2008年04月29日

ビジネスモデルと会計の仕組み

Book-No.21

「「1秒!」で財務諸表を読む方法」

(仕事に使える会計知識が身につく本)

小宮一慶 著

東洋経済新報社

(ISBN : 978-4-492-60171-6)


最近、会計づいていて今回も前回に引き続き、

「会計本」です。

それにしても、凄いタイトルです!

1秒で財務諸表を読むって・・・・

財務諸表に特化した速読の本かと思いました!(笑)

(マジで・・・)


筆者の小宮氏は最近、本書以外でも

「ビジネスマンのための「発見力」養成講座」とか

「ビジネスマンのための「数字力」養成講座」など

話題のビジネス本を書いてらっしゃる経営コンサルタントです。


前回の投稿の冒頭で「頭から煙が出るかと思った」と

書きましたが、今回は「ラジエーターが煮えくり返る」かと

思いました(意味不明ですが・・・)

恐らく、全体の6〜7割りくらいしか

理解できていないと思います!


《Penguin’s Eye》

私が1秒だけ、どこかの会社の貸借対照表を見せてくれると

言われたら、どこを見るでしょうか?(中略)それはズバリ、

短期的な負債の返済能力です。」(P13)

短期的な負債の返済能力と言われれば「流動比率」です。

それくらいは、私でも即答できるようになってきました。

貸借対照表の流動資産と流動負債を見比べれば良いので、

それであれば1秒でも分かります。


なぜ、航空券には早割り格安チケットがあるのか?

私自身は、もともと仕事でもあまり飛行機は利用しないのですが、

「早割り」とかの航空機チケットはすっかり根付いてきていますね。

で、本書の第5章のタイトルがずばり「なぜ、航空券には早割り

格安チケットがあるのか?」という問いになっています。

私は単純にANAとJALのシェア争いの産物だと思っていました。

多分、この答えでも間違いではないと思うのですが、

会計本ですから、会計的に考えなくてはいけません。


航空会社として大切なことは、損益分岐点までの乗客を確保する

ことです。それ以下で飛ぶと、赤字となるからです。」(P132)

例えば、東京〜福岡間で飛行機を飛ばすと、会社全体から見れば、

燃料代などは”変動費”ですが、一機ごとで見れば”固定費”です。

(乗客が多くても少なくても東京〜福岡間でかかる燃料代は

変わりませんからね)

乗客が増えることによる変動費もありますが、わずかでしょう。

国内線だと飲み物代と毛布やヘッドホンの清掃代くらいですから、

ほとんどゼロと言ってもよいでしょう」(P132)


つまり、損益分岐点までの乗客を早期に獲得してしまって、

搭乗日間近では正規料金で売れば、その(高い)正規料金の分は

まるごと儲けになるという仕組みです。

これを「増し分利益」と言うそうです。


ここで思い出したのが、前回の「決算書の暗号を解け!」で

勝間氏が書いていた「限界利益」のことです。


売上高の増加に応じて追加的に生まれる利益のことを

「限界利益」といいます。限界利益は売上高の伸びから変動費の

伸びを引くことで求められます。」(「決算書の暗号を解け」

P110より抜粋)


「限界利益」と云うのは、この「増し分利益」の事だったんですね。

そしてミソなのが、固定が大きくて、変動費が小さい、という構造の

場合、損益分岐点は高くなりますが、そこを超えてしまえば、

あとは利益がガツンと大きくなると云う点でしょうか。

何せ、変動費は少ない訳ですからね。


以前に、京セラの稲森氏の本を読んだ時に

売上高税引前利益率が10%も出ないようでは、事業としての値打ちが

ない」という文章を見て、

何でメーカーはそんなに儲かるんだろう?

思った事があります。

ちなみに小売業界で優等生と言われ続けてきた「セブン&アイ・

ホールディングス」の08年2月期の税前当期純利益は4.4%です。

ちなみに、京セラの08年3月期の決算短信を見ると、税引前純利益率は

13.5%となっています。


製造業のように設備投資で工場用や機械などの固定費が大きくて

変動費の少ない業界は総じて、限界利益率が高い。つまり、損益分岐点を

超してしまえば、利益がドンドン増えると云う構造になっている訳ですね。


ちなみに、小売業の場合は売上がドンドン上がったからと言って

変動費はそんなに小さくならないのが一般的だと思います。

売上が増える=仕入が増える、ので仕入条件が改善されて仕入れ価格は

下がるかも知れませんが、お客様の来店数が増えれば店内のオペレーション

コストはアップしたりしますからね。


資産の内容(固定資産、流動資産)や費用構造(固定費、変動費)などは

業界によって違い、それにより利益を出す”やり方”も違うと云う事が

よく分かりました。


《impression》

本書を含めて、会計本を3冊読んだところで、「財務3表」については

何となく理解できるようになってきたと感じています。

しかし、その中で特に原価計算やM&A、企業買収などに関する会計の事が

今ひとつ、しっくり来ていません。


10年くらい前に簿記の勉強をして日商簿記3級は取得したので、

(注:日商簿記3級は商業高校の生徒が受験するようなレベルです)

仕訳のルールの事などは何となく分かっていたし、損益計算については

仕事でずっと見ていましたから、理解もしているつもりです。


しかし、工業簿記で出てくる原価計算については簿記3級を取得した後、

2級を目指して勉強していた時に、やはり躓いたところだった事を

思い出しました。日常業務の中で馴染みがないので、やはり苦手意識が

先行してしまいます。


でも、まぁ経理の仕事をしている訳ではないし、きっとこの先、会計士に

なる事もないでしょうから、取りあえず分からないところは、

分からないまま・・・と云う事で(笑)


それよりも、ここまで読んできた会計の本3冊の著者はコンサルタントで

あったり、会計士の方が書いたものだったので、内容としては「分析」という

ところに重点が置かれていたように思います。


しかし、経営者あるいは一社員として会計と云うものを、どのように捉え、

活用していくべきなのかを知らないと、単なる知識で終わってしまう事も

何となく感じるようになってきました。


経営とか営業サイドから見た会計について、もう少し勉強する必要が

あるようです。

【▼単行本】


【▼kindle版】



posted by penguin-oyaji at 19:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | 読書(小宮一慶) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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