2019年05月27日

【経済】「キミのお金はどこに消えるのか」

キミ金

「キミのお金はどこに消えるのか」
井上純一:著
角川書店

主に日本の経済について描かれたエッセイコミックです。

私はこの本を読むまで知らなかったのですが、著者の井上純一さんはWEB発の「中国嫁日記」という中国から来た奥さま、月(ゆえ)さんとの日常を描いた4コマ漫画を描いていて書籍化されるくらい人気があるそうです。

この本も著者が先生役として月さんに経済のことについて色々と話すのですが、月さんの反応がとてもストレートというか、面白くて漫画としてもちゃんと成立しているのがすごいなと思いました。

例えば、この本は夫婦のこんな会話からスタートします。

著者「今日の中国工場の送金だけど・・・円が安くなっていてね・・・けっこう高くついちゃったよ」

月さん「円安になるとワタシたちのお金減りマスよね・・・減た分のワタシのお金、誰が取りマシタか?」

為替の話をしているわけですが、円安で目減りした分は「誰が取ったのか?」

さすがに、今までそんなこと考えたこともなかったですねぇ。。

「中国嫁日記」

【目次】

Amazonの内容紹介

少子高齢化、増税、終身雇用崩壊、弱者切り捨て...ホントにこの国大丈夫か?それより自分の将来大丈夫か?と不安なあなた。日本は「当面」大丈夫!お金が回ればもっと大丈夫!笑いながら経済のキモがわかる、本邦初のエッセイコミック。

日本の財政は大丈夫なのか

書店の経済書の棚を見ると「財政破綻」「国債暴落」「ハイパーインフレ」といたずらに不安を煽るようなことを書いた本が並んでいます。

テレビでも国の借金が1,000兆円を超えた!国民一人あたり800万円以上の借金を背負ってる!などと報じられていますね。

(正確には国の借金ではなく、日本政府の借金なんですけどね)

「日本が危ないかどうかは!!国債の長期利回りと物価を見よ!!!」

今(19年5月末)、日本の長期国債の利回りは-0.07%くらいです。

マイナス金利ということは・・・・国債を買ったときに支払う金額よりも戻ってくるお金の方が少ないということです。

ぶっちゃけ、利息が低い!と言われている銀行の定期預金だってスズメの涙くらいの利息は付いてきます。長期国債はそれ以下、というか買うと損をする。。。

なのに、売れている!!

※詳しく説明すれば、みんなが損をするのに買っている!というわけではないのですが。。

「利回りが低いのにそんなに欲しがる人がいるってことは・・・日本の国債は大人気だよ」

「つまり、貸したお金は戻ってくると皆信じてる・・・国債の利回りが低いってことは、日本が大丈夫ってこと」

少なくとも市場は日本が財政破綻する!国債が暴落する!というふうには見てないってことですね。

借金がお金を生む

・まずAさんが銀行に100万円預金します。

・銀行にBさんがやってきて「70万円」借りたいといって借金をします

・これで、100万円+70万円=170万円にお金が増えました

著者がこんな説明をすると、月さんが言いました。

「Aさんの100万円 銀行とBさんで分けただけデショ」

すごくノーマルな回答ですよね。普通はそう考えると思うんですよ。

でも、ちょっと考えてみてください。

まず、Aさんの100万円。それが銀行を通じて誰かに貸し出しをされてもAさんの通帳には100万円の残高がありますよね。

そして、Bさんの手元にも70万円ある。

そう、全体としてお金は170万円に増えたんですよ。

「誰かがお金を借りることで、お金の生まれる仕組みをー『信用創造』といいます」

「あなたの持っているお金は必ず誰かの借金です」

「借金がないとお金は生まれない。借金ってのは、相手が返してくれるっていう信用が成立させる」

この逆パターンが『信用収縮』。詳しくは本書を確認していただきたいのですが、この話しを読んでバブル崩壊後に銀行がやった「貸し剥がし」を思い出してしまいました。その結果、日本経済がどうなったかはご存知の通り。。

そして著者は言います。

「借金は悪どころか返す意思のある借金は世界に必要なものなの」

「借金てのはむやみに消しちゃダメなのよ・・・」

※もちろん、個人で身の丈に合わない借金はダメですよ。

緊縮財政

「財政健全化のためには増税と支出削減 国のために国民は痛みを引き受けるべき・・・そう言いだす人はある病気にかかっているのです。『豊かさはお金の形で貯め込めると思ってる病』だ

上の方で書いたとおり、今や日本政府の借金は1,000兆円!だから、財政を破綻させないために歳出を削減し、増税することが必要だ!

