2015年02月20日

【「会社が消えた日 三洋電機10万人のそれから」】会社が消えても、人生は終わらない


「会社が消えた日 三洋電機10万人のそれから」
大西康之:著
日経BP社


どういう経緯だったのか分からないのだけど、
私が小学生の頃、我が家の家電製品はその殆どが三洋製品で
よく近所の三洋ショップのおじさんが我が家にやって来たりもしていた。

しかし、ご存知のように既にSANYOというブランド商品は存在しない・・・
この本は大きくは三洋電機が無くなるまでの物語と、
三洋電機が消滅したその後の元・社員たちの物語の二部構成になっている。

実はこの本、昨年の夏くらいに買ったのだけど、
なかなか読むことが出来なかったのだ。

というのも、

私自身も数年前に「会社が消えてなくなる」という三洋電機と
同じような体験をしてきているので、
この本を読んでいると、その当時のあまり思い出したくないようなことまで
いちいち思い出してしまうから。。

でも、読後感としては「暗い気持ち」になるどころか、
よしっ!俺も頑張らねば!と
前向きな気持ちにさせられるものだった。

三洋電機という”会社”は確かに競争社会の中で消滅してしまったが、
そこで働いていた元・社員たちは「敗れざる者たち」であったことが
この本の後半部分で描かれているのだけど、
それが私に勇気を与えてくれたのだと思う。

Amazonの内容紹介

たとえ今の職場がなくなっても、人生が終わるわけではない。
では、どこに向かって次の一歩を踏み出すか。
かつて三洋電機に在籍した人々のその後の歩みは、貴重な示唆に
富んでいる。重苦しいテーマを扱いながら、本書が「希望の物語」
となっているのは、そこに会社を失ったビジネスパーソンの明るく
たくましい生き様が垣間見えるからだ。

■それでも会社を、仕事を、愛す

トップの突拍子もない思い付きを、現場が脂汗を流して
何とか形にすると、それがトップの武勇伝になる。会社の
「成功物語」というのは、えてしてこんな風に作られる。
(P199)

多くの「元三洋電機社員」に取材してみてわかったことがある。
彼らはよく、敏のことを「あほな親父」「しょうもない親父」と
罵るが、その時、たいていの人は楽しそうに笑っている。
「うちの親父は、ほんまにあほで。困ったもんですわ」という時の
息子の顔である。あほな親父を愛しているからだ。
(中略)
「井植敏は有能な経営者だったか」と問われれば答えは「否」である。
だが、社員に愛され、社員の馬力を引き出したという意味では
「立派な経営者」である。敏は極めて日本的な「担がれるタイプ」の
トップだったのだ。(P241)

※井植敏(いうえ さとし)三洋電機株式会社の元社長、会長で
 創業者、井植歳男の長男

この本の特に後半部分を読んでいると、
三洋電機という会社を、そして井植敏という元経営者のことを
本当に愛していたんだなぁ、と感じられる元社員が何人も登場する。

トップの経営判断のミスで会社は切り売りされ、
自分たちは愛していた会社から放りだされた・・・にもかかわらずだ。

親父(社長)に恥をかかせたらいかん!
そう言って孝行息子たち(社員)が一致団結して会社を支える。

まぁ今は少なくなってしまったのかも知れないけれど、
これがよくある日本企業の姿だったのではないかと思う。

それだけ自分たちの親分(経営者、社長)に魅力があったということだと
思うし、いわば家族にも似たような繋がりが社内にはあったということだ
とも思う。

詳細は省くけれど、三洋電機の経営が傾き、金融会社に切り売りされ、
パナソニックという大企業に飲み込まれていくというストーリーを
読んでいると、「(あほな)親父と孝行息子たち」という日本型経営が
グローバリズムだとか新自由主義だとかの新しい経営に敗れ去っていく・・・
そんな姿が目に見えるような印象を受けた。

そう、三洋電機という会社が特別なわけではなく、
これと同じようなストーリーを辿り、憂き目を見た日本企業は
あっちこっちにある筈だと思うし、今もそのストーリーは日本の何処かで
展開されているのかも知れない。

社会環境が変わってしまった今、そういう新しい経営を
受け入れざるを得ないのかも知れない・・・

しかし、「だけど・・・」とも思う。

三洋電機だけではない。あらゆる電機メーカーが、投資家に背中を
押されて採算の悪い事業を切り捨てた。主力製品の生産拠点は続々と
海外に移り、国内の雇用はどんどん減っていく。残った仕事もコスト
削減のため、正社員ではなく派遣や請負の社員に任せていった。利益の
多くは海外現法が稼ぐようになり、日本ではろくに税金も納めていない。
経営者の顔は投資家の方ばかりを向き、雇用や納税といった企業の義務を
忘れているように見えた。
「わしらは投資家に魂を売っとるんと違うか」(P231)

この言葉を負け犬の遠吠えととるか?
それとも、会社とは本来どんなものであるべきなのか?と問い直すか?

そして・・・

新しい社会環境の中で自分はそれでも会社を、仕事を愛せるか?

そんな問いをぶつけられたような気がする。

■逆境、苦悩、対立、修羅場

昨日まで仲間だと思っていた人々が敵に変わっていた。
誰もが「パナソニックの傘下」という新しい環境で生き残るために
必死で、ぎすぎすしていた。(P254)

会社がなくなる
会社が買収されてしまう

買収先の会社に(運良く?)転籍できるとしても、
「あぁ、そうですか」とカンタンに割り切れるわけもなく、
いったい自分はどうなってしまうのか?そんな不安に苛まれ、
昨日までの仲間が敵になってしまう・・・
それまでの人間関係があっという間に壊れていく・・・

会社が売却される時、その内部ではある意味ドロドロの人間模様が
繰り広げられているわけですよ(私も経験しました)。

この本の中でセクハラ疑惑をかけられ、会社を辞めさせられた
元営業幹部のことが書かれているのだけど、
本当に無念だったろうと思う。。

映画「タイタニック」をご覧になられた方は思い出して欲しいのだけど、
沈没シーンでは我先にと救助船に乗り込もうとする人々の姿が
描かれていましたよね。まさしく修羅場でしたね。

会社がなくなる(売られてしまう)時もあれと同じだと思うんですよ。

誰もが自分の次の居場所を確保するために必死にならざるを得ない。。
だから、昨日までの仲間が敵になってしまうようなことも起こってしまう。

でも、だからと言ってそれを責めたり、嗤うことは誰にも出来ないと
思うんですよね。。

もちろん!

最後まで演奏をやめなかった楽団員のような人もいると思うけど。

人事部長を務めた5年間は岡本にとって悪夢の時間だった。仕事の9割が
リストラ、平たく言えば「首切り」だったからである。
(中略)
もちろん経営陣の指示でやったことだ。サラリーマンの岡本に逆らう術は
なかった。それでも、当時の記憶は岡本の心の中で深い傷になっている。
ネットの掲示板には実名で誹謗中傷を書かれた。
自宅には家族に見せられない
ような手紙が来た。駅のホームでは背後が
気になり、最前列に立てなくなった。
(P258)

リストラでクビを切られる方も必死だけど、
クビを切る方も必死なのだ。

実は私も数年前には、クビを切る側で仕事をしていた。
もちろん、三洋電機と比べれば全然規模は違うのだけど、
それでも、人の職を奪ったことに変わりはない。

だから、この元人事部長の気持ちは痛いほど分かった(ように思う)

気持ちが分かるというのは、クビを切る痛みのことだけではない。。
例えば、こんなことも・・・

本社の人事部長をしている時、岡本はリストラの絵を描く傍ら、
中途採用に力を注いでいた。
「現実逃避ですよ。何か少しでも前向きなことをやっていないと、
心のバランスが崩れてしまう。人事の人間はみんなそうでした」
(P263)

そう、私も自分の会社というか事業部の売却が決まる寸前まで
採用活動をしていたのだ。

当時、一緒に役員をしていた先輩からは
片一方で人を切りながら、もう片一方で採用するって
どう考えても矛盾してるじゃないか!と何度も指摘された。

今から思えば、その時に私が採用したせいで人生計画が狂ってしまったり、
思わぬ買収劇に付き合わされてしまった人がたちが
何人かでもいることに心が痛むのだけど、
その当時の私はやはり元人事部長と同じ。

何か前向きなことを考えたりやったりしないことには
自分自身が圧し潰されてしまいそうだったのだ。

■会社が消えても人生は終わらない

三洋電機という船から放りだされた約9万人の人々も、どこかで
働いている。会社は消えても、人生は終わらない。そこから始まる
新しい人生があるのだ。(P5)

「会社が消える」という絶望的な状況から立ち上がった人々の
物語は、現在進行形で困難な状況と闘っているすべてのビジネスマンに
勇気と希望を与えるだろう。
彼らの「再生」は、かつての強さを取り戻す「復活」ではない。
しかし、厳しい現実と折り合いをつけながら、彼らは「新しい人生」を
つかみ取った。(P6)

最初にも書いたように、この本の後半部分では三洋電機という大型船から
放りだされてしまった人たちがその後、どのような人生を送っているのかが
描かれている。

読んで頂ければ分かる通り、それぞれがそれぞれに希望を持ちながら
新たな一歩を踏み出している姿が描かれていて、
それが読んでいて、自分も頑張ろう!と勇気を与えてくれている。

さて。

ここからは私の個人的な話を少し書いてみたいと思う。

少し前のこと。
数年前まで一緒に働いていた後輩から連絡が来た。
今度、昔の仲間が集まって一杯やることになったので、
良かったら来ませんか?と。

正直、最初は「どのツラさげて会いに行けばいいのか?!」と思った。
・・・というのも、その集まりというのは
数年前に会社の事業売却によってバラバラになってしまった仲間たちの集まり
であり、私はその当時の彼らの上司であり、リストラを進めた張本人だったからだ。

今さら、合わせる顔なんてない

そう思った。

そう思ったけど・・・
今会っておかないともう二度と会うことはないのかも知れない。。
今さら「すまなかった」もないのだろうけど、
あれから数年たった彼らの姿をひと目見ておくのも
かつての上司の役割なのかも知れない。。

そんな勝手な理屈をこしらえて、教えられた会場へと足を運んだ。

当日は十数名がやって来た。
あの頃の笑い話や、今だから言える当時のオフレコ話しなどで
大いに盛り上がった。

それぞれが、それぞれの新しい人生を歩んでいた。
多少、見た目がオジさん化している人もいたけど、
みんな元気にやっているようだった。

そんな姿を見て、私はほんの少しだけど
この数年間、ずっと心の片隅に会ったわだかまりみたいなものが
軽くなったような気がした。

もちろん、

バラバラになった後、人には言えないような苦しい思いをした人も
いたはずだし、その苦しみが今も現在進行形で続いていて
会場に来られなかった人もいるのだろうと思う。

だけど

会社は消えても、人生は終わらない。

それならば、やはり何処かで過去を断ち切って
前を向いて進まなければならない。

前を向いて進めば、いつか笑い合える日もやって来る。

そんなコトを思ったその日の集まりでした。

おしまい。

※相変わらず読んでくれる人のことを全く考えない長文エントリーで
 失礼しました。最後まで読んでくれて、ありがとう。

▽単行本       ▽Kindle版

  

タグ:経営
posted by penguin-oyaji at 23:17 | Comment(0) | ビジネス書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月09日

宅急便で日本を変えた男の物語【「経営学」小倉昌男】

小倉昌男 経営学 

「経営学」

小倉昌男:著

日経BP

今更ながら・・・名著「経営学」を読みました。

あまりに有名な本ですから既にご存知の方も多いと思いますが、

クロネコヤマトの宅急便を創り上げたヤマト運輸の元社長・小倉昌男氏が

その立ち上げから成功までの苦闘を赤裸々に語った一冊です。

Mac、iPod、iPhoneによって世界中の人々の生活を変えたのが

スティーブ・ジョブズであるなら、

宅急便によって日本人の生活を変えたのが著者、小倉昌男氏だと思うんですね。

今、当たり前のようにある宅急便という生活インフラ、

それがどのように築かれてきたのか、その考え方、決断、行動力、周囲の反応、

そういう経営の根幹の部分にまで言及されていて

まるで上質のドキュメンタリー番組を見ているかのように

わくわく、ドキドキしながら読むことが出来ました。

Amazonの内容紹介

「儲からない」といわれた個人宅配の市場を切り開き、「宅急便」

によって人々の生活の常識を変えた男、小倉昌男。

本書は、ヤマト運輸の元社長である小倉が書き下ろした、

経営のケーススタディーである。

   全体を通して読み取れるのは、「学習する経営者」小倉の謙虚さ

と、そこからは想像もできないほど強い決断力である。成功した人物に

ありがちな自慢話ではない。何から発想のヒントを得たか、

誰からもらったアイデアか、などがこと細かに記されている。講演会や

セミナー、書籍、マンハッタンで見た光景、海外の業者に聞いた話、

クロネコマークの由来

豊富なエピソードから伝わってくるのは、まさに学習し続ける男の

偉大さである。

■経営とは論理の積み重ねである 

経営とは自分の頭で考えるもの、その考えるという姿勢が大切である

ということだった。 

経営とは論理の積み重ねである。

(中略)

なぜ他社が成功したのか、自社の経営に生かすにはどこを変えるか、

論理的に考える必要がある。考える力がなければ経営者とはいえない。

当時、運輸業会の誰もが「儲からない」と思い込んでいた個人宅配市場に着眼し、

どのようにしたら儲けが出て事業として成り立つのか?

この命題に対して、論理を積み重ねて「解」を導き出す様子を読んでいて、

私は思わず「なるほどなぁ〜」と感嘆してしまいました。

『論理的思考(ロジカルシンキング)』という言葉は知っていましたが、

なるほど!ビジネスの現場でこうやって使うものなんだ!と

目からウロコがボロボロと剥がれ落ちたような思いです。

(知っているコトと、使いこなせるというコトは違うんですよね)

それから・・・

全国ネットワークを構築するにあたり、どれだけの物流拠点(センター)を

作れば良いのか?その答えを導くにあたり全国の郵便局や公立中学校、

警察署の数を調べて検討するシーンが書かれているのですが、

これなんて仮説思考とかフェルミ推定のケーススタディだと思うんですよね。

『経営とは自分の頭で考えるもの』

儲からないと思われていた宅急便が成功したのを見ると、同業他社が

それこそ雨後の筍のように個人宅配市場に参入してきたそうだが、

所詮、猿真似はサルマネである。

自分自身も、ともすると成功事例を丸パクリすることがなきにしもあらずだが、

自分の頭で考えるコトの大切さと、考えるとはどう云うコトなのかということを

この本で改めて教えられた思いがしました。

もっとも・・・

最初にこの宅急便の事業化を役員会に諮った時には全員から反対されたそうだが、

その反対を押し切って納得させるだけの胆力や行動力がなければ、

いくら良いことを考えても、絵餅になってしまうと思うだが。

■社長の仕事

「サービスが先、利益は後」という言葉を、社長が言わずに課長が

言うと、そこの社長に、「お前は利益はなくても構わないと言うのか」

とこっぴどく叱られるおそれがある。「サービスが先、利益は後」

というのは、社長だから言える言葉である。だからこそ、逆に社長が

言わなければならない言葉なのである。

今は昔。

私が当時、勤めていた会社が経営危機に陥り役員でもあった私もご多分に漏れず

いくつもの新規事業を検討したりしていたことがあります。

でも・・・そう簡単にウハウハ儲かるビジネスなんてそうは無いですよね。。

初期投資を回収して利益が出るようになるまでは、数年は掛かるものばかり。

そんな時に、「最初は利益が出ませんが、こういうサービスを提供すれば

必ず利益が出るようになる筈です!」なんて、そう簡単には言えないし、

「それじゃ、利益が出るまでどれくらい掛かるんだ?」と聞かれて

「はい。。恐らく3から5年くらい・・・」などと言おうものなら

「何を暢気なコトを!」と一蹴されておしまいです。

小倉氏が宅急便の事業化を役員会に諮った当時、ヤマト運輸も

商業貨物の市場で他社に破れ、経営的にジリ貧に陥っていたそうです。

そんな危機的な状態の時に「利益は後」と言えるのはやはり社長だけだと

思うんですよね。。

経営者・・・と言うよりは、社長だからこそ言える、

社長だからこそ決断できる

そういう仕事があると思うんですよ。

よく経営者、社長は孤独だ、と言われることがありますよね。

「サービスが先、利益は後」

この言葉、一介の社員が言うのと、社長が言うのとでは

やはり重みが違うんですよ。

この本を読みながら、社長だからこそ出来る、しなければならない仕事が

あることを再認識するとともに、稀代の名経営者、小倉昌男氏と言えども

一人の人間としてやはり孤独と闘っていたのだろうか・・・?

そんなことを思ったりもしました。

■「ありがとう」のプレゼント 

当初は文句を言っていたヤマト運輸の古株社員ドライバーたちも、

宅急便の配達に行って、お客様からありがとうとお礼を言われるように

なってから、様子が変わった。商業貨物を運んでいた彼らは、

それまで貨物を配達に行ってお礼など言われた経験がなかった。

そのため、びっくりするとともに感激してしまった。そして段々やる気が

起ってきたのである。

宅急便サービスを始めるにあたり、ヤマト運輸ではそれまでトラックの

運転手をしていた社員たちに、これからは「サービスドライバー(SD)」として

運転だけではなく集金や伝票書き、コンピューターへの入力、問い合せへの対応

など一人で何役もやって欲しいと行ったところ、

「俺たちは運転手だ。そんなこと出来ない!」と拒否されたそうです。

でも、そんなドライバーたちもお客さまから言われる「ありがとう」の言葉に

心が動き、積極的にセールスドライバーとしての仕事をするようになったのだとか。

このお客さまからの「ありがとう」の話しは本書の中でも何度か繰り返し

書かれているのですが、それを読む度に私、不覚にも(?)ジーンと熱いものを

感じてしまいました。

よく「何のために働くの?」ということが言われますが、

仕事って基本的には自分以外の誰かのお役に立つためのものだ、というのが

私の考えです。

でも、日常の仕事の中で誰かの役に立っているというコトを

感じにくい仕事があるのも事実。

でも、そのような仕事であっても「ありがとう」というたった一言が

自分の仕事の意味を教えてくれたりするんですよね。

「ありがとうで返事をしよう」と言ったのは我が師匠、和田裕美さんですが、

その「ありがとう」のプレゼントの意味を改めて本書を読みながら

再確認できたように思います。

■最後に■

この本の冒頭。宅急便を始める前からヤマト運輸が永年、取引をしていた

三越百貨店との取引から撤退(契約解消)するシーンが書かれています。

なぜ永年取引をしていた三越百貨店との取引を停止したのか・・・?!

えっ、そんなことまで書いちゃっていいの?と思うくらいに

赤裸々な事実が書かれていて、小倉昌男氏の生々しい感情と

悔しさみたいなものが滲み出ているのには、驚きました。

ビジネス書でありながら、理論や経営問題だけでなく

生身の人間としての感情までもが綴られているところにも

この本の面白さがあると思います。

「名作とは再読に耐えうるものだ」と言った人がいますが、

この本は読み返してみたら、きっとまた新たな発見があるんだろうな、と

思うくらいに宅急便という一つのビジネス、引いては小倉昌男氏という

一人の人としての生き様を描いた名作だと思うのです。

なぜ、もっと早くにこの本を手にしなかったのか?!

個人的には、そんな後悔の念も感じながら読了しました。

もしも・・・!まだ読んでないという人は直ぐに本屋さんへGO!なのだ。

posted by penguin-oyaji at 16:05 | Comment(0) | ビジネス書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年05月14日

アップルストアの魅力を高めている5つのポイント「アップル 驚異のエクスペリエンス」

アップル 驚異のエクスペリエンス ―顧客を大ファンに変える「アップルストア」の法則

「アップル 驚異のエクスペリエンス」

顧客を大ファンに変える「アップルストア」の法則

カーマイン・ガロ:著

井口耕二:訳

日経BP

「プレゼンテーション」、「イノベーション」そして

今回は「エクスペリエンス」です!

何が?・・・だって?

カーマイン・ガロさんのアップル本ですよぉ。

スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン―人々を惹きつける18の法則 スティーブ・ジョブズ 驚異のイノベーション―人生・仕事・世界を変える7つの法則

まぁ、出版されてもう、かなり日が経っているので、

既に読まれた方も多いかと。

この本の中では「アップルストア」の強さや魅力について

色々な角度から切り込んでいるのだけど、

私が思うに、それは以下の5点に集約されるのではないかと。

◎アップルのビジョン「暮らしを豊かにする」

◎笑顔を雇う(才能ではなく人間的魅力で採用する)

◎権限の委譲

◎サービスの5ステップ

◎細部にこだわる

Amazonの内容紹介 

シリーズ40万部のベストセラー『スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン』

著者が贈る第3弾! 

面積あたりの売上は全米ナンバー1、

顧客を大ファンに変えてしまう「アップルストア」の魔法を徹底分析! 

アップル成功の理由は、アップル製品や店舗デザインなど、

目に見える部分に注目が集まりがちだ。

しかし、アップル・エクスペリエンス(体験)とは、その程度のものではない。

フォーシーズンズから学び、アップルが磨き上げたアップル・エクスペリエンスの法則は、ディズニー、ナイキ、Tモバイル、テスラ・モーターズなどのブランドを刺激し、変化させた。

皆さんも、こうしたブランドと同じように変わることができる。

■アップルのビジョン「暮らしを豊かにする」

ビジョンがすべてです。大胆な夢がエバンジェリストを惹きつけるのです。

同じビジョンを胸に抱いてがんばるチームがなければ、

息の長いブランドは生まれません。ロケットを推進するのは情熱、

そのロケットを最終目的地へと導くのはビジョンなのです。(P22)

企業活動をしていくのに必要不可欠なものが

「ビジョン」とか「経営理念」とかだと思うんですよね。

そういうものがないと、自分たちは「何のために」働いているのかが

分からなくなってしまうから。

でも・・・・

最近、色々な会社の会社概要とか企業理念みたいなものを

ちょくちょく見てみているんだけど(お仕事探しで・・・^^;; )

その大切な「ビジョン」がちゃんと書かれていないところが

多いような気がするのです。

それどころか!

「5年後に売上○○○億円を目指します」とか、

「店舗数で日本でNo.1企業になります!」とか・・・

これは、企業活動をやっていくうえでの「目標」であって、

「ビジョン」ではない・・・と思う。

これは経営コンサルタントの小宮一慶さんの本に

書かれていることなんだけど・・・

売上とか利益とか目に見える具体的な数値は「目標」であり、

企業が存在する意味、つまり自分の会社は何のために仕事をするのかを

明確にするものが「ビジョン」であり、会社の「目的」。

それに、そもそも売上とか利益なんて

企業サイドの問題でしかなくて、

お客さまには関係のないことですからね。

いきなり、話しが脱線していますが・・・

この本の中でも繰り返し書かれていますが、

アップルストアが魅力的であり成功を収めている要因として

「暮らしを豊かにする」という企業としてのビジョンが

明確であり、すべてがそのビジョンに基づいて組み立てられているから。

そう、企業としての強さを支えるのは、

そういう根っこの部分の考え方にあるという点には

ものすごく共感しました。

■笑顔を雇う(才能ではなく人間的魅力で採用する)

普通の組織は、ある仕事ができる人を採用するため、組織の文化は結果として

生まれるものになる。ディズニーやアップルは、まず文化を設計し、

その文化に心が躍る人、その一員にないたいと思う人を採用する。(P51)

まぁ、言ってみれば『人物本位の採用』ということなんでしょうけど・・・

何となく思い出したのが、「ビジョナリーカンパニー2」に書かれていた

「だれをバスに乗せるか」という言葉。

企業にとって人材こそが最も重要な経営資源だ、なんて言葉を

よく見たり聞いたりしますが、

そのために経営者は、どれだけのコトをしているのかな?って、よく思う。

特に日本みたいに解雇規制が厳しい環境にあっては、

最初に採用してしまったら「やっぱり、ゴメンなさい」ってわけには

なかなかいかない。。

だからこそ!最初の段階で自社の求人に応募してきた人が

どういう人なのかを見極めることが必要だと思うんですよね。

そう、どういう人を会社という名のバスに乗せるか、を

しっかり考えなければいけないと思うのです。

この本を読んでいて印象的だったのは、 

どういうポジションの面接でも、最初の質問は決まっています。

『あなたはいい人ですか』です。

そして、どう反応するのかをじっくりと見るのです。(P55)

私、一応5年くらい採用の仕事をしていた時期があるのですが、

その時にたくさんの方々と面接させてもらいました。

でも、さすがに「あなたは、いい人ですか?」という質問を

したことはなかったなぁ〜

それに、面接の場でいきなり「あなたは、いい人ですか?」って

訊かれたら、何てこたえますか?

最初に「人物本位の採用」という言葉を出しましたが、

この本を読めば、日本の多くの企業が掲げている

それとは、全く違うということが分かると思う。

アップルストアにとって、人の採用というのは、

自らの「ビジョン」を実現するための重要なプロセスの一つとして

位置づけられているのです。

■権限の委譲

権限を与えられると、従業員の「エンゲージメント」レベルが上がる。

つまり、自分の仕事に愛着を持ち、優れた顧客サービスを提供しようと

真剣に努力するようになる。(P142)

私の個人的な経験談で申し訳ないのですが・・・

小売りの現場とか、ホテルの現場って、

(まぁ、どこも同じだと思いますが・・・)

突然、とんでもないトラブルが起きたりするんですよ。

その時に一々、上司に報告して「どう対応したらいいですか?」なんて

指示を仰いでいられない時だってある。

つまり、現場のスタッフが自分で考え、自分で判断し、

即座に行動しなければならない場面が無数に発生するんです。

その時に必要なのが、「判断基準」と「権限委譲」なんだと思うのです。

アップルストアはこの2つが、本当に明確になっているのが

この本を読むとよく分かります!

逆に・・・・!

何をするにしても、すべて上司や本社に報告をして

指示を仰がなければならない現場というのは、

「顧客満足」という物差しで測ると、本当に弱い!

そういう現場、私も経験がありますが(苦笑)、

スタッフが何をするにも、「指示待ち」になるので、

自分で考えて行動するというコトが出来なくなるし、

何よりも自分の仕事に「愛情」を持たなくなるんですよ。

まぁ、本社は「しっかり管理できている」と思っていたようですが

(ちょっと、毒を吐いてみました・汗)

■サービスの5ステップ

A(Approach)顧客一人ひとりを、あたたかいあいさつで出迎える

P(Probe)顧客のニーズを丁寧に聞き出して理解する

P(Present)顧客に解決策を提示する

L(Listen)課題や懸念などをしっかりと聞いて解決する

E(End)あたたかい別れのあいさつと次回の来店をうながす言葉で別れる

(P164)

この「サービスの5ステップ」というのは、アップルストアのスタッフが

身に付けている接客マニュアルのようなもの。

注目すべきは顧客の問題解決にフォーカスされている点でしょうか?

(どこにも商品を売りつけろ!とかって書いてない・笑)

アップルストアのスタッフが大切にしているのは、

製品を1つでも多く売ることではなく、

顧客との関係を繋ぎ、築くコトだそうです。

だから、先ずはお客さまのお話しに耳を傾け、

そこから、どのようにしたらお客さまの希望を叶えられるか、を考える。

お客さまとの会話をとても大切にしていることが、分かります。

人は自分が好きな人からモノを買いたいと思っている」とは、

和田裕美さんの言葉ですが、

アップルストアでも、先ずは「売る、売らない」の前に、

お客さまとの間にどれだけ信頼関係を築くかを

タイセツにしているんでしょうね。

■細部にこだわる

アップルは、いまも、あらゆることに精度とエクセレンスを求めている。

デザインについても顧客体験についても、細かなところまでおろそかに

しない。神は細部に宿ると考えているからだ。天国にいるような体験を

生み出すのは、細かな部分だと。(P348)

アップルストアに行かれたコトって、ありますか?

私は銀座と福岡(天神)の2店舗しか経験がないのですが、

本当にキレイです!これがコンピューターとかを売っているお店なの?

って思うくらいに!

話しがそれますが・・・

私が何度も読み返している本の中に「ディズニー7つの法則」があります。

ディズニー7つの法則―奇跡の成功を生み出した「感動」の企業理念

その中に・・・

レッスン2「細部にこだわる

細かい点にもっと注意を払えば、顧客は離れていかなくなる。

レッスン4「すべての物が、語りかけ、歩み寄る

ゲストのためなら、どんなことにも全力をあげ、最善を尽くす

・・・というふうに書かれています。

ディズニーランドの中にあるヒッチング・ポイント(馬をつなぐ杭)は

なぜ、毎晩、毎晩、取り外して塗り直されているのか?

ディズニーランドのメリーゴーランドは、なぜ金箔ではなく、

23金を使っているのか?

その答えが、「細部にこだわる」と

「すべての物が、語りかけ、歩み寄る」というコトなのですが、

詳しくは、「ディズニー7つの法則」を読んでみて下さい。

(こちらも、いい本ですよ〜!)

アップルストアの価値を高めているのは、人(スタッフ)の

対応ばかりでなく、店舗という「箱」についても

『すべてはお客さまのため』という考え方があり、

それを具現化するために、細部にもこだわり抜いている!

ということなのではないかと思うのです。

◆最後に・・・

「プレゼンテーション」「イノベーション」をテーマにした

前2作と比べると、今回の新刊は、小売りである「アップルストア」が

舞台なので、読者も限られるのでは・・・?と

思われるかもしれませんが!

せっかく「ディズニー7つの法則」を取り出してきたので、

その中から、もう一つ(One more thing !

レッスン1「顧客が比べるすべての企業が競争相手」

お客さまにとって「業界」とか関係ないです!

自分が利用するお店やサービス、そのすべてが比較対象になるので、

ディズニーの競争相手は、時には電機メーカーのGEであったり、

時には輸送会社のフェデラル・エクスプレスだったりもするのです。

だから!

この本も「小売り」業界という狭い視野で読むのではなく、

お客さまがいる=すべてのビジネスに携わっている

ビジネスマン必読の1冊だと思うのです。

いや〜、今回も長々と書いてしまいました。。

「読者満足」を考えてないですね〜、私って ^^;;

とにかく最後まで、お読みいただきありがとうございました。

   

ペンギンオヤジのB読書!: 心をわしづかみにするスゴい!プレゼンの秘密
ペンギンオヤジのB読書!: ジョブズが教えてくれた人生のイノベーション
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2012年12月05日

自分が信じた道を歩くための道しるべ「裸でも生きる」

裸でも生きる――25歳女性起業家の号泣戦記 (講談社BIZ)

「裸でも生きる」

25歳女性起業家の号泣戦記

山口絵理子:著

講談社

この本はもう随分と前に買っておきながら、

ずっと積ん読の山に埋もれさせていた訳ですが、

先日(偶然?)参加したマザーハウスさんのセミナーを機に、

遅ればせながら・・・と言うか、

今さら・・・と言うか、

山の中から発掘して、手にとって読んでみました。

で・・・

泣きました。

ボロボロと涙を流して・・・

Amazonの内容紹介から

一歩踏み出す勇気がここにある!

イジメ、非行……居場所がなかった青春。

強くなりたいと入部したのは「男子柔道部」。

そして偏差値40から3ヵ月で一流大学合格。

大学を卒業し、本当の現場を見たいと渡った

アジア最貧国バングラデシュ。

腐敗にまみれた国で見つけた眠る素材、出会う人々。

やがてバッグ造りで起業を決意。

数々の失敗、挫折、裏切りに遭いながらも歩みを続け、

途上国発ブランド マザーハウスを軌道に乗せて

各マスコミで最注目の女性の、

明日へ向かう力に溢れたノンフィクション!

■私以上に努力してきた人間はいない

小学校時代には陰湿ないじめに遇い、

中学時代には、その反動で不良少女となるが、

偶然、出会った柔道にのめり込み、

高校では「男子」柔道部に入部!!

雑巾みたいに、投げられても、「来い!」って言って

私は巨漢に立ち向かっていったはず。

次の日、朝練に向かった。

また地獄のような練習がはじまった。

(中略)

練習ではいじめられた。壁にわざとたたきつけられ、

引きずり回され、また締め落とされ、私は吐いた。

耳はつぶれてしまったが、それでも頭にぐるぐるテーピングを

巻きつけ練習を続けた。(P30)

こんな感じで著者、山口さんの高校時代の柔道の練習は

半端ないものだったよう・・・

そして全国大会へのチケットが懸かった試合の前日、

彼女は思います。

「私以上に努力してきた人間はいない」(P32)

そして彼女は見事に県大会を勝ち抜き、

全国大会への出場を果たします。

運動部などで激しい練習を積んできたという話しは

時々、耳にしたりしますが、山口さんほどに「努力」を

つづけてきた人は滅多にいないのではないか、と思います。

私、一応コレでも中学、高校とバレー部に在籍していましたが、

山口さんに比べたら、その練習量なんて足下にも及びません!

読みながら思いました・・・

私は今まで「努力」という言葉の意味を

間違えていたのではないかと・・・

その後、彼女はバングラデシュに赴き、

数々の試練を乗り越えて、起業する訳ですが、

その過程での粘り強く努力する姿勢は既に学生時代に

発揮されていたんですね。

■みんなと同じテーブルで作業する

バングラデシュという異国の地で、バッグ造りで起業した彼女。

そこで彼女は現地の工場で実際に自分も一緒になって

バッグ造りの作業をします。

よく海外のバイヤーの方たちは高圧的に、「早くやれ!違うだろ!」という

指示の仕方をするが、(大半は生産の現場をまったく見ようともしないが)

私はみんなの気持ちになって、みんなと一緒に、同じ目線で同じテーブルで

作業をし続けた。

それが私に合ったやり方だと思ったから。(P148)

バイヤー(Buyer)って仕事は文字通り、小売店などの商品の買い付けを

仕事としている人のことです。

私も一応、十年ちょっとくらい小さなホームセンター企業で

バイヤーという仕事をしていた経験があります。

だから、このバングラディシュでの山口さんの「みんなと同じテーブルで

作業する」という仕事ぶりには、驚かされました。

ちょっと専門的な話しになりますが・・・

買い付けといっても、やり方は色々あって

この素材を使って、色はこの色で、デザインはこんなふうにして・・・と、

商品の仕様を決めてメーカーに発注する(仕様書発注なんて言われます)

やり方が一つ。

ちょうどオーダーメーイドの服を買うような感じですね。

それに対して、メーカーが企画して作った商品を吟味して、

必要数を買い付けるやり方もあります。

いわゆる「吊るしの服」を買うようなイメージです。

山口さんのやり方は完全に前者の仕様書発注方式ですね。

(ちなみに私は後者のやり方でした)

それに私の場合は常に3000品目くらいの商品を扱っていたのに対し、

山口さんは(多分)数点から十数点くらいの商品の扱いだと思うので、

仕事のやり方も違って当然だとは思うのです。。

が・・・!

山口さんの文章から伝わってくる商品に対する思い入れや愛情の深さ。

商品の品質に対するこだわり、厳しさ。

それに生産の現場(それもバングラディシュ!)に飛び込む仕事への姿勢。

もう何もかもが私とは違いすぎることに、ショックを受けました。

バイヤー時代、私はいったい何をしていたんだろう・・・

(そもそも、お前なんかと比べるな!という感じですかね・・・ショボン)

同じ日本人、同じ20代での仕事なのに、こんなにも違うのか!

目の前の仕事に全力を尽くす、とはよく言われる言葉ですが、

やる人は、ココまでやっているんですね。

■学校中響く怒鳴り声

バングラディシュでバッグ造りを始めた山口さん。

最初の製造分が完成して日本に帰国した後、もっとバッグのことを

知りたい!と専門学校に通いバッグの修行を始めます。

そこで出会った先生がまた怖くて厳しい人だったようで・・・

「なんでそんなことできないの!」

「何回言ったらわかるの!」

「やり直し!」

と、バッグ学校の中で怒鳴り声が響く。(P197)

怖いですね〜

でも、そんな厳しさの裏には先生なりの愛情が隠されていたんです。

「あんたがどんな覚悟でやっているのかなんて、十分わかっているから。

でも、あたしが言いたかったことは、あんたみたいなきれいな心を持った

人間が、この業界では、食い物にされちゃうんだよ。みんないい人ばかり

じゃないんだから。餌になんてされていいわけないでしょ」

「・・・・はい」

また、涙がボロボロ出てきた。(P198)

山口さんの奮闘ぶりを知りつつ、彼女の将来を案じて

敢えて厳しい態度で接していたんですね。

この本の中には山口さんの関係者、協力者が何人も登場しますが、

私は個人的にこの先生が一番印象に残りました。

優しくも厳しい大人って、自分の周りに

少なくなったような気がしませんか・・・?

私も社会人になって最初の上司が社内で一番怖いと評判だった人で、

そりゃもう、毎日コテンパンにやられまくってました。

情けない話しがですが、怒鳴られた悔しさと自分の情けなさに

社内で隠れて涙したこともあります。

そして挙げ句の果てに「見てろよ、絶対にいつか見返してやる!」と

逆恨みまでしたりして・・・

でも振り返ってみると、その上司のおかげで自分は成長できたと

思うし、何とか一人前の社会人になれたんだと今では感謝しています。

「甘さ」というコインがあるとすると、その裏側は「冷酷」。

甘いことばかりやっていると、皆を不幸にする。

冷酷では、人はついてこない。

「優しさ」というコインがあれば、その裏は「厳しさ」。

厳しいことをいうには勇気がいる。その勇気は信念から出てくる。

小宮一慶:著「人生の原理」より抜粋

私を含めてですが・・・変にモノわかりのいい優しいと言うよりは

甘い大人ばかりが増えてきているような気がするのです。

でも、それってやっぱり本当の「優しさ」ではないんですよね。

【まとめ】

バングラデシュで見てきた現実の中で自分の人生に最も影響を

与えたものは、明日に向かって必死に生きる人たちの姿だった。

ただただ生きるために、生きていた。

そんな姿を毎日見ていたら、バングラデシュの人が自分に問いかけて

いるような気がした。

「君はなんでそんなに幸せな環境にいるのに、やりたいことを

やらないんだ?」って。

他人にどう言われようが、他人にどう見られ評価されようが、

たとえ裸になってでも自分が信じた道を歩く。

それが、バングラデシュのみんなが教えてくれたことに対する

私なりの答えだ。(P257)

この本を読んで感動した人は大勢いると思う。

でも、皆んながみんな山口さんのように生きられる訳でもないと

思うのだが、別にそれでも良いと思う。

ただ、「自分が信じた道を歩く」言葉にすると軽々しく

聞こえてしまうかも知れない。

でも、この本を読めばその言葉の意味と重さは

充分に感じられるはず。

「努力という言葉の意味を間違えていたかも・・・」と

最初に書いたが、自分の人生で困難な壁にぶつかった時に

山口さんの凄まじい奮闘ぶりを思い出せば、

きっと自分も乗り越えられる!と勇気が湧いてくるはず。

おしまい。

最後まで読んでくれて、ありがとうございました。

よろしければ下の方にある「f いいね!」をポチしてくれると

私も勇気が湧いてくるのでよろしくお願いします!

