2008年04月09日

本を読むと云う事(その3)

Book-No.14「王様の速読術 1冊30分でも必要な知識は吸収できる」

著者:斉藤英治

ダイヤモンド社

(ISBN:4-478-73329-5)


「王様」です!!

表紙にも大きく「王様」のイラストが載っております!

ちなみに本文である第1章の書き出しは

「すっごく昔の話。」で始まります。(昔話し・・・?)


書店でこの本のタイトルと表紙のイラストを見て

あまりのインパクトに思わず、衝動買いをしてしまいました(笑)


著者の斉藤英治氏は医学博士の肩書きをお持ちになっていて、

脳力開発の研究をライフワークになさっている方です。


《本書の構造》

第1章 ワシには30分しかないのじゃ!

第2章 30分で1冊を読破 王様の速読術

第3章 目的別に速読術を使いこなすコツ

第4章 錬金術でアウトプットしよう

第5章 大王様への道


第5章のタイトルが良いですねぇ〜

「大王様」ですよ!


本書は暗い国(クライコク)から逃げてきた若者、クラゾーが

明るい国(アカルイコク)の王様に謁見する場面から始まります。

暗い国は国民が暗い顔をしていて貧しい生活を送っている。

それなのに隣国の明るい国では作物は豊富にとれるし、豊かで

楽しい生活を送っている。この違いはどこにあるのか・・・と云う事を

クラゾーが王様に尋ねます・・・


こんな感じで物語は始まるのですが、本書の内容はれっきとした

速読術でまとまっていて、王様とクラゾーの物語は本書の展開にそって

進むサブストリーになっています。


《Penguin's Eye》

・王様的な速読のステップ

1.プレビュー → 2.写真読み → 3.スキミング

以前、このブログにも書いた”フォトリーディング”と云うスキルがありますが、

基本的には、そのメソッドと同じような形です。でも、敷居の高さは

あまり感じられません。だれにもで出来る!って感じられると思います。

これは、「10倍速く本が読める」はテクニックの解説に多くのページを

割いていますが、本書はテクニックと云うよりも「知識を吸収する事」自体に

ウェイトを置いた書き方がされているからだと思います。


・必要な情報はどこに書かれているかを知る”トピック・センテンス法”

大きな見出し、小見出しに注意しながら、最初の文章だけを拾っていく

だけでも、その本がどういう本で、なにを書いているのか、おおよそわかる

はずだ。」(P119)

筆者が言いたい事(メインテーマ)は何か、

それをつかむ為には文章の構造(パターン)に着目して、

 ・見出し、小見出し

 ・リード(見出しの次にある導入部分で、大事な段落)

 ・ビルボード(二番目の段落)

 ・キッカー(最後の段落で結論や次の章への橋渡し)

以上のような箇所を重点的に読む事で理解できるとしています。

また、パラグラフ(段落)の最初の一文の事をトピックセンテンスと言い、

この部分にも重要な事が書かれていると、教えてくれています。


・読書の目的と脳のメカニズム

脳内の活動をよりスムーズに連携させて、考えたり、創造したりするためには

集中する必要がある。目的を明確にすることでわたし達は集中できる」(P145)

著者の斉藤氏が医学博士であり、脳力開発を手掛けている事から脳の働きや

メカニズムに関する記述が多いです。


・英知指数(SQ)とは・・・?

脳にはもともと、ネットワークによる働きを助ける機能が備わっていて、

わたしたちは世界中の人たちとコラボレーションすることで、新しい世界、新しい

文化を築く脳力を潜在的に持っているのである」(P148)

「速読術」に多くのページを割いていますが、実はこの英知指数(SQ)こそが

本書のキモではないかと思います。


《Impression》

いかにして短時間で必要な情報を吸収するか、と云う点にウェイトが置かれていて

その為の具体的な方法として

・プレビュー、写真読み、スキミングという手順の説明

・見出し、リード、パラグラフの役割についての説明(どこの部分を読めば良いか)

・専門書、試験対策、資格取得という目的別の速読法

など丁寧に解説してくれているので、理解しやすいと思います。


しかし、タイトルが「王様の速読術」、内容も7、8割方が速読に関する記述ですから

どうしても「速読」をキーワードにして本書を読んでしまうと思いますが、

筆者、斉藤氏のメインテーマはSQ(英知指数)の方にあるのではないかと、

私は思います。


第5章に「高速知識循環サイクル」という概念が出てきます。これは

「読む(インプット)」→「考える(プロセッシング)」→

「書く(アウトプット)」→「発信(コミュニケート)」

というサイクルなのですが、

このサイクルの中では”読書は一つのプロセス”であり、

”速読はその為の手段、方法”と云う事になります。


本を読んだら、読みっぱなしにしないでアウトプットする事が大切だ、というのは

多くの本で書かれている通りです。

では、アウトプットして情報発信したその先には何があるのか?


知識は自分の頭の中にだけあっても、なんの役にも立たぬ。(中略)知識は

共有されて初めて役に立つのじゃ。教えたり、教えられたりすることで

理解が深まるのじゃ。」(P138)

情報を共有することで、あなたの思いやひらめきは、世の中を変えていくことに

なる。」(P165)


一人一人が本を読む

  ↓

個々人のIQやEQが高まる

  ↓

個人レベルでの良質なアイデアが蓄積されていく

  ↓

友達に話したり、ブログやSNSに書き込み情報を発信する

  ↓

情報が共有され、他の人のひらめき、アイデアを誘発する

  ↓

大きな力になる

  ↓

新しい世界、新しい文化を生み出す


”風が吹けば・・・”的な感じはしますが、実際にこれに近い事は既にネットでは

起きていますからね。

書評ブログで本が紹介され、その本を実際に読んだ人が触発されて、それを

自分のブログにアップする。それを読んだ人がまたその本を読み、実践して

何かしらの成果を生み出す。こういった例は、あちらこちらのブログで

よく目にします。


以前にもこのブログで書きましたが、あらためて

「学んだ事は大事にしまっておかないで、ドンドン発信しよう」と

思います。


ところで読書術に関する本もこれで3冊目になり、

おぼろげながら共通項があるのが見えてきました。

次回は、現在の速読術、読書術に多大な影響を与えた”元祖本”について

書きたいと思っています。

【▼kindle版】
posted by penguin-oyaji at 18:01 | Comment(2) | TrackBack(0) | 知的生産・思考力・読書術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして。
ディカバーの干場社長もブログからたどってお邪魔しました。
何度か拝読していて、本当の読みやすくて参考になります。
私は読書量は多いものの、それを人に伝えるという事に意識がいってませんでした。
「知識は共有されて初めて役に立つ」
本当ですね。
私も遅まきながら、ブログももちろんですが、身近でも「知識の共有」をめざしていきます。
Posted by ereis.m at 2008年07月12日 09:15
ereis.mさん、はじめまして、こんにちは!

「読みやすくて参考になる」と早速のお褒めの言葉、ありがとうございます。
最近、「読んでもらいやすい文章」を目指して、試行錯誤しているので、
こうした言葉は励みになります!!

私は本を読んでも、それがなかなか定着しない事が悩みでした(片っ端から忘れていく!)
で、「プロの学び力」(このブログの最初の方で取り上げています)を読んだ中で、
本を読んで学んだこと、実践したことを「ラーニングジャーナル」として
ブログにまとめると良いと書いてあったのを、そのまま真似して実践しています。

だから、知識の共有は私にとっては後付けなんです。
それでも、こうしてereis.mさんのようにコメントを頂けるようになって
少しは他の人にも、お役に立てれば嬉しいのです!

まだ、ブログとかは書かれていないんですか?
もしも、始められたら声を掛けてください。遊びに行かせて貰います。

それでは、今後ともよろしくお願いしますね。

ありがとうございました。
Posted by penguin-oyaji at 2008年07月12日 09:57
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