2008年04月15日

現場の「リアル」が伝わってくる会計本

Book-No.16

「財務3表のつながり」で見えてくる会計の勘所

國貞克則 著

ダイヤモンド社

(ISBN : 978-4-478-00297-1)


「貸借対照表」に「損益計算書」そして

「キャッシュフロー計算書」いわゆる”財務3表”と言われるものですね。

ただでさえ数字が苦手な私にとっては、こいつらは(!)

絶対に近づきたくないモノ、ベスト3に確実にランクインするような

存在のものです。


しかし、ココ数年間の私の仕事は「損益計算書」をベースに

いかにして良い実績を上げるか、つまり、いかにして利益をあげるか、

と云う事に、ひたすら追い掛けられていたような状態でした。


そのおかげで(?)、損益計算書だけは見方とか、読み方は

何となく理解はしていました。

しかし、貸借対照表は10年くらい前に簿記検定の勉強をしていた時以来、

すっかりご無沙汰でしたし、キャッシュフロー計算書に至っては

チンプンカンプン!全然、分かりません!


こんなヤツが、よくも会社の役員をやっていたもんだと、

我ながらお恥ずかしい限りです。

そして本書を読み終えて、本当に自分の愚かさを痛切に感じたのです。


《Penguin's Eye》

「貸借対照表(BS)」「損益計算書(PL)」「キャッシュフロー計算書(CS)」の

 三つの財務諸表は”つながっている”

会社は「お金を集めて」「何かに投資し」「利益を上げる」という

 三つの活動をしていて、この活動を財務3表を使って説明している

上記の2点を基本としながら、例えば「買掛で商品200万円分を仕入れて、

400万円分を売掛で販売すると、財務3表のどこが動くのか、と云う事を

分かりやすく解説してくれています。


会社が倒産するのは、赤字になるからではありません。キャッシュが

回らなくなるからです」(P147)

そうなんですよねぇ。赤字が続いても、キャッシュが回っているうちは

会社って倒産しないんですよね。裏を返せば、黒字でも(儲かっていても)

キャッシュがなくなると、倒産する(可能性がある)と云う事です。


私が在籍している会社は、事業売却するくらいですから、業績は当然あまり

良くありません!

年に何回かは財務(資金繰り)を担当している役員から、キャッシュが

足りないから、在庫を換金するような指示が飛んできました。


当り前の話ですが、私が一生懸命に見ていた「損益計算書」には

現金の動きは反映されていません。

例え、経常利益:1億円であっても、手元にキャッシュが有るとは限らない

と云う事です。


会社のキャッシュの状況を知る為には「損益計算書」ではなく、

「貸借対照表」か「キャッシュフロー計算書」を見なくては分かりません。


上の方で「自分の愚かさを痛切に感じた」と書いたのは、まさにこの点です。

役員と云う経営側に居ながら、「利益(経常利益)」という一つの物差しで

しか会社を見ていなかったと云う事です。


事業という観点では「売上」と「利益」だけでなく、「投資」と

「リターン」という2つの単語がキーワードになります。投資とリターンの

関係である経営効率をどう上げていくかという観点に立てば、BSを見ながら、

経営をする必要があります」(P142)

先に書いたように、経営は「儲かっていれば良い」と云う単純なものでは

ないのです。 

自社の借入がどれくらいあるのか、それによって支払利息はどれくらい発生して

いるのか、これらの事は「損益計算書」ではなく、「貸借対照表」を見ないと

分かりません!

自分のブログでグッチても仕方ないのですが・・・

「売上」「利益」という物差しでしか考えられない経営者は、片目、片足で

行動しているのと同じだと、本書を読んでつくづく反省しました。


《Impression》

著者の國貞氏は経営コンサルタントとして活躍されている方なのですが、

中小企業の再建と云う事にも携わっているとの事で、本書の中にも

以下のような記述が有ります。

ローンの支払ができなくなったからといって、夜逃げなどする必要は

ありません。(中略)会社も同じです。借入金が返済できなくなったからと

いって自殺する必要などまったくありません。」(P156)

この文章を読んだ時に、著者が立ち会ってきた中小企業再建の現場が

どれほど、大変なものであったのかを考えずにはいられませんでした。


会社の第一の目的は利益を上げることではありません。会社と仕事を

通して、お客様や取引先や従業員など会社に関係のある人を幸せにする

ことこそが会社の使命です」(P163)

会計の本ですが、こうした言葉が所々に書かれている点に

理論や理屈だけでない、現場のリアルさが感じられました。


「損益計算書」とか「貸借対照表」と云う言葉にアレルギーを

感じている人にこそ読んで貰いたい1冊です。

【▼単行本】



posted by penguin-oyaji at 22:26 | Comment(0) | TrackBack(0) | ビジネス書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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