2012年12月03日

資本主義経済の中で生きるための人生戦略本!「僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか?」

僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか? (星海社新書)

「僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか?」

木暮太一:著

星海社新書

 

 

最近、世間では某政党が政策として打ち出した最低賃金制度の廃止が物議をかもしていますね。

 

そもそも、自分が貰っている「給料」の金額って何を根拠に決まっているのか、分かりますか?

 

Amazonの内容紹介より

マルクスと金持ち父さんが教えてくれた“目指すべき働き方”

私は、大学時代に経済学の古典『資本論』と、お金の哲学を扱った世界的ベストセラー

『金持ち父さん貧乏父さん』を深く読み込むことで、その後の人生が大きく変わりました。

実はこの2冊は全く同じことを言っています。

それは、資本主義経済の中で私たち“労働者”が必然的に置かれている状況についてであり、そこから考え始めることで、どういう「働き方」を選択すればラットレースに巻き込まれず、幸せに暮らしていけるかがよくわかるのです。

今の働き方に疑問を持っているのであれば、転職や独立、ワークライフバランスを考えても意味はありません。

しんどい働き方は、もっと根本的なところから考え、変えていかないといけないのです。

 

資本主義社会の国で生きるということ

『資本論』は、資本主義経済の限界と目指すべき共産主義思想について説いたカタい本ですし、一方の『金持ち父さん貧乏父さん』は、どうすれば「ラクに」お金を儲けることができるか、という「ザ・資本主義」のような本です。

しかし、大学生だったわたしは「この2冊の本が言いたいことは本質的に同じではないか?」と感じ取りました。

(中略)

一方は革命、一方は投資です。

しかし、「資本主義経済のなかでは労働者は豊かになれない」という主張の前提の部分は、まったく共通していたのです。(P11)

 

この本の冒頭はこんな感じで、マルクスの「資本論」と世界的ベストセラー「金持ち父さん貧乏父さん」を持ち出してきて、”資本主義経済の中で生活している労働者は豊かにはなれない”といきなり衝撃的な(?)話しが展開されます。

 

そして、マルクスの「資本論」の内容から、私たちはなぜ、働いても働いても豊かになれないのか?という話しに続きます。

 

冒頭に書いた、「私たちの給料はどうやって決まっているのか?」

 

この本で著者が説明しているのは、こうです。

 

給料の決まり方は「必要経費方式」と「利益分け前方式(成果報酬方式)」の2種類がある。

 

「必要経費方式」というのは、社員という家族が生活するのに必要なお金を算出して、その金額を給料として支給する。

 

裏を返せば、その社員がいくら稼いだか、どれくらい会社に貢献したかは給料に反映されない。

 

「利益分け前方式」は、言葉の通り社員が稼ぎ出した利益の一部を給料として支給する。

 

そして、殆どの日本企業は前者の「必要経費方式」で社員の給料が決められている。(だから、いくら頑張ってもなかなか給料はあがらない!)

 

ざっくり書くと、こんな感じですかね。

 

10年くらい前でしょうか?

 

日本の企業でも「成果主義」という考え方を取り入れるところが増え始めたのは。

 

下手に「成果」なんていう言葉が使われているので、「頑張って成果を出せば、報われる」というふうに考える人が多いと思います。

 

以前、私が勤めていた会社でもそんな世間の流れに巻き込まれ、「成果主義」の賃金制度が導入され、それに伴って人事評価制度も改められました。

 

その頃、私は一応、エラソーに役員をやっていたのですが、役員会で議論されたのは、Aランクの人とEランクの人とではどれくらい差をつけるのが妥当なのか?という問題でした。

 

心情的にはAランクの人の給料は思いっきり上げてあげたいですよね。

 

でも、それが出来ないんです!

 

なぜか・・・?

 

半期ごとに人事評価を行っていたのですが、たまたま成績が良かったからといって、給料を上げてしまうと次ぎにその人の成績が悪かった時に給料はそんなに下げられないからです(賃金の下方硬直性)。

 

でも、まったく差を付けないという訳にはいかないので、ベースの金額(これがつまり生活に必要な経費分ですね)に気持ち程度の強弱を付けるというところに落ち着いたのです。

 

もちろん、もっと大胆に成果によって報酬を変えている企業もあるかと思います。

 

でも、外資系の成果主義とか完全歩合制の給与制度とかを採用していない限り、あくまでも給料の基本部分は「必要経費方式」で決められていると言えるのではないでしょうか。

 

だから、いくら頑張っても、いくら成果をあげても給料はそんなに上がらないということになるんですね。

 

高い給料の貰い方

「労働力の価値」を積み上げていけば、やがて土台ができ、給料の基準金額を引き上げることができます。

(中略)

労働力の価値を積み上げるには、「自分の労働力を消費せずに投資する」という考え方が必要です。(P237)

 

いくら頑張っても、給料はそんなには上がらない、という資本主義経済の中で、それでも尚、高い給料をもらい、日々の業務で心身ともに擦り減らないようにするためには、どうすればよいのか?

 

この本のなかではいくつかの解決策が提示されています。

 

単純に考えれば、高い給料で雇ってもらえるような知識、技術を習得する!というふうに思いますよね。

 

確かにその通りなのですが、この本では、「損益計算書(PL)」的な視点ばかりではなく、「貸借対照表(BS)」的な視点を持って、日々の仕事の成果を積み上げていくことが大切と書かれています。

 

多少、会計の知識が無いと分かりにくいかも知れませんが、貸借対照表には「資産の部」というものがあり、そこには現金、売掛金、棚卸資産、建物・土地といった固定資産などの金額が記載されてます。

IMG 1418

 

すごく簡単いうと、企業はこの「資産」を使って営業活動を行い、利益を生み出しているのです。

 

だから、資産=将来の利益を生み出す源泉とも言えるわけです。

 

これを個人に置き換えると、将来的に高い給料を生み出す資産を増やしていけば良い、と言えますね。

(企業の場合は単純に資産が多ければ多い程よい、という訳ではないのですが・・・)

 

1日に8時間+アルファの働いても、後々自分の資産として残る働き方もあれば、何も残らないものもあります。

 

少し話しが逸れますが・・・

 

私が採用担当として仕事をしていた時のこと。

 

単純に労働力として頭数が欲しい時と、将来的に管理職や専門職として働いて貰いたい時とでは、採用の基準を変えていました。

 

(当たり前の話しですが・・・)

 

管理職や専門職を採用したい時に、採用担当が見るのは、その人が将来的に自社でどれだけ貢献してくれるか、です。

 

言い換えれば、その応募者がどれだけの「稼ぎ出す力」を持っているかですね。

 

この本の中では、その「稼ぎ出す力」を貸借対照表の資産と言っているのだと思うのです。

 

正直、採用担当の目から見ると10年、15年と長期間働いたキャリアがあっても、誰でも出来るような単純作業の繰り返しのキャリアではなかなか採用しようとは思えないんですよね。

(この話し、テンツバかな・・・?)

 

自分自身に毎日問うべきなのは、「資産を作る仕事を、今日はどれだけやったか?」という質問です。

これは、折に触れて自問するようにしてください。(P287)

 

私を含めてですが、単純に経験=キャリア=自分の資産というふうにならないというコトを肝に銘じておかなければいけませんね。

 

そして!

 

この日々の仕事の中で資産が積み上がってくると、それが土台となって、より少ない労力で(ラクに)仕事ができるようになるんですよね。

 

これがつまり、仕事を「消費」ではなく、「投資」として考えるということなのかな、と思いました。

 

やっぱり「継続」!!

「ひとは、1年でできることを過大評価し、10年でできることを過小評価する」(p289)

 

10年でできることを過小評価せずに、地道に労働力の価値を積み上げていけば、大きな資産を築くことができます。

そして、その資産を使って、仕事をすることがきます。(P293)

 

もうすぐ新年を迎えますが、お正月になると「一年の計は元旦にあり」とその年の目標などを考えたりますよね。

 

あれもやりたい!これもやりたい!と欲張ってたくさんの目標を掲げたりします。

 

でも、年の瀬に振り返ってみると、新年の目標のうちどれだけ達成できているでしょうか・・・?

 

私の場合、100個の目標を書いたうち達成するのは、2、3割くらいです。。(大汗!)

 

言い訳がましいですが、1年のうちに出来ることは、そんなに多くはない!というのがココ数年の私の実感です。

 

「1年」でこの有り様ですから、「10年」も継続するなんてそれこそ至難の業という気がしますよね。

 

でも、裏を返せば10年間がんばって継続していけば、他の人が得られないような大切な宝物が手に入るとも言えるわけです。

 

この本の最後に著者が書いているのは、まさにこのコトです。

 

やっぱり目標を持って日々、コツコツと継続していくことが苦しい生き方から抜け出すのに大切だという、自己啓発的にまさに王道の考え方で締め括られているのです。

 

まとめ

「人生戦略」という言葉がありますね。

 

私がこの本を読んで感じたのは、人生戦略を考えるための羅針盤のようだ。ということです。

 

戦略と言うからには、内的・外的な環境分析をしますね。

 

それがつまり、この本の冒頭に書かれているように資本主義経済の中で私たちの給料はどのように決められ、どんな問題があるのかを知ること。

 

そして現状を踏まえつつ、目標(苦しくなく、よりよい働き方をする)に辿り着くために、どのような知識、技術を身に付ける必要があるのか戦術を考える。

 

我が人生の師匠、小宮一慶さんが本の中や講演会などでサッカーの試合のために、いくら卓球の練習をしてもムダなように目標を達成するためには「正しい努力」が必要、というコトを書いたり話されたりします。

 

いくら頑張って働いて、成果を出しても給料があがらない!

 

(挙げ句の果てに、上司を逆恨み!)と嘆く前に、自分の給料は何を根拠に決められているかを知り、どうすれば、高い給料を払って貰えるようになるのかを考えて、正しい戦略をたて、正しい努力をすることが必要なんだというコトをこの本を読みながら、改めて考えさせられました。

 

おしまい。

 

最後まで読んでくださって、ありがとうございました!

 



posted by penguin-oyaji at 14:47 | Comment(0) | ビジネス書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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