2009年08月06日

日本人が語り継いできた価値観・・・・「目に見えない資本主義」

目に見えない資本主義

Book-No.148


「目に見えない資本主義」


貨幣を超えた新たな経済の誕生

田坂広志 著


東洋経済新報社



今回の本も、和田裕美さんがブログとラジオ(Wada Cafe)で


取り上げられていたのがきっかけで、手に取った次第。

今まで和田さんがオススメしている本を何冊か読みましたが、


どれもハズレなし!共感できる内容のものばかりだったので、


今回も読むのが楽しみでした!


そして・・・期待通り素晴らしい1冊だと思います。


■この経済危機から学ぶもの

毎朝、テレビをつけると、CNNのニュースが流れ、


誰もが、こう語っている。


「この危機は、いつ終わるのか」と。


しかし、私は、これは問いの立て方が間違っていると思う。


我々が問うべきは、別な問いではないか。


「この危機は、我々を、どう変えるのか」


その問いをこそ問うべきであろう」(P13)

「100年に一度の・・・」も、


耳タコになってきつつありますが、


米国のサブプライム問題に端を発した


世界的な経済危機の中にあって、


いつになったら景気は回復するのだろう?というのは


ある意味、至極まっとうな問いではあると思うのです。


でも・・・ 


景気が回復した後に、そこにはどんな景色が見えるのでしょうね?


以前と同じ(行き過ぎた)市場原理主義の世の中なのか、 

それとも、新たな資本主義が生まれてくるのか。

この本の中で、その問いに対する答えを


田坂さんが弁証法の法則を用いて、導き出しています。

弁証法・・・・覚えてますか?


昔、学校で哲学だか倫理だかの授業で教えてもらったような・・・


(当然、私はすっかり記憶から飛んでいましたが、それが何か?

弁証法とは、世界の変化、発展、進化の法則を述べた哲学


(P39)・・・だそうです。


まぁ、これだけではナンのこっちゃ?だと思うのですが、


私も説明する自信がないので(汗)、


詳しくは本書をお読みくだされ。



で、途中をすっ飛ばして 

どういう答えが導き出されるかというと・・・



そして、これらのパラダイム転換の結果、これから、


「目に見えない価値」「目に見えない資本」を重視する


成熟した資本主義が生まれてくる。 

言葉を換えれば、「目に見えない資本主義」。

その新たな資本主義への進化が起こる。


しかし、この新たな資本主義において重視される価値観は、

不思議なことに、かつて「日本型資本主義」と「日本型経営」

大切にしてきた懐かしい価値観に他ならない 

(Amazonの商品紹介より抜粋)



つまり、私たち日本人が大切にしてきた仕事観、組織観


などの価値観が見直されて、そして発展していくといふうに 

結論付けられている訳です。



なぜ、そういう答えが出てくるかというと・・・ 



現在の経済危機の後の世界の経済秩序を考えるとき、


我々は、「自由競争の維持」と「政府規制の強化」という 

二つの方法だけでなく、「自己規律の促進」という第三の方法を


重視しなければならない。そして、そのためには、


まず企業や個人の倫理基準や行動規範の確立という方策を、


長期的な視点で、必ず進めていかなければならない」(P67)

この第三の方法「自己規律の促進」を進む際に、


かつての日本企業が大切していた価値観が


大いに役立つというのです。

ここまで、うまく伝わってますか?


(ちょっと自信ない。。。)


■日本人が大切にしてきたもの

人間の精神は、成熟するにつれ、「目に見えないもの」が


見えるようになってくる」(P99)

もし、そうであるなら、「企業経営の成熟」とは、何か。


これからの時代に求められる「資本主義の成熟」とは、何か。

それは、「目に見える価値」だけでなく、「目に見えない価値」を


見つめる経営が生まれてくることに他ならない。


そしえ、それは、「目に見える資本」だけでなく、


「目に見えない資本」を見つめる資本主義が生まれてくることに


他ならない」(P101)



ここでいう「目に見えない価値」=「目に見えない資本」


というものの中に私たち日本人が大切に守ってきた価値観が


多く含まれると 田坂さんは記しています。



具体的にいくつか抜き出してみると・・・ 



「「日本型経営」や「日本型資本主義」の歴史を


虚心に振り返るならば、 実は、そこには、遙か昔から


CSRの思想が確固として存在していたことに気がつく。 

例えば、渋沢栄一の「右手に算盤、左手に論語」という言葉。


例えば、住友の家訓「浮利を追わず」という言葉。


例えば、近江商人の「売り手よし、買い手よし、世間よし、


三方よし」という言葉」(P148)



「例えば、日本においは、「働く」(はたらく)とは、


「傍」(はた)を「楽」(らく)にすることの意味であると


語り継がれてきた」(P148)


「我が国においては、企業や個人が法令を遵守し、


倫理を守るのは、 「法律に反すると罰せられる」からではなく、


「たとえ法律で許されても、世間が許さない」という


「世間様」の文化が存在したからである」(P150) 



「日本企業においては、「社会的責任」とは、


単に「社会に対して、悪しきことをしない」という


消極的・受動的な意味ではない。


むしろ、社会的責任とは、「社会に対して、良きことを為す」


という積極的・能動的な意味に他ならない」(P157)


「お客さまは、我々の心を映す鏡である」


この言葉に象徴されるように、日本企業において、


「お客さま」とは、本来、「商品を売りつける相手」では


なかった。「お客さま」とは、商品の売買という「ご縁」に


よって巡り会った大切な方であり、そのお客さまという「鏡」に


映し出される自分の姿を見つめることによって、


成長させていただく」(P201)


うーん、いっぱいあり過ぎて、書ききれない!! 



利益至上主義だとか、(見せかけの)成果主義に押されて


いつの間にか忘れかけてしまっていた、昔から語り継がれてきた


こうした言葉が、今さらながら心に染みこんでくるような思いで


読みました。



私が尊敬する人の一人、小宮先生も、よく「考え方がだいじ」と


言われたり書かれたりしますが、それってまさしく、


こういう正しい考え方のことを指すのでしょうね。



■最後に・・・

これからの資本主義社会がこの本に書かれているようなものに


なるのかどうか、私には分かりません。


でも、「強欲な」と形容される行き過ぎた市場主義の社会で


あるよりも「目に見えない価値」を大切にする社会になった方が、


私には心地よいのではないかと思うのです。

また、この本ではこれからの資本主義がどのように進化するのか、


だけを読み取るのではなく、後半に書かれているような


私たち日本人が大事に語り継いできた価値観って何だったのか


改めて見つめなおすのに、良いきっかけになるのではないかと


思います。

今日は抜粋だらけの記事になってしまいましたが、


(私らしくないですね・・・)


どうぞ、ご勘弁を!

では、このへんで。


今日も、ありがとうございました。

【▼kindle版】



posted by penguin-oyaji at 22:47 | Comment(0) | TrackBack(0) | 経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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