2008年04月15日

現場の「リアル」が伝わってくる会計本

Book-No.16

「財務3表のつながり」で見えてくる会計の勘所

國貞克則 著

ダイヤモンド社

(ISBN : 978-4-478-00297-1)


「貸借対照表」に「損益計算書」そして

「キャッシュフロー計算書」いわゆる”財務3表”と言われるものですね。

ただでさえ数字が苦手な私にとっては、こいつらは(!)

絶対に近づきたくないモノ、ベスト3に確実にランクインするような

存在のものです。


しかし、ココ数年間の私の仕事は「損益計算書」をベースに

いかにして良い実績を上げるか、つまり、いかにして利益をあげるか、

と云う事に、ひたすら追い掛けられていたような状態でした。


そのおかげで(?)、損益計算書だけは見方とか、読み方は

何となく理解はしていました。

しかし、貸借対照表は10年くらい前に簿記検定の勉強をしていた時以来、

すっかりご無沙汰でしたし、キャッシュフロー計算書に至っては

チンプンカンプン!全然、分かりません!


こんなヤツが、よくも会社の役員をやっていたもんだと、

我ながらお恥ずかしい限りです。

そして本書を読み終えて、本当に自分の愚かさを痛切に感じたのです。


《Penguin's Eye》

「貸借対照表(BS)」「損益計算書(PL)」「キャッシュフロー計算書(CS)」の

 三つの財務諸表は”つながっている”

会社は「お金を集めて」「何かに投資し」「利益を上げる」という

 三つの活動をしていて、この活動を財務3表を使って説明している

上記の2点を基本としながら、例えば「買掛で商品200万円分を仕入れて、

400万円分を売掛で販売すると、財務3表のどこが動くのか、と云う事を

分かりやすく解説してくれています。


会社が倒産するのは、赤字になるからではありません。キャッシュが

回らなくなるからです」(P147)

そうなんですよねぇ。赤字が続いても、キャッシュが回っているうちは

会社って倒産しないんですよね。裏を返せば、黒字でも(儲かっていても)

キャッシュがなくなると、倒産する(可能性がある)と云う事です。


私が在籍している会社は、事業売却するくらいですから、業績は当然あまり

良くありません!

年に何回かは財務(資金繰り)を担当している役員から、キャッシュが

足りないから、在庫を換金するような指示が飛んできました。


当り前の話ですが、私が一生懸命に見ていた「損益計算書」には

現金の動きは反映されていません。

例え、経常利益:1億円であっても、手元にキャッシュが有るとは限らない

と云う事です。


会社のキャッシュの状況を知る為には「損益計算書」ではなく、

「貸借対照表」か「キャッシュフロー計算書」を見なくては分かりません。


上の方で「自分の愚かさを痛切に感じた」と書いたのは、まさにこの点です。

役員と云う経営側に居ながら、「利益(経常利益)」という一つの物差しで

しか会社を見ていなかったと云う事です。


事業という観点では「売上」と「利益」だけでなく、「投資」と

「リターン」という2つの単語がキーワードになります。投資とリターンの

関係である経営効率をどう上げていくかという観点に立てば、BSを見ながら、

経営をする必要があります」(P142)

先に書いたように、経営は「儲かっていれば良い」と云う単純なものでは

ないのです。 

自社の借入がどれくらいあるのか、それによって支払利息はどれくらい発生して

いるのか、これらの事は「損益計算書」ではなく、「貸借対照表」を見ないと

分かりません!

自分のブログでグッチても仕方ないのですが・・・

「売上」「利益」という物差しでしか考えられない経営者は、片目、片足で

行動しているのと同じだと、本書を読んでつくづく反省しました。


《Impression》

著者の國貞氏は経営コンサルタントとして活躍されている方なのですが、

中小企業の再建と云う事にも携わっているとの事で、本書の中にも

以下のような記述が有ります。

ローンの支払ができなくなったからといって、夜逃げなどする必要は

ありません。(中略)会社も同じです。借入金が返済できなくなったからと

いって自殺する必要などまったくありません。」(P156)

この文章を読んだ時に、著者が立ち会ってきた中小企業再建の現場が

どれほど、大変なものであったのかを考えずにはいられませんでした。


会社の第一の目的は利益を上げることではありません。会社と仕事を

通して、お客様や取引先や従業員など会社に関係のある人を幸せにする

ことこそが会社の使命です」(P163)

会計の本ですが、こうした言葉が所々に書かれている点に

理論や理屈だけでない、現場のリアルさが感じられました。


「損益計算書」とか「貸借対照表」と云う言葉にアレルギーを

感じている人にこそ読んで貰いたい1冊です。

【▼単行本】



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2008年03月30日

言行不一致の”痛い”タイトル


Book-No.10「iPodをつくった男」

著者:大谷和利

アスキー新書

(ISBN : 978-4-7561-5096-7)


「ウーム、困った!」と思いました。


このブログに本書の事を書いたものか、どうか・・・


でも書いてしまいます!


困ったと思ったのは、タイトルと中身が基本的に一致していない

感じたからです。


タイトル「iPodをつくった男」

サブタイトル「スティーブ・ジョブズの現場介入型ビジネス」

折り返し「iPodで快進撃を続けるアップル社の強みは一体どこにあるのか?

