「働き方」の教科書
「無敵の50代」になるための仕事と人生の基本
出口治明:著
新潮社
この本、私の万年筆の師匠、ぷぅコッコさんがブログで
激プッシュしていて面白そうだったので手に取って読んでみました。
で、読んでみたらさすが我が師匠!
間違いなく読んで損なし!・・・というよりも、
得ることの多い一冊でした。
タイトルに「働き方」の教科書とありますが、
内容的には、もっと深い人生論が詰まってる。
そんな感じでした。
私も激プッシュです!
※師匠のブログはこちら
【読書】「働き方」の教科書 | ぷぅコッコの一期一会 |
Amazonの内容紹介
49歳での突然の左遷、55歳での子会社出向を平然と受け入れ、
59歳でライフネット生命を起業したビジネス界の革命児が語る、
悔いなく全力で仕事をするためのルール。「仕事は人生の3割」
「人生は99パーセント失敗する」「部下はみんな変な人である」――。
人間社会のリアルが分かれば、仕事も人生も、もっと楽しくなる。
■人間はチョボチョボ
「人間はみなチョボチョボや」僕が橋和巳や辻邦生と並んで
学生時代に愛読した、作家の小田実の言葉です。人間はたいして
賢いヤツもアホな奴もいない。人間の能力にたいした差はない。
(中略)
たしかに、人間の正規分布図を描いてみると、極端に優れた人や
極端に劣った人はほとんどいないことがよくわかります。
人間はチョボチョボ・・・
人間はチョボチョボ・・・
人間はチョボチョボ・・・
いや〜、この本を読んでいて一番衝撃を受けた言葉かも知れません(笑)
例えば優秀な経営者や本を出版しているビジネスパーソンを指して、
よく「あの人は優秀だから」とか、「あの人は頭がいいから」って
言い方をしたりすることありませんか?
私はよくそんなふうに思います。
勝○和代さんの本なんかを読むと、これは勝○さんは頭がいいから・・・
って思うんですよ。
でも、
よくよく考えると、「あの人は頭がいいから」って言葉の裏には
「自分は(そんなに頭がよくないから)できっこない」っていう
『言い訳』が隠れていたりするんですよね。
人間はチョボチョボ
人間の能力にたいした差はない
それならば、自分と優秀な人って何が違うのか・・・?
そんなことをつらつらと考えてみたんですけど、
結局、やろうと思ってそれを実践し続けてきたかどうか?の差ではないかと。。
勉強し続ける
行動を起こす
失敗しても凹まずに次の一手を考えて、
また挑戦する
愚直とも言えるような陰の努力を続けてきて
それが、他の人との差を生む・・・・のではないかと。
人間はチョボチョボ
あの人は特別だから・・・を「出来ない」「やらない」ための
言い訳にしないで、
あの人に出来て、自分に出来ないわけない
って、単純に明るく考えた方がいいのかも知れませんね。
■国語と算数で考える人生の重さ
仕事と人生の関係を算数で考えると、日本人にとって仕事の時間が
占める割合はたった三割であるというファクト(事実)が導き
出されます。三割という数字は、要するにたいしたことはないという
ことです。
しかし、世の中には「仕事は人生のすべてである」と考えている人が
かなりの割合で存在しています。その人たちは仕事と人生の関係を
国語(感情や理念)で考えているのです。
日本人の年間労働時間は約2,000時間(サービス残業含む・笑)、
一年間を時間で表すと、8,760時間(24時間×365日)。
これを割り算すると22.8%
そして1日の睡眠時間を7時間と仮定すると、
8,760時間 - (7時間×365日)=6,205時間
つまり、一年間で起きて活動している時間は約6,200時間ということです。
これを先ほどの年間総労働時間の比率で計算すると、
2,000 ÷ 6,205 = 32.2%
なんか・・・
感覚的には、もっと長時間働いているような気がしますけど、
実際は3割くらいなんですね。
もっとも、これは平均値ですから実際はもっと長時間労働を
されている人もいると思いますが・・・
(それでも、たぶん4割前後だと思います)
「仕事とは、人生の七割を占める最も大切な時間の兵糧を確保する
ための手段である」
ここまで書かれると、いっそ潔いというか気持ち良いですね(笑)
でも、だからといって著者の出口さんは「仕事はいい加減でいい」