こう主張する政治家や財界人はたくさん!たくさん!たくさん!います。

著者はそういう人たちのことを「豊かさはお金の形で貯め込めると思ってる病」あるいは「財政緊縮病」だ!と言います。

増税する。そして集めた税金はなるべく使わない。そうすると何が起こるか?

世の中に出回るお金の量が減るので確実に景気が冷え込みます。

ものすごく物価が高騰しているときには、増税したり金融を引き締めることは必要だと言われています。

だけど、今の日本はデフレ(最近はほんの少し物価も上がりましたけど、少しだけね)。

今のデフレの日本で ー この『国民の痛みを伴う改革』ってのをやると ー かなりの確率で失敗します。しかも国民の痛みを伴った上で失敗します

デフレのときに必要なものは何か?月さんの言葉が沁みます

「国民に必要なのは 痛みじゃなくてお金デスヨ」

まとめ

信用創造、国際金融のトリレンマといった経済学の入門書でよく出てくる言葉やマルクス、ケインズといった経済学者も紙面に登場してきますが、この本は経済の本ではあっても経済学の本ではないと思います。

読後感として残るのは、デフレ、緊縮財政、消費増税、雇用といった今の日本が直面している経済関連の問題でした。

なぜ、20年もデフレが続いたのか?

なぜ、超就職氷河期世代(通称、ロスジェネ世代)が生まれたのか?

そういった問題に対して著者の叫びが紙面から伝わってくるようにも感じました。

私たち(1960年代生まれ)の世代は日本が経済成長し、バブルに踊った時期も若い頃に経験しています。

しかし、70年代以降に生まれた世代って人生の大半を日本が不況に陥った中で生きてきてると思うんですよね。

不景気?当たり前!

デフレ?当たり前!

経済成長しないのも当たり前!

これからは、少子高齢化で日本はどんどん落ちぶれていく・・・

テレビでは未来の子供たちに国の借金のツケを残すな!とエラいさんが言っていて、消費増税やむなし!と考えている人が割と多くいたりします。

そんなふうに日本経済に対してあまりポジティブになれない人にこそ、この本を手に取って欲しいと思います。

どうすれば日本は経済成長するのか?著者なりの回答もきっちり書かれていますよ。

【▼単行本】

【▼キンドル版】

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2009年08月06日

日本人が語り継いできた価値観・・・・「目に見えない資本主義」

目に見えない資本主義

Book-No.148


「目に見えない資本主義」


貨幣を超えた新たな経済の誕生

田坂広志 著


東洋経済新報社



今回の本も、和田裕美さんがブログとラジオ(Wada Cafe)で


取り上げられていたのがきっかけで、手に取った次第。

今まで和田さんがオススメしている本を何冊か読みましたが、


どれもハズレなし!共感できる内容のものばかりだったので、


今回も読むのが楽しみでした!


そして・・・期待通り素晴らしい1冊だと思います。


■この経済危機から学ぶもの

毎朝、テレビをつけると、CNNのニュースが流れ、


誰もが、こう語っている。


「この危機は、いつ終わるのか」と。


しかし、私は、これは問いの立て方が間違っていると思う。


我々が問うべきは、別な問いではないか。


「この危機は、我々を、どう変えるのか」


その問いをこそ問うべきであろう」(P13)

「100年に一度の・・・」も、


耳タコになってきつつありますが、


米国のサブプライム問題に端を発した


世界的な経済危機の中にあって、


いつになったら景気は回復するのだろう?というのは


ある意味、至極まっとうな問いではあると思うのです。


でも・・・ 


景気が回復した後に、そこにはどんな景色が見えるのでしょうね?


