2013年06月02日

お弁当もって本屋さんにピクニックに行きたい!

タイトルの「お弁当もって本屋さんへピクニック」は

昔、椎名誠さんと一緒に書評誌「本の雑誌」を発行、編集しいた

目黒考二さんが何かに書いていた言葉からの引用です。

 

多分・・・きっと・・・

本の好きな人にとって、本屋さんという場所は

まるでピクニックに行くような楽しい場所だと思うのです。

 

でもね。なんだか、つまらないんですよ・・・最近の本屋さん。

 

■なぜ、町の本屋さんはAmazonに負けるのか?

前回のエントリーで書いたことなのですが・・・

 

先ず、自分たちの身近なところからどんどん本屋さんが

消えつつあるという事実。

 

そして、たとえ大きな本屋さんに行っても、

必ずしも自分が欲しい本が無いかもしれないという不安感。

 

ついでに書けば、何処の本屋さんに行っても売れ筋の雑誌と

コミックス、文庫、少しのベストセラー本という感じで

偏った、そして個性の無い品揃え。

 

つまり、利便性も悪ければ、品揃えもよろしくないと。

 

それだったら、Amazonでいいや〜。ポチッとな。

 

はい、これで町の本屋さんの負けが決定です。

 

■どうしたら町の本屋さんは勝てるのか?

Amazonって、ワンクリックで買えるお手軽さとか、

数日で自宅に届く利便性とかで指示されている面もあるかと

思いますが、実は結構きめ細かやかな対応でも

町の本屋さんを凌駕してますよね。

 

例えば・・・

 

この商品を買った人は、こんな商品も買ってます。

というように、関連品の案内をしてくれたり、

 

過去の個別販売実績から、こんな新商品がでますよ〜、と

メールでお知らせしてくれたりとか、

 

この商品は、こんなふうに評価されていますと

クチコミ(レビュー)までサイトに載せてくれている。


裏を返せば、Amazonがやっていない、できないコトを

やらないといけない筈。

 

なのに!

 

取次ぎから配本されてきた本を機械的に棚に並べているだけの

本屋さんが、勝てるワケないと思うのです。

 

■売上を決める3つの要素

私、小売りの現場に長年いたので、ついつい考えてしまうのですが・・・

 

本屋さんの売上って分解すると、 

売上=客数 × 一人当たりの平均買い上げ点数 × 1冊当たりの平均単価

 だと思うんですよ。つまり・・・

 

・どうやってお客さまを増やすか?

・どうやって一人当たりのお客さまに1冊でも多く買ってもらうか

・もしくは、どうやって高単価の本を買ってもらうか

 

この3つの要素を考えれば良いと思うんですよね。

ただし、私の経験上では、買い上げ点数と平均単価の両方がいっぺんに

上がることはないと思います。

 

トレードオフの関係というか、点数が増えれば単価は下がるし、

単価が上がると、点数は下がるのです。

 

で・・・

 

一生懸命に考えていたのが、どうやって「衝動買い」「ついで買い」

「関連買い」をしてもらえるようにするかということ。

つまり、平均単価のことは考えずに、一人当たりのお客さまの買い上げ点数を

増やすことを考えて仕事をしてました。

 

書籍でもCDみたいに握手券とかを付けて一人の人が

同じ本をたくさん買ってくれるといいんですけどね〜(笑)

 

■ピクニックに行きたい本屋さん

最初の方に書きましたけど、本好きな人にとって本屋さんは

(本当は)ピクニックに行くようにわくわくできる場所だと思うのです。

 

たぶん・・・「利便性」という切り口ではAmazonには勝てないと思う。

 

でも、「わくわく感」だったら町の本屋さんにも勝機はあるのではないかと。

 

どんな本屋さんだったら、わくわく出来るかなぁ〜って考えてみた時に

私だったら・・・自分の知らない本との出会いを

演出してくれる本屋さん、かなぁ〜

 

例えば、本屋さんに行った時に買う気なんかなかったのに、

思わぬオモシロ本を見つけてしまって、

衝動的についつい買ってしまった・・・そんな経験きっとありますよね。


ほら、ちゃんと買い上げ点数が増えるでしょ(笑)

 

そういう”掘り出し物”みたいな本がある本屋さんって、

私にとっては、とても楽しい本屋さんなのです♪

 

少し話はそれますが・・・

 

学生時代に本屋さんでバイトをしていた時に、そこの店長さんが

本屋の棚には、担当者の個性が出る!」というようなコトをよく言ってました。

 

確かに、その通りだと思う。

本屋さんの運営方針によっても違うと思うけど、

スーパーやコンビニよりは担当者の裁量権というか、

品揃え、棚づくりについての自由度は高いと思うのです。

 

つまり、その気になれば担当者の『パワープッシュ』が出来る!ということです。

 

■渋谷HMVのサトウさん

例えがアレで(笑)、申し訳ないのですが・・・

 

かつて、渋谷にあったHMV(CDショップ)でのこと。

当時まだ殆ど無名だった、ももクロをたまたまテレビで見た

売場担当者のサトウさん、例のエビ反りジャンプに衝撃受け、

このジャンプがアイドル史を更新する」という

名コピーを考えてPOPをつくり、売場で、ももクロのCDを大々的に

並べて売ったという。

 

そして、この話しにはおまけがあって、

そのPOPの情報を知ったももクロちゃんたちが、

実際に渋谷HMVに出掛けていき、その様子をユースト(だったかな?)で

配信して、渋谷HMVのことが一気に全国のモノノフさんの間で有名になった

という伝説的エピソードが残ってます。

 

▼ちなみに、これね。

 

※もっと本題と関係ありませんが・・・

 このサトウさん。渋谷HMV閉店を機に退職されるのですが、その後の転職先が、

 なんとターダストプロモーション!ももクロちゃんの所属芸能事務所です。

 エビ反りジャンプのPOPがきっかけで、スターダストへ。

 そして今では、ももクロちゃんの音楽担当として活躍されてます。人生って、面白いですね

 

話を元に戻すと・・・

 

渋谷HMVのサトウさんが、ももクロを面白いと思ったのは、

担当者の個性というか、感性ですよね。

言葉を変えれば「目利き力」「発見力」かな。

 

そして、その「面白さ」を売場に表現した。

「このジャンプがアイドル史を更新する」というコピーは本当に秀逸だと思う。


まぁ、私の個人的な思いかもしれませんけど、

本屋さんのPOP・・・あまり面白くないというか、

殆ど無い店も多いですよね。。

 

そして、たまたまかも知れないけど、ももクロちゃんたちの訪問という形で

ユーストの配信があり、クチコミで拡がった(=来店客数が増えた)。

 

これって、本屋さんでも出来るでしょ!

 

Amazonがデータマイニングの力で売るなら、

リアル書店は、担当者の個性、感性、企画力で売ればいいと思うのです。

 

ちなみに、この渋谷HMVの例って、

マルコム・グラッドウェルの名著「急に売れ始めるにはワケがある・

ネットワーク理論が明らかにする口コミの法則」に書いてある、

(1)少数者の法則

 →影響力のある一部の目利きの人たちに認知されること

(2)粘りの要素

 →いかに人の記憶に粘るか(忘れられないか)

(3)背景の力

 →情報は受けとる人の環境に左右される

この3つの法則すべてに当てはまってると思うのですが、

どーでしょうか?

急に売れ始めるにはワケがある ネットワーク理論が明らかにする口コミの法則(ソフトバンク文庫)

 

◇まとめ

・・・と、まぁ勝手なことを書き連ねてきたわけですが、

出版&書店業界の人からは、

「そんなに簡単じゃねーんだよ!」と怒られそうでありやす。

 

でも!

 

「フェア」の企画とか、POP1枚でも書店の売場って

変えられると思うんですよね〜

 

実際、とても仲良くして下さっている出版社の営業の方は

フェアを企画して、フリーペーパーつくって

SNSで情報を拡散して、と地道に活動されています。

 

でも、本当はこういう活動は本屋さんの現場サイドでも

やって欲しいんですよね。その努力は忘れないで欲しい。

 

いつ行っても、何か新しいことをやってる、

面白い本が見つかる、そんなところがリアル書店の魅力では

ないかと私は思うのです。

 

それと!

 

売上という面で考えると、一人の人に1冊でも多く

買ってもらうことを考えるのも大切ですけど、

一番インパクトがあるのは、やっぱり来店客数をどうやって

増やしていくか、だと思うのです。

 

総務省統計局が発表している「1世帯当たり年間の品目別支出金額」の

調査結果によると、2人以上世帯が1年間に書籍に支出している金額って

いくらだと思いますか?

 

2011年の1年間で8,772円。1カ月換算で731円ですよ。

 

これって・・・素直に読めば1ヶ月に1冊の文庫本を買っているか、

2ヶ月に1冊の単行本を買ってるような数字ですが、

 

きっと、1年間に1冊も本を買わない世帯が世の中にはたくさんある!

そういう数字だと思うのです。

 

つまり、本屋さんに行かない人が世の中にはたくさんいる、ということです。

 

本屋さんとしては、そういう人たちにどうやって来店してもらうかという

企画も必要かもしれませんね。

 

本だけを売っていていいのか?

どこかタイアップできるところはないか?

そんなコトも考えてみる価値はあるのではないかと。。


まぁ、本当に勝手なコトばかり書いてしまいましたが、

リアル書店には本当に頑張って欲しいと思ってます。


だって、本好きな人にとてっては、いくらAmazonが頑張ろうが、

電子書籍が普及しようが、やはり好きな本がたくさんある本屋さんは

日常の中にあるオアシスみたいな場所なのだから。

 

最後まで、読んでいただきありがとうございました。

posted by penguin-oyaji at 21:52 | Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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