なんてコトを主張しているワケではないんですよ。
少し話しは逸れますが・・・
私が人生の師匠と(勝手に)呼んでいる経営コンサルタントで
ビジネス書を100冊も書かれている小宮一慶さんが
よく「人生は串団子」ということを話されます。
「人生は串団子」では、最初の団子は、「自分」になります。
二つ目の団子が「家族」や「恋人」。
三つ目の団子が「会社」など自分が所属する「組織」。
四つ目の団子が「社会」とか「国」とか「世界」になります。
藤本先生は、「その四つの団子の真ん中を、すべて串刺しする
ように生きないとダメです」と言われます。
「ビジネス「論語」活用法」小宮一慶:著 P28より抜粋
たぶん・・・
この本で出口さんが書かれている「三割という数字は、要するに
たいしたことはない」っていう話しは、この『人生は串団子』の話しに
通じるものがあるんじゃないかと思うのです。
「仕事は人生のすべてである」という考え方はいかにも極端だし、
だからといって、仕事はいい加減でいいというワケでもない。
自分の人生には、仕事もあれば家族もあって、友人だっている。
そのうちの何かを犠牲にするのではなく、
すべてを串刺しにするように、どれも大切にして生きていくことが
大切なんだ・・・
つまり、そういうコトなんじゃないかと思うのです。
■人生の楽しさと挑戦する人生
「あのことをやっておけばよかったな」などという「悔い」を
できるだけ減らすことが、人間にとって最良の生き方ではないかと
思うようになりました。
人生の楽しさが喜怒哀楽の総量だとすれば、いろいろなことに
挑戦したほうが人生はより楽しくなります。
よく「やった後悔よりも、やらなかった後悔の方が大きい」って
言いますよね。
なのに!普段の生活の中で、
やろうかどうしようか迷いまくっていたり(優柔不断だからね)、
何かに逃げん込んだり(ヘタレだからね)、
腰が重くてノロノロしたり(デブだからね)、
私、もう後悔すること確実の人生を歩んでおります (^^;;
たぶん・・・
「やりたい!」と「どうしよう・・・」の間にあるものって、
『挑戦する勇気』なんだと思う。
挑戦には失敗というリスクがありますね。
「どうしよう」というのは、失敗したらどうしよう
という迷いであり、恐れ。
でも、この本の中で出口さんはこんなふうに書いています。
99パーセントは失敗する。失敗するとわかっていても、1パーセントの
可能性をめざしてチャレンジした人がいたからこそ、今の世界がある。
世界を変えるためには、失敗を恐れずにチャレンジすべし。
そう、チャレンジの多くは失敗する。
出口さんは「失敗しても多数派になるだけ」とも書いてます。
私、思うんですけど・・・
チャレンジして例え結果的に失敗におわったとしても、
それは別に「敗者」になったということではないと思うんですよね。
きっと、敗者というのはチャレンジしなかった人のこと。
確かに、チャレンジをしなければ失敗もないワケで、
安定した変化の少ない人生を送ることもできる(かもしれない)。
それに対して、チャレンジをすれば挫折したり、あるいは
すごい成功をおさめるかもしれない。
安定した変化の少ない人生と、波瀾万丈の起伏のある人生、
そのどちらを選択するのか?
今一度、立ち止まって考えてみてもいいですよね。
どちらが悔いのない人生をおくれるのか・・・
◇最後に・・・
今までに出口さんの本は何冊かは読ませて貰っていたのですが、
なんというか、この本は色々な意味でスゴイ本だなぁ、って思いました。
出口さんのモノの見方とか考え方が詰まっているし、
何よりも「人間はチョボチョボ」とか「人はみな変な人間で、
まともな人はいない」なんていう具合にビックリするようなコトが
書いてあるんだけど、よくよく考えると「確かにその通り」って
頷いてしまう。
サブタイトルに「無敵の50代」なんてあるけど、
若い人が読んでも充分に色々なことを考えさせられるんじゃないかなぁ?
そんなふうに思いました。
とにかく、激プッシュです!
機会があれば是非とも読んでみて下さい!
例によって、こんな長い文章を最後まで読んでいただき
ありがとうございました!
おしまい。
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