以前と同じ(行き過ぎた)市場原理主義の世の中なのか、 

それとも、新たな資本主義が生まれてくるのか。

この本の中で、その問いに対する答えを


田坂さんが弁証法の法則を用いて、導き出しています。

弁証法・・・・覚えてますか?


昔、学校で哲学だか倫理だかの授業で教えてもらったような・・・


(当然、私はすっかり記憶から飛んでいましたが、それが何か?

弁証法とは、世界の変化、発展、進化の法則を述べた哲学


(P39)・・・だそうです。


まぁ、これだけではナンのこっちゃ?だと思うのですが、


私も説明する自信がないので(汗)、


詳しくは本書をお読みくだされ。



で、途中をすっ飛ばして 

どういう答えが導き出されるかというと・・・



そして、これらのパラダイム転換の結果、これから、


「目に見えない価値」「目に見えない資本」を重視する


成熟した資本主義が生まれてくる。 

言葉を換えれば、「目に見えない資本主義」。

その新たな資本主義への進化が起こる。


しかし、この新たな資本主義において重視される価値観は、

不思議なことに、かつて「日本型資本主義」と「日本型経営」

大切にしてきた懐かしい価値観に他ならない 

(Amazonの商品紹介より抜粋)



つまり、私たち日本人が大切にしてきた仕事観、組織観


などの価値観が見直されて、そして発展していくといふうに 

結論付けられている訳です。



なぜ、そういう答えが出てくるかというと・・・ 



現在の経済危機の後の世界の経済秩序を考えるとき、


我々は、「自由競争の維持」と「政府規制の強化」という 

二つの方法だけでなく、「自己規律の促進」という第三の方法を


重視しなければならない。そして、そのためには、


まず企業や個人の倫理基準や行動規範の確立という方策を、


長期的な視点で、必ず進めていかなければならない」(P67)

この第三の方法「自己規律の促進」を進む際に、


かつての日本企業が大切していた価値観が


大いに役立つというのです。

ここまで、うまく伝わってますか?


(ちょっと自信ない。。。)


■日本人が大切にしてきたもの

人間の精神は、成熟するにつれ、「目に見えないもの」が


見えるようになってくる」(P99)

もし、そうであるなら、「企業経営の成熟」とは、何か。


これからの時代に求められる「資本主義の成熟」とは、何か。

それは、「目に見える価値」だけでなく、「目に見えない価値」を


見つめる経営が生まれてくることに他ならない。


そしえ、それは、「目に見える資本」だけでなく、


「目に見えない資本」を見つめる資本主義が生まれてくることに


他ならない」(P101)



ここでいう「目に見えない価値」=「目に見えない資本」


というものの中に私たち日本人が大切に守ってきた価値観が


多く含まれると 田坂さんは記しています。



具体的にいくつか抜き出してみると・・・ 



「「日本型経営」や「日本型資本主義」の歴史を


虚心に振り返るならば、 実は、そこには、遙か昔から


CSRの思想が確固として存在していたことに気がつく。 

例えば、渋沢栄一の「右手に算盤、左手に論語」という言葉。


例えば、住友の家訓「浮利を追わず」という言葉。


例えば、近江商人の「売り手よし、買い手よし、世間よし、


三方よし」という言葉」(P148)



「例えば、日本においは、「働く」(はたらく)とは、


「傍」(はた)を「楽」(らく)にすることの意味であると


語り継がれてきた」(P148)


「我が国においては、企業や個人が法令を遵守し、


倫理を守るのは、 「法律に反すると罰せられる」からではなく、


「たとえ法律で許されても、世間が許さない」という


「世間様」の文化が存在したからである」(P150) 



「日本企業においては、「社会的責任」とは、


単に「社会に対して、悪しきことをしない」という


消極的・受動的な意味ではない。


むしろ、社会的責任とは、「社会に対して、良きことを為す」


という積極的・能動的な意味に他ならない」(P157)


「お客さまは、我々の心を映す鏡である」


この言葉に象徴されるように、日本企業において、


「お客さま」とは、本来、「商品を売りつける相手」では


なかった。「お客さま」とは、商品の売買という「ご縁」に


よって巡り会った大切な方であり、そのお客さまという「鏡」に


映し出される自分の姿を見つめることによって、


成長させていただく」(P201)


うーん、いっぱいあり過ぎて、書ききれない!! 



利益至上主義だとか、(見せかけの)成果主義に押されて


いつの間にか忘れかけてしまっていた、昔から語り継がれてきた


こうした言葉が、今さらながら心に染みこんでくるような思いで


読みました。



私が尊敬する人の一人、小宮先生も、よく「考え方がだいじ」と


言われたり書かれたりしますが、それってまさしく、


こういう正しい考え方のことを指すのでしょうね。



■最後に・・・

これからの資本主義社会がこの本に書かれているようなものに


なるのかどうか、私には分かりません。


でも、「強欲な」と形容される行き過ぎた市場主義の社会で


あるよりも「目に見えない価値」を大切にする社会になった方が、


私には心地よいのではないかと思うのです。

また、この本ではこれからの資本主義がどのように進化するのか、


だけを読み取るのではなく、後半に書かれているような


私たち日本人が大事に語り継いできた価値観って何だったのか


改めて見つめなおすのに、良いきっかけになるのではないかと


思います。

今日は抜粋だらけの記事になってしまいましたが、


(私らしくないですね・・・)


どうぞ、ご勘弁を!

では、このへんで。


今日も、ありがとうございました。

【▼kindle版】

posted by penguin-oyaji at 22:47 | Comment(0) | TrackBack(0) | 経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年07月17日

今さらながら日経新聞に再入門!


Book-No.142
「渋井真帆の日経新聞読みこなし隊」

渋井真帆 著
日本経済新聞出版社


Book-No.143
「記事トレ!日経新聞で鍛えるビジュアル思考力」

板垣悟 著
日本経済新聞出版社

ビジネスパーソンであれば、きっと多くの人が
「日本経済新聞」は読んでいると思います。

が・・・

お恥ずかしながら、私はつい5年前までは
殆ど読んでいませんでした(汗)

実は前の会社で昇格した時に、
さすがにマズイ!」と焦って読み始めたしだいで・・・

さらに・・・

ずっと長い間、駅売りを買って済ませていたんですね。

今年の春先に小宮先生のセミナーに通うようになって
ようやく定期購読に切り替えたという・・・

まぁ、何とも頼りないというか、
やる気あんのか?!状態な訳です。

で、

40過ぎのおっさんですが、
今さらながら「日経新聞」に再入門です。

■基本として押さえるべきポイント

先ずは「読みこなし隊」の方から・・・

「「ヨコ読み」実践に欠かせないのは、『3つのマルを意識する』ことです。
(中略)
「3つのマル」とは「国・企業・個人」の経済活動の
3つの主体のことです」
(P24)

次に「ビジュアル思考力」では・・・

「新聞記者は5W1H、つまりいつ、どこで、誰が、何を、なぜ、
どのように、という視点で記事を書く。
でもビジネスパーソンにとって大事なのは3W1H。
誰が(Who)、誰に(Whom)、何を(What)、
いくらで(How much)だ」
(P23)

「ビジネスでは、モノやサービスを提供する「企業」、
それを受けるほかの「企業」や「個人」、ときには提携する
別の「企業」などのプレイヤー(ヒト)が登場し、
そのプレイヤー間をモノ・サービスとカネが行き交う。
こうした「ヒト・モノ・カネの関係性」は、言い換えれば
「ビジネスモデル」です。」
(P29)

まとめてみると・・・
日経新聞はやはり「経済」の新聞ですから、

・ヒト・モノ・カネに着目する

・記事の主体(国、企業、個人)が誰で、どうつながっているか?

・モノとカネの流れがどうなっているのか

この3点は基本として押さえておかないといけないポイントですね。

■書かれていないことが重要?!

「読みこなし隊」では・・・

「「ヨコ読み」とは、記事の中にパズルピースのように
ちりばめられている「断片的な情報」を関連付けて、
組み立て、経済ドラマを読み取っていくということです」
(P19)

「ビジュアル思考力」の方では・・・

「「2つのアタマ」、それは「経営者アタマ」と「消費者アタマ」です。
記事は、漠然と読んでいる限り、あくまで「他人事」。
それを「自分だったら」と置き換え、「自分事」として
2つの視点で考えてみる」
(P31)

微妙に違う事を言っているようですが、
根っこは同じで、要は記事をつなぎ合わせて、
何が起きているのか企業側、消費者側など複数の視点で
立体的に自分で情報を再構築する
・・・ということでしょうか。

つまり
新聞を読みながらも、記事に書かれていない部分を
自分自身でどう推察するかが大事だと思うのです。

「ビジュアル思考力」の中に「リーディングピラミッド」という話が
書かれていて、要旨は以下のような感じです。

・レベル1:「理解」=Fact(事実)を知る
・レベル2:「会話」=Opinion(意見)を持つ
・レベル3:「発想」=Ideaを生む

記事に書いてあることを、そのまま事実として知っていても
独自の価値はありませんよね。
誰でも知っている話なのですから・・・

もっとも以前の私のように、新聞も読まないのは
ある意味、論外だったりするのですが・・・(汗)

ただ、このブログでも時々書いていますが、
マスコミがいう事は必ずしも真実ではない、という可能性があります。
事実、日経新聞であれば「経済」というフィルターを通して
記事が編集されているのですから。

だからこそ、新聞から得た情報を基に
自分なりに記事をつなぎ合わせたり、自分の視点や第三者の視点を
取り入れながら、自分の「意見」、格好よく言うと「見立て」が
持てるようにならないといけない、ということだと思います。

つまり・・・

「重要な情報をすくい上げ、「多面的・多角的視点」から考察して
環境を大まかにでも正確に認識することが、
不確実さが増すこの社会で自分の満足いく人生を手に入れ、
生き抜いていく必要条件になると思います」
(「読みこなし隊」P58より抜粋)

■マクロか?ミクロか?

同じ日経新聞を題材にしていますが、この二冊のアプローチは
けっこう違うんですよ。

ザックリ言うと
「読みこなし隊」は、どちらかというと「マクロ経済」寄り
対して「ビジュアル思考力」は、ビジネスの実践で役立つように
「企業活動」寄りの視点で記事が書かれています。

ところで突然ですが・・・

何のために新聞を読んでますか?

私は正直、新聞を読む目的なんて考えた事もありません!
何となく、「読むべきものだ」という既成概念に
ドップリと浸かってますから(笑)

新聞を隅から隅まで、すべての記事を読んでいる人って
そうそういないと思います。
ということは、意識、無意識は別にして
人それぞれ、自分の関心に合わせて記事を拾っていることに
なりますよね。

世界経済の流れとか、日本経済の現状というような
マクロの視点を知りたい時と

個々の企業の活動や新ビジネス、新商品について
情報を集めたい時とでは、

おのずと読むべきポイントが違ってきますよね。

漠然と紙面を読むのではなくて、
自分が知りたい情報を意識してポイントを変えながら読むのも
読みこなすための一つのやり方だと感じました。

もっとも、朝刊なんて読む時間帯が
眼をこすりながら、あくびをしているような時間帯ですから
先ずは、しっかり目覚める事の方が大切かも>自分

■ちなに新聞初心者であれば・・・


コチラの本では、就活の学生さん向けに
日経新聞の基本から解説してくれているので、
これから日経を読もうというのであれば
先ずは、この本から読むのもアリだと思います。


(補足)

私が読んだ「読みこなし隊」は05年に書かれたものなので、

記事の中でライブドアや村上ファンドが大活躍(?)しているのですが、

今は改定された新版が出ていますので、もしも読まれるのでしたら

そちらの方が良いかと思います。。


では、このへんで。
今日もありがとうございました。

【▼単行本】

タグ:渋井真帆
posted by penguin-oyaji at 01:36 | Comment(4) | TrackBack(0) | 経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年12月15日

サキヨミに見る資本主義の暴走・・・

暴走する資本主義
暴走する資本主義

Book-No,88


「暴走する資本主義」

ロバート・B・ライシュ 著


雨宮 寛 / 今井 章子 訳


東洋経済新報社



昨日(12月4日)は・・・


ご存知の通り、赤穂浪士の討ち入りの日であり、


勝間和代さんの誕生日の日でもあり、


フジテレビ「サキヨミ」でChabo!の活動報告のVTRが


放映された日でもあります。

「サキヨミ」見ましたとも!(録画だけど・・・)

Chabo!を仕掛けられた勝間さんもスゴイと思いますし、


何よりも遠い異国の地で、苦労しながらも地道にコツコツと


活動を続けていらっしゃるJENのスタッフの皆さんには


頭が下がる思いです。

話は突然変わりますが・・・

「サキヨミ」の冒頭部分で、派遣切りの話しが取り上げられて


いましたよね。(見た?)

概要を簡単にまとめると、以下の通り。

・日本の派遣人口が急増したのは、2004年から


・当初は専門職に限定されていた派遣先が、2004年の法改正で


製造業への派遣が解禁されたのが主な要因


・2004年の法改正の背景として、経団連が2002年にまとめた


「規制改革要望」の中で、派遣対象業務の拡大を政府に提言をしたこと


・そもそも企業が派遣労働者を受け入れる目的は(1)低賃金労働者の活用


(2)(不況時などの)雇用調整の二つ。


・現在の派遣切りを2004年の法改正時点で予見できたのではないか

と、まぁこんな内容でした。

私、これを見ながら「暴走する資本主義」というこの本の事を思い出していました。

■超資本主義(スーパーキャピタリズム)

過去数十年の間、資本主義は私たちから市民としての力を奪い、


もっぱら消費者や投資家としての力を強化することに向けられてきたということで


ある」(P6)

例えば、私たちは一人の「消費者」としてお店で生活に必要な物や欲しい物を


お金を出して買いますね。


もちろん、値段は安ければ安いほど良い訳で・・・


しかし反面で、企業に勤める「労働者」として考えるとどうでしょう?


自分たちが作ったものは、出来るだけ高く買って貰いたいと考えませんか?

デフレスパイラルの中、私は小売店舗で働いていましたので、


この矛盾は肌で感じていました。


安くしないと売れない!」でも、そうすると売上単価が下がりますし、


粗利額も減りますので、売上・利益の確保がものすごくキツかったのです。

しかし、競争が激しくなればなるほど、「消費者」側の方が力を持つように


なりますから、企業側(労働者)の負担は高まる一方になります。

また、本来は民主主義の主役である「市民」としての私たちの考えや意思は


政府の政策に、きちんと反映されているでしょうか?

ご存知のように、各政党には支持団体というものがあって、


そこに政党と団体との利害関係が発生してしまいます。


さらに力を付けた企業は、自分たちの企業活動が有利となるよう


政治家に働き掛けるロビー活動を展開するようになりました。


そうなると、政策も市民の意見ではなく、企業や利益代表団体に偏ったものに


なってしまうという弊害が生まれます。

また、企業は投資家の利益が最大化することに目を向けるようになり、


人件費を含めたコストの抑制に走るようになる・・・

つまり、資本主義が力を付ければつけるほど、民主主義の良さが失われていく


結果として、格差問題や環境問題などを引き起こしてしまう、という問題点が


本書の中では数々の事例をあげながら、指摘されているのです。

ものすごーく、単純にまとめると本書の要旨はこんな感じなると思います。

■日本で起きている現実


さて、「サキヨミ」の話に戻ります。

先ず派遣労働法が改正された2004年の時代背景ですが、


バブル崩壊後の不景気に日本全体が喘いでいて、それでも少し回復の兆しが


見えてきた頃ですね。


で、小泉政権が着々と規制緩和路線をひた走っていた頃でもあります。


雇用問題としては、就職氷河期の末期に当たり、一時ほどではないにしても


大学生の就職活動ではまだまだ苦労を強いられていたような時期でもあります。

こうした時代の流れの中で経団連が政府に対して、派遣対象業務の拡大を


提言していたというのは、本書の中で描かれているように企業活動が


有利となるよう企業が様々なロビー活動を展開していた話と、ダブって見えます。

「サキヨミ」の中では、将来的に問題が露見する事が分かっていながら


法案を成立させてしまった政府に対する批判があったように思いますが、


私、個人的には政府だけの問題ではないと思っています。

法律には「整備」と「運用」という二面性が必ずあって、


この問題に関しての私の意見としては、

整備面」でいうと、経団連の目論見をどれだけ当時の政府が配慮したのか


分かりませんが、ある意味では、本書の中で指摘されているように


市民の意見ではなく、企業の見方になって法整備をしてしまった点に


一つ、問題があるように思います。

運用面」で考えると、これは当初の企業側の目論見どおりに不景気なった際に


立場の弱い派遣従業員の解雇に走るという企業側の誤った運用が目につきます。

つまり、力を持った企業が政府を動かし、自分たちの都合の良い法整備を進め、


自分たちの利益、投資家の利益を守るために、その法律を都合の良いように


振り回している・・・というふうにしか私には見えないのです。

ちなみに、その法改正を働き掛けたと言われている経団連に関しては


大前先生が著書の中で、こんな記述を残されています。

経済のパイを拡げる提案ではなく、加減乗除で辻褄合わせしかできない


経団連という組織は、政党の応援団みないなものに堕している。


世界広しといえども、増税、特に消費税増税を提案する経済団体など


見たことがない


(「サラリーマン「再起動」マニュアル」大前研一 著 P86より抜粋)



まさに本書の中で描かれている「超資本主義」の一片が、今の日本に


見て取れると感じています。



政府、企業、投資家・・・・誰が悪いと言うよりは


勝間さんが指摘されているように、アメリカ型の資本主義という


「制度」自体が疲弊しえきているのでしょうか?

だからこそポスト資本主義を模索する・・・と勝間さんも行動していますしね。



■ついでに・・・三毒追放なんて言ってられない!

今、派遣切りと並んで問題になっているのが来年4月に入社予定だった


大学生に対する「内定取消し問題」!


全国で300名以上の学生が内定取消しの憂き目にあっているという調査結果が


出ていますね。

勝間さん推奨の「三毒追放」(妬まない、怒らない、愚痴らない)を心掛けている


私ですが、この「内定取消し」のニュースを聞く度に、怒りが沸々と沸いてきます。

本当にひどい対応ですよ!


不思議でならないのですが・・・


派遣契約の打ち切りをした企業は自分で公表もするし、マスコミでも社名付きで


報道されるじゃないですか。


なのに、内定取消し問題についてはあまり社名が報道されることがないですよね。


内定取消しって、立派な(?)違法行為なのに・・・

若者の人生をどれだけ、弄べば気が済むのでしょうか・・・?


この国の企業は・・・


同じ採用業務に携わる一人として、どーしても許せない!

ゴメンなさい、こんな個人的な感情をむき出しにして・・・


こんな事読むために、このブログに来て下さっている訳じゃないですよね。

でも、どうしても自分の意見として書いておきたかった・・・

私は怒ってばかりですが・・・


「はじめての課長の教科書」などの著者である酒井穣さんが


この内定取消し問題についても明るく前向きな提言をご自身のブログに


書かれていますので、良かったら読んでみて下さい。

軸を増やす苦しみと、内定取り消しについて



私も次からはもう少し明るい事を書きたいとおもいますm(_ _)m

今日も、ありがとうございました。

【▼単行本】
posted by penguin-oyaji at 22:55 | Comment(4) | TrackBack(0) | 経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする