2008年05月11日

怒りとアイデアの企業再建「会社を黒字に甦らせる儲けの法則」

Book-No.24

「会社を黒字に甦らせる儲けの法則」

桂 幹人 著

二見書房

(ISBN : 978-4-576-07072-8)


ブログ更新、少し間があいてしまいました。スマン!

ゴールデンウイークも終わり、このまま夏に向かっていくのかと

思っていたら、今日は冬に逆戻りしたかのように肌寒い一日でしたね。


今日の気温は寒かったですが、今回アップする本は

”熱い”です!

著者、桂幹人氏は”ナニワのスゴ腕再建屋”の異名を持つ

経営コンサルタントだそうで、本書の表紙カバーの後ろに

氏の顔写真が掲載されていますが、なんとも強持てな(失礼)

お顔です。


それに行間から桂氏の”熱い"思いが滲んで伝わってきます。

冒頭の「まえがき」の書き出しから

最近、私は「なんでやねん!」と怒り心頭に発することが多くなりました

と先制パンチが飛んできます!

続いて本文の最初では「社長はもっともっと怒れ」ときます。

怒れば、その問題を追及し、障害を取り除く行動を起こします。ですから、

怒ることで怒る原因、問題の本質に近づくのです。

逆に言えば、怒りを忘れた人は現状に甘んじ、何も考えず、何の行動も

起こしません。中小企業に元気が生まれないのは、社長が現状に

怒らなくなったからです」(P13)


修羅場とも言える企業再建の現場に必要なのは先ず理屈や理論ではなく、

リーダーの熱い思いであることを思い知らされます。


《Penguin's Eye》

「”負け組み経営者”に共通する問題点は(1)来年度の売上高について

明確な予定数字をもてない(着地点が不明瞭)、(2)マーケットの変化が

つかめず、顧客目線をもたない、(3)固定観念にとらわれて柔軟な発想が

もてない、の三点に集約されます。」(P44)

私なりに”再建を必要”とするくらい追い込まれた企業の状態を推察すると

1、売上(または粗利)が継続的に下がり続けている

2、銀行などの金融機関に身の丈に合わない借金(負債)がある

3、現場の士気が低下している

おおまかには上記の3点に集約されるのではないかと思います。


1、売上(または粗利)が継続的に下がり続けている

これは桂氏が書いているようにその企業が”マーケットの変化”についていけて

いない事が最大の原因だと思います。

そしてもっと悪いのが、

「以前は、このやり方で儲かっていた。今、儲からないのは現場が俺の

言う通りに動かないからだ!」と現場に責任を押し付けてしまう経営者が

存在するパターンです。”昔の”成功体験を持っていると、こうなってしまう

可能性が高いのではないでしょうか。


2、銀行などの金融機関に身の丈に合わない借金(負債)がある

売上(または粗利)が下がり続けていれば、当然キャッシュ・インが減るので

お金が何かと足りなくなります。

現状を打開するための新たな投資として借入をしたり、

社員に払うボーナス資金のために借入をしたり、して負債が雪ダルマ式に

増え続け、気付いてみたら首が回らなくなっていた、というのが

よくあるパターンのような気がします。

それに前回の小山氏の本の中で”中小企業の経営者は損益計算書は

気にしても、貸借対照表を見ない人が多い”と書かれていましたが、

このあたりにも原因があるような気がします。


3、現場の士気が低下している

いわゆる”負け犬根性”ですね。最初は「何とかしよう!」と頑張っている

のですが、何をやってもうまくいかないので、段々と現場を含めて

士気やモラルが低下していくのです。桂氏が指摘している「社長が

怒らない」というのも、そうした”負け犬根性”が要因になっていると

思いますし、なによりも経営者として自信を失ってきているのが、

問題なような気がします。


で、再建を託されたコンサルタントが入ってくると、何をやるかというと

たいていの場合、最初に「負債の圧縮」です。そして手っ取り早く

キャッシュ・アウトを減らすために「経費の削減」に手をつけるのです。


私の会社でも過去、2回ほどコンサルタントの先生にお世話に

なりましたが、両者とも負債の圧縮、経費削減でした。

確かに当座、企業を”延命”させるためには負債を圧縮したり、

支払の延期をお願いしたりしないとダメなのですが・・・

しかし、もともとはマーケットとズレて売上や粗利が低下して

ピンチに陥ったわけですから、いくら負債を圧縮したり、

経費を削減しても営業が復活しない限り、

ピンチは脱出できないのです。


しかし、少なくとも私の会社に来たコンサルタントの先生たちは

営業面に関しては、SWOTだとかの分析ツールを使って

指導はしてくれましたが、具体的なヒントだとかアイデアを

提示してくれた事は有りませんでした。


あくまでもコンサルタントは脇役、

考えたり実行する行動の主体者はその企業の経営者であり、

スタッフなのです。

この前提は恐らく、どこのコンサルタント会社でも同じだと

思います。


では優秀なコンサルタント、そうでないコンサルタントの差は

何かというと、シナリオを書き、それに沿って再建企業の人を

動かす力があるか、ないかという点ではないかと思うのです。


本書の筆者である桂氏もそうだし、以前にこのブログで書いた

「会社は頭から腐る」の冨山氏も、シナリオを書き人を動かす力が

非常に優れているように感じました。

人を動かす力、それは”熱さ”だと思います。

私の会社もそうですが、企業再建の現場は”修羅場”ともいえる

ような場面の連続です。それなのにビジネスライクな第三者的

立場のコンサルタントが指導できる筈がないのです。


私の会社は会社再生の依頼を受けたとき、経営者にヒヤリングを

して「この経営者なら、私たちの言うことを聞いてくれる」と

確信がもてた場合だけ、コンサルタント契約を結びます。

そのうえでケースによっては、社長のやり方が間違ったときに

拒否権がもてるように、その会社の株式の三分の一をもちます

(中略)もし、再建に失敗して倒産すれば、投資資金は戻って

きません」(P40)

このやり方って産業再生機構と同じですよね。

冨山氏は著書の中で度々「ガチンコ」という言葉で表現されて

いましたが、桂氏もまさに同じスピリットで企業再建に

取り組まれていることがわかります。



タグ:企業再建
posted by penguin-oyaji at 23:16 | Comment(0) | TrackBack(0) | ビジネス書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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