2013年06月09日

捨てるコト、つづけるコト「極めるひとほど あきっぽい」

極めるひとほどあきっぽい

「極めるひとほどあきっぽい」

窪田良:著

日経BP社

 

『学者先生』という言葉がありますね。

 

文字通り、博識で優れている人を指す場合もありますが、知識や理論ばかりで実社会では役に立たない人を揶揄して使ったりすることもあるかと。

 

この本の著者、窪田氏は研究のための研究をしているアカデミックな学者先生ではありません。

 

過去に医学者として得た研究成果や知識、眼科医として得た医療現場での経験、それらを活かして「世の中から失明をなくす!」という高い志を掲げ、米国で製薬のベンチャー企業を立ち上げCEOとして活躍されているのです!

 

この本は「医学者」「眼科医」「起業家」という窪田氏ならではのキャリアのつくり方や、グローバル社会での働き方、ベンチャー企業経営についてなど色々な切り口で読むことができるとても懐の深い本でもあります!

 

Amazonの内容紹介 

全世界に1億2000万人の患者がいると言われる「加齢黄斑変性」。

その治療薬を開発している窪田良氏は「ゲノム研究」「眼科医」「起業家」という3つの領域を極めた希有な日本人です。

窪田氏は異なる分野で一流になれたのは彼が天才だからでは決してありません。

環境や考え方、そして好奇心に対するアプローチを変える生き方が今の窪田氏を形作りました。

 

なお、この本は日経BP社様より頂戴しました。

 

いつも本当にありがとうございます!m(_ _)m

捨てるコト、つづけるコト

ぼくはキャリアを捨てるたびに違う何かを得た。

実感として、それまでの人生をきれいさっぱり捨てる勇気がないと、より大きな次の何かを究めることはできない。(P14)

 

ぼくはキャリアこそ大胆に捨ててきたが、実は興味の対象は何も変わっていない。それは「眼」だ。(P18)

 

「医学者」「眼科医」「ベンチャー企業のCEO」とこれまでに3つのキャリアを経験されてきた著者はこの本の中でも「捨てる」というコトについて何度も書いています。

 

でも!

 

キャリアは捨てたのかも知れないけど、「眼」についての興味は変わらずに持ちつづけている。

 

「捨てるコト」と「つづけるコト」

 

この一見、矛盾しているかのような2つのコトだけど、これって、キャリアを作っていく上でとても大切なキーワードだと思う。

 

一般的に転職をする時に「職種(営業とか)」とか、「業界」を変えずに、前職の経験を活かして転職しようと考える人が多いと思うのです。

 

ただ・・・

 

窪田氏が他の大勢の人と違うのは、「眼に対する興味」という一つの軸をぶらさずに、アプローチを次々と変えていっている点ですね。

 

分かりやすく言えば、富士山の頂上を目指すのに、時には吉田口登山道を登り、時には御殿場口登山道から登っている。

 

そんなイメージでしょうか。

 

アプローチを変えることによって、本人の経験値は間違いなくあがる。

 

そして、

 

興味対象を変えないことが、今までの知識・経験を引き続き応用し活かすことができる。

 

つまり、キャリアの「幅」と「深さ」を作ることができるのではないかと思うのです。

 

「ありがとう。でも明日から職はありません」

ベンチャーを率いるリーダーは戦場で戦っているようなもので、どこから弾が飛んでくるかわからない予測不能な中で部下を鼓舞し、勝利を目指していかなければならない。

これは同じリーダーシップでも、大組織を率いて漸次的に改善していくリ―ダーとはまったく異なる。(P214)

 

「医学者」と「眼科医(お医者さん)」って、確かにキャリア・チェンジなのだけど、でも、そういう人って割とたくさんいそうですよね。

 

大学病院の先生って、そんなイメージです。

 

でも!

 

そこから、起業する!それもアメリカでのベンチャー経営で!

 

これはもう、本当に今までのキャリアを『捨てる』覚悟がないとできない!って思うんですよね。

 

読んでいて「すげ〜っ!」って思ったのですが、起業して、経営して、会社を成長させて・・・

 

そのプロセスの中で、企業としてのフェーズが変わるというか、経営課題が変わりますよね。

 

窪田氏の場合は新薬開発のために起業したのですが、最初の段階は、「新しい」薬を作るためにイノベーション(研究)が必要。

 

でも、その次の段階では研究結果を基にして新薬を開発するというオペレーションが必要になるそうです。

 

そういう会社の経営課題が変化した時に何をしたか?

 

そうです!組織改革、つまりリストラです。 

 

この決断はとてもつらいことだった。

「2年で奇跡を起こしてくれて本当にありがとう。

でも、明日からもう職がありません」と言わなければならないのだから・・・・。(P203)

 

オペレーションスタッフを増やすためには初期の研究スタッフを解雇せざるを得なかった・・・

 

資金的に制約のあるベンチャーでは仕方のないことではあると思います。 

 

ぼくの経営目標のひとつは、アキュセラ(※窪田氏の会社)で働いた社員により高い給料で転職してもらうことだ。

(中略)

この目標を達成するために、ぼくたちは社員を必死で教育しているし、より良い職場環境を構築するために、様々な努力もしている。(P205)

 

日本にもありますよね、「人材輩出企業」と言われてる会社。

 

人を採用し、育て、送り出す。

 

そういう企業にとって大切な人材に対して、きちんと考え実行しているエピソードを読んでいると、改めて「学者・医者」だけでなく「経営者」としても極めている窪田氏は、本当に「すげ〜っ!」って思います。

 

もちろん上で引用したようにリーダーシップのコトについても書かれていて、それを読むと日本だろうとアメリカだろうと、リーダーに必要なことって同じなんだなぁ、と。

 

降水確率0%の男!

ぼくはとにかく知りたがりで、好奇心の塊りで、興味を持ったことにはドンドン突っ込んでいく。

バーやカフェに行っても、お店の人やお客さんに抵抗なく話しかける。

一度、関心を持つと周りの目がまったく気にならない。(P44)

 

自己啓発本的な領域の話しだと思うけど、『どういう人が成功するか』という話しってありますよね。

 

この本の中で、窪田氏は自分の性格について

  • 好奇心の塊
  • 知りたがり
  • 能天気
  • 楽観的で前向き

 

などと書いています。

 

うーん、これってまさに自己啓発本に書かれている成功者特有の性格じゃないですかぁぁぁ!!

 

で・・・特にシビレたのが「降水確率0%の男」というフレーズ!

 

降水確率0%ですよ!つまり、快晴ってコトですよね。

 

普段から本当に底抜けに明るい性格なんでしょうね〜

 

「明るさ」とか「前向き」な性格って、人を惹きつける磁石みたいなものだと思うんですよ。

 

だから、そういう人の周りには多くの人が集まる。 

 

これまでの人生を振り返ると、転機には必ずカギになる人との出会いがありました。(P225)

 

”チャンスは人が運んでくる!”なんていう言葉もありますが、多くの人を惹きつける魅力ある人には、必然的にそれだけ多くの良いご縁にも恵まれるんだろうなぁ、と。

 

一応・・・私も心掛けているんですよ。

 

とにかく笑う!

 

そして、人と出会える場所には積極的に出掛けていく!

 

そんな些細なことですけど、おかげさまで、多くの良いご縁に恵まれました ^^

 

次なる目標は、「降水確率0%の男」と呼ばれることだな(ニヤリ)

 

まとめ

話の内容として、医療現場とか医薬品開発の専門的な話しもけっこう書かれているので、そのへんは読む人の好みが分かれるところかと。

 

私的には「できそこないの男たち」などを書かれた福岡伸一さんみたいな感じだったので、それほど違和感は感じませんでしたけど。

 

それから・・・

 

窪田氏のキャリアを見ると、とても華々しくて、成功した人生を歩んでいるように見える。

 

けれども、その成功を支えているのは本当に地道な日々の積み重ねだというコトがこの本を読むと、とてもよく伝わってきます。

 

だからこそ、『地道な作業の先にしか大きな発見はない(P87)』という言葉にも素直に頷ける。

 

そしてもう一つ思うコト。

 

人の生き方に正解なんて、ないですよね。

 

窪田氏みたいに、キャリア・チェンジをしながら道を極める生き方もあるし、一つの仕事に没頭して生涯を過ごす人もいる。

 

どちらが優れているとか、ないですよね。

 

でも、この本を読んでいると今までの自分の仕事について振り返ってみたくなる。

 

とくに、「この世から失明をなくしたい」という窪田氏の大きな志は、どのようなキャリア、経験を経て生まれてきたのか。

 

それを知ることが、自分の仕事に前向きに取り組むひとつのきっかけになるのではないか、と思えるのだ。

 

おしまい。

 

例によって長文になってしまいましたが、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

【▼単行本】

【▼kindle版】



posted by penguin-oyaji at 19:59 | Comment(0) | 自己啓発 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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