     ビジネスマン必読の一冊!」


前にも書きましたが、私は長年のMac愛用者ですので、この手の本は

よく中身も確認せずに、カバーとタイトルだけで買ってしまいます・・・


タイトルの「iPodをつくった男」 = スティーブ・ジョブズと云う事に

なるかと思います。

(ちなみに、ご存知ないかたへ・・・スティーブ・ジョブズと云うのは

米国アップル社の創業者であり、現在CEOを務めている方です)

続くサブタイトルで「現場介入型ビジネス」と謳っている訳ですから、

普通に考えれば、

いかにしてスティーブ・ジョブズが現場に介入しながら(首を突っ込みながら)、

iPodを創り出したのか・・・と云う内容を期待してしまうと思うのです。


し・か・し・・・

もちろん、iPod開発秘話みたいな内容も盛り込まれているのですが、

書いてある中身が薄い、と云うか散漫です。

以下、なぜ私がそう感じるのかを書きたいと思います。


1.iPodの話だけでなく、アップル社の歴史的なエピソードとか多岐に

  わたった内容になっていて焦点が絞り切れていない。

2.筆者の推測で結論をまとめてしまっている点がいくつかあり、検証がなされていない

3.視点がアップル社サイドに偏りすぎている

4.そこそこのMac・ファンというかアップル社に関心を持っている人なら

  誰でも知っているようなエピーソードばかりで新たな話題(ネタ)の提供が無い


概ね私が本書に感じる不満点は上記の4点です。


では、先ず目次から本書の内容を検証してみたいと思います。


第1章 スティーブ・ジョブズという男について

(ここは、タイトル通り主役のジョブズについての分析ですので、妥当なオープニングだと

思います)

第2章 アップル社の経営方針

(ジュブズに続いて、その当人が率いるアップル社についての解説ですから、これも妥当)

第3章 デザインの重要性

(まぁ、アップル社の経営基軸の中にデザインに対する強いこだわりがありますので、これも

良いかと思います)

第4章 キャッチコピーから見るアップル社

(この辺から何だか怪しくなってきます。iPodともジョブズとも関係のない話が結構、多く

書かれています)

第5章 同じ過ちは繰り返さない

(アップル社が過去に犯した数々の経営的な失敗を上げ連ねています、何でこんな事を

書く必要があるのか・・・?)


もうとにかく、アップル社、ジョブズにまつわる数々のエピソードを取り上げているのですが、

200ページ弱の新書にこれだけの内容を押し込める訳ですから、一つ一つに関する記述は

どうしても薄くなってしまい、結果的に焦点の定まらない”ごった煮”状態になってしまっていると

感じるのです。


それから推測が多いと云うのは・・・

本書の第2章に「裏プロジェクトの重要性」という件があります。

その中でiPodが異例とも言える短期間での開発スピードで発売された事を受けて

「密かに、個人もしくは小さなグループレベルでこうした携帯デバイスの研究をしていた

エンジニアが社内にいたのではないかと推測される。」(P62)

続く段落の結末では

「世界的なトレンドを睨んで携帯音楽プレーヤーをテーマにした試作が行われていた可能性も

なきにしもあらずだ。」と締めくくり、最後には

「アップル社では、無意識のうちにそうした仕組みが社内にできあがり、自己防衛的に機能して

いるとすら思えるのである」と結論づけている。


推測される」「なきにしもあらずだ」「思えるのである」推論に推論を重ねて推論としての結論を

導く、というのは、如何なものか・・・


何だか、悪口ばかりになってしまうので、もうやめます。


出来れば、iPodやスティーブ・ジョブズにまとを絞って、内容を”濃く”するか、

「アップル・ファン! 〜話題のiPodやiMacを創り出したアップル社のエピソード〜」

なんていうタイトルにして頂きたいと思うのでした。

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2008年03月27日

成功の鍵を開けるのは・・・

Book-No.9「成功のコンセプト」

三木谷浩史・著 

幻冬社

(ISBN : 978-4-344-01392-6)


「来たっ!」もしくは「キター!」って感じです。

著者は、楽天の三木谷社長です。

三木谷社長自身が書かれた本って、殆ど無いと思いますので、

本書はまさに「来たっ!」って感じです。


そんな事を書きつつ・・・私自身、楽天のサービスって

あまり使っていませんm( . . )m


ところで、成功のコンセプトとは、本書の帯にも書かれていますが

1.常に改善、常に前進

2.Professionalismの徹底

3.仮説→実行→検証→仕組化

4.顧客満足の最大化

5.スピード!!スピード!!スピード!!

の五つのコンセプトの事です.

これは、本書の為・・・ではなく、楽天の社内でポスターとして

掲げられていたり、社員証の裏にも記されているとの事。


一通り読んでの私自身の感想ですが、

誤解を恐れずに書けば

「特別な事は何一つ書かれていない!」

という、一言に尽きると思います。


「日々、改善を続ける限り、人は日々前進する事ができる」(P16)


「ビジネスで成功するかどうかの鍵は、結局のところ、仕事を人生最大の遊びに

できるかどうかだ」(P65)


「人は誰のためでもなく、自分の喜びのために仕事をすべきだ」(P78)


「困難な目標に立ち向かい、その目標を達成した喜びが人を本当の意味での

プロフェッショナルにするのだと思う」(P89)


「面白い仕事があるわけではない。

仕事を面白くする人間がいるだけなのだ」(P98)


などなど・・・名言が数多く記されていて、それを読むだけでも

パワーを感じる事が出来ると思います。

しかし、「改善」「仮説」「スピード」どれをとっても三木谷社長が最初に

言った訳でもないし、既に多くの人が色々な著作に書かれているような事です。

目新しさは感じません。


では、何故そんなに目新しくもないコンセプトを掲げている楽天、三木谷社長が

成功をおさめているのか?

私なりに三つの仮説を考えてみました。


1:コンセプトの徹底度合いがすごいに違いない

2:ビジョンが明確に示されている

3:ブレない


順番に説明したいと思います。

1:コンセプトの徹底度合いがすごいに違いない

コンセプトはビジネスの現場では「実行」されなければ、意味がありません。

どんなに凄いコンセプトを考えても、実行されなければ単なる「絵モチ」です。

例えば、「改善をしよう!」「改善を継続しよう」そんな事、当り前じゃん!って

頭では理解をしている人は多くいると思います。

しかし、ビジネスの”現場”で実践できている人、徹底してやっている人となると

割と少ないのではないでしょうか。

「知っている事」と「出来る事」は違う、とは私がよく新人研修の時に話すネタなのですが、

要は”具現化力”が優れているのではないかと思うのです。


それと、その具現化する際に「そこまでやるか?!」と云う場面が数多くあるのでは

ないかとも思います。

例えば「スピード」についてのですが、本書の中でこんな事が書かれています。

「本当にやらなければならないことだけ残して行程を再構成すると、3ヶ月の目標なら、

たいてい1週間ぐらいでできてしまうことが多い」(P192)

担当者が3ヶ月掛かりますと言ってもってきたのものを「1週間でやれ!」と言うのですから

普通に考えればメチャクチャです!

まさに「そこまでやるか?!」だと思うのです。


2:ビジョンが明確に示されている

以前、会社で当時の部下から

「会社の方向性が見えない!自分たちは何をすれば良いのですか!」と

詰め寄られた事があります。

目指すべき目的地が決められていなければ、どちらの方向に向かって走っていけばよいのか

分かりません。会社全体として、何を目指すのかと云う事はやはりトップが全体に向けて

きちんと示さないといけない事の一つだと思います。


「インターネットを人類の幸福に役立つ道具へと進化させるのが、僕たちの使命なのだ」

(P161)

人類の幸福に役立つ道具って何だよ?とツッコミも入れられると思いますが、

各論はともかく、大きな方向性を示しておく事で組織は大きな力を発揮できるようになるのでは

ないでしょうか。

加えて、ココの人がそのビジョンに共感できれば、組織として大きなパワーを生み出す源に

なると思うのです。


3:ブレない

「ビジョンが明確」になり、それが「ブレない」と、そこで働く人たちは、とても働きやすいのでは

ないかと思います。

「中心軸がずれたコマが安定して回らないように、根元のところにブレがあるビジネスは

長続きしない」(P142)

と三木谷社長自身が本書の中でも書かれています。

変化の激しい時代ですから「朝令暮改」もアリだと私は思うのですが、根本のところがブレてしまうと

モチベーションが保たれない、と言うか継続して力を発揮できなくなると思うのです。


・・・と、勝手に私なりの楽天成長の要因を仮説として考えてみた訳です。


エーッと少し長くなっていますが、あと二点ほど書きたい事がありますので・・・


本書を読んでいて、二人ほど頭の中に浮かんだ人物がいます。

一人目は小泉純一郎元首相です。


・分かりやすい表現

・ブレない


この二点が三木谷社長との共通点だと思うのです。

本書は本当に難しい言葉も無く、読んでいて分かりやすく書かれています。

小泉元首相も短いフレーズで名言を多く残した人だと思います。

「痛みに耐えて良く頑張った!感動した!」とか

「私が自民党をぶっ壊します!」など。

人に物事を話したり、説明するのに”分かりにくい”のは致命傷です。

難しい事を誰にでも分かるように簡単に説明が出来る人が本当に頭の良い人、なんて事を

よく耳にしますよね。

分かりやすく話す事で多くの人から”共感”も得られやすくなるとおもうので、

こうして点で、小泉元首相と三木谷社長のお二人はどこか似ていると思うのです。


もう一人はワタミの渡邉社長です。


・実現するのが困難とも思える「目標」を持って

・何が何でも実現させるパワーをもって行動する


この二点において、二人は”同類”と思うのです。同じニオイがします(笑)

「もう少しラクに生きても良いじゃないか」と思ってしまったりするのですが(私)

二人は、そうしない。あくまでも自分の”夢”に向かって”熱く”行動するのです。

そのパワーはどうやったら湧いて来るのか?これもある意味、才能なのでしょうか?


最後に<共感点>

「理念などなくても、短期的中期的には大きな利益をあげることができるかもしれない。

けれど、正しい理念がなければ、長期的な繁栄は絶対に望めないのだ」(P140)

まったく、その通りだと思います!!

同感!

【▼単行本】

【▼文庫本】
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2008年03月19日

「会社は頭から腐る」その3


今回も「会社は頭から腐る」の続きです。

前回みたいな書き方をしていると、いつまで経っても話が終わらなくなってしまいます

ので、今回はこの本から私が受けた感想を3項目に分けて、書き進めたいと思います。



1.海に沈む人を助ける

        「大事なのは人材である。そうして、人材が持つ技術であり、ノウハウであり、

        その人材のやる気や意欲が大切なのだ」


        「優勝劣敗から淘汰、再編、廃業となっても、実はその人材や技術やノウハウと

        いった資産を使いたいという会社は必ずある。それが整理され、再生されれば、

        また成長に向かうことが可能になる。」


        著者の富山氏は、業績不振から倒産の危機に瀕している企業を北大西洋に

        沈んでいくタイタニックに例え、その企業で働いているスタッフを沈み行く

        タイタニックから助けると云う表現を本書の中で度々、書いているのです。

        産業再生機構の役割の一つとして、そうした沈み行く人たちを助ける

        「社会的ボート」と例えて記述もしています。

        日経に書かれていた「会社をつぶしても事業は残し、雇用は守る」と云う

        フレーズはまさに、こうした富山氏の理念を表したフレーズだったのですね.

        

        こうした理念は先に書いたように、富山氏が”現場”を重要視し、

        その現場のパワーこそがその企業、引いては日本経済を支えていると

        考えているからだと思います。


        そして富山氏はこうして助け出す人たちに対してM&Aによる人的資源の

        再配置を提案している。少し長いが引用します。


        「事業の価値は、実際は事業体としての有機的集団に付着している。

        その意味で、事業単位で行われるM&AやMBOは、むしろ日本人の精神風土に

        マッチし、かつ経済的にも極めて合理的な人的資源の再配置の方法なのである。

         とりわけ、このケースで助けられるのが、下部構造にいる人たちだ。

        M&Aにおいて求められるのは、通常は現場人材だからである。」


        時々、M&Aは日本には馴染まない、と云うような意見を目にしたりしますが、

        富山氏はこれとは全く反対の立場に立って意見を書かれています。

        M&Aと一言で言っても、その中身は種々ですから一概には語れないとは

        思いますが、私も富山氏と同意見です。


        ”現場”が例え優秀であっても、経営陣の無為無策で企業が危機に瀕する事は

        ある訳ですから、より以上に良い環境で活躍できる環境に”集団で”移っていく事は、

        本人達にも社会にとっても良い事だと思うのです。

        それに、今の日本の転職市場を見ていて感じるのは、個人で転職するのは

        何だかんだ言っても非常に大変です。

        時には、ミスマッチとなり不幸な環境に身を投じてしまう人だっています。

        それに例え良い職場に巡り会ったにしても、そこでは新人。

        また一から出直しとなるので、戦力として活躍するまで、時間が掛かるし、

        本人や周囲の負担も大変なものです。

        それであれば、頭をすげ替え、慣れた環境、慣れた人間関係の中で仕事を

        継続していく方が良いのではないでしょうか。

        

2.企業のガバナンスに付いて

        富山氏は企業の経営危機、不祥事を予防する為の一つの手段として

        ”ガバナンス構造の見直し”を訴えています。

                

        私には「ガバナンス=企業統治」という言葉の定義以上の知識は、

        この本を読むまでありませんでした。


        日本のカイシャはゲマインシャフト(共同体)的というのが、

        富山氏の基本認識なのですが、ゲマインシャフト的である事から、

        ・調和重視 → 内向き思考 → 内部調和重視 → 内輪の規範に従う

        と云う問題点を挙げています。

        だからこそ、外部規律としてのガバナンス機構が重要という考えです。


        確かに産業再生機構はガバナンス機構として強力な役割を果たし、

        企業再生を果たした実績があります。

        では、その他の企業ではどうか。誰がガバナンスを担うのか。

        株主?銀行?そもそも(今の)経営者がガバナンスを真剣に考えるのか?

        

        「(産業再生機構では)100以上の会社のデュー・デリジェンスをし、

        処方箋を書きましたが、その処方箋について銀行と対象企業の経営者の両方から

        承諾をいただけたのが、41件しかなかったのです。

        いちばん多かったのが、経営者自身が支援の依頼を取り下げたケースでした。

        どうして会社が窮地に陥ったのかを顧みることなく、経営者は自らのポジションに

        文字通り”すがりついた”のです。」(プロローグより)


        ガバナンスについては、もう少し勉強します・・・・。

        

3.強いリーダーの育成

        更に富山氏は現在のリーダーの育成についても疑問を投げかけます。

        旧来の日本型システムのように序列順送りで社長になったような人に

        ”経営”が出来るのか。

        東大を出たようなエリート層に”経営”が出来るのか。

        こう、問題を指摘しているのです。


        先ず序列順送りで経営者になってしまった人。

        経営は戦いですから、賛成者が多い事をやるのではなく、正しい事を

        やらなければなりません。

        しかし、ゲマインシャフト的ムラ社会の中で予定調和的に

        経営者になってしまった人は周囲との摩擦を避けようとするインセンティブが働き、

        どうしても賛成者が多い事を選択したり、

        あるいは社内調整的な事をして結論を出してしまう。

        そんな事で正しい経営が出来るのか、という訳です。


        それに東大出身のエリート層。

        (実は著者の富山氏も東大法学部卒業なのですが・・・)

        試験で点数を取るための勉強は、経営では何の役にも立たない、

        とバッサリ断裁します。

        試験問題の回答を考える時、自ら考えるのではなく、出題者の意図をどれだけ

        汲み取るかを考えた方が良い点数を取りやすい、といいます。

        そうした教育を受けてきた人間に”ガチンコ勝負”の経営は出来ない、

        何故なら、試験問題を解くのに、クリエイティブな要素はないが経営には

        創造性が求められる。出題者の意図を汲み取る事が得意でも、自ら判断を下す事が

        得意とは限らない、というのが富山氏の考えです。


        では、これからのリーダーを育成する為にはどうすれば良いのか。

        この問いに対して富山氏は提言します。

        若いエリート予備軍を”ガチンコ勝負”の現場に出して、負け戦を経験させる。

        その中でストレス耐性や胆力を養う、失敗から学ばせる事が必要だと。

        リアルな現場を知らない者は経営を語ってはいけない、と言い切ります。


        ここからは私自身の意見なのですが・・・

        富山氏も本文の中で書かれているように、経営と云うのは本当に過酷だと思っています。

        中小企業ではありますが、一時期、取締役と云う形で経営側に身を置いていて、

        それは強く感じました。

        本当に”覚悟”みたいなものが無いと、とてもではないが、務まらないように思います。

        

        産業再生機構が手掛けたカネボウ化粧品では41歳の社長(知識賢治氏)を

        誕生させています。

        たまたま先日、「カンブリア宮殿」にその知識社長が出演されているのを

        観たのですが、やはり”覚悟”が違います。

        いち社員がある日、社長室に呼ばれて、そこでいきなり「社長をやれ」と言われて

        その場で「はい」と言えますか?

        少なくとも私は、同じようなシチュエーションで「役員をやれ」と言われた時に

        「少し考えさせてください」と答えてしまいました。


        以前から思っていたのですが・・・

        「仕事」は人を幸せにする為にするものだと思っています。

        先ず仕事をしている本人が幸せになり、その人の家族が幸せになり、

        お客様が幸せを感じる、それが「仕事」だと思うのです。

        しかし、結果的に人を「不幸」にしてしまう事があります。

        

        魚は頭から腐ると言います。

        「会社は頭から腐る」この”頭”というのは、会社の経営層、リーダー層を指すのだと

        思います。

        その”頭”が、従前と同じように”馴れ合い”、”予定調和”、”甘え”という緩い空気の中で

        経営を行っていると、とても今の時代に付いていけません。

        そんな経営者が、結果的に現場の”人”を不幸にしてしまう。


        著者の富山氏が数々の修羅場から投げかけている”経営者に対する強烈なメッセージ”は

        経営者たる者「志」を持て!

        この一言に尽きるのではないかと思えてなりません。



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2008年03月16日

「会社は頭から腐る」つづき


前回は、私自身の”思い”ばかり書いてしまい、本の内容については

何も触れずに終わってしまいました。


この本の副題は「あなたの会社のよりよい未来のために「再生の

修羅場からの提言」」となっています。

”再生の修羅場”、何とも恐ろしげな言葉です・・・


読んでいて、著者である冨山和彦氏の視点は常に”人”に向けられているのを

感じました。小難しい経営理論とか、あまり書かれていません。

1、著者が以前、経営していたコンサルタント会社の経営危機、

2、そのコンサルタント会社で手掛けた携帯電話会社での現場体験

3、そして産業再生機構での体験

以上のような”ガチンコ勝負”で体験してきた人間模様、人間の本性が

冨山氏のベースに刻まれているからだと思います。


第1章 人はインセンティブと性格の奴隷である[経営と人間]

先ず経営とは何か・・・?である。

「企業経営は何よりも人の営為である」と富山氏は述べています。

よく「経営は人なり」と云う言葉を耳にします。

私自信もそんな言葉を聞く度に何の疑いもなく「うん、そうだよね」

単純に思っていました。


「人としての弱さ」冨山氏の人間洞察は、ここがベースになっていると思います。

この本の全編を通して、重要なキーワードがいくつか登場するのですが、

・インセンティブと性格の奴隷

・情理と合理

この二つのキーワードは共に「人としての弱さ」が起点となって出てきた言葉だと

思います。


インセンティブ=お金、と単純に考えると、組織で働く人の心理は見えてきません。

何のために働くのか?

お金、安定的雇用、出世、家族、職場の人間関係・・・などなど。

私自身もそうですが、何のために働いているのか、と考えた時に

単純にお金だけではないですよね。


例えば、強烈なワンマンの社長のもとで働く時に、取りあえず「YESマン」に徹して

波風を立てないように振る舞う、その事で組織内の自分の居場所を確保する。

これも、自己保身の為のインセンティブですよね。

それから、人間ですから各々に「好き・嫌い」「向き・不向き」がありますよね。

「この仕事は好きじゃない」

「この仕事は私には向いていない」

そう思った事,何度もあります(笑)


こう考えると、組織の中で働く事は「単純な事ではない」と云う事が改めて認識できます。

企業は基本的に利潤追求組織ですから、「儲かる・儲からない」と云う事が大切な筈なのに,

その中で働いている”人間”は単純に「儲かる、儲からない」とは違う尺度を持って

判断したり、行動している・・・

これが冨山氏の言う「情理と合理」です。


そして、私が何よりも共感したのが、

「(経営危機と云う)余裕がない状況では、隠し切れない本音が各所で衝突を起こす」

と云う部分です。

また、自分自身の話になってしまいますが・・・・

この半年間の事業譲渡業務の中で私自身も色々な人間模様を目にしてきました。

本当に苦しい時に誰が友達なのか、が分かると云うような事を聞いた事がありましたが、

まさに、その通りです。

さすがに現在進行形なので、詳しい話をネットに書き込む訳にはいきませんが、

「人間って、苦境に晒された時に本性が分かるんだなぁ」って事を何度も実感しました。


そんな苦境の中でも、もちろん嫌な事ばかりではなく、

暖かく手を差し伸べてくれる人も大勢います。

そんな暖かさが嬉しくて、本当に涙が出たと言うか、感謝の気持ちで一杯に

なりました。

「人が動く」のは、そうした人から貰うパワーとかが案外、大きな要因になっているのでは

ないでしょうか。

これも、「情理と合理」ですね。


まだ、書きたい事が沢山残っているのに、既にかなりの長文になってしまっています。

と云う訳で、まだまだ「会社は頭から腐る」は続きます・・・


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2008年03月13日

Book-No.6「会社は頭から腐る」

「会社は頭から腐る」 冨山和彦著 ダイヤモンド社

(ISBN : 978-4-478-00070-0)


この本の著者は、元・産業再生機構COOを務めていた冨山和彦氏です。

この本の内容とは関係ありませんが,”産業再生機構”と聞くと

私には、ものすごく強烈に覚えている言葉がありますので,

寄り道ですが、先ずはその話から書きたいと思います。


昨年(07年)10月2日の日本経済新聞の1面に

「働くニホン 現場発 第1部きしみを越えて」と云うタイトルで

産業再生機構が手掛けた、旧カネボウの事業売却についての

コラムが掲載されていました。

そのコラムの中に、こんな言葉が書かれていたのです。

「会社をつぶしても事業は残し雇用を守る」

そして、この記事から数週間後に、私の会社でも”事業譲渡”と云う

経営にとって大きな決断がなされたのです。

「決断がなされた」と云うのは正確な表現ではないかも知れません。

何故なら、当時の私は末席ながら取締役として経営側の人間でしたので,

「決断をした」と言う方が良いのかも知れません。


このブログで一番最初に書いたように、事業譲渡の対象は長年、私が

籍を置いて働いてきた部署でしたから、個人の心情としては

「譲渡なんてしたくない」と思っていました。

しかし、会社がここ数年間,ずっと苦境に喘いでいる時に

本当に、このまま事業部を継続していて良いのか?

自分一人なら兎も角、100名を越えるスタッフにこのまま苦労を掛け続けていて

良いのだろうか?と考えました。

その時に、私の脳裏に浮かんだのは、先の「会社をつぶしても・・・」と云う

日経のコラムでした。

幸い事業譲渡の条件として、スタッフは本人が”希望するのであれば”全員、

転籍と云う形で引き受けて貰えると言う事になりました。

私の会社の場合、事業譲渡ですから、会社が今すぐに潰れると云う事ではありませんが、

いつ沈むか分からない船から、スタッフを脱出させよう!、そう思って

取締役会で事業譲渡に賛成の意思を表したのです。


そう思って決断した日から、半年近くが経ちました。

その間、譲渡の為の業務の中で本当に多くの壁にぶつかりましたが、

何とか乗り越えられたのは、その日経に書かれていた言葉と

(その記事は切り取って大事に手帳に貼り、苦しい時にはよく読み返していました)

私の友人がメールで送ってくれた「事業譲渡の担当をまっとうしできる限りの従業員の

幸せを考えてあげてください」という言葉。

この二つの言葉を糧に、私はこの半年間を生きてきたと言っても過言ではありません。


寄り道が長くなってしまいました!!

本の内容については、また次回と云う事で・・・・


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2008年03月08日

Book-No.5「iPhoneショック」

「iPhoneショック」 林 信行著 日経BP社

(ISBN:978-4-8222-4636-5)


三洋が携帯事業を京セラに売却して同事業から徹底したと思ったら、

続いて三菱も携帯事業から、手を引いてしまった。

携帯電話って儲からなくなったんですねぇ。

何故、この時期に次々と携帯電話事業からメーカーが撤退するのか、

と言うと、

一つは現在の日本の携帯電話契約件数は約1億台と言われています。

日本人、平均一人一台の時代となり、今後の日本マーケットは

頭打ち状態となり、大きな飛躍は望めない。

そこに追い討ちをかけるように、販売奨励金に頼って携帯端末を

安く売ると云うビジネスモデルの崩壊が始まり、携帯電話自体の

価格が高くなってきました(その分、通話料は安いプランが増えて

きましたが・・・)その影響で、携帯の買い替えサイクルは今後

長期化する、つまり従来のように短いサイクルで携帯端末を

買い替えるユーザーが少なくなりつつあると云う事です。


そんな訳で、日本の携帯メーカーは苦戦していますが,

海外ではAppleが発売した”iPhone”が好調に売れているようです。

(日本での発売は一体いつになるんでしょう?)


著者の林信行氏はApple、Mac系の雑誌やwebなどによく記事を

書いているテクニカルライターです。


この「iPhoneショック」のサブタイトルは

「ケータイビジネスまで変える驚異のアップル流ものづくり」です。

そして、本の帯には大きく「日本メーカーは、なぜ魅力的な製品が

作れないのか?」と謳われています。

この本の内容は、このサブタイトルと帯のキャッチフレーズが

全てを物語っています。


この本ではiPhoneの成功について

・製品デザイン

・インターフェース

・ブランド戦略

・ビジネスモデル

など多方面から検証、分析がされています。

と同時にApple対日本の携帯メーカー&携帯キャリアという構図で

対比させる事で、現在の日本の携帯電話業界に対する

強烈な問題提議がなされています。


少し話は横道に逸れますが・・・

10年以上前、私自身が初めて手にしたパソコンがMacで、その後も

ずっとMacを使い続けているという生粋のMacユーザーです。

そうした人間が、こうしたAppleの成功について書かれた本を

読んでいると、ものすごく気持ちが良くなったりします。

その”気持ち良さ”だけでも、この本を読んだ甲斐があったと言うものです(笑)


しかし、著者である林信行氏は、決してAppleの成功を伝えようと云う

意図”だけ”で、この本を書いたのではないと思います。

最後の章において、「魅力的な製品を作る3つの視点」と題して

日本のメーカーに対する提言がいくつか書かれています。

冒頭にも書いたように、日本の携帯電話メーカーは淘汰の時代に突入しました。

また、個人的には分厚いマニュアルを読まないと、何だか良く分からない機能が

詰め込まれているケータイには、もはや何の魅力も感じません。

iPhoneという、ある意味とんでもないケータイを開発したAppleの流儀から

私たちも仕事の上で、多くの”学び”があると思います。

著者である林氏から、日本のメーカーに対して、”元気”になってもらいたい!

そんなエールが感じられました。

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2008年02月26日

Book-No.3「佐々木かをりの手帳術」


「佐々木かをりの手帳術」 佐々木かをり著 日本能率協会マネジメントセンター

(ISBN:978-4-8207-1660-0)


前回に引き続き、”手帳術”関連の書籍です。

先ず著者の佐々木かをりさんの事は、随分と以前に野口悠紀夫さんと一緒に

「カンブリア宮殿」に出演されているのを見て初めて知りました。

この時の番組のテーマが”手帳”で、それを見た事で私は

長年使い続けていたPDA(電子手帳)から、紙の手帳に乗り換える事を決めたのです。


「自分の人生の主人公は自分自身」

自分の人生の脚本家は自分自身だ。そして、自分の人生の脚本を書く

ということは、すなわち手帳に予定を記入することと同じだ」

と云う著者自身の言葉。

自分の人生は自分自身が主人公であると云う考え方、

「そんなの、当り前じゃん」と軽く読み流してしまいそうになりますが,

本当に自分が主人公に成り得ているのだろうか。

私の場合、手帳を見返すと案外、自分自身が決めたスケジュールや

仕事よりも、他の第三者から求められて行っている事が割と多いように

感じます。

自分以外の他者から求められてスケジュールを組んでいる、と云う事は

結局は、他者の都合で自分の時間をコントロールされてしまっている、

即ち自分が主人公に成り切っていないのではないかと思うのです。

まだまだ、修行が足りん!って事ですね。


この本を参考にして、手帳の使い方が変わった点が幾つかあります。

(1)チェックボックス

やらなければならない事(ToDo)を書き込む際に必ず、用件の前に

チェックボックス(四角いボックス)を書き込むようになりました。

□Aさんに見積もりの件で連絡 

と云う感じで書き込み、終了したら、□に赤ペンでレ点を付けて

終了、未了が一目で分かるように工夫しました。

更に今では、ワタミグループの渡邉社長の真似ですが、終了した用件自体を

赤ペンで塗り潰してしまっています。

一日が終わった時点で、全ての用件にレ点が付けられ、尚かつ

赤く塗り潰されているのを見ると、何となく達成感が感じられます(笑)


(2)ToDoは何時やるかを考えて、手帳に書き込む

私が愛用している「ほぼ日手帳」は1日1ページの仕様になっている事は

前回、書いたと思います。

で、各ページの上部には4行ほどToDoを書き込むスペースが用意されて

います(その日にやるべき事が4件以上ある場合は、前述のように自分で

チェックボックスを書き加えて使用しています)

これは、これで、まぁ良いと思うのですが、案件によっては例えば

夕方5時に連絡をしたりしなければならない事ってありますよね。

まだ、それが当日の事であれば覚えていられるのですが,

数日先の事だと、単純にTodoとして書き込んでおくと、かなり高い確率で

忘れます。

この本を読んでからは、何日の何時、と云う事が決まっている場合は、

時間軸の枠の中にチェックボックスとともにToDoを書き入れるように

変えるようになりました。


著者の佐々木さんの手帳管理、時間管理は基本的にはシンプルな方法で

真似しようと思えば、直ぐにでも始められる事が、この本の中には

数多く書かれています。

今まで何冊か”手帳術”に関する本を読んできましたが、実践テクニックとしては

結構、複雑だったり面倒だったりするものが多い中、

先に書いたように、この本で書かれているものはシンプルで分かり易く

非常に参考になりました。

また、単にテクニックやノウハウだけに走るのではなく、何故、時間管理が

必要なのか、時間管理する事でどのようなメリットがあるのかを

著者である佐々木さん自身の言葉で分かり易く書かれているので、

そうした”考え方”も非常に勉強になります。

手帳管理、時間管理でお悩みの方にはお勧めです。





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2008年02月24日

Book-No.2「絶妙な手帳メモの技術」

「絶妙な手帳メモの技術」福島哲史著 明日香出版社

(ISBN : 4-7569-0919-1)


今回の本は所謂、”手帳術”に関する本です。

手帳術とかメモ術に関する本は割とよく読む方で

今までも「超」整理法で有名な野口悠紀雄氏の著書や

前回取り上げた渡邉社長の書かれた手帳に関する本など、

数冊は読んできました。


何故、私が手帳術とかメモ術に興味があるのかと云うと

2年ほど前までは、ずっとPDA(電子手帳)を使っていて

紙の手帳を持ち歩く習慣が無く、故に手帳やメモの活用が

ヘタクソだと思っているからです。


今は、「ほぼ日刊イトイ新聞」で発売されている

”ほぼ日手帳”を昨年、今年と使っています。

この”ほぼ日手帳”の良い所は、1日1ページ形式になっているため

その日の出来事や仕事に関する事が、たくさん書ける点です。

しかし、反面で1日1ページであるが故に、週間、月間と云う

時系列での見渡しがどうしても悪い、というのが難点。


前置きが長くなってしまいましたが,

今回の「絶妙な手帳メモの技術」に書かれていた事は

・ポストイットをメモの代わりにして、思いついた事は

 ドンドン書き出す事を最優先にする

・メモしたポストイットの台紙として手帳を使う

・保存の必要があるものだけを手帳に書き込む

という事が骨子であったように思います。


それから、これは渡邉社長の「夢に日付を」にも通じるのですが,

「Toメモ」:Today、今日やるべき事をメモする

「Wメモ」:Week、今週やる事(仕事は一週間が行動の基本単位)

「Mメモ」:Month、今月やる事、期限が先々のものに対する覚書

「Pメモ」:Plan、願望、思いつき、やってみたい事をそのまま記入

これら4種類のメモを通して、不確かな夢を実現するための

具体的な行動にブレークダウンしていく方法が解説されています。


そして「Pメモ」には、こんなコメントが書かれていました。

「Pメモには、その人の人生、夢、ロマンこそ描かれるべき。

やれるとかやれないというまえに、まず描き出せる力こそ、大切な能力」


この本でもやはり、自分の行動の原点は”夢”である事を指摘されてしまいました。


「手帳を使って、夢を実現する」そんな事が書かれているものを読むと

「そんな馬鹿な!」と思っていました。

何故なら、手帳=”単に”スケジュールやメモを書き留めておく防備録と

思っていたからです。

でも、そうやって”受動的”に生活を送っていたら何も進歩していかないし、

だからこそ、もっと”能動的”に自分のやりたい事を生活の中に組み込んで

いかなければならい、と今は素直に思えます。


時間と云うリソースを使って、何かを遂げるためには日々の行動を変える事が

凄く大切で、その為のツールが手帳なのだと思います。

今、手帳がブームと言われていますよね。

きっと多くに人が気付き始めているのではないでしょうか。

時間と云うリソースの重要性を・・・

タグ:手帳術
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2008年02月20日

「きみはなぜ働くのか」続き


前回、アップした「きみはなぜ働くのか」(渡邉美樹・著、日本経済新聞社)の

続きです。


渡邉社長の著書では、「夢に日付を」と云う手帳術に関する本が割と有名では

ないかと思います。

要は「夢は実現させるべきもの。夢に日付を入れて、今日の行動を変えていく事」

必要なのだ、と云う事です。

確かに夢を持っていても、行動しなければ何も始まらない!

そう思えれば,少しずつでも良いから日々の行動を”意識して”変えていく事が

必要なのだと素直に共感できる話です。


では、根源的な話ですが、

”自分の夢”って何だろう・・・?って改めて考えてみたのです。

改めて考えてみたのですが何だかモヤモヤっとしていて

うまくイメージできません。

私の場合、行動のパワーとなる「夢」が具体的に形に出来ていないから

行動も伴わない、行動が変わらない、のではないかと云う

何とも情けない事に思い当たってしまいました。


「人生には六つの柱がある」

1 仕事

2 家庭

3 教養

4 財産

5 趣味

6 健康


上の6項目は渡邉社長の著書に書かれていたものです。

「夢」を漠然と考えるのではなく,人生の中のテーマごとに考える事が必要。

大きな命題を考えるときに、漠然と考えるのではなく

いくつかの構成要素に分解して考えると、より身近なテーマになるので,

考えがまとまり易いって事かなと、自分なりに理解をしました。


で、この本を読んで改めて08年の自分自身の目標を

六つのテーマに分けて考えて、それを紙に書き出してみました。

・・・・・・・唖然としましたよ。

自分の夢って、こんな小さなものしかないのか!と。


それと、もう一つ気づいてしまったのが、長期スパンで捉える事が

全然出来ていません、私。

会社の事業計画で言えば、単年度の計画は考えられても

3年先、5年先、或は10年先に、こうなりたいと云う中長期計画が

考えられないのと一緒です。

これでは、ダメダメじゃないか!と正直、すこし凹みました。


でもまぁ、小さな一歩からと気を取り直して

先ずは「意識持つ」「日々の行動を変える」ところから私はスタートします。


それから、この本を読んでいて感じた事はまだ有ります。

この本の中には渡邉社長が経営されているワタミグループの店のダメな

エピソードがたくさん書かれています。

経営者である渡邉社長が理念として掲げている事が、現場では具現化されて

いない、と云う話です。

私が今、勤めている会社は非常にチッポケな零細中小企業ですが

それでもトップ(社長)が日頃言っている理念はなかなか現場に伝わらず、

ダメなところが沢山有ります。

企業を経営していく上で、「儲かる、儲からない」という話はものすごく重要だと

思いますが,それと同じくらい「企業理念」と云うものは大切だと思っています。

企業が社会の中で存続していく為には、

どういう形で社会と関わっていくのか、或は、その企業はどういう点で

社会に貢献するのか、という理念がなければ

企業は存続できないと思うし、存続している意味が無い、と思うのです。


だからこそ、企業としての理念が、どれだけ現場で具現化できているのかと云うのは

企業価値を決める重要なファクターなのでしょうね。




タグ:渡邉美樹
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2008年02月17日

Book-No.1「きみはなぜ働くのか。渡邉美樹が贈る88の言葉」


渡邉社長の事はマスコミにもよく取り上げられていますので,

以前から存じ上げておりました.

中でも一番印象に残っているのは、

以前、「カンブリア宮殿」に出演されている時に

「僕は、もうこれ以上やったら鼻血が出る、と云う

その上をやる」というような趣旨のお話をされていたのが

猛烈に印象に残っています.

起業し、大企業に育て上げる社長は、やっぱり凄い!と

思いましたよ。


今回、読んだのはそんな渡邉社長が書かれた

「きみはなぜ働くのか。渡邉美樹が贈る88の言葉」

(日本経済新聞社:ISBN978-4-532-16569-7)です。

ちなみに08年、私が最初に読んだのがこの本です.


「夢を達成する事は、あくまでも目的でありゴールではない。

日々のプロセスこそがゴール.

達成そのものよりも、追っているプロセスの中に煌めく思いがある」


確かに夢って、現実になった瞬間にちょっとした寂しさを感じます。

数年前、仕事であるプロジェクトのリーダーを務めておりました。

そのプロジェクトは

・私が何年間も望んでいた案件に関するものでした

・普通、他社では1年くらい掛けてゴールするようなボリュームがあった

(パートナーになってくれた専門業者の方が言っていました)

・それを私の会社では何故か半年でやれ!って事になってしまった。

長年、望んでいた仕事を許された訳ですから、私にとっては大チャンス!

期間を半分にされたからといって、四の五の言ってはいられません!

もう、やるしかないでしょ!

そう半分、開き直ってプロジェクトを開始しました。


そして半年後、そのプロジェクトは大団円を迎える事が出来ました.

その成功は、プロジェクトに関わってくれた全ての人たちのお陰なのですが、

半年間、今から振り返ってみると苦しい事や辛い事もあった筈なのに

何故か楽しい思い出ばかりです.


夢に向かうプロセスの中に「煌めく思い」が有るって言うのは

そういう事なのかなぁ・・・って思いました.


渡邉社長のこの本に関してはまだ書きたい事が有るのですが,

それはまた、次回と云う事で・・・




タグ:渡邉美樹
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