2009年06月26日

変わり者ではなく天才!・・・「天才脳は「発達障害」から生まれる」


Book-No.138
「天才脳は「発達生涯」から生まれる」

正高 信男 著
PHP新書


相変わらず「脳」が続きますがぁ・・・
この本は(またも!)和田さんのブログで知りました。

コチラ
和田裕美公式ブログ:障害があるおかげで・・

著者の正高信男氏は、京都大学霊長類研究所の教授で
認知神経科学を専攻されているとのこと。

内容はというと・・・

・キレやすかった、織田信長
・段取り、片づけができなかった葛飾北斎
・異常なまでにモノを書きまくった、南方熊楠
・お金にだらしなかった、野口英世
・際限ない欲望に駆られた、中内功

この5人は日常生活にそれぞれの困難を
抱えていたにもかかわらず、(脳に機能障害か、
それに近いものがあったのではないか書かれています)
その障害があったからこそ、「天才」になれたのだと
筆者は説いています。

■例えば、織田信長は・・・

鳴かぬなら殺してしまえホトトギス
と後の世の人に言われるほど信長が短気であったのは
有名な話だと思います。

信長に見られる思考の攻撃衝動は、脳の内側の奥深くに
存在する扁桃体と命名されている細胞群の、機能不全に
由来するものと推定される
(中略)
この部位は、人間の感情・情緒のコントロールや理解に
深く関与していることが、判明してきている
」(P56)

他方で信長は楽市楽座を始めて「市場開放」をしてみたり、
農民兵が当たり前の時代に、お金で兵力を集めて
常備軍を持つという、兵力の「構造改革」をやってのけるなど
合理的な面も併せ持っていたのです。

攻撃性」と「合理性」という信長の二面性について
著者の正高教授は以下のように分析しています。

どうやら脳の全体としての働きというのは、
さまざまな部位のバランスの上に成り立っているよう
なのである。だから一方が崩れると、もう一方が
それをカバーしようとする。
(中略)
一方の作用が欠落するぶん、他方の部位の作用が
通常より顕著となる
」(P58)

つまり感情をコントロールする扁桃体に障害があったぶん、
合理性を司る大脳皮質の頭頂部が発達して、扁桃体の
障害をカバーするような働いた・・・
ということでしょうか。

今、こういう話を読むと、どーしても思い出してしまうのが・・・
一躍、時の人となった盲目のピアニスト、辻井伸行さんですよね。

 
 

視覚に障害がある人は、他の人と比べて聴覚が発達している
傾向があると、何かの本で読んだ記憶があるのですが、
辻井さんの場合も(もちろん本人の努力や才能も
あると思いますが)全盲というハンディを背負っていたからこそ
ピアニストとしての才能が開花したのかも知れませんね。

ただ・・・

それにしても思うのは、
人の身体って本当にうまく出来ていますよね。
パソコンでハードディスクにうまく記憶が出来なくなったから
メモリーがその分を補うために容量が増えるなんて
絶対に有り得ませんからね。。(笑)

■普通の人なんていない!

天才といわれた人間でも、突出した才能の側面がある代わり、
どこか大きく欠けた面があるからだ。
突出した面で、欠けたところの埋め合わせをしているような
ものである
」(P234)

才能があるということにも、学習困難をもつということにも
光の部分と影の部分が必ず存在する。けれども日本人は
ややもすると、一人ひとりを見るにあたって、影の部分に
より比重を置いてこなかっただろうか
」(P225)

この本に登場する5人は優れた功績を残した一方で
「変わり者」と呼ばれても仕方が無い一面を持ち合わせて
いたと思います。

だって、信長みたいに神をも恐れず寺を襲撃して
焼き払うような過激な行動をする人が自分の近くにいたら
やっぱり「ちょっと危ないヤツ」って思いますよね。

著者の正高教授が書かれているように
人と違う性格を持っている人を、なるべく遠ざけようとしたり、
いじめなどの形で攻撃したりすることって
私たちの身近でよくあることではないでしょうか?

でも

そもそも「普通の人」なんていないんですよね。
何故なら人にはそれぞれ個性があって
唯一無二の存在なわけですから。

なるべく他の仲間からはみ出さないようにしようとする
心理を「ピアプレッシャー」というらしいですが、
日本人は特にそれが強いのかもしれません。

でも、本当はもっと自分と他人との違いを受け入れ、
許容する社会でないと、みんなで寄ってたかって、
才能の芽を摘んでしまうことになるのかも知れません。。
(社会全体にとって、それはマイナスですよね)


クレイジーな人たちがいる。
反逆者、厄介者と呼ばれる人たち。
彼らをクレイジーという人もいるが、私たちは天才だと思う。
自分が世界を変えられると、本気で信じる人たちこそが、
本当に世界を変えているのだから。


これは数年前にMacやiPodでお馴染みのアップル社が
「Think different」と銘打ったキャンペーンを行った際の
CMで流れていたナレーションです。
コチラのサイトで当時のCMが見られます)


このCMの内容って、多分、この本の内容に通じるものが
あるんですよね。

(難しいかもしれないけど・・・)
単純に「変わり者」と切って捨てるのではなく
その人が持っている(かも知れない)優れた才能にも
目を向けられるようにしないといけませんね。

それと同時に、障害という明確な形でないにしても
人より劣っている・・・と劣等感を抱くのではなく、
自分が持っている他の人には無い才能を
大切にしなければ!
と、
この本を読みながら思いました。

そういえば・・・
「天才」、あるいは「変わり者」でもあった
マイケル・ジャクソンが今日、亡くなってしまいましたね。。
ご冥福をお祈りします。。

それでは、このへんで。
最後まで、ありがとうございました。

タグ:
posted by penguin-oyaji at 23:22 | Comment(8) | TrackBack(0) | 読書(心理学・脳) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
おはようございます。

>だから一方が崩れると、もう一方が それをカバーしようとする。
(中略)
一方の作用が欠落するぶん、他方の部位の作用が
通常より顕著となる

今まさに問題の臓器移植法案A案の
「脳死が人の死」
それ自体は理解できるのですが、
では「脳死とは何?」と、
こういう事があるので、考えてしまいます。

ちょっと、本題から逸れました。
記事を読みながら、本当にマイケルのこと思っていたので、ちょっとセンチメンタルかも・・・

マイケルファンの私としては、
マイケルのこと書いてくださって感謝です。

ありがとうございました。
Posted by eries.m at 2009年06月27日 10:58
ペンギンおやじさん、こんにちは!

この話、特に辻井さんのくだりは僕も考えていました。

視覚と言えば、人間の五つの感覚のうちの一つで、NLPで言えば三つの感覚のうちの一つという、大きな要素を占めます。

そして、辻井さんは視覚が使えない・・・
しかし、日常はそれでも変わらず流転する。

とすれば、脳が他の感覚を敏感にして流れ行く日常を生き抜こうとするのは非常に合理的で納得いく気がします。
人間の最大の欲求は"生き続けること"だと思いますから。

この類の話は大好きで、読んでておもしかったです♪
ありがとうございます(^-^)
Posted by しのの at 2009年06月27日 11:00
こんにちは。

>「才能があるということにも、学習困難をもつということにも
>光の部分と影の部分が必ず存在する。けれども日本人は
>ややもすると、一人ひとりを見るにあたって、影の部分に
>より比重を置いてこなかっただろうか」(P225)

天才といわれる人は、突出した凸の部分もあるけど、それと裏腹の凹の部分もある。天才といわれるほど、突出した凸でないにしても、各人、それなりに比較的、得意なもの・得意な分野などあると思います(不得意なもの・不得意な分野も一緒に持って)。

不得意なものにエネルギーを注ぐより、得意なものにエネルギーや時間を注力した方が、全体としてはよい方向に向かうのでしょうが、(学生時代など、不得意科目など)不得意なものにも捨てるわけにはいかず(赤点や落第というわけにはいかないので)、それが、得意分野を伸ばすことの阻害の一因になっているということでしょうか。

ちょっと考えさせられます。
Posted by haru at 2009年06月28日 12:11
eries.mさん、こんばんは。

脳死の問題は色々な利権も絡んでいるようで
私も何とも判断できません。。
脳死になってしまったご本人やご家族の気持ち、
臓器提供を待ちわびている人の気持ち、
どう判断したら良いのでしょう・・・

マイケルの死は本当にビックリしました!
熱心なファンではありませんでしたが、
それでも同時代のスーパースターでしたからね。
eries.mさんはファンだったという事で尚更でしょう。。
ご冥福をお祈りしています。
Posted by penguin-oyaji at 2009年06月28日 20:09
しののさん、こんばんは。

>人間の最大の欲求は"生き続けること"だと思いますから。

本当にその通りだと私も思いますし、人の身体が
その欲求のためにあらゆる処置を講じている点が
スゴいなぁ、と思うんですよね。

辻井さんの事については、実はあまり詳しく知らないのですが、
ただ、障害を持ってしまっても、それがハンディにはならない事を
改めて教えて貰ったように思います。

いつもコメント、ありがとうございます。
Posted by penguin-oyaji at 2009年06月28日 20:15
haruさん、こんばんは。

コメントを読ませて貰いながら、
「なるほど、そういう見方もあるなぁ」と思いました。
確かに逃げてな部分より得意な方に注力した方が
良いと思いますが、だからと言って苦手な物を避けて通る訳には
いかないこともありますものね。

ちなみに私は物理が超・苦手だったので
赤点を免れるために、いつも試験前日は徹夜で
問題集を暗記していました。
(問題集から何問かは必ず出題されて、それさえ出来れば
赤点にならないという救済措置(?)があったのです)

いつも、ありがとうございます。
Posted by penguin-oyaji at 2009年06月28日 20:21
penguin-oyajiさん、こんばんは!
いつも色々な本の紹介ありがとうございます。
(レバレッジ・マネジメント、影響されて私も買いました☆本田直之さんやっぱりいいですよね♪)

>人より劣っている・・・と劣等感を抱くのではなく、自分が持っている他の人には無い才能を
大切にしなければ!と、

とっても共感します。
これが長所、これが短所、と単純に割り切れるわけではなくて、自分の持つ「特異さ」を受け入れて、それをいかに生かすかが大事、ということですよね。
Steve Jobsのスピーチも、私大好きです。

penguin-oyajiさんは、土井英司さんのメルマガ読んだりしていらっしゃいますか?vol.1808の「編集後記」に土井さんが書いていたしたことが、このエントリーにpenguin-oyajiさんが書いていらっしゃることに、すごく通じるなあ、と思ったのでお伺いしました^^ もし宜しければ転送しますのでおっしゃってくださいね。
Posted by 39 at 2009年07月03日 00:29
39さん、こんにちは!

「レバレッジ・マネジメント」を読まれたのですね。
本田さん書かれる本は実例とかが豊富で分かりやすいのと
一本筋が通っているところが好きです^