山口さんの会社、マザーハウスのホームページ

レザー、ジュートバッグのマザーハウス公式サイト/財布、ショルダー、ハンド、トートバッグ、ネパールの服など 山口さんの会社、マザーハウスの公式サイト

私が参加したマザーハウスさんのセミナーの様子はこちらから・・・

ペンギンオヤジのB読書!: Warm Heart, Cool Head

 

posted by penguin-oyaji at 19:04 | Comment(0) | ビジネス書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年12月03日

資本主義経済の中で生きるための人生戦略本!「僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか?」

僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか? (星海社新書)

「僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか?」

木暮太一:著

星海社新書

最近、世間では某政党が政策として打ち出した

最低賃金制度の廃止が物議をかもしていますが、

そもそも、自分が貰っている「給料」の金額って

何を根拠に決まっているのか、分かりますか?

Amazonの内容紹介より

マルクスと金持ち父さんが教えてくれた“目指すべき働き方”

私は、大学時代に経済学の古典『資本論』と、

お金の哲学を扱った世界的ベストセラー

『金持ち父さん貧乏父さん』を深く読み込むことで、

その後の人生が大きく変わりました。

実はこの2冊は全く同じことを言っています。

それは、資本主義経済の中で私たち“労働者”が

必然的に置かれている状況についてであり、

そこから考え始めることで、どういう「働き方」を選択すれば

ラットレースに巻き込まれず、幸せに暮らしていけるかが

よくわかるのです。

今の働き方に疑問を持っているのであれば、

転職や独立、ワークライフバランスを考えても意味はありません。

しんどい働き方は、もっと根本的なところから考え、

変えていかないといけないのです。

■資本主義社会の国で生きるということ

『資本論』は、資本主義経済の限界と目指すべき共産主義思想に

ついて説いたカタい本ですし、一方の『金持ち父さん貧乏父さん』

は、どうすれば「ラクに」お金を儲けることができるか、という

「ザ・資本主義」のような本です。

しかし、大学生だったわたしは「この2冊の本が言いたいことは

本質的に同じではないか?」と感じ取りました。

(中略)

一方は革命、一方は投資です。

しかし、「資本主義経済のなかでは労働者は豊かになれない」という

主張の前提の部分は、まったく共通していたのです。P11

この本の冒頭はこんな感じで、マルクスの「資本論」と

世界的ベストセラー「金持ち父さん貧乏父さん」を持ち出してきて、

資本主義経済の中で生活している労働者は豊かにはなれない”と

いきなり衝撃的な(?)話しが展開されます。

そして、マルクスの「資本論」の内容から、私たちはなぜ、働いても

働いても豊かになれないのか?という話しに続きます。

冒頭に書いた、「私たちの給料はどうやって決まっているのか?」

この本で著者が説明しているのは、こうです。

給料の決まり方は「必要経費方式」と

「利益分け前方式(成果報酬方式)」の2種類がある。

「必要経費方式」というのは、社員という家族が生活するのに

必要なお金を算出して、その金額を給料として支給する。

裏を返せば、その社員がいくら稼いだか、どれくらい会社に

貢献したかは給料に反映されない。

「利益分け前方式」は、言葉の通り社員が稼ぎ出した利益の一部を

給料として支給する。

そして、殆どの日本企業は前者の「必要経費方式」で社員の給料が

決められている。(だから、いくら頑張ってもなかなか給料は

あがらない!)

ざっくり書くと、こんな感じですかね。

10年くらい前でしょうか?

日本の企業でも「成果主義」という考え方を

取り入れるところが増え始めたのは。

下手に「成果」なんていう言葉が使われているので、

「頑張って成果を出せば、報われる」というふうに考える人が

多いと思います。

以前、私が勤めていた会社でもそんな世間の流れに巻き込まれ、

「成果主義」の賃金制度が導入され、それに伴って人事評価制度も

改められました。

その頃、私は一応、エラソーに役員をやっていたのですが、

役員会で議論されたのは、Aランクの人とEランクの人とでは

どれくらい差をつけるのが妥当なのか?という問題でした。

心情的にはAランクの人の給料は思いっきり上げてあげたいですよね。

でも、それが出来ないんです!

なぜか・・・?

半期ごとに人事評価を行っていたのですが、たまたま成績が良かった

からといって、給料を上げてしまうと次ぎにその人の成績が悪かった時に

給料はそんなに下げられないからです(賃金の下方硬直性)。

でも、まったく差を付けないという訳にはいかないので、

ベースの金額(これがつまり生活に必要な経費分ですね)に

気持ち程度の強弱を付けるというところに落ち着いたのです。

もちろん、もっと大胆に成果によって報酬を変えている企業も

あるかと思います。

でも、外資系の成果主義とか完全歩合制の給与制度とかを

採用していない限り、あくまでも給料の基本部分は「必要経費方式」で

決められていると言えるのではないでしょうか。

だから、いくら頑張っても、いくら成果をあげても

給料はそんなに上がらないということになるんですね。

■高い給料の貰い方

「労働力の価値」を積み上げていけば、やがて土台ができ、給料の

基準金額を引き上げることができます。

(中略)

労働力の価値を積み上げるには、「自分の労働力を消費せずに投資する」

という考え方が必要です。(P237)

いくら頑張っても、給料はそんなには上がらない、という

資本主義経済の中で、それでも尚、高い給料をもらい、日々の業務で

心身ともに擦り減らないようにするためには、どうすればよいのか?

この本のなかではいくつかの解決策が提示されています。

単純に考えれば、高い給料で雇ってもらえるような知識、技術を

習得する!というふうに思いますよね。

確かにその通りなのですが、この本では、「損益計算書(PL)」的な

視点ばかりではなく、「貸借対照表(BS)」的な視点を持って、

日々の仕事の成果を積み上げていくことが大切と書かれています。

多少、会計の知識が無いと分かりにくいかも知れませんが、

貸借対照表には「資産の部」というものがあり、そこには現金、

売掛金、棚卸資産、建物・土地といった固定資産などの金額が

記載されてます。

IMG 1418

すごく簡単いうと、企業はこの「資産」を使って営業活動を行い、

利益を生み出しているのです。

だから、資産=将来の利益を生み出す源泉とも言えるわけです。

これを個人に置き換えると、将来的に高い給料を生み出す資産を

増やしていけば良い、と言えますね。

(企業の場合は単純に資産が多ければ多い程よい、という訳では

ないのですが・・・)

1日に8時間+アルファの働いても、後々自分の資産として残る働き方も

あれば、何も残らないものもあります。

少し話しが逸れますが・・・

私が採用担当として仕事をしていた時のこと。

単純に労働力として頭数が欲しい時と、将来的に管理職や専門職として

働いて貰いたい時とでは、採用の基準を変えていました。

(当たり前の話しですが・・・)

管理職や専門職を採用したい時に、採用担当が見るのは、

その人が将来的に自社でどれだけ貢献してくれるか、です。

言い換えれば、その応募者がどれだけの「稼ぎ出す力」を

持っているかですね。

この本の中では、その「稼ぎ出す力」を貸借対照表の資産と

言っているのだと思うのです。

正直、採用担当の目から見ると10年、15年と長期間働いたキャリアが

あっても、誰でも出来るような単純作業の繰り返しのキャリアでは

なかなか採用しようとは思えないんですよね。

(この話し、テンツバかな・・・?)

自分自身に毎日問うべきなのは、

「資産を作る仕事を、今日はどれだけやったか?」

という質問です。

これは、折に触れて自問するようにしてください。(P287)

私を含めてですが、単純に経験=キャリア=自分の資産というふうに

ならないというコトを肝に銘じておかなければいけませんね。

そして!

この日々の仕事の中で資産が積み上がってくると、

それが土台となって、より少ない労力で(ラクに)仕事ができるように

なるんですよね。

これがつまり、仕事を「消費」ではなく、「投資」として考える

ということなのかな、と思いました。

■やっぱり「継続」!!

「ひとは、1年でできることを過大評価し、

10年でできることを過小評価する」(p289)

10年でできることを過小評価せずに、地道に労働力の価値を積み上げて

いけば、大きな資産を築くことができます。

そして、その資産を使って、仕事をすることがきます。(P293)

もうすぐ新年を迎えますが、お正月になると「一年の計は元旦にあり」と

その年の目標などを考えたりますよね。

あれもやりたい!これもやりたい!と欲張ってたくさんの目標を掲げたりします。

でも、年の瀬に振り返ってみると、

新年の目標のうちどれだけ達成できているでしょうか・・・?

私の場合、100個の目標を書いたうち

達成するのは、2、3割くらいです。。(大汗!)

言い訳がましいですが、

1年のうちに出来ることは、そんなに多くはない!というのが

ココ数年の私の実感です。

「1年」でこの有り様ですから、「10年」も継続するなんて

それこそ至難の業という気がしますよね。

でも、裏を返せば10年間がんばって継続していけば、

他の人が得られないような大切な宝物が手に入るとも言えるわけです。

この本の最後に著者が書いているのは、まさにこのコトです。

やっぱり目標を持って日々、コツコツと継続していくことが

苦しい生き方から抜け出すのに大切だという、

自己啓発的にまさに王道の考え方で締め括られているのです。

【まとめ】

「人生戦略」という言葉がありますね。

私がこの本を読んで感じたのは、人生戦略を考えるための羅針盤のようだ。

ということです。

戦略と言うからには、内的・外的な環境分析をしますね。

それがつまり、この本の冒頭に書かれているように資本主義経済の中で

私たちの給料はどのように決められ、どんな問題があるのかを知ること。

そして現状を踏まえつつ、目標(苦しくなく、よりよい働き方をする)に

辿り着くために、どのような知識、技術を身に付ける必要があるのか、

戦術を考える。

我が人生の師匠、小宮一慶さんが本の中や講演会などで

サッカーの試合のために、いくら卓球の練習をしてもムダなように

目標を達成するためには「正しい努力」が必要、というコトを

書いたり話されたりします。

いくら頑張って働いて、成果を出しても給料があがらない!

(挙げ句の果てに、上司を逆恨み!)と嘆く前に、

自分の給料は何を根拠に決められているかを知り、

どうすれば、高い給料を払って貰えるようになるのかを考えて、

正しい戦略をたて、正しい努力をすることが必要なんだ

というコトをこの本を読みながら、改めて考えさせられました。

おしまい。

最後まで読んでくださって、ありがとうございました!

よろしければ下の方にある「f いいね!」をポチしてくれると嬉しいです。

※実は・・・前回のの記事をアップした後にブログの設定をあれこれと

いじっていたら、せっかく皆さんにポチして貰った「いいね!」の数を

ゼロ・リセットしてしまうという失態をやらかし、凹みました。。

ポチしてくれた皆さん、ゴメンナサイ。m(_ _)m

posted by penguin-oyaji at 14:47 | Comment(0) | ビジネス書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月29日

自分とお客さまがハッピーになる質問力

ビジネスリーダーの「質問力」―最前線で差がつく加速交渉術 (角川SSC新書)

ビジネスリーダーの「質問力」

青木 毅:著

角川SSC新書



この本は友人に教えて貰い、早速手にしてみました。

タイトルに「ビジネスリーダー」とありますが、

内容は殆ど営業チックな話しです。

でも、「オレ、営業じゃないし〜」というのは早計!

日常会話の中でも「質問する」ことの大切さと言うか、

その威力を考えるきっかけになると思います。

■なぜ、質問力が必要か・・・?

営業マンは、お客さまに対して「いかに話すか」よりも、

お客さまに「いかにして話してもらうか」を重視すべきなんです。

お客さまは、自ら話すことで頭の中が整理でき、本当に

必要なものがはっきりしてくるのです。

このブログでも何度か書いていますが、

私は20年以上も社会人をしていますが、

営業の経験は殆どありません。

むしろ逆に営業を受けて商品やサービスを買う、買わないという

立場で仕事をしていた期間がとても長いのです。

だから、どんな営業をされると効果的なのか?

あるいは逆効果なのか?というコトが何となく客観的に分かるのです。

(まぁ、あくまでのその判断基準は私自身の気持ちだけですが・・・)

まぁ、言わずもがなですが、ダメダメな営業は・・・

・こちらのコトは関係なく、

・恐らく会社で支給されたであろうパワポで作った資料を広げて

・一方的に説明トークを炸裂させて

・さぁ、買え!オーラを全力で放つ

そんな営業ですかね。

一応、ふむふむと話しは聞きますが、

この手の営業から「買った」試しがありません。

逆に、どんな営業をされるとありがたいかと言うと、

・こちらの悩みや問題に耳を傾けてくれて、

・よく話しを聞き、そして理解してくれて、

・悩みや問題解決を提案してくれる

こんな感じでしょうか。

こういう営業をされると嬉しくてホイホイと契約・・・・するかどうかは

その時々によりますが、少なくとも商談アポの電話が掛かってくると

積極的に会いたい!とは思ってました。

突き詰めて考えると、買う側として営業に求めるものは

・自分の悩みや問題を理解して欲しい、聞いて欲しい

・そして、それを解決するためのソリューションを提供して欲しい

この2点に尽きるのではないかと思うのです。

だから営業マンは『質問』することで、

買う側の「話しを聞いて欲しい」の引き金を引いてあげることが

大切なんですね。

■人は自分の思った通りにしか動かない

お客さまの話にこちらが解決策を提案しても、お客さまはその通りに

動きたくないんです。自分で解決策を見つけ、その解決策にそって

動きたいんです。これなんです。私にとっては、まさに革命的でした。

営業マンに(無理やり)売り込みされるのは

きっと誰だって嫌ですよね。

それはやはり、売り込まれるというのは、

そこに買い手側の意思がない訳で、

だから営業マンという他人の考えで自分の行動を決められてしまうコトに

反発心さえ感じてしまうのでしょう。

この本の中に「人は自分の思った通りにしか動かない」という言葉が

何度も何度も繰り返し出てきます。

「思う」→「考える」→「行動する」→「結果が出る」という

プロセスを経て人は行動するものなのですね。

以前、小売りの現場で働いていた時に、よく社長から

何を、買うか

いつ、それを買うか

どこで、買うか

それを決めるのは全てお客さまだ!

とよく言われました。

そう、モノや情報が溢れ返っている今の時代、

「買う」というコトを決めるのはあくまでもお客さまが主体であり、

売る側ではないんですよね。

恋愛では男性側が好きになった女性に対してグイグイと押せ!

と、よく言われたりしますが、

少なくともモノやサービスを売る現場では

今や「押せ!」では通用しない時代だと思うのです。

買う側にどのようにして気持ちよく決断して貰えるようにするかを

考えないといけない。

もっとも、恋愛の場面でも「押してダメなら、引いてみな」という

手もあるかと思いますが・・・

未だ独身の私にはよく分かりません。それが何か・・・?

■何を質問していいのか分からなかった採用面接

以前、4年くらい採用の仕事をしていた経験があります。

採用というからには、当然「採用面接」をしなければなりません。

面接というからには、当然「質問」をしないといけません。。

今でも、はっきりと覚えているのですが、

初めて学生さん相手に面接をした時、

私の方がガチガチに緊張しまくってました。

何せ、面接を受けたことはありますが、面接官なんて経験がなかったので、

何をどう質問すれば良いのか、全く分からなかったのです。

最初の頃は「質問リスト」を作って、

それを見ながら上から順番に質問してました。

相手がどんな答えをしようが、おかまいなし!

新米面接官にとって何よりも質問することが大事だったのです。。(恥ず!)

まぁ、それでも場数を踏むうちに段々と要領も分かって来て・・・

自分なりに思っていたのは、

最初の質問は、きっかけに過ぎない。

大切なのはその最初の答えを聞いた後、さらに質問を重ねていって

深掘りしていくことだと思うのです。

ましてや採用面接ですから、目の前の相手は面接官が

気に入る答えをしようというバイアスが多少なりともありますから、

最初の答えだけを聞いて判断するのはちょっと危険かも・・・と

思っていたのです。

だから、前の質問の答えや相手の話し方、表情を観察して

「この人は、こういう人なんじゃないだろうか?」と

推測をして、それならこの質問にはこういう答えが

返ってくるのではないだろうかと、頭の中で仮説を考えながら

質問を組み立て、深掘りをしたものです。。(遠い目)

この本の中でもアプローチ、プレゼンテーション、

クロージングという営業の各段階に於ける質問の仕方などが

書かれています。

質問することが大事だと分かっても、それを具体的に

自分の仕事の中にどのように落とし込み、

どんな質問をするべきなのか、

これを体得するためには、やっぱり場数というか

経験も必要なんでしょうね。

■結局、何のために営業しているのか(働いているのか)?

「相手のお役に立てる!お役に立ちたい!」という情熱を

持つことが、営業マンの第一条件ですね。

(中略)

相手のお役に立つのなら、絶対に嫌われないのです。

「人と接することがスキなんです」

「お客さまに喜んで貰えるのが嬉しい!」

そんな入社動機を語っていた新人さんが販売の現場に立ち

しばらくすると、お客さまの陰口を言ったり、

与えられた達成ノルマ(売上計画など)に追われて

疲れきった表情に変わってしまう・・・

まぁ、理想と現実は違う、

目の前の売上を達成するのが何よりも先決だから・・・

そう言ってしまえば、それはその通りなのかも知れませんが・・・

以前の会社で、

・仕事はお客さまのお役に立つことをすること、

・売上はどれだけお客さまのお役に立てたかのバロメーターだ

そんなコトを年中、言われていました。

でも、個人的にはそんな言葉を聞かされるたびに

内心では「何をきれいごとを・・・」とも思っていました。

だって売上がいかなければ怒られましたからね。。

しかし40過ぎて、ようやく段々とこの言葉の意味と言うか、

重みが分かって来ましたよ。

ホテルで働いていた時、がむしゃらに

客室の稼働率と売上金額だけを3ヶ月くらいずっと追いかけて

仕事をしてたことがあったのですが、

いくら数字が上がっても、モチベーションが続かず、

精神的にキツくなってきたんですよね。

世の中には数字さえ達成できれば、それでOKと考えている人も

多いので、一概にその考えを否定することは出来ないのかも

しれませんが、少なくとも私は・・・

仕事の目的は、お客さまに喜んで貰うことで

数字はあくまでも、その結果。

だから数字をあげるためには、

より以上にお客さまのお役に立てることを

考えて汗する働き方をしたいと思うのです。

そして何よりも・・・

数字を見てるよりも

お客さまが喜んでくれている笑顔を見てる方が嬉しいから。

【▼kindle版】

posted by penguin-oyaji at 23:31 | Comment(2) | ビジネス書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年12月05日

ジョブズが教えてくれた人生のイノベーション「スティーブ・ジョブズ 驚異のイノベーション」


「スティーブ・ジョブズ 驚異のイノベーション」
人生・仕事・世界を変える7つの法則

カーマイン・ガロ 著
井口耕二 翻訳
日経BPマーケティング


2011年10月5日。
スティーブ・ジョブズが亡くなった。

その朝、私は目覚めて、
いつもようにiPhoneでツイッターのTLを
ぼんやりと眺めていた。
すると次つぎとジョブズの訃報が流れて来たのです。

オバマ大統領が語ったように
私もジョブズが発明した製品で、彼の死を知った1人でした。

そして、ベッドに仰向けになったまま、TLを流れていく
ジョブズの訃報を見つめているうちに、
涙が溢れてとまらなくなったのです。

そして、こんなツイートを投稿しました。

「そして気付けば、Appleの製品だけでなく、
ジョブズの生き方から色々なコトを感じ、
学んで来たように思う。

stay hungury,stay foolish…

貴方から教えて貰った事はいつまでも
忘れません。
ありがとうございました。」

私にとって、ジョブズは人生を教えてくれた
師匠の一人でもあったように思うのです。


■情熱からスタートする

この本には何度も何度も
『情熱』という言葉が繰り返し登場します。

情熱に従えば道は開けると信じていた」(P68)

情熱がない人は元気がない。元気がない人は
何も手に入れられない
」(P72)

イノベーションというのは、もっと別のところ、
情熱からスタートすることがわかる
」(P51)

イノベーションは、・・・と言うよりも
人生そのものに「情熱」が必要だということか。


情熱とはなんだろう・・・


「手に入れたい」「こうしたい」「実現させたい
と、心の底から沸き上がるような思いの事?

そうか、情熱とは!(ビックリマーク)の事なんだ(笑)

では、顧みて私自身が人生において情熱を感じながら
行動している事って何だろう?

例えば、「私は仕事が好きで、情熱を持ってやっている!」
と言えるだろうか?

不惑」と呼ばれる年齢になったが、
はっきりと、そう断言できるだけの自信が今の私には
残念ながら「ない!」のです。。

しかし、ジョブズに言わせれば

まだみつけられていないひとは探し続けてください。
妥協しないこと。(中略)みつかれば必ずわかります。

(P51)


■点と点を結ぶ

「探し物はなんですか?見つけにくいものですか?」と
歌ったのは陽水であったか?

もし、陽水の歌の通りなら
探すのを止めた時になって、初めて見つかったりするのかも
しれないのだが、・・・さて、どうだろう?


自分の人生を通して「達成したい!」と思える夢なんて
そう簡単に見つかるものだろうか?

そんな途方も無いような「問い」に対する一つの答えが
この本の中に書かれている。

点と点がどうつながるかなどわからなかったが、最後は
うまくつながった。未来を見ていても点と点はつながらない
とジョブズは言う。過去をふり返ったとき、初めて、
点と点がつながる。興味や関心に従っていれば、いつか、
収まるべきところにすべてのピースが収まるのだ----
そう信じて進むしかない
」(P43)

私なりの解釈だけど・・・

未来を見通して(打算的に)、物事を行うのではなく
自分の心に従って、その時その場で
やりたい事を夢中になってやっていれば、
それが、未来で繋がっていくのではないかと思う。

大切なのは「自分の心に従う事」

そして、避けなければいけないのは
こんなもんで、よかんべぇ〜」と
中途半端に妥協してしまう事。


■世界を変えたいか?

このまま一生、砂糖水を売りつづけるのか、
それとも世界を変えるチャンスをつかみたいか

これは、若き日のジョブズが、当時、ペプシのCEOだった
ジョン・スカリーの許を訪れ、アップルに引き抜くために
言った有名なセリフですね。


例えば、ある朝、どっかのおじさんが自分のところにやって来て
「世界を変えてみないか?!」

と言われたら、私は何と返事を
するだろか・・・?と、妄想してみた。

きっと、怪しいおじさんだと思うだろう・・・^^;;


しかし、それより以前に、私は「世界を変えたい」とか、
「宇宙に衝撃を与えたい」などと思っているだろうか?

確かにジョブズは、イノベーティブに世界を変えた。
・・・だから、この本も書かれた訳だが・・・

格好悪いかも知れないけれど
今の私は「世界を変えたい」などとは、これぽっちも思ってない。


では、私に「イノベーション」は不要なのだろうか?


確かに、世界を変えてみたい。とは思わないが、
自分の人生を変えてみたい、より良いものにしたい!とは
思っている。

そのためには、やはり本書を参考に日々の過ごし方を
変えていかなければ!と読んでいて触発されるところも多かった。

例えば・・・

年頭の目標として「やめること」リストをつくろう。
一番大事な目標に向かうもの、情熱が満足されるもの以外に
使う時間を減らそう
」(P286)

この本を読んで、ぜったいにやろう!とおもったのが、これ。

格好良く言うと「Not to do list」ですね。

ジョブズは56歳でこの世を去ったが、
もしも!自分の寿命がジョブズと同じだったら、
もう人生の時間は10年も残っていない事になる!!

今年の年頭に「やりたい事」を101個リストアップしたけど、
来年は「やりたい事」だけでなく、「やらない事、止める事」も
リストアップして、時間を無駄にしないようにしたいものだ。


■stay hungury,stay foolish…

そんなわけで、世界を変えてやろう!と思っている人にとっても
自分の人生をよくしていきたい、と思っている人にとっても
この本に書かれている事は示唆に富んでいると思います。

そして、、、
私が思うに・・・自分の人生にイノベーションを起こすために
忘れてはならない一言がこれ。

stay hungury,stay foolish...

既存の押し付けられた既成概念や、枠組みにとらわれず
自分の心に従って貪欲に生きていくこと。

周囲の目を気にして「まぁ、こんなところでよかんべぇ」と
分別くさく妥協しないこと。

ジョブズが遺してくれた大切な一言。

stay hungury,stay foolish...


最後まで読んで下さり、ありがとうございました。

そして、遅ればせながらですが

スティーブ・ジョブズ氏のご冥福を心からお祈りします。


ありがとう、ジョブズ。


 【▼単行本】


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2011年05月27日

心をわしづかみにするスゴい!プレゼンの秘密

久しぶりに和田さん以外のネタを・・・(笑)


「スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン」
人々を惹きつける18の法則

カーマイン・ガロ 著
井口耕二 訳

日経BP社


1994年、初めて買ったパソコンがMacのノートブックで
(当時はPowerBookという名称でした)
それ以来、17年ほどMacをはじめiPodやiPhoneなど
アップルの製品を使い続けています。

今までに多分、車2,3台分くらいはアップルに
支払ったのではないかと・・・(笑)

そんなアップルの製品について
めちゃくちゃ魅力的に伝えてくれるのが、
アップルのCEO、スティーブ・ジョブズです。

今までに何度かジョブズの新製品発表会や
展示会などでの基調講演を(動画で)見たことが
ありますが、もう本当にわくわくしてきて、
一刻も早く手に入れて使いたくなるんですよね。

そして・・・・!

気付くとポチッと購入ボタンを押していたりして^^;;

前置きは、これくらいにして・・・

この本は、そんな私達をわくわくさせてくれる
ジョブズのプレゼンを分析し、そのテクニックを
明らかにした1冊です。

●この本の3つの効能

・めちゃくちゃすごいプレゼンターになる!

・人生の大切なものについて考えを馳せる

・アップルの歴史を懐かしむ


■めちゃくちゃすごいプレゼンターになる!

ジョブズのプレゼンは本当にすごい!

この本の中にも度々登場しますが、
2007年にアイフォンを発表した時のプレゼンの様子。


今日は革命的な製品を3つ紹介する

そう言ってアイフォンの紹介を始めるジョブズだが、
この「3つ」という数字にも、プレゼン上達のテクニックが
隠されているのです。

最近は、人間の頭が楽に思い出せるのは3項目から
4項目だというのが学会の定説となっている。ジョブズが
提示するポイントがせいぜい3つか4つなのは、ある意味、
自然なことなのだ
」(P103)

ちなみに私もよく真似をしてプレゼンや発表の時に
今日は3つの話しをします」と、指を3本立てて
話しを始めたりすることがあります。
何だかそれだけで「デキル」ビジネスマンっぽく思えたり
するのですが・・・きっと私の勘違いだとおもいます。。


また、この時のプレゼンでジョブズは
今日、アップルが電話を再発明する
このフレーズも使ってますね。
これもテクニックの一つとして取り上げられてます。

ツイッターのようなヘッドラインを作る」(P84)

アップルのヘッドラインが記憶によく残るのは
3つの条件を満足しているからだ。簡潔、具体的、そして、
利用者にとってのメリットがわかる
」(P93)

個人的には「ヘッドライン=キャッチコピー」と
理解したのですが、これも例えばブログのタイルを
考える時に応用できそうですね。

このような感じで本書の中では、ジョブズのプレゼンから
効果的なテクニックをあぶり出し、説明してくれています。

この本に書かれている「18の法則」を身につければ
もしかしたら、ジョブズ2世と言われるかも・・・?!


■人生の大切なものについて考えを馳せる

本書を読めば、アイデアを上手に売り込むための
テクニックは身につくだろう。しかし、自分のサービス、
製品、会社、主義主張に対する情熱がなければ、
テクニックなど何の役にもたたない
」(P77)


主義主張に対する情熱がなければ、

テクニックなど何の役にもたたない・・・


プレゼンをするにあたって、一番大切なことが
単に商品やサービスの説明をすることではなく、
相手の人の心を動かす事にあるとしたら、
やはり、プレゼンターに情熱がなければ
何も相手の心には届かない・・・という事ですね。


では、その情熱の源泉は?


大好きなことを見つけてほしい。仕事というのは
人生の中でかなり大きな部分を占めるわけだけど、
本当に満足するには、すごい仕事だと信じることを
するしか方法がない。そしてすごい仕事をするには、
自分がすることを大好きになるしか方法がない。
まだ見つからないなら、探し続けてほしい。
あきらめちゃいけない
」(P65)


成功するにはおもしろいと思うことをしろ。
そういうことなのだ。大好きなことを追求し、
自分の使命を果たす。ジョブズも言っている。
どこに行きたいのかは心が知っている、と
」(P69)


基本的には『プレゼン本』である本書だが、
「シーン3 救世主的な目的意識を持つ」
このへんを読むと、殆ど『自己啓発本』みたいな感じで
読んでいると、
むちゃむちゃ元気になります!!!


また、「考え方」だけでなく、実践的な部分としても
人生を生きていく上で大切ことに
触れている箇所があります。


ジョブズと同じように話すことは誰にでも
可能だが、そのためには練習が必要だ
」(P317)


プレゼンテーションを「生き生きとさせる」には
練習が必要である。このことさえ原則として
受け入れれば、一歩抜きん出たプレゼンテーションが
できるようになる
」(P317)


大勢の聴衆の前に、華やかなスポットライトを浴びて
立ち、魅力的なプレゼンを披露するジョブズだが、
その陰には、とても地道で厳しい練習を何時間も
積んでいる様子が書かれています。

とかく人生の「光」の部分に心を奪われてしまいがちに
なりますが、光あるところに影がある、と言われるように
人目に付かないところでの努力がどれだけ大切なのか、
という事を改めて思い知らされました。


■アップルの歴史を懐かしむ

さて、私のように20年近くもアップルと
お付き合いしてきたものが、この本を読むと
何だかとても懐かしくも嬉しい気持ちが
こみ上げてきます。

何故なら、自分がわくわくした気持ちで手にしたり
目にしてきた、アップルとの思い出が甦るから。

ちなみに、ここまで読んで頂ければお分かりの通り
私はかなりの「アップル中毒者」であります^^;;

例えば、ちょうど私が初めてマックを買った頃に
アップルが行っていた「Think diffrent」キャンペーン
のことが書かれているのを見つけては、
狂喜しながらこの本を読みましたよ!(爆)


世界を変えられると信じるほどおかしな人こそ、
本当に世界を変える人なのだから
」(P80)

当時もこのフレーズに若き私は心を
震わせたのでした(遠い目)

まぁ、このへんは私自身の超個人的趣味のお話ですので
さらりと、このへんで・・・

でも!私のようなアップルファンには
たまらない内容が盛りだくさんですぜ〜!!


■私的感想

400ページ近くある本だけど、内容的に
とても充実していて、ジョブズのプレゼンの魅力に
ふれながら、プレゼンのキモについて学べる内容に
なっています。

そして、この本の素晴らしいのは、
上の方でも少し書きましたが、単にテクニックだけの
紹介に留まらず、生きていくうえでの大切な考え方、
行動の仕方にまで触れられている点ですね。

最後に収録されている解説の終わりにも
こんなことが書かれていました。

あいつは才能だよ、教育だよ、俺にはできないよ
という人は、言い訳をして思考停止して自分が楽を
しているだけと断言しよう。プレゼンは練習で必ず
上達する。そして、その練習と本番を繰り返すうちに
人はだんだんそれを才能と呼ぶようになるのだ。
素直に愚直であれ
」(P393)


素直に愚直であれ・・・


なにか新しいことを身につけようとする時に
とても大切な事だと感じました。


素直に愚直であれ


★One more thing

ジョブズの真似をして、最後にもうひとつ・・・

ジョブズのプレゼンと言えば、数々のアップルの
新商品の発表ばかりでなく、
2005年のスタンフォード大学での卒業式で
述べた祝辞も、とても有名ですね。
(本書でも最後の最後に触れられています)

・点と点を結ぶ
・愛と喪失について
・死について

この3つの話しがとても感動的に語られています。

日本語字幕付きの動画を貼り付けておきますので、
是非とも、ご覧下さい!


【▼単行本】

【▼kindle版】

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2009年07月31日

キャリアも嫁も手に入れたいオヤジの輝く働き方・・・「キャリアも恋も手に入れる、あなたが輝く働き方」



Book-No.146


超人気ワーク・ライフバランスコンサルタントが教える


「キャリアも恋も手に入れる、あなたが輝く働き方」

小室淑恵 著


ダイヤモンド社



順番が逆になってしまったのですが、


小室さんの講演会に参加するにあたり、その予習も兼ねて


ワークライフバランス(以下、WLB)について書かれた


彼女の本を読んでみました。

この本はタイトルからも推察できるように


女性目線で書かれている部分も多いのですが、


オヤジが読んでも充分に勉強になります!

内容としては、以下のようなことが書かれています。

・専業主婦を目指していた小室さんがキャリアを築き


起業するに至った経緯について


・WLBを実現するための仕事術として


主にプレゼン、マネジメント、コミュニケーション力など


・WLBを実現するためのパートナーとの付き合い方


・現在の日本の環境とWLBが必要とされる背景について

全体としては小室さんが考えるWLBについてのエッセンスが


ギュッと凝縮されて書かれている分、「広く浅く」という印象が


ぬぐえませんが、全体像を押さえるには最適な1冊かなと思います。

また、女性の立場で「仕事」と「家庭」の両立に


悩んでいる人にとっても考え方、行動のヒントが


掴めるのではないかと感じました。

■専業主婦希望からの転身

女性としての幸せをつかむには、仕事なんかしちゃいけない。


両立はできないんだ、と思い込んでいました」(P43)

元々専業主婦を目指していた小室さんが、


その方向性を大きく変えたのは


以下のような出会いや、出来事を通じて自身の考え方が


変わっていったからだそうです。

・大学3年生の時に猪口教授(元・少子化担当大臣)の


授業に出席し、活躍する女性の姿に目覚める

・1年間、アメリカに留学。そこで、育児休業中の女性のもとで


ベビーシッターとして働き、「日本も働いて子育てが


できる国にしたい」というテーマと出会う。

・また、アメリカでインターネットに出会い、Eラーニングを


目の当たりにする

・就職した資生堂の社内ビジネスコンテストで「育児休業者向けに


職場復帰を支援するプログラム」で優勝

・そして出産と同時に起業

私が前の会社で採用の仕事をしていた時に、説明会の場などで


女子大生から育児休暇制度の有無や、


女性社員はどんな仕事をしているのか、


といった質問を受けることも珍しくはありませんでした。

女性が就職するに当たって、そのような質問をすること自体が、


何だかんだと言いながらも、まだまだ「男社会」の色合いが


強い証拠ですね。

それに、「育児休業」自体は本来、法律に基づくものなのに、


取得しようとすると、会社から退職するように言われたり、


休暇明けに降格させられたり・・・


制度はあっても、運用面では問題だらけという会社が


まだまだ多いのではないでしょうか?


え〜っと、何が書きたかったのかというと・・・


女性が長く働くにあたって、色々な障害が多いのも


事実だと思いますが、小室さんの体験記を読むと


考え方や行動をちょっと変えると、道は開けてくるのでは


ないかと思えるようになると思うのです。

ほんのちょっとした考え方の切り替えや気持ちの持ち方で、


人生というのは大きく変わっていくものです。


お金とか能力、資格、知識など、そろっていなくても最初の一歩は、


自分の頭の中からはじまるのです。このことに気づくかどうかは


大きな差を生むと思います」(P80)

■120%理論

やりたくない仕事ほど、短期間で120%の結果を出す。


そうするっことが、やりたい仕事に近づく一番の近道なのです」(P55)

留学から帰ってきて、インターネットのWEBサイトの企画がやりたくて、


ITベンチャーにインターンとして働いていた小室さんですが、


最初の仕事は電話でのアポ取りや営業。

これは私の仕事じゃない!


と、最初はモチベーションがダウンしてしまったのですが、


電話でのアポ取りや営業トークについて色々と試行錯誤を


繰り返すうちに、営業成績がどんどんと伸び、


最終的には念願だったWEBサイトの企画をやらせてもらえるように


なったそうです。


例えやりたくない仕事であっても、目の前の仕事に全力で


取り組むと、自ずとチャンスがやって来るようになる・・・


これは、この本だけでなくその他の色々な本にも


よく書かれている事ですね。

私の場合・・・


やりたくない仕事は、やりたくない!」という、


ある意味とてもシンプルな考えでしたので(笑)、


常に自分のやりたい仕事が出来るよう


せっせと「企画書」を書いては、上司にプレゼンばかりしていました。

でも、振り返って考えてみると、21年間勤めていた前の会社で


本当に全力で取り組んで、120%の結果を出していた仕事って


数えるほどで、殆どの仕事は「こんなもんで、よかんべ」と


妥協の産物を生み出していたに過ぎなかったように思います。

この本を読んでいて思ったのですが、


120%の結果を出すって、何か大きな事にチャレンジするというよりも、


日々の中で小さなか改善、改良をとにかく繰り返し続ける、ということ


でもあるんですね。

よくPlan−Do−Check−Acttion、いわゆるPDCAサイクルというものが


ありますが、そのサイクルを回し続ける事って、案外大変じゃないですか?


特にルーチンワークだったりすると、仕事に慣れきってしまって


なにも考えずに同じ事を繰り返すだけの思考停止状態に


陥っていることが多いような気がします。

当たり前の話ですが、小さな努力を積み上げ続けることができるか


どうかで、自分の仕事も、そして人生も変わってくるように思います。

■最期に・・・

女性にとって、ワーク・ライフバランスの視点から信頼できる


パートナーかどうか判断する、おすすめの目印があります。


それは、女性のまじめな話を最期まできちんと聞く人かどうか


ということです」(P119)

冒頭の方で書いたように、この本は随所に女性目線から


書かれている部分があります。


パートナーの見分け方、付き合い方、家事の分担の仕方など・・・

オヤジ的には、女性ってこんな事を考えているんだぁ、とか


こういう事を求めているのね、と勉強にはなるのですが、


独身の私としては「無用の知識かも・・・・」と、


やや自虐的な事も考えつつ読みましたとさ(笑)

それでは、このへんで。

7月もお仕舞いですね・・・


今年後半の最初の1ヶ月、皆さんはどうでしたか?


私はちょっと(かなり!)ダメダメな1ヶ月でしたので、


来月はちょっとネジを巻きなおして、頑張りたいと思います。

今日も最後まで、ありがとうございました。

【▼単行本】

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2009年07月09日

個別解を導き出せ!・・・再び「グローバル・マインド」


「グローバル・マインド 超一流の思考原理」


日本人はなぜ正解のない問題に弱いのか

藤井 清孝 著


ダイヤモンド社

しつこく(・・・?)、藤井さんの「グローバル・マインド」を


読み返しています。

読むたびに、新しい発見というか、


琴線に触れるところが変わっていきます。。

■個別解を導き出す!

この本のキーワードの一つに「個別解」というものがあります。

人生は常に「個別解」であり、「自分が何者かを知り、


自分がこの世に生を受けてきた理由を死ぬまで追い続ける」


態度こそが骨太な人生を生み、真の幸せへと通じると


私は信じている」(「はじめに」より抜粋)

この世に生まれてきた理由は、人によって全部違う「個別解」だ


(P224)

私を含め、横並び意識が強いといわれる日本人ですが、


一人ひとりが、それぞれの人生を歩んでいて


同じ人生は二つとないわけですよね。

で、あれば、


みんなと同じで・・・」というのは、むしろ不自然で


一人ひとりが違った考え方や生き方を持っているほうが


「あるべき姿」だと言えると思うのです。

「グローバル・マインド」を読んでいて思ったのですが、


藤井さんがこの「個別解」という考え方を持つに至るには


徹底して自己分析(=因数分解)をしたことが


一つ、大きな要因になっていると思うのです。

まず、自分がどういう人間になりたいかを、それまでの人生を


正直に振り返って、時間をかけて自問自答した。言ってみれば、


自分を「因数分解」したわけだ」(P13)

就活の学生には、エラソーに「まず自己分析をしなさい!」と


お決まりの事を言っておりましたが、


自分が転職のために、いざ、自分の分析をしようと思うと、


これがまた、なかなか・・・(汗!!)

けっこう、ツライ作業というか、


やっていると苦しくなってきます。。

そういえば、以前「ストレングス・ファインダー」で


自分の強み分析などもやってみましたが・・・

《参考図書》

《関連エントリー》


ペンギンオヤジの5つの強み・・・「さあ、才能に目覚めよう」

まぁ、私の話しは横に置いておいて・・・

藤井さんの場合、ご自身を因数分解した結果、導き出されたのが

その結果、自分には、「国際的に活躍できる職業」であることと


「プロの仕事」がしたいという軸があることを発見した」(P13)

これが藤井さんが社会人になる時の職業観。


そして今では、それが更に進化して・・・

自分の使命は「日本にいまだに根づいていなくて、日本のためになる


仕組みを、外国から持ってくる」ことと、「日本の優秀さを、世界に広げる」


ことだということである」(P214)

自分の人生の使命、よく言われる「ミッション・ステートメント」、を


きちんと確立されているんですね。

自分の人生の目的が明確になっていて、


その思いが強ければ強いほど、人はパワーを発揮すると思うので、


藤井さんの強さの秘密は、そこにあるのかなと感じます。

そして・・・

「個別解」を求めて、試行錯誤の中で自分のあらゆる可能性を探り、


そのプロセスを楽しむことを覚えた人間は強く、人に頼らず、


自分で幸せを 呼び込める能力を持っているのだ」(P224)

「個別解」というのは、いわば正解が無い世界でもあると思うので、


当然、試行錯誤の連続になるわけですよね。


考える」・「実行する」・「検証する」という、いわばPDCAサイクルを


自分で回し続けるわけですから、そりゃ思考も深まるというものです。

そして更に・・・

明らかな正解が存在せず、問題の定義から入らなくてはならない


場合は、 自分のロジックを骨太に説明するコミュニケーション能力が


必要不可欠だ。 これは先述の「構想力」にもつながってくる」(P222)

俺は俺の道を行くぜ!



の一言で済めば苦労は無いのでしょうが、仕事となれば


まして藤井さんのように企業のトップであれば、


当然、周りに対する説明責任も必要なわけで、


コミュニケーション能力も高まるというわけです。

前のエントリーで、藤井さんの話は分かりやすい!というような事を


書きましたが、こうしたプロセスをたどって考えてみると


(ありきたりでない)自分独自の考えを、否応なく周囲に対して説明を


しなければならない立場にいたことも、藤井さんが分かりやすい話し方を


習得された一つの要因なのかもしれませんね。

まとめると、だいたい以下のような感じ。



◎自分自身を「因数分解」して、自分自身を深く知る

◎自分自身の「個別解」を導き出す

◎自分自身の人生の使命(ミッション・ステートメント)を確立する

※試行錯誤のプロセスを通じて、思考力・実行力・精神力が鍛えられる

※周囲の人に自分の思いを伝えるためにコミュニケーション能力もアップする



こうしてみると、原点は「己を知る」ということですね。



自分がやりたいことは何なのか?



不惑の年にも限らず、迷ってばかりの私にとって


先ずは、やはり再度、自分自身を見つめ直すことが必要なようです。


お知らせ(その1):和田裕美さん講演会情報

8月26日(水)の夜、東京の御茶ノ水で和田裕美さんの講演会が


あります!主催は週末起業で有名な藤井孝一さんのところです。


詳しくは以下のページにて、ご確認下さい。


※私は・・・・もちろん申し込みました!^^




お知らせ(その2):「裏」で紹介していただきました!

昨夜のこと、ネットを渡り歩きながら色々な方のブログなどを


拝見していたのですが・・・その中で、いつも必ず見させて貰っている


「和田裕美のとこのスタッフです」(通称、「裏」ブログ)を見て


一瞬・・・・???


そして次の瞬間、思わず赤面


なんと!このブログ「ペンギンオヤジのB読書!」を


大々的に取り上げて、記事に書いてくださっていました!


(詳しくは下記のリンクから・・・)


おかげさまで、今日はアクセス数がうなぎ上り↑↑↑でした^^


ペリエの住田さん、ありがとうございました。!


では、今日もありがとうございました。
posted by penguin-oyaji at 22:14 | Comment(4) | TrackBack(0) | ビジネス書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月19日

会社に依存しない働き方の探求・・・「サバイバル・キャリア術」


Book-No.126


「本田式 サバイバル・キャリア術」

本田 直之 著


幻冬舎


会社に頼らず、個人が自己責任において


サバイバルしなければ生き残れない時代になってきた・・・

と、いうのはここ最近の多くの著書に


書かれているところかと思います。

この本では、そうした最近の状況を踏まえて


個人のキャリア形成をどのように考え、


つくっていくかという点に焦点を当てて書かれています。

amazonのレビューとかを見ると、


新鮮味がない!というような意見も見られますが、


私としては、読み終わった後で久しぶりに、


マインドマップを書いたりして、


ちょっと入れ込んだ一冊です。。

まぁ、自分がキャリアの節目にいるせいかも知れませんが。

■右肩上がりの時代は・・・

さらに重要なのは、今後は年をとっても給料は上がらない


ということです。上がらないどころか、年齢を重ねるごとに


下がり続けると考えたほうがいい。


実際、年収は40代後半を境に下降していくという、


厚生労働省のデータがあります」(P25)



がーん!!



・・・って、思いませんかぁ?


確かに、現金給与総額、一人当たりGDP、労働分配率などの


経済指標を見ても、下降トレンドにありますから、


給与が上がらないのは理屈では分かるのですが・・・・

さらに、さらに

全てのビジネスパーソンが、今後は年収が下がり続けることを


前提にライフプランを組み立てなくてはいけないということを


意味します。


景気動向、もしくは個別の事情で多少年収が上がることがあっても、


それにつられて生活レベルを上げてしまってはいけない」(P26)



がーん!がーん!



・・・って、感じです o(T T)o


生活レベルを上げてはいけない・・・


確かに、現況を考えると安易に生活レベルを上げる、


特に自動車や住宅などの固定費部分を上げてしまうと


やばい感じがするのは確かですが。



明日は今日よりも良くなるか・・・?



・・・・・



とりあえず、あまり希望が持てない・・・かも。



身も蓋もない話ですが、


だからこそ、「生き残る」ために、一人ひとりがどうやって


サバイバルするかを、この本から学び感じ取らねばならない


のではないかと思うのでした。

さらに言えば・・・

わくわくした未来を自分の力で切り開くためにも!!


■個人サバイバル術

◎マルチ思考


シングル思考をやめ、リセットしたまっさらな自分に、


マルチ思考をリビルドする。頭の使い方を根本的に変えるのは、


とても大変なことに思えるかもしれませんが、


そんなことはありません。


格好のトレーニングになるのは、日々の行動の変革の積み重ね。


そしてその基本は「新しい世界に触れること」です」(P45)

◎マルチ・キャリア


シングル・キャリアとは、主に会社内部で通用するスキルを


ベースにした「コーポレート・キャリア」だけに依存した働き方。


マルチ・キャリアとは、それと並行して、会社を離れても通用する


個人のスキルをベースにした「パーソナル・キャリア」を


築いていく働き方です」P50

◎パーソナル・キャリア


パーソナル・キャリアをつくる第一の目的は、


「自分の付加価値を高める」ことにあります」(P125)

◎ポータブル・スキル


会社を辞めても残るスキル、自分という「個」に帰属し、


仕事が変わってもどこにでも持っていける「ポータブル・スキル」


である」(P150)

本書を読んでいると「マルチ思考」「マルチ・キャリア


パーソナル・キャリア」そして「ポータブル・スキル」という


キーワードが頻繁に登場します。

ものすごーく単純にまとめると、以下のような感じかと・・・


会社の仕事一本やりという「シングル思考」ではなく、


会社以外の趣味でも、地域活動でもスポーツでも良いので、


多くの世界に触れることで思考の枠を広げ、


「マルチ思考」を身に付ける

リストラされたり、会社が倒産しても焦らないで済むように


どこの会社でも通用する「ポータブル・スキル」を身に付ける。

ポータブル・キャリアは自分自身の実体価値を向上させ、


複数持てると、マルチ・キャリアの幅が拡がる。


・・・と、こんな感じでしょうか。

要は最近よく言われているように、会社に依存しない


キャリアや生き方を個人の責任で作り上げることが


この時代に生き残っていく方法だという感じですね。


■ペンギンオヤジ的サバイバルの課題

本書の中では具体的に何をすればよいのか、というような


課題、トレーニングメニューがいくつも書かれているのですが、


その中から個人的に、はまったものを2点ほど・・・

物事を先送りするとは、借金するのと同じこと。


利子が雪だるま式に増え、


先へ行けば行くほど大変になってしまいます。


私の場合、部屋が片づいているかどうかが、


意志決定ができているかどうか、


物事を先送りしていないかのバロメーターになっています。


部屋が散らかるとは、使ったものを元に戻す手間を、


「あとで、あとで」と先延ばしにする行為の蓄積で


起こります。借金がふくらむのと同じメカニズムです」(P182)


あはは・・・・

私の場合、意思決がまったく出来ていませんね〜(汗)

部屋の中は散らかっているし、


思えば会社勤めをしている時でも、自分の机は常に


書類が散乱しておりましたわ。

先送りしても、いつかはやらなければならない訳で、


だったら、さっさとやっちまった方が良いですよね。

ペンギンオヤジの課題その1


・先延ばし、先送りをしないようにする。


>>>キーワード:さっさとやる!


まず、以下の三つの言葉を禁句にします。


1、「〜が悪い」


2、「〜だからできない」


3、「忙しい」


(P169)

「「〜だからできない」と考えるのではなく、


「どうやったらできるか」


「100パーセントの完璧は無理でも、


80パーセントだったらできるのではないか」


「今すぐにはできなくても、三ヶ月後だったら


できるのではないか」と思考グセを変えましょう」(P172)


勝間さんが推奨している三毒追放


(妬まない、怒らない、愚痴らない)みたいな感じですが、


ネガティブな思考につながる三つの言葉を禁句にしようという


本田さん流の「三毒追放」ですね。

私の場合、「どうしたらできるか?」という思考グセが


とにかく弱いのです(汗)


・・・というか、出来ないと思ったら


そこで思考停止状態!に陥ります。。。


ペンギンオヤジの課題その2


・執念を持って「どうしたらできるか?」を


考えるクセをつける


■最後に・・・・

個人的な話になりますが・・・・

会社を離れてみて、自分個人に戻った今、


改めて自分の仕事の実績などを振り返ってみると、


会社内でしか通用しない「コーポレート・スキル」の習得に


随分と時間を費やしていたようにも感じています。

(だからと言って、自分の過去を否定する気はないのですが)

これから次に向けてのステップを歩き出すために


今は、「ポータブル・スキル」をキーワードにして


自分の実態価値や生み出せるであろう付加価値は何か、


というように自分のキャリアの棚卸しの参考になるような


そんな一冊でした。

では、相変わらず長文で失礼しました。


最後まで、ありがとうございました。
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2009年05月12日

「経営」のレバレッジ思考と実践・・・「レバレッジ・マネジメント」

Book-No.123


「レバレッジ・マネジメント」


少ない労力で大きな成果をあげる経営戦略

本田 直之 著


東洋経済新報社



昨日の「「社長力」養成講座」に続き、


今回も「経営」をテーマとした本です。

まぁ、既にあっちこっちのブログなどで書評や感想文が


アップされていますので、ご存知の方も多いかと・・・


(出遅れ感、たっぷりですわ〜笑)

さて、本田さんといえば『レバレッジ』なわけで、


この本でもサブタイトルにあるように


「少ない労力で大きな成果をあげる」ために、


どういう施策を打てばよいかという事が


数多く書かれています。

しかも・・・


単なる理論ではなく、本田さんが経営者として


実践してきた事例から導き出されているので、


読んでいても「納得感たっぷり!」でした。

■経営の仕事

経営者にしかできない、経営者がやるべき仕事とは、


本質的に考え、意志決定することである」(P017)

正しい方向に航路を定め、大きく舵取りするのは、


経営者にしかできない仕事である。


たとえ優秀な社員でも、会社の方向性を決めてくれと


任せるわけにはいかない」(P085)

企業経営の中で、一番重要なことは「企業の方向付け」だと


私は思っています。

そして、それこそが経営者としての


最も重要な仕事なのではないかと思うのです。

戦略のミスは、戦術ではカバーできない・・・というような事が


言われたりしますが、


進むべき方向を間違えてしまったら、


どんなに努力をしても、成果は上がらないでしょう。。。



(棚からボタモチ、という事もあるかもしれませんが


そう何個もボタモチは落ちてこないでしょうし・笑)

だ・か・ら

経営者として自分の会社をどのようにしたいのかを


考えて決める、つまり、戦略を策定することが


もっとも大切な事だと思うのです。

■経営者といえども、人の子

経営戦略については、本書の中でも


第2章で「戦略のレバレッジ」としてページが割かれ


詳しく書かれています。

が・・・

それはそれとして。

経営者として、企業の方向付けや企業戦略などの


重要な意思決定をする際に、


一流の経営者はどんな心理状態で臨んでいるのかが


とても気になります・・・です。

だって・・・


時には大きなリスクを取る意思決定だって


あるわけですよね。


自分の判断一つで多くの人を幸せにもするし、


不幸にもしてしまうような決断が求められるのが


経営者ですよね。


これって、恐くないですか?


私の考えですが、


経営者に必要な資質の一つに「胆力」があると思うのです。

人は感情の動物ですから、正しい論理で物事を組み立てて


考え抜いたとしても、いざ、それを実行するボタンを押す時には


やはり、不安に感じたりする事だってあるのではないかと思うのです。

そういった問題について本田さんは・・・


(経営者は)意識してメンタルを強くしないと、何かあったときに


おれてしまうのだ」(P068)


と書き、メンタルを強くするポイントとして以下の三点を挙げています。

一つは「ピンチはチャンスだ」という思考癖をつけること。


二つ目は、「身の回りには、自分が解決できないような問題は


起こらない」と考えること。


三つ目は、「すべてはトレーニング次第であり、メンタルタフネスも


上げられるものだ」と知っておくこと。

このあたりは、経営者でなくとも充分に


参考になるのではないかと感じました。


いまや、ビジネスパーソンにとっては身体の健康だけでなく、


心の健康も充分に留意しないといけませんからね。

■本田さんの真骨頂

第4章で「ブランドのレバレッジ」ということが書かれているのですが、


これこそが、本田さんの真骨頂というか他の人には書けない内容では


ないのかなと思いました。

会社のキャッチフレーズ、メディアリレーション、ブランディングなどなど・・・

オフィスをブランディングしておけば、外部にも内部にもメリットがある。


外部という観点では、顧客へのイメージのみならず、


採用時に人を集めやすくなる。


また、内部という観点では、中で働く社員に快適な環境を


用意することで生産性もモチベーションも上がる」(P179)

この本の中で本田さんも書かれていますが、


日本の経営者はデザインとかについては、あまり考えていないのか


けっこう実用本位一点張りという会社が多いような気がします。


(あくまでも私の主観ですが・・・)

で、

時折、雑誌などで拝見する本田さんのオフィス


カッコイイですものねぇ〜^^

だからこそ、ブランディングとかデザインについて


書かれているところも納得して読めたりするのですが。

■経営者でなくとも・・・

前回の「社長力」でも書きましたが、


経営に関する本だから、経営者や幹部以外の人には


役立たないかというと・・・・


もちろん、そんなことはありません!

例えば・・・

たとえこちらが発注側でも、決して相手を「業者」と呼んではいけない。


ささいなことのようだが、これは徹底したほうがよい。


すべては人対人の人間関係という、当たり前だが大切な原則を


忘れないことだ」(P231)

このあたりの記述については、現場の最前線で


活躍されている人にとっても含蓄のある話だと思います。

さらに・・・

私の考えでは、運とはみんなの前に平等に流れていて、


「運が良い・悪い」とは、気づくか気づかないかの差だと思う」(P073)

運は上げるものではなく、気づく確率を上げるものだと


覚えておいて損はない」(P073)

このへんは自己啓発書と同じですね。

「運」は準備が出来ている人のところへやって来る、


という話しもあります。

「経営」なんて自分とは関係ない縁遠い話しだと思わずに


企業で働いている以上、企業経営の正しいあり方を


学んでおいて損はないかと・・・・

そうやってコツコツと学び、準備をしている人のところへ


前髪神様(※)がやってくるのかもしれないのですから・・・・

※前髪神様・・・前髪しかないと言われているチャンスの神様のことで


和田裕美さんが名付け親。ちなみに商標登録されいるとの事。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

【▼単行本】

【▼kindle版】
posted by penguin-oyaji at 16:20 | Comment(8) | TrackBack(0) | ビジネス書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月07日

女性のための書にあらず、男性も必読書!「ビジネス・ゲーム」


Book-No.120
「ビジネス・ゲーム」
誰も教えてくれなかった女性の働き方

ベティ・L・ハラガン 著
福沢恵子・水野谷悦子 共訳
光文社知恵の森文庫


勝間さん激プッシュで話題になった本ですね。
既に読まれた方も多いかと・・・

私はと言えばサブタイトルに「女性の働き方」と
あることから、単純に男性向けの本ではないから・・・
と思い込んで特に食指が動くこともなかったのですが。

ブログつながりで親しくしていただいている
二代目さんioryionyさんからもプッシュをいただき
ようやく・・・ですが、手に取ってみたしだいです。。

で・・・

一読してみて、すまなかった!と思いましたね(笑)

確かに書かれている内容は女性をターゲットして
いますが、若いビジネスパーソン(男女問わず!)
そして、オヤジも一読すべき本ですね、これは。

なぜ、そう思ったのか?

■組織で働くこと

組織のピラミッドには、横のつながりもあるが、
縦のつながりもあります。軍隊ではこの縦のつながりを
「命令の鎖」と呼んでいます
」(P32)

組織の中で目指すポジションにつくために必要な資源は
まず忍耐強さ、周到さ、そして状況を正しく見極める力です
」(P74)

本書の中では先ず、「会社と軍隊は同じ」として、
その組織の中で働くためには、どう振る舞えばいいのか
ということから説き明かされています。

また、「ビジネスはスポーツに似ている」とも書かれていて、
そこでは主にチームプレーについて書かれています。

軍隊、チームプレー、どちらも個人ではなく、組織やチームの中で
他者と一緒に行動することが求められる世界
ですよね。

この話しから思い出すのは・・・
部活動や体育会経験者は、それだけでチームプレーや
縦社会に馴染んでいるので、就職の際に有利とされていた時代が
ありましたよね。

ところが例え男性であっても、今では学生時代に
サークル活動にも参加していない人の割合が増えてきています。

以前、学生さんと面接をしてビックリしたことがあるのですが、
その時のやり取りは、以下のようなものでした。

私 :「学生時代に熱中していたことは何ですか?
学生:「とくにありません・・・
私 :「サークル活動は何かしていなかったの?
学生:「いや・・・特にはやっていませんでした
私 :「それじゃ、バイトは?
学生:「バイトもしていませんでした
私 :「じゃ、何か研究したり勉強とかしていたの?
学生:「特に勉強も・・・・
私 :「・・・・・・

彼の場合は少し極端な例かもしれませんが、
それでも、(私の印象ですが・・・)学生時代に他者と
交わる機会が少ない、あるいは同年代との付き合いしか
経験していない若い世代が増えてきているように感じます。

こうした彼のような人が会社に入ってきても、
組織の中で働くこと、世代の違う人とコミュニケーションを
とることに不適合をおこしてしまう確立が高いようです。

もっとも・・・本人にはその自覚はなく、周囲が振り回されて
しまうことも少なくないようですが・・・・

また、若い世代だけでなくオヤジ世代でも
時々「命令の鎖」を無視した行動をして、
周囲からヒンシュクをかったりしている人もいたりしますよね。

話を戻しますが・・・
若い世代もオヤジ世代も、男性も女性も関係なく、
組織で働くこと、チームワークでプレーすることについて
この本を読むことによって、大いに学べると思います。

■ラインとスタッフ

「ライン」とはお金を儲ける部門、つまり営業や生産に
直接関係したセクション、「スタッフ」とはラインの仕事が
うまく運ぶようにサポートするセクションです。総務部や
人事部など直接売上げに関係ないところがそれに
あたります
」(P78)

この本の中で著者は繰り返し、
「スタッフ」ではなく、「ライン」での仕事をするよう説いています。
これについては賛否両論あるかなぁ、って読みながら思いました。

私の例で言うと、21年間の仕事人生のうち、その大半が
「ライン」での仕事をしていました。・・・とは言っても、
小さな会社でしたから、何でもやらなければならなかったので、
採用とか、システム開発、内部監査などの「スタッフ」の仕事も
いくつか経験してきました。

私の考えは、「ライン」でも「スタッフ」でも、どちらでも
いいじゃないか、といういささか乱暴なものです(汗)
ただし・・・条件が一つだけあります。
スタッフ職であっても、一度はラインの仕事を経験すべし!
ということです。

会社は何かしらの商品やサービスを売らなければ
存続できない(一部の非営利団体を除く)のが前提条件。
であれば、その商品やサービスを売る役割となる「ライン」が
会社の中では、やはりメインストリームということになると
思います。

それに対して、人事、総務、経理、法務などのスタッフ職は
その仕事だけでは会社は存続できないわけですし、
元々は、この本でも書かれているように、ラインの仕事を
サポートするのが本来の役割ですよね。

だからと言って、スタッフの仕事が不要ということではなくて
ある意味、スペシャリストとして活躍する場もあると思うのです。

ただ、よくあるのは経理なり総務が自分の仕事の範疇でしか
物事を考えたり判断しないでいると、
何かのきっかけでライン職の人と対立する事になってしまう
ということです。

営業とか販売の仕事の経験のある人ならお分かりいただけると
思うのですが、現場は必ずしも理屈では動いていないし、
理不尽なことであっても対応しなければならない場面って
あると思うんですね。
その時にスタッフ部門から『正しい理屈』を押し付けられても
困ってしまうのです。

だから、スタッフの仕事に就くにしても、ラインの仕事を経験し
幅広い観点で物事を理解し、解決できる能力を兼ね備えて
おくべきだと私は思うのです。
そうすれば、組織のピラミッドの中でも「どん詰まり」になることなく
より高い地位を目指す道も開けるのではないかと・・・・

■最後に・・・

多くの会社がいまだに「男社会」である事は事実だと思います。
私も振り返ってみると、「女性だからね・・・」の一言で
片付けてしまっていた事もあります(汗)

この本に書かれているように、女性側が「男社会」の
ビジネス・ゲームのルールを理解し、身に付けてゲームに
参加する事も必要であることに、私も異論はありません。

ただ、男性側も黙って女性が歩み寄ってきてくれるのを待つ、
あるいは、相変わらず女性を軽んじたり排除することを
続けていると、やがて時代の流れの中で自分が(男性が)
取り残されてしまうリスクを抱えてしまう
のではないかと
思えてならないのです。

いまさら私がココで「お勧め!」と叫ばなくても、
既に充分この本の良さをご存知の方も多いと思いますが・・・
でも、やっぱり、お勧めです!

================================================
ゴールデンウイークも終わり、今日からまた仕事だという人も
多いかと思います。

私はと言えば、申し訳ないことに、まだ一人勝手に
ゴールデンウイークの延長戦をやっております・・・です(^^;;

昨日までは世間も休みだったので、
あまり気にもならなかったのですが、
世間が動き出すと、改めて自分が会社を辞めたことを
実感してます。。

私も、充電・リフレッシュしたらまた頑張ります!!

今日も最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。

【▼文庫本】

posted by penguin-oyaji at 17:36 | Comment(6) | TrackBack(0) | ビジネス書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月15日

「新しいこと」を考え出す人の時代・・・・「ハイ・コンセプト」





Book-No.116


「ハイ・コンセプト」


「新しいこと」を考え出す人の時代

ダニエル・ピンク 著


大前研一 訳


三笠書房

・・・と、いう訳で今回は「ハイ・コンセプト」です。


(どーいう訳かは突っ込まないで下さい・笑)

出版が06年ですから、ちょっと前の本ですね。


もう読みました?

ちなみに、上の本の写真に大前先生の顔写真がドーンと


でていますが、この本は大前先生が書かれた訳では


ありません。念のため・・・

■珍しく「この本の要約」を書いてみます・・・

何が書かれている本なのか?


簡単に要約すると、だいたい以下のような感じになると思います。

グローバル化と新興国の台頭によって、企業はコスト的に


より安い海外の生産地へシフトしていく流れが顕著になると同時に


コンピュータやインターネット、産業ロボットの発達により


定型的な仕事はどんどんと機械化されていくようになりました。

こうした時代の流れの中で私たちが今後も「まともな給料を貰って


良い生活をしようと思った時」に何を考え、何をしなければならないのか、


その答えとして、本書では次の「六つの感性(センス)」について


書かれています。

・「機能」だけでなく「デザイン」


・「議論」より「物語」


・「個別」よりも「全体の調和」


・「論理」ではなく「共感」


・「まじめ」だけでなく「遊び心」


・「モノ」よりも「生きがい」

大雑把に書いてしまうと、・・・


従来ビジネスの現場で重視されてきた


左脳的思考(論理、分析、合理性など)よりも


右脳的思考(感性、全体性など)を駆使した創造的な仕事ができる


能力が求められるようになる、という事です。

300ページ以上ある本を随分と大胆に(!)要約してしまいました(笑)

でも、あまりにも・・・だと思いますので、


少しだけ、具体的に書いてみますね。

例えば、20年以上も前の話ですが・・・


私は学生時代、コーヒーの自動販売機などで使われる紙コップを


製造している工場で短期のアルバイトをしていたことがあります。

この時の仕事の内容が朝から晩まで黙々と紙コップの底になる丸い台紙を


成型された紙コップの底にポコポコとはめ込む作業でした。


単純繰り返し労働の典型でしたね。

今、どうなっているか知りませんが・・・


こうした単純で誰がやっても同じ結果になるような仕事は


機械化されるか、今であれば日本よりも安い賃金で生産できる


海外の労働力へシフトされていく事になりますよね。

つまり・・・


コンピュータや産業ロボットなどに代替されるような仕事や


海外でより安いコストで出来てしまう仕事などをやっていると、


お先真っ暗!ということです。

裏を返せば・・・


これからの時代では、コンピュータや機械で代替できないような


創造的な仕事ができる能力を身に付けなければならない!


その際に役立つのが右脳的思考力だということなのです。

■右脳的思考力の鍛え方

では、これからの時代に必要となる右脳的思考力を


どうやって鍛えるか?

本書の中でも、あれこれ事例を挙げながら詳しく書かれていますが、


それらについては、本を読んで頂くということで・・・(汗)

ここでは、私の会社の上司が実際にやったという「右脳の鍛え方」に


ついて書いてみたいと思います。

この上司、「小売業は論理よりも感性だ!」と豪語している人です。


本人曰く「俺も昔はダサかった・・・。でもある時、自分の感性を磨いて


自分自身を変えようと思った」そうです。

で、この上司が感性を磨くために実践したと云うのが、以下の事例です。

◎原宿、竹下通りのお店すべてに入って、店員さんと話をする!

朝から晩まで一日かけて、竹下通りに軒を連ねる、女子高生や


ギャル御用達の可愛らしいお店に入って、そこの店員さんとお話しをして


帰ってきたそうです


(その当時でも上司は既に、おっさんだった筈なのに・・・スゴイ勇気です)

◎例え自分に興味が無くても、雑誌を買いあさって眺める

「CanCan」などのファッション誌や、きれいな写真が


たくさん掲載されているような雑誌を買い込み、繰り返し眺めていたそうです。


「家庭画報」も読んでいたそうですが・・・

◎音楽を聴く

クラッシクやJazzなどの音楽を聴き始めたとか・・・・。


(その割りに、本人はあまり音楽の話はしませんが)

◎ネクタイは店員さんに選んでもらう

自分でネクタイを買うと、どうしても自分の好みの色や


デザインのものばかりになってしまいますよね。


だから、店員さんに「俺に似合うネクタイを選んでくれ」と言って


出されてきたものが自分の好みのものでなくても必ず買って、


それを締めて出社していたそうです。

え〜と、まだいくつかあるのですが、


取り合えずこのへんで。

ココに書いた事を真似してみるのは自由ですが、


あくまでも、個人責任という事でお願いします(笑)


効果のほどは、保障しません^^

でも、冗談は抜きにして、その上司は既に70歳近くですが、


本当に感覚(センス)は若いですし、


とんでもない事を思いついて、よく周囲を驚かせたりしています。


たまに呆れる事もありますが、それは内緒です・・・

■ひらめき、アイデア (ピカッ!)

直観的で創意に富んだ関連付けを行える能力は、右脳の機能である


「そうか!」と思う瞬間に先立って洞察のひらめきがあり、


爆発的な神経活動が右脳半球で起こることを突き止めた


P218より抜粋

この本を読んでいて、なるほど!と思ったことが


いくつかあるのですが、


そのうちの一つについて書いてみたいと思います。

ちょっと前まで、仕事でPOSレジから出される商品の売上データを


あれこれ分析する事をしていました。

まぁ、「分析」自体は悪い事ではないと思うのですが、


データーをいくら眺めていても、新しいアイデアって


生まれてこないのですよね。

データはあくまでも過去の実績であって、


そこから「新しいこと」は生まれてこないのです。

だからこそ、企画を考えたりする時って


一人でウンウンと唸っているのではなく、


会社の外で、たまにはお酒でも飲みながら、大勢でワイワイと


ブレストしたりしていた方が、


良いアイデアが出てきたりしますよね。

「三上(さんじょう)」という、中国の古いことばがある。


よい発想が生まれる場として、枕上、鞍上、厠上の三つがあるのだそうだ。


(中略)


たしかによいアイデアは、机上で考えているときでなく、ふとした


はずみに生まれることが多い。それは頭脳の働きのメカニズムと、


何か関係があるのであろう


(「論理思考と発想の技術」後 正武・著 P214より抜粋)

《参考図書》

ココに書かれている「頭脳の働きのメカニズム」こそが


右脳の働きによる「ひらめき」のことなのですね。

「遊び心」があると右脳が活性化するそうですから、


何か「新しいこと」を生み出す「ひらめき」を得るためにも


どんどん遊ぼう!!・・・と思ったのでした^^

では、今日も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

【▼単行本】
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2009年02月26日

和田さん、激プッシュ!・・・・「グローバル・マインド超一流の思考原理」



Book-No,113


「The Global Mind グローバル・マインド 超一流の思考原理」


日本人はなぜ正解のない問題に弱いのか

藤井 清孝 著


ダイヤモンド社



今日も長文注意!でお願いします・・・

ちょっと前に和田裕美さんがご自身のブログで、


この本の事を書かれているのを読んで興味を持ち


速攻でamazonしました。

■「経営」という独立した仕事

著者の藤井清孝さんの事は勉強不足で


この本を読むまで知りませんでした。

が・・・

先ず経歴がスゴイ!!

・東京大学法学部卒業


・マッキンゼー・アンド・カンパニー(コンサルタント)


※ハーバード大学経営大学院(MBA)卒業


・ファースト・ボストン(投資銀行)・・・M&A担当


・ケイデンズ・デザイン・システムズ(半導体設計、CAD開発)日本法人社長


・SAPジャパン(システムソフトウェア開発)代表取締役社長


・ルイヴィトンジャパンCEO


・ベタープレイス・ジャパン(電気自動車用充電インフラ)代表取締役社長

このように本書の中ではマッキンゼーに就職を決めるところから


現在までの藤井さんの半生記が綴られています。

読み終えて、「藤井さんは世界で通用するプロの経営者だ!」と


実感しました。

小宮先生(小宮一慶さん)がよく「経営という独立した仕事がある」、


プロの経営者は何処の会社でも経営が出来る」というような事を


書かれたり話されたりしています。

社長になるとしたら、


その会社でコツコツと実務経験を積んで抜擢されるか、


自分で起業して社長になるという事が多いように思うのですが


藤井さんは実務経験も無い半導体業界の会社でいきなり社長となり、


その後も異業種の会社を渡り歩き、(それも外資ばっかり!)


経営者として活躍されてきたのです。

まさしく、プロの経営者だと感じました。

■地頭力と情報収集と行動力

プロの経営者としての資質を磨くためには、どうすれば良いのか?

気になりますよね?

本書を読んで頂ければ分かるのですが・・・

藤井さんはプロの経営者になる遥か以前から


「地頭力」+「情報収集力」+「行動力」が抜群に優れていたのです!!

例えば本書の初めの方で、こんなエピソードが書かれています。

●アパート探し


藤井さんが大学に入学する時に、下宿先を探している時のエピソード

普通は最初に不動産屋さんに出向いて、そこで自分の希望に近い物件を


紹介してもらい、多少の妥協もしつつ部屋を決めると思うんですね。


もちろん、藤井さんが部屋を探していた頃には


インターネットも無かった頃ですから、今以上に不動産屋さんが


果たしていた役割は大きかった筈です。

実際、藤井さんも最初は不動産屋さんに行って紹介を受けるのですが、


自分の条件とは違う物件を紹介されてしまった・・・・


さて、どうするか?です。

私は、実際に下北沢の街をくまなく歩いて、環境のよさそうなところの


アパートをまず見つけて、そこから逆に不動産屋さんを割り出す方法で


自分の条件にかなり近い物件を得ることができた」(P012)

いやー、高校卒業して間もない頃に、ここまで考えて行動できますか?

この時の教訓を藤井さんは次のように書かれています。

自分にとって大切な条件をあらかじめしっかり判断の軸としてもつこと、


そして最後に、できるだけ自分で一時情報を取り、中間の人に情報操作を


されないことである」(P012)

●マッキンゼーへの就職活動


今でこそ、マッキンゼーといえば超一流、超有名会社ですが、


藤井さんが大学を卒業して就職活動をされている頃には


聞いたこともない会社、業界」というのが、世間での通り相場だったようです。


実際、藤井さんが三菱商事の内定を断って、マッキンゼーに入社すると


ご両親に報告したら、勘当されかけたと記しています。

さて、藤井さんがマッキンゼーに入社を決めるまでの就職活動が


これまたスゴイ!

入社に興味のない日本企業をわざわざ受けにいって、面接の最後に


「マッキンゼーって会社知っていますか。どう思います?」と聞くのが


目的であった」(P018)

情報収集するために、わざわざ他社の試験を受けに行ったんですね。


それだけでも「ホホー」と唸るくらいなのに、更に藤井さんは書店で


マッキンゼーやビジネススクールのことがたくさん書かれている


「アメリカのビジネス・エリート」という本を見つけて・・・

その本を購入して夢中で読んだ後、どうしても著者に直接会って


話を聞きたくなった。そして出版社に電話をして、就職に悩んでいる


自分の状況を説明し、ぜひとも著者と直接話をしたい旨を伝え、


自分の電話番号を伝えた」(P021)

実際、藤井さんは数日後に著者の山田正喜子氏と会って


皆にはすすめないけど、あなたはマッキンゼーに行くべきよ」という


言葉を貰うのです。

私も採用の仕事で、就活中の学生さんにお会いする機会が


多いのですが、ここまで情報収集している学生さんには


出会ったことが無いです!

こういったエピソードを読んで、藤井さんのプロの経営者として資質は、


既に学生時代から芽生えていた事を感じました。

■情報力について

できるだけ一次情報を自分でつかみ、中間の人たちに情報操作されない


という言葉を読んで、私なりに情報力について感じた事を書いてみます。

普段の生活の中で得ている情報源って考えてみると・・・


テレビ、新聞、インターネット、書籍、雑誌などなど


でも改めて考えてみると、これらの情報ソースが流しているものは


全部、二次情報なのですよね。

二次情報には必ず間に情報を編集する人が存在するので


よく言われている通り、編集する人の都合がいいように


情報が歪められてしまう危険性があります。

にもかかわらず、マスコミが言っていることや、著名な人が言っていることを


なんとなく「正しい」と思い込んでしまう事があります。

もちろん、全ての情報に関して一次情報を得るのは不可能ですから、


どうしてもマス媒体とかに頼らざるを得ないのも事実。

書を捨てよ、町へ出よう」と言ったのは寺山修二だったと思うが、


例えば就職活動で会社を決める時のように、


大きな決断をする時などには


ネットやマスコミの情報を鵜呑みにするのではなく、


自分の足を使って、五感で感じながら一次情報を集めて、


自分で考えて判断する能力を身に付けるべきだなぁと、


この本を読んで改めて思いました。

■グローバルマインド

私が学生時代にチャリンコで旅をしている時に


日本一周をしているライダー(バイクで旅している人)に


会ったことがあります。

そのライダーのお兄さんが言っていたのは


みんな海外旅行に行ったりしているけど、僕は自分が生まれた国を


もっと知りたいから、日本一周の旅に出た

私は、何だかその言葉がズシン!と心に響いて、単純にも


そうだ!日本をもっと旅しよう!」と思ったのです。


で、それ以来、海外にも殆ど行く事なく、時間があれば


日本のあっちこっとを見て歩くようになったのです。

もっとも英語が苦手なので、あまり積極的に海外へ行こうという


思考がはたらかないのも事実なのですが・・・(汗)

ただ、日本を知るためには、その内部に潜り込んで


隈なく見て歩くのも一つのやり方ですが、


外から(海外から)日本を客観的に見るのも


日本を知る一つのやり方であることを


藤井さんの言葉から強く感じました。

ましてや、日本国内にいて独自文化を貫けばいいと云う時代では


なくなってきている訳ですから、


海外視点で見る日本の姿というのも


今後はますます必要になってくると思うのです。

藤井さんは前述の通り、外国の企業で働き、


海外経験も長いので、その分だけ外から見た日本の良いところ


悪いところが客観的に見えているんです。


本書の中では、そうした海外視点で見た日本の姿


ものすごく事例も挙げながらたくさん書かれています!

例えば・・・って書き出すと、それだけでも大変な量になるので


詳しい話は本書を読んでみてください。

■ケータイ文化

携帯電話の普及は、コミュニケーションに対する考え方を


180度変えた。私の青春時代は、ガールフレンドに


電話をすること自体が一大イベントであった」(P245)

私が激しく共感した一節です!(笑)

まったく、どーでもいい話ですが・・・

藤井さんが書かれているように、


私も若かりし頃は彼女の家に電話するだけでも、


ちょっと勇気が必要だったんです。

そして社会人になったばかりの頃、勇気を出して彼女の家に


電話をすると、かなり高い確率でお母さんが電話を取るんですよ。

「○○さんは、いますか?


ごめんなさい、まだ会社から帰ってきていないんですよ


あっ、そうですか。それでは、また掛け直します


せっかく電話したのに、何処いってるんだよぉ・・・涙

彼女のお母さんと、こんなやり取りが二度、三度と続くうちに


何だか、そのお母さんともポツポツと話をするようになり、


そのうち、彼女が不在でもお母さんと電話で1時間以上も


世間話をするようになってしまったという事があります。

だから、どーした?と言われると困るのですが(汗)


ケータイばかりで、彼女のお母さんとも話した事ないなら


一度くらい、彼女の自宅の電話に掛けてみろ!


とオジサンは言いたい!


ドンドン!(机を叩く音)

■最後に・・・

相変わらず、長文でゴメンなさい!

冒頭で書いたように、この本を手にしたきっかけは和田裕美さんの


ブログだったのですが、和田さん激プッシュだけあって、


とても良い本でした!


【▼単行本】

【▼kindle版】
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2008年12月31日

人を幸せにするプロジェクト(思い出の1冊)


Book-No.99
実用企業小説
「プロジェクトマネージメント」

近藤 哲生 著
日本経済新聞社


このブログを始めた時から、いつか機会があったら
書きたいと思っていた1冊です。

最初に読んだのは、もう4年も前なのですが、
私にとっては忘れられない思い出の本です。

■言い渡された「半年納期」
本の内容を書く前に、私がこの本と出会った時の事を
先ずは書きたいと思います。

4年前、それまで店舗で使用していたレジシステムが古くなり
入れ替えをしないといけなくなりました。
(ちなみに私の勤め先は小売業の会社です)

単純にレジだけ取り替えれば話が済むのであれば、簡単なのですが、
当時のシステムの構成上、レジ端末、店舗系システム、
そして本社の基幹系システムまで取り替える必要があり
結構大掛かりな話でした。

当時、私は商品部というところで店で販売する商品の仕入担当を
していました。つまり、何事もなければシステムの入れ替えとは
全く関係のない部署です。

なのに、色々と事情がありまして・・・
私がシステム入れ替えのためのプロジェクトチームのリーダーに
なってたのです。

そして会社からは「半年でやり切れ!」という期限を付けられました。

SEの仕事をされている方なら、分かって頂けると思うのですが、
店舗数が十数店舗の規模とはいえ、基幹系まで入れ替えるとなると
それなりに期間は必要。
お付き合いすることになったシステム会社からは
半年・・・?絶対ムリですよ。最短でも1年!普通はもっと時間が掛かりますよ
と言われました。

・・・とまぁ、そんな状況下の中でIT系のプロジェクトなんか
仕切った経験も無いので、勉強しなければ!と思って手にした中の一冊が
この「プロジェクトマネジメント」でした。

■傾きかけたプロジェクトの再建物語
内容は傾きかけたプロジェクトを再建するために赴任した
新任のプロジェクトマネジャーが紆余曲折を経て、遂にはプロジェクトを成功に
導くという小説です。

私自身もありえない短納期と、全く未経験のプロジェクトリーダーという仕事に
不安だらけででしたので、この苦難を乗り越えてプロジェクトを成功させるという
物語には、ものすごく共感するところが多くて何度も何度も読み返していました。

■人を幸せにするプロジェクト
一人ひとりがそれぞれの力を発揮して、また皆が協力して、いくつもの
難関を見事に突破してきました。いま、僕は『僕たちは史上最強のプロジェクト
チームだ』と豪語できます
」(P273)

プロジェクトが人を幸福にするものになれば、まず僕たちが幸福になる。
僕たちが幸福になれば、僕たちの家族が幸福になる。わが社が幸福な会社になり
お客も幸福になり、一緒に仕事をしてくれている協力会社も幸福になる。
プロジェクトが人を幸福にするものになれば、幸福はどんどん皆に広がっていく。
そんな『人を幸福にするプロジェクト』の雛形を、僕はこのプロジェクトでつくることが
できたと思っています
」(P285)

これは小説の中でプロジェクトが成功を収め、その慰労会兼解散式で
プロジェクトマネジャーが語った一節です。

この部分が特に印象的で、本当に飽きもせずに繰り返し、繰り返し
読み返していました。そして、その度ごとに自分たちのプロジェクトも
こうした幸福な解散式が出来るようになろうと思って、その場の状況を
想像しながら読んでしましたね。

今から思えば、当時の私にとってこの本は不安な自分の心を支えるための
拠り所みたいな存在だったのですね。

「仕事はな、人間を幸福にするもんでないと、あかん」
これが徳永の口癖だった。
「幸福はな、人から人へ伝わって拡大する。けど、不幸もまた然りや。
伝染しよる。だからこそ、幸福を生みださなあかんのや」
こうした話をする時の徳永は、いつもぴしりと背筋を伸ばしていた

(P23)

今でこそ、口癖のように言っていますが、
仕事は人を幸福にするもの」だという事を強く意識するようになったのも
この本を読んでからでした。

■そして想像の場が現実のものに!
そして、私たちのプロジェクトは「絶対に無理」と言われていたにもかかわらず
予定通り半年後に、システムは無事に稼動を始めたのです。

短い準備期間でしたので、何か問題が残っているのではないか、
何か問題が起こっても当然だ、と思っていたシステム稼動初日、
店まで含めて本当に何も問題らしい問題が発生しなかったのには
自分でも驚きました。
その日の日報に「何も起こらない、というトンでもなく大きなことが起こった!」と
ちょっと興奮しながら書いたのを覚えています。

そしてプロジェクトの解散式。
会社の近所の居酒屋に社内外の関係者の方々に集まって貰ってやったのですが、
冗談のような大変なスケジュールで苦労したにもかかわらず、
本当に皆が笑顔でした。
自分が本を読んで思い描いていた通りの解散式が実現できたのです!

成功したのは別に私の力ではなく、社内、社外の関係してくれた人みんなが
最後の最後まで諦めないで、力を尽くしてくれたからなのですが、
本当にあのプロジェクトは今でも、ささやかながら私自身の誇りです。

プロジェクトの成功法則

不安とプレッシャーで何度も押しつぶされそうになり、
その度ごとに、この本を開いて解決策をさがしたりしていました。
実際に、この本の中に書かれているノウハウなどを、
そのまま現場に持ち込んで、成果につながったことも数多くあります。

でも、多分プロジェクトの成否を決めるのって、
チーム全員の心のあり方だと思うのです。
また、精神論かと思われるかもしれませんが、
一人ひとりのモチベーションをどうやって高め、維持していくことが
どれだけ大事なことかを、この物語を通じて無意識のうちに学んでいたようにも
思います。

それから、このプロジェクトをやっていた期間、私の生活はワーク一色でした。
チョッと前に記事にした「ワークライフ”アンバランス”みたいな感じ。
でも、本当に楽しかったです!
仕事の醍醐味みたいなものを感じられた初めての経験だったのかも知れません。
もう一回、同じ事をやれ!と言われたら・・・
ちょっと考えてしまうかもしれませんが、多分またやります(笑)


それでは、長々とお付き合いくださり、ありがとうございました。

(残り 1冊 タイムリミットまで約9.5時間

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2008年12月13日

とことん仕事に熱くなれ!「ワークライフアンバランスの仕事力」


Book-No.87
「ワークライフ”アンバランス”の仕事力」

田島 弓子 著
ディスカヴァー・トゥエンティワン


熱いっスよ、この本!

もう前書きからパワー炸裂です。

「「ワークライフ”アンバランス”」。それは、
アドレナリンが噴き出るくらい、本気でハマることで、
仕事を、面白くやりがいのあるものにすること。

今、目の前にある仕事に対して(つまらない仕事やキツイ仕事でも)、
100%全力投球。寝食を忘れるくらいアツく仕事にのめりこみ、
その結果、自分の枠を飛び越えたところにある成果やスキルアップを
手にすること」
(はじめに、より抜粋)

全編を通してこんな感じの言葉のオンパレード。

でも私は、読んでいて著者の田島さんが正直、羨ましかったです。
仕事であれ、何であれ
こんなにもアツく、のめり込む生き方が出来るって
幸せな生き方ではないかと。
(周りから、ワーカーホリックと言われたとしても・・・)

学生の頃、「哲学」の授業の時に教授が
人間は忙しい時が一番幸せ。ヒマだと色々なことを考え出して、
不安になったりもするから

という事を話されていたのが、すごく印象的で今でも覚えているのです。

この本を読んでいたら、そんな哲学の授業中に聞いた話を思い出しました。

■とことん、ハマル
人生には偏ってでも、ひとつのことに、とことんのめりこむ時期があっていい!

少なくとも20代から30代前半くらいまでの間は、そのくらい仕事に徹底的に
のめりこむ、「人生=仕事」な時期があってもいいじゃないか、ということです

自分の今までの仕事人生を振り返ってみて、仕事に熱中した思い出って
何かなぁ〜?って、考えてみると
多分、2回あったような・・・・(少なっ!)

元々、根が「お祭り男」ですので、イベントがあると燃えるタイプ。
それも、大きなイベント、困難なイベントであればあるほど、
やったるぜ!」と気持ちが熱くなるのです。

まぁ、裏を返せばルーチンワークでは、あまり熱くなれないということでも
あるのですが・・・(笑)

個人的な話で申し訳ないのですが・・・
私が熱く燃えた仕事の経験談を少し書きます。

もう10年位前ですが・・・
とあるショッピングセンター内に新店を出す事になりました。
その当時、私は販売促進の部署の責任者として仕事をしておりました。
そうすると必然的に、オープニングセールにどれだけ集客するか、というのが
最大のテーマになります。

先ず考えたのが、一緒に出店するのは名前を出せば大勢の人が知っている
有名店ばかり。そんな中で無名の私のところの店がいくら頑張っても
悲しいかな、勝てる筈がない。

で、敢えてオープン第一弾のセール期間中は、派手なプロモーションは行わずに
第二弾セールに全力投球することを決めました。
新聞の折込チラシも今まで自社ではやった事のない「B全サイズ」と呼ばれる
新聞紙並みのでっかいチラシを製作することに決めたのです。
店頭でのイベントも盛りだくさんで企画しました。

半年くらい準備期間があったのですが、
オープン前の最後の一ヶ月くらいは休みなし!
朝は5時に家を出て、帰宅するのは午前様。
(今、思えばよく体力が続いたものだと思います)

そして迎えた、オープンセール第二弾の初日。
開店前に駐車場はパンク(満車)状態となり、中に入りきれない車の渋滞が
延々と数kmは続いていました。
第一弾のときよりも集客数は上回り、ショッピングセンターの管理会社の人たちも
慌てて走り回っていました。

まぁ、近所にお住まいの方たちを含めて、集客し過ぎて何かとご迷惑を
お掛けしてしてしまったのですが、
正直、「カイカン!」でしたね。

準備も大変でしたし、
管理会社や他のテナント企業との打ち合わせや交渉では
なかなか、まとまらない話もあったりしました。
そして、何よりも責任者として自分が立案した企画で、
もしも集客できなかったらどうしようというプレッシャーとの戦い。

でも、困難やリスクがあるからこそ
熱くなれるし、全力で向かわざるを得なかった

結果的には大成功で、もの凄い達成感を味わうことが出来ました。

一度、このカイカンを知ってしまうと、ヤミツキになるんですよね(笑)

それと、こうしたムリなキツイ仕事を一つ乗り越えると
自分のステージが上がります!
生半可な忙しさなんて、「忙しい」と感じなくなりますから(笑)

■アンバランス働き術
アンバランス働き術3つのルール
ルール1.学ぶべきことはすべて現場から学ぶ
ルール2.まずは目の前の仕事を完璧にこなす
ルール3.仕事は「ハマって」やる
(P117)

私が書いた新店のオープニング企画は、本当に短期間の仕事でしかなくて
言ってみれば、本当に「お祭り」みたいなもの。
本書の中では日常の地味で退屈な仕事にさえ「ハマる」ことの大切さが
実例を挙げながら、数多く書かれています。

そう、お祭りのために夢中になることは、そんなにハードルは高くない。
それよりも日々の仕事の中で熱くハマって仕事をする方が、
よっぽど大変なのです。

本書の中でDMの発送の仕事やデータベースに顧客情報を入力するという
いわば、単純作業について書かれている件があります。
自分がそれで少しでも前向きな気持ちになり仕事が出来れば、それだけでも
十分に価値があるのです。
そして、それによって真剣に作業に取り組めていると、その人からは
きっといいオーラが出るようになります。しかし、そのバカバカしい工夫すら
せずに、「単純作業はつまらない」と仏頂面で作業をしていれば、その人からは
悪いオーラしか出てきません
」(P94)

誰が言ったんだか、何に書いてあったんだか忘れてしまったのですが、
楽しい仕事があるんじゃない、楽しいと思える気持ちがあるのだ
まぁ、つまりは、そういう事ではないのかと思うのです。

仕事ですからね・・・・
楽しいことばかりある筈がない!
著者の田島さんも
もうこれ以上はムリ、逃げたい、辞めたい!」と思ったことは数知れず。
と書かれているくらいですから・・・

それでも、仕事の中に楽しみを見つけ出す工夫をしたりして、
自分の気持ちを(ムリヤリにでも)前に向かせる事で、仕事が楽しくなるのだと
私も同じように思います。

■まとめ

この本は、かなり読む人を選ぶような気がします・・・

小飼弾さんは、ご自身のブログの中で本書のことを「劇薬」と表現していました。

そもそも「ワークライフバランス」という言葉で、
長時間労働に警鐘が鳴らされているような時代背景もありますし、
私生活も大切にしなければ・・・という考え方だって大切。

そんな中、アドレナリンを噴出しながら、とことん仕事に偏った生き方を!
言われても、引いてしまう人がいたっておかしくない。
というか、その方がむしろ正常かもしれない。

でも最初に書いたように、私はこうした働き方を読ませて貰って
羨ましいと思いましたし、「幸せだろうな」とも思いました。
また、田島さんには負けますが20代半ばから30代に掛けては
私もそれなりに仕事に熱中したり、ハマリ込んでいた時期もありました。

多分、ある程度若いうちにこうした強烈な体験をすることで
仕事も覚えるだろうし、
仕事に対する自分の軸も定まってくると思うし
少々のことでは負けない気力(胆力)も身に付いてくると思うのです。

とりあえず書店で手にとって、「はじめに」を読んでみて
共感する人には「買い!」だと思うし、
「エ〜っ!」と思う人にとっては、全く受け入れられない内容では
ないかと思います。
もちろん、どっちが良い悪いじゃないですよ。
仕事に対する価値観の違いというだけの話です。

予断ですが・・・・

この本が今年読んだ140冊目の本となりました!
以前からこのブログで

・今年はビジネス書を140冊読む!

というのを、目標の一つとして掲げていましたが
とりあえず目標達成です!!

あとはブログに100冊までアップを続けることですね。
残り13冊です。

【▼単行本】


=============================================================
週末、休みの土曜日。
朝から、のんびりと自宅の湯船に浸かって1時間弱くらいの間
本を読んでおりました。

今まで、風呂の中で本を読むなんて事はしたことがなかったのですが、
いやー、極楽ですね^^
朝風呂だと尚更、気持ちいいです!
クセになりそう・・・(笑)

それでは、最後までお付き合い下さり、ありがとうございました。

posted by penguin-oyaji at 21:27 | Comment(6) | TrackBack(0) | ビジネス書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年12月10日

日記帳はトイレの貼り紙で、ブログは背中の貼り紙


Book-No.86
「日記ブログで夢をかなえる」

トレンダーズ・女性起業塾代表取締役
経沢香保子 著
ダイヤモンド社

タイトルに惹かれて、読んでみました。

私の場合、今年の2月にこのブログを始めましたので、
ブロガーとしては、本当に「駆け出し」のヒヨッ子ですが、
経沢さんがブログを始めたのが、本書の内容から察すると
2000年頃だと思われるので、
ブロガーとしては大先輩なわけです。

■先見の明
(ブログを始めた)その頃は、あまり、ブログシステムの種類も多くなくて、
そもそも「ブログ」という名前でもなく、「日記が書ける」という歌い文句で
数社がサービスを提供していただけでした
」(P22)

日本でブログが広まったのが一体、いつ頃なのか気になって
調べてみると、2002年頃からのようです(by Wikipedia)
前に書いたように著者の経沢さんがブログを始めたのが
2000年頃ですから、かなり早い時期から始められていたという事になります。

記憶が曖昧ですが、数年前にブログで他人の日記を読んで
何が面白いんだ?!みたな事が一部で言われていた頃もあったと思います。

それが今ではwebのメインストリームで、
ブログ発の書籍も珍しくなくなってきてしまいましたね。

何か新しいモノやコトが世の中に出てきた時に
おっ、何だか面白そう」と興味を示して、手に取ったり行動を起こす人と
なんじゃ、それ?何が面白いんだ」と自分で実際にやりもしないのに
懐疑的な視線を向ける人とに分かれますよね、たいていの場合。

私も、どっちかつーと後者のタイプで、
あーだ、こーだと言いながら、何もしない方なんですけどね・・・(汗)

でも、「先行者利益」という言葉があるくらいですから、
何事も早く始めた人が得をするというのが一般的なわけです。

そう思うと、まだ海のものとも山のものとも分からなかった
ブログに目を付けて、それを活用してきたというのは
やはり経沢さんの先見の明と言うか、起業家として独特の嗅覚がはたらいたと
いうべきなのでしょうか・・・?

■メディアとしてのブログ
せっかくブログを書くのであれば、最低でも一日500くらい、
できれば1000アクセス数を目指した方がいいと思います。
あなたのブログに共感してくれる1000人がいれば、きっと何か変わるかも
しれない、という意味もあります
」(P74)

確かに一日、1000人以上が見に来てくれるようになれば、
メディアとしての側面も持つようになるのでしょう。
経沢さんのように企業の経営者であれば、自社の宣伝にもなるでしょうし、
個人であっても、アリフェイトで少しは稼げるようになるのかも知れません。

でもアクセス数が伸びれば、良い事だらけかというと
そんな事は勿論なくて、(本書の中でも書かれていますが)
ネガティブな書き込みも当然、増えてくるでしょうし
いわゆる「炎上」なんて自体にも・・・・?

どこまでアクセス数を伸ばすか(伸ばすことが出来るか)は
そのブログのオーナーの考え方とコンテンツの創造性次第だと思います。

アクセス数を伸ばすためのテクニックとして本書の中では

・多くの人の共感を呼ぶようなことを書く
・毎日見に来ても飽きないよう、いろんな種類のネタを出す
・タイトルには具体的なキーワードが入っている方が検索にひっかかりやすい
・既に人気のあるブログにコメント書いて足跡を残したり、トラックバックする

というようなことが、経沢さんの実体験に沿って書かれていますので、
ブロガーで自分のサイトのアクセス数を伸ばしたいと思われている方は
是非、ご一読を・・・

ちなみに、私のこのブログ、
一日のアクセス数が今のところ、ユーザー数だと70〜100くらい。
一度だけ、200を超えたことがあって、腰が抜けました・・・(笑)

ちなみに別館の方は、20〜30くらいです。

傾向としては、更新が続くと見に来てくださる人の数は伸びますね。

ありがたいことだと思っています。

■なぜブログを書くと夢がかなうのか
「日記帳はトイレの貼り紙で、ブログは背中の貼り紙」
自分の目標を紙に書いた時、誰にも見られないプライベートな場所に貼るのと
大勢の人の目にふれる場所に貼るのでは、全然、意味合いが違ってくると
思いませんか
」(P31)

なぜブログを書くと夢が叶うのか?
これは、もう古今東西の自己啓発書に書かれている通り
(先日のChabo!イベントで話題になっていましたが)
夢を言語化して、潜在意識に刷り込むことで自分の行動を夢に近づけることが
できるから、
の一言に尽きると思います。

加えてブログの場合は、手帳に書くのと違って他人様にコミットしているのと
同じ状態になりますから、そりゃ否が応でも
やらなきゃ!」感が違ってくるというものです。
まさに経沢さんが書かれている
日記帳はトイレの貼り紙で、ブログは背中の貼り紙
とは、蓋し名言だと思います。

今までにも何度か書いていますが、
・今年はビジネス書を100冊読んで、その感想や学びをブログに書き記す
・体重を75kgまで落とす(ダイエットに励む)
この2点が、このブログのミッションなのですが、
今になって思えば、ブログで宣言していなければ、
果たして、ここまで続けられていたかどうか・・・?
けっこう怪しいもんです、私の場合(笑)

・・・・そんな訳で、残り14冊!年内の達成を目指して頑張ります!!
(けっこう更新ペースを上げないと、キツイっす・・・)


いつも最後まで、読んでいただきありがとうございます。

posted by penguin-oyaji at 21:39 | Comment(4) | TrackBack(0) | ビジネス書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年12月09日

愚直に生きた男の物語


Book-No.85
「粗にして野だが卑ではない」
石田禮助の生涯

城山三郎 著
文春文庫

熊野へ行ったときに、往復の飛行機の中で読みました。
・・・と言っても、この本が単行本として出版された当時に
一度読んでいるので、実に20数年ぶりの再読なのですが・・・

さて、本書は三井物産社長から第5代国鉄総裁になった
石田禮助氏の半生について城山三郎氏が筆を取ったものです。

気になって、チョッと調べてみたら・・・
国鉄が分割民営化でJRに変わったのって、1987年(昭和62年)と
今からもう20年以上も前になるのですね。
・・・という事は、今の二十歳前後の若者たちには「国鉄」という
記憶が無いということかぁ・・・ウーム

話が横道に逸れましたが、
石田禮助氏、良いですっ!
こういう生き方に、ちょっと憧れてしまいます。
一本気に生きた男って感じです。

例によって書きたい事はいっぱいあるのですが、
・正義を貫いた生き方
・行動基準としての「卑ではない」
・天国への旅券
この3点について、書きたいと思います。

■正義を貫いた生き方
国鉄監査委員長時代、石田は「もうからなけりゃやっちゃいかん」と
しきりに効率を説いてきたが、しかし、安全については例外としていた。
老朽化した青函連絡船の更新を強く推進してきたし、十河総裁が
線路保守費を大幅削減することを決めると、石田は十河に迫って、
全額復活させた
」(P148)

とにかく、安全の確保。安全のためには、金も時間も一切惜しんでは
ならない
」(P152)

仕事や事業をしていく上で何を最優先事項にしていくかという話しがありますね。
例えば、小売業であれば店舗の安全性であり、商品の安全性がとにかく第一だと
思っています。
しかし、そこに「お金」とか「経費」が絡んでくると急に目をつむってしまう・・・
そんな事が現場では日常的にあるのではないかと・・・

運輸業である国鉄(今のJR)にとっての最優先事項は、やはり「安全」で
あった筈です。
しかし、当時まだ国の一機関であった国鉄にとっては予算は国との折衝が
必要で、国鉄総裁が国会に出向いて行ったりしていたんですね。

昭和39年度予算として例年の倍以上の金額を要求したところ、
これを大蔵省(今の財務省)が平年並みにごっそりと削減してしまいます。
予算要求は山をかけたのではない。事は人命にかかわる。どうしても必要だから
要求したのに、なぜ政府も国会も応えてくれないのか。
石田はその思いを、年の明けた2月7日の衆議院運輸委員会で吐き出す
」(P154)
この後、石田総裁が国会を舞台に、必要予算を獲得するための奮闘振りが
描かれていて、その主張の正しさに胸がすくような思いがします。

組織の中にいると、「正しいこと」を「正しい」と言うだけでも
大変な場面があったりすると思うのですが、
国会という大舞台でも臆することなく、正義を貫く姿に感動させられます。

また、正義の見方みたいな顔をして正論を吐く人って、
周りからすると、ちょっと疎ましいと言うか、
嫌われたりすることもあると思うのですが、
石田氏の場合はそうはならない。

予算をけずられ、孤軍ふんとうしているのをみると、野党としても
”石田がんばれ”とバックアップしたくなるね
」(P163)

正義を貫いた上で、愛されるべき人柄として多くの人から慕われる・・・
願わくば、そんな生き方をしてみたいものだと思います。

■行動基準としての「卑ではない」
国鉄総裁になり、はじめて国会へ呼ばれたとき、石田は代議士たちを前に
自己紹介した。
「粗にして野だが卑ではないつもり」
」(P12)

この本のタイトルにもなった「粗にして野だが卑ではない」というのは、
上記のように、石田氏が国会で述べた自己紹介の一部なのです。

石田自身も、国鉄総裁用として渡されていた全日空、営団地下鉄、東武など
八社の優待パスをすべて返上した。
モラルあってのソロバンである。正々堂々と働き、正々堂々と生きよ・・・・
石田の言いたかったのは、そういうことであった
」(P172)

自分自身の行動基準というか、価値判断の基準として
一本、スジを通す」ということの大切さですね。

下手に権力だとか地位を手にしてしまうと、
急に自分が偉くなったような気になってしまって、「何でもアリ」になってしまう人って
たまにいませんか?

自分の話で恐縮なのですが、
20代半ばから10年間くらいバイヤーとして、取引先(問屋、商社など)から
商品の買い付けをする仕事をしていた事があります。

取引先の営業マンからすると、バイヤーの首を立てに振らせれば、
商品が売れるわけですから、それこそ接待だとか、お車代だといって
バイヤーをあの手この手で持ち上げてくれるような事をする取引先もありました。
時には何処で調べたのか自宅に付け届けを送ってくるようなところも・・・

勘違いをしてはいけないのが、自分が偉い訳ではなくて、
自分が背負っている会社の看板に対して、取引先は頭を下げている訳です。
それなのに・・・
取引先に対して横柄な態度をとったり、無言のうちに接待を強要するような事を
言ったりする先輩方を何人も見てしまったんですね。

個人的に、そういうのが大嫌いだったので、
接待は受けたことありませんし、
展示会に行ってお土産と一緒に「車代」と書かれた封筒なんか渡された日には
それを受付に置いて帰ってきました。
もちろん自宅に来たお歳暮は裏判をついて、返送しました。
部下を持つようになってからは、
取引先から袖の下を貰ったりしたら、即刻クビにして俺も責任を取って辞めるから、
そのつもりで・・・
」と新任のバイヤーに対しては必ず言っていました。

周囲からは、何もそこまで・・・と言われた事もあるのですが、
やはり、誰からも後ろ指をさされたくないと思うのです。

石田氏には、到底かないませんが、
自分の行動基準として、「一本スジを通す」ということを、
いつまでも忘れたくありません。

■天国への旅券
商売に徹して生きた後は、「パブリック・サービス」。世の中のために尽くす。
そこではじめて天国へ行ける。
石田は、
「これでパスポート・フォア・ヘブン(天国への旅券)を与えられた」
とも言った
」(P19)

ちょっと前から気になっていたのですが
功成り名遂げた人は何故、世のため人のためと言いだすのか?と。
少し(かなり)ひねている私は、「年取ると名誉欲が出てくるのかな?」と
斜に構えたような事を思っていたのですが、
この石田氏の言葉を読んで、「なるほどね」と思ったのでした。

ちょっと、宗教チックな物言いになってしまいますが、
人のために頑張る、人のお役に立つことを自分の人生の最後に成し遂げることで
人生を全うした」というような気持ちになるのかな?って思うのです。

誰かのために役立ったという事で、自分の人生はムダではなかった、
そんなふうな心境になるのかもしれません。
若輩者ですので、とてもまだ、そんな達観した気持ちは分からないのですが、
誰かのために働ける、生きていけるという事が幸せ、という気持ちは感じながら
日々を過ごしていきたいと思うのです。

ちょっと、まとめがキレイ過ぎますかね?(笑)

いつも、お付き合いくださって、ありがとうございます。


【▼文庫本】


【▼kindle版】

タグ:城山三郎
posted by penguin-oyaji at 23:10 | Comment(4) | TrackBack(0) | ビジネス書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年11月18日

転職は慎重に・・・・(人材会社の功罪)



Book-No.80


「転職は1億円損をする」

石渡 嶺司 著


角川oneテーマ21



業界ネタっぽいですが・・・


転職とそれを取り巻く人材業界について書かれた本です。

そりゃ、何年も、何十年も一つの会社で働いていれば、


誰だって一度や二度は会社を辞めて転職をしたいと思うでしょう(多分・・・)


特に隣の芝生は青く見えますからねぇ・・・

終身雇用が当たり前だった時代であれば、


転職は何だか後ろめたい行為というふうに社会から見られていたそうですが、


今では転職は当たり前・・・くらいになっていますよね。

そして転職者が増えれば、そのための人材ビジネス、転職支援ビジネスも


どんどんと成長していく・・・と言う訳です。

■人材ビジネス・転職支援ビジネスの功罪

転職支援会社は「転職が多いほど儲かる」ということになる。単純に言えば、


こういう会社にとっては「みんなが転職を繰り返す」状態が一番ビジネスに


なる」(P98)

当たり前の話ですが、転職支援会社も「人助け」ではなく、「ビジネス」を


やっているので、売上なり利益が上がらないと困るわけです。


そして、問題になるのは転職ビジネスは「人」を扱っている点です

例えば、私が長年働いている小売業界であれば、


商品を調達してきて、店に並べて売ることで売上や利益を確保しています。


しかし、転職ビジネスの場合は問屋さんや商社から「人」を仕入れる事は出来ない。


もちろん、工場で「人」を生産する事も出来ません。

では、どうするか?

転職ビジネス会社は転職をあおる。大規模な転職イベントを何度となく開催し、


有名人を使った派手な広告を打ち、大学生の就職情報サイトさえも利用する


(P125)

そう。


転職して、キャリアアップして、年収もアップ!みたいな美辞麗句を並び立てて


転職を煽るのです。


今の職場で自分は正当に評価されていない」とか、


きっと、自分にはもっと能力を活かせる会社があるはず」などと


思っている人は、それこそ沢山いますから、


そうした転職予備軍を煽って、転職活動に向かわせるというわけです。

また、本書の中では大学生が利用する就職情報サイトに


登録された個人リストを転職サイトへの誘導に転用したりしている例が、


実際の社名入りで暴露(?)されています。

■転職は損か得か?

どれだけ転職を煽っても最終的に、企業も転職者もハッピーになれば


何も問題はないと思うのですが、そうは桑名の焼きハマグリ。

一般論として終身雇用者と転職経験者の生涯賃金を比べると、


基本的には終身雇用者のほうが生涯賃金は高いという調査結果があります。

本書の中でも(極端な例ではあるのですが)、終身雇用者と転職経験者の


生涯賃金を試算すると、1億円の差が生じる、だから転職は金銭的には


損をする、という事を訴えかけています。

採用の現場にいる私から見ても、転職で年収がアップするというのは


本当に一握りの人だけだと思っています。

キャリアも立派で、実績もあって、「絶対に採用したい!」という人には


社内の給与規定ギリギリまで、高い給与額を提示しますが、


大部分の人に対しては、別に足元を見る訳ではないのですが、


前職で得ていた給与額よりも、低い額での提示になってしまうのです。

結論めいた書き方になってしまいますが、


ごく一部の人を除いて、転職は金銭的には「損」と考えてよいと思います

もっとも、転職に求めるものは何も金銭だけではないのも、


事実ではあるのですが・・・

■転職ビジネス会社にあおられる若者・・・?

つまり、「転職は損」という事実を伝えるよりは「転職は得」という幻想を主張し、


かつ若手社会人を早期転職に追い込む方がはるかに儲かるのである」(P127)

しかし、逆の見方をすれば転職ビジネス会社が煽るのに、のかって


転職を志望する人がいるから、会社側も煽るのだという見方も出来ます。

こうなってくると、もはやニワトリと玉子ではないが、


転職を煽る「転職ビジネス会社」が悪いのか?


安易にそれにのってしまう「若手社会人」が悪いのか?

ここからは純粋に私の意見を書きたいと思います。

私としては「転職ビジネス会社」も「若手社会人」も、


どっちも、どっちだと思っています。


しかし、もっと罪が大きいのは新卒採用で若者を受け入れた企業側だと思っています。

3年3割」という言葉は、どこかで耳にしたことはありますか?


大卒で入社した若者が3年以内に3割も退職をしているという事なのです。

高校や大学の中退率に置き換えてください。5パーセントを超えれば、


教育困難校とされ、10パーセントを超えれば、教育内容がよほどひどいか


荒廃しきっており、受験生集めは困難となるでしょう」(P158)

確かに企業を学校に置き換え、退職を中退に置き換えてみると


事の異常さが目に見えてきますよね。

辞めていく当人たちにも問題はあると思いますが、


企業側にも、採用の時や入社後の教育などに相当問題があるのではないかと


私は思っています。

この辺、本当はもっと詳しく書きたいのですが、長くなるので割愛します(汗)

■転職は慎重に・・・

私は転職を全否定するものではない。前向きな転職ならそれもいいだろう。


私が問題と思うのはわずか数年、数ヶ月の社会人経験によって踏み切る早期転職である。


早期転職がいかに損をするか!


若手社会人ならびに若手社会人を取り巻く人々に、再考していただければ幸いである


(P191)

全く同感!

ただ、本書の趣旨とは少し離れるが、読んでいて一つ思ったことがあります。

上の方でも書きましたが、転職して収入が増えるのは結構恵まれたケースだと思うんです。


ましや、今のように不景気風が吹きまくっている中では正社員として再就職できるだけでも


ありがたい、みたいなところも実際あると思います。

でも、私個人の考えですが・・・


本当はもっと人材の流動化が進んだ方が、個人にとっても日本の社会にとっても


きっと良いんですよね。

怖くて転職に踏み切れず、一つの会社に「しがみつく」ような状態が健全だとは


私には思えません。

上の方で「人材ビジネス・転職支援ビジネスの功罪」と書きながら、「罪」の部分しか


書いていませんが、人材ビジネス会社の功績というものにももっと注目して良いのでは


ないかと・・・

確かに必要以上に「転職を煽る」のは良くない事だと思います。


でも、転職者の全てが軽はずみで転職をしている訳でもないのです。

本当にステップアップしたいと思って、「次のステージ」を探している人もいますし、


中にはどうしようもないダメ会社から脱出したいと思って転職活動をしている人だって


いるわけです。


そうした人たちに対して、きちんと企業と求人者のマッチングが出来るようになってくると


きっと今以上に、人材ビジネス会社の存在意義も大きくなってくると私は思います。

・・・というわけで、本当に業界ネタみたいな話に最後までお付き合いくださり、


ありがとうございました。


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posted by penguin-oyaji at 21:18 | Comment(4) | TrackBack(1) | ビジネス書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする