーガロイヤルホテルにて

ご存知、中小企業のカリスマ経営者、小山昇社長の講演会に
参加してきました。
(今月、何度目の講演会だ・・・?)

講演のテーマは小山社長の最新刊、
「辞めない採用、即戦力の育成で儲かる会社になる!」にちなんで、
人材の採用と教育についてです。

■中小企業に優秀な人は来ない!?
小山社長の講演会に参加するのは、今日で二度目です。
前回のときもそうでしたが、ホワイトボードを使いながら
お話をするのが、小山流のようです。
で、小山社長が書かれる文字が、これまた芸術的!(笑)
みなさん、これは文字ではありません!なんです。
誤字脱字は当たり前なので、それぞれの方が正しく変換して下さい

というジョークで、笑いをとっていました^ ^

優秀な人は中小企業を相手にしません。大企業で活躍できる能力が
ありながら、中小企業で働く変わり者もいますが、それはごく一部です。
まともな神経の持ち主なら、給料が多くもらえる大企業や
一生食いっぱぐれのないお役所に就職します。いくら中小企業が
優秀な人材を求めようとしても、しょせんは叶わぬ恋です
」(P36)

今日の講演でも、小山社長は同じように
・「中小企業で良い人を採りたいと思うな!良い人は良い会社に
行きたがるから、来ない。仮に来たとしても、すぐに辞める
」と、
話されていました。

悔しいですけど・・・・事実だと思います。

私の会社でも、いわゆる偏差値レベルの高い大学の学生には
相手にされないと勝手に決めてつけていて、日東駒専クラス以下の
ところでしか採用活動をしていません。

申し遅れましたが私、採用の仕事(も)やっているのです。
本職は内部統制の構築ですが・・・・

しかし、一度だけですが、
六大学の学生が多く参加している合同企業説明会に参加したことが
あるのですが、正直、学生さんのレベルの高さに驚いたことがあります!!

学校で人を判断してはいけませんが、やはり就職に対する意識なども
六大学の学生さんの方が高いと感じたのです。

そして結果は、予想通り。
誰一人、無名の中小企業である当社にエントリーする人はいませんでした。

※あくまでも相対的な話で、六大学の学生にだって、どーしようもない人は
いるし、日東駒専クラス以下の大学にだって、優秀な人はいます。

■価値観を共有できる人を採用する
会社の価値観は、社長の価値観です。社長と価値観を共有できない
人を採用しても、お互いに不幸になるだけ
」(P116)

講演会では「社長は社員の人生を背負っている。だから、こいつの為なら
俺は一生懸命に頑張ると思える社員、つまり同じ価値観を共有している人と
私は一緒に働きたい
」という趣旨のお話をされていました。

従業員が100〜200人クラスの会社であれば、
私も会社の価値観=社長の価値観だと思います。
大企業と比べて、圧倒的にトップと末端のスタッフとの距離が近いですから。

私も最終面接には出来るだけ、社長に出て貰って社長の考えを話して
貰うようにしています。
そこで、お互いに相性が合うかどうかを見てもらうのです。

相性が合わなければ、どんなに優秀であっても不採用にします。
このへんは、まさに「お見合い」と同じですね。

■社員教育の徹底
中小企業に優秀な人は応募してこない・・・・では、どうするか?
社員教育を徹底して、既存社員を含め、それなりの社員を仕事がデキる
人材へと成長させる
」(P4)
人の成長なくして、企業の成長はありません。成長できる素質を持った人を
採用して、お金と手間をかけて教育する。
それ以外に、黒字を出し続ける道はないのです
」(P20)

ポイントは「成長できる素質を持った人」という点ですね。
これは、新卒でも中途でも同じだと思います。
特に中途採用の場合、ある程度の年齢の人だと完成形に近くなっていて
伸びシロが少ない場合もあるので、要注意です。

少子化でますます若い世代の人数が減ってきますので、
中小企業に限らずですが、人を採用できない会社、人を育てられない会社は
今後、ドンドンと苦しくなる一方だと思います。
採用の現場にいると、それを強く実感します。

ちょっと愚痴になりますが・・・
私の会社に限らず、新卒で採用をすると一人前になるまでにそれなりの時間と
コストが掛かるのは、まぁ当たり前のことですよね。

だから、余裕の無い企業だと新卒採用を敬遠する傾向があるように感じます。
私の会社でも、ある時トップに「新卒なんか採っている余裕は無い!」と
言われた事があります。

ただ、思うのですが・・・
先に書いたように、中小企業の社風や価値観は、トップそのものです。
単に仕事の手順だけなら、経験者を雇入れた方が遥かに効率的であるのは
事実だと思います。
でも、それだけでは会社は強くなれないと思っています。

社長のビジョンを理解して、共感し、全員が同じ方向を向いて
力を合わせる事が中小企業の場合には絶対に必要!
だからこそ、時間と手間を掛けてスタッフの教育をしなければならないと
思うんですよね。

■内定辞退の陰に親あり!
昨今の超売り手市場で、内定を出してもその後で辞退されてしまう事は
大企業、中小企業ともに増えてきているようです。

内定辞退の理由は様々ですが、その中に「親の反対」というものがあります。
今年、某人材系の会社がまとめた資料の中で、こんな調査結果が出ています。

Q「内定辞退の理由は?」
A「仕事が自分に合わない(36.1%)」
「自分の能力、適正への不安(30.4%)」
「親に反対された(25.3%)」

複数回答ですが、「親に反対された」が堂々の3位に
ランクインしたのには驚きました。
25.3%ということは、4人に1人ですから、
結構大きな比率ですよね。

ちなみに、昨年の調査結果では同じ質問に対して
「親の反対」を理由に挙げたのは21.2%ですから、
増加傾向という事になります。

そう、中小企業の採用では学生本人を口説き落としても、親御さんの理解を
得ないと、辞退されてしまう事があるのです!!

この辺の事情についても、今日の講演会でも話をされていましたし、
本の中でも、こんな事を書かれています。
内定辞退の原因の一つになるうるのが、親の反対です。中小企業の場合、
本人はやる気があっても、親が不安になって子供を引き留めるケースが
あります。
(中略)
何か対策を打たないと、採用活動を経て相思相愛になった内定者をうしなう
ことになりかねません。
もっとも効果的なのは、トップ自らが親に会って、会社のことを理解してもらうこと

(P163)

私の個人的意見としては、
親に反対されて自分が決めた会社を辞退するようなら、
将来、自分の伴侶を決める時にも、親に反対されたら別れるのか?!
と、言いたい!!

でも、まぁ親御さんの立場で考えれば、分からない話でもないんですよね。
私だって、学校を卒業して今の会社に就職を決めようと親に話したら、
親としては、安定している大企業に行って欲しい」って言われましたから・・・

そして、今の会社に入社した時に直属の上司から言われた事があります。
新卒を採用したら、その人に教育をして一人前の社会人に仕立て上げる
ことが、新卒を受け入れた企業の社会的責任だ
」と。
あれから、20年くらい経つのに、この言葉は妙に覚えているのです。

世の中には最初から使い捨てにするつもりで新卒採用をしている会社も
一部ですが、存在します。
そうした会社に入社してしまって、満足に教育もされずに辞めてしまうと
本当に中途半端な社会人のまま、その後の社会人生活を
送らなければならなくなってしまうのです。

中途採用の面接で、そういう人を何人も見てきました。
当人にとっては、不幸な事としか言いようがありません。

だから、学生さんにはよく、こんな事を話します。
仕事の内容とかも大事だけど、会社選びをする時に自分という人間を
どれだけ育ててくれる会社なのか、つまり教育にどれだけ力を入れて
くれる会社かも、会社選びの大切なモノサシの一つだよ

内定後に親御さんに会いに行くことも有効な手段の一つだと思いますが、
新卒を受け入れるからには、お金と手間を掛けて一人前の社会人に
育て上げる覚悟を、企業には持って貰いたいと思うのです。

■えつ、それがオチですか・・・?
今日の講演会の中で、小山社長が経営をサポートしている
或る中小企業の社長さんが壇上に上がられて、こんな事を話されました。
私は昔、小山塾に150万円を払って採用のノウハウを教えて貰いました。
今回、小山社長が書かれた本は1500円ですから、やはり肝心なところは
書かれていませんね

その話を受けて、小山社長が
そうです。1500円の本ですから、全部は書いていません!」と・・・・

えつ、それがオチですか?
肝心なところは、有料セミナーで。と、いうことなのですね。・・・

本当か嘘かは知りませんが(多分、本当なのでしょう)
それでも、この本は人材の採用、育成で苦労することが多い中小企業の
経営者、人事採用担当者が読まれても、充分に役立つノウハウが
書かれていると思います。

それと、大企業、中小企業、関係なく同じ提案を持ってくる
人材系の会社の営業マン!
是非、読んで下さい。
中小企業は大企業と同じ考え方で採用は出来ないことが
きっとお分かり頂けると思いますので・・・
(あー、最後にドクを吐いてしまった!)

それでは、今日はこのへんで。
ありがとうございました。

posted by penguin-oyaji at 23:42 | Comment(4) | TrackBack(0) | 読書(人事・採用) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月08日

面接術の併せ技!

Book-No.27
プロファイリングのプロが教える
「面接で人を見抜く質問術」
毛利元貞 著
日本実業出版社
(ISBN:978-4-534-04394-8)

Book-No.28
人材を逃さない
「見抜く面接質問50」
キャロル・マーティン 著
岡村 桂 訳
ディスカヴァー・トゥエンティワン
(ISBN:978-4-88759-629-0)

私が会社で採用の仕事を担当するようになって5年目に突入しました。
元々は自分で「採用の仕事やりたいっす!」
と言って手を上げたのですが、
未経験者にとっては本当に勝手の分からない事だらけでした。
採用業務で求められるスキルというと、以下のようなものがあげられると
思います。

・自社の事業戦略に合わせた採用戦略の立案
・学校の就職部や人材会社などとのコネクション
・自社に関しての説明能力、プレゼンテーション力
・面接力

この中でも私が苦労したのが「面接」です。

面接を受ける方も大変でしょうが、
面接する方も大変なんですよ・・・

最初に学生さんとの面接をした時は、自分の方が緊張してしまって
何を受け答えしたのか、あまりよく覚えていません!(笑)
何を質問したらよいかも分からないし・・・
返ってきた回答を、どう解釈すればよいかも分からなかったのです。

この4年間に新卒、キャリア採用あわせて多くの方と面接を通じて
出会ってきました。
面接と言うのは「お見合い」ですから、お互いに心を開いて
話し合わないと、何も生まれてこないと言うのが今の私の考えです。

それでも、私の面接のやり方は基本的に自己流ですので、
面接に関してスキルアップをしたいと考え、面接本を読んでみました。

先ず「面接で人を見抜く質問術」の方から・・・
この本での骨子は以下の点に要約できると思います。
・プロファイリング=相手のホンネや人物傾向をつかむこと
・相手からホンネや人間性を引き出すための具体的な面接術として
1、信頼関係を作り上げる
2、あいまない答えが返ってこない「直接質問」をする
3、不明点については「確認質問」を行う
・相手がウソをついていないか、非言語表現(仕草、態度)に着目する

面接官が注目すべき求職者の内面は、次の二点に集約されます。
1.道徳的かつ人格的な誠実さを兼ね備えているか?
2.信頼できるか?
」(P22)
例えば、キャリア採用の時には即戦力も重要視されますので、
販売とか営業とかの採用職種に関してのスキルを見て決めるという事も
有るかと思います。
しかし、人物像というか「信頼するに足る人間性」を持っていることが
必要条件ですので、筆者の考えには私も全面的に賛同です。

面接官には、求職者の心理状態を理解した上で、気遣う配慮が
求められます。「資質」にすぐれた面接官は、間違いなく双方が
リラックスできる面接の場をつくっていきます。
いきなり本題に入るようなことはせずに、面接開始から3〜5分を
「ウォーミングアップ」に使います
」(P79)
面接官と求職者といえども、人と人ですから第一印象って大切なんですね。
今までの私ですと、相手が学生さんだと大抵の場合、緊張していますから
面接の前に履歴書に書いてある趣味とかの話をしたりしながら、
時にはわざと学生言葉を使って相手にリラックスしてもらえるような事は
してきていました。
しかし、キャリア採用で相手が自分と同じくらいの年齢かそれ以上の
場合だと、いきなり面接突入!という事が多かったので、本書を読んで
少し改めねば!と思いました。

面接の冒頭で、「面接官ではなく、人として接したい。誰にでも
チャンスを与えたい
」(P84)という気配りをすることによって求職者との
信頼関係がつくられる、と筆者は言います。

それから、本書を読んだ後で私なりに面接の冒頭だけでなく、
面接のクロージングで
「これで面接を終えますが、今日の面接はいかがでしたか。
少し緊張されていたみたいですが、話したいと思っていたことは、
ちゃんと話せましたか」と言うことにしてみました。
相手の反応としては、少しほっとした表情を見せながらも
面接の最中には話せなかったような本音の部分も聞けることが
増えたような気がします。

相手が語っている最中にメモ書きする面接は危険です」(P92)
メモを書く時間を面接官が確保できているほど、穏やかな面接と
なります。求職者も、メモを書き終わるのを待つようになります。
ここに「沈黙」が生まれます。
沈黙は求職者に、さまざまな心理反応を起こさせる効果を秘めています

(P94)
この面接中のメモに対しては、今まで私は相手が話している最中に
していましたので、バツですね。
面接中にメモを書くと、後述しますが、相手がどのような態度、表情で
話しているかと言う重要な情報に気付かなくなるからです。
実際に本書を読んだ後、メモは相手が話し終わってから、というスタイルで
面接をしたところ、話している相手の表情や視線の動きなど多くの事に
気付くようになりました。

面接では、何気ない会話を通じて、求職者の言動のパターンをつかむ
必要があります。
具体的には、次に挙げる三つを面接官は観察します。
1、質問から返答までのタイムラグ
2、反応の仕方
3、視線
」(P118)
相手が話している内容(言語情報)と同じくらい態度、仕草、視線には
多くの情報(非言語情報)が含まれているということです。
先ほど書いたように、メモ書きをするのではなく、相手の目を見ながら
話を聞くというふうにするだけで、多くの気付きが得られるようになりました。

「(前略)面接を受けたときの面接官の印象や場の雰囲気です。そこから、
求職者はその企業のイメージを膨らませます。
」(P36)
全力を尽くす面接とは、企業のイメージを損なわない努力をするだけでは
なく、求職者から信頼される面接官として行動することを意味します。
お互いが不幸にならない面接が大切です
」(P37)
面接術とか、面接テクニックとか言っても先に書いたように
面接は人と人との出会いの場ですから、先ずはお互いの信頼関係を
つくらないといけないと私も思っています。
信頼の無いところには何も生まれないのですから・・・

ところで「面接で人を見抜く質問術」ですが、参考になる点も多いのですが、
逆に「具体的に」どのような質問をすればよいか、質問のフレーズに関しての
情報はあまり書かれていません。
例えば、「対人能力」について知りたいと思うときに
どのようなフレーズで質問をすれば、より効果的なのか?と云う点が
残念ながら情報としては不足しているのです。

そこで二冊目の「人材を逃さない 見抜く面接質問術50」です。
こちらでは、前半部分で
・会社と応募者との相性を知る
・応募者の対人能力を知る
・問題解決能力を知る
・協調性を知る
・志望動機を知る
など25のテーマについて、テスト形式でどのようなフレーズで
質問をするのが効果的かとその理由についての解説が書かれていて
とても参考になりました。
面接の前に「質問リスト」を考えたり、作ったりする時にリファレンス的に
使うのが良いかなと思います。

逆に「面接質問術50」では非言語情報に関しての視点がスッポリと
抜けていますので、今回の2冊を併せて読むことで、面接に関しての
スキルアップが多面的に図れると思います。

この手の「面接術」に関する本は企業の採用担当者とか人事担当者が
直接のメインターゲットだと思いますが、
これから面接を受ける人にとっても、面接官がどのような回答を
期待しているのかを知る良い教科書
になるのではないかと思います。
また、採用面接だけでなく、上司と部下とで面談をする場面も
会社の中では増えてきていると思います。
そうした面談の場にも面接術って有効なのではないでしょうか。

今日も最後まで読んでくださって、ありがとうございました。
タグ:面接術
posted by penguin-oyaji at 11:18 | Comment(5) | TrackBack(0) | 読書(人事・採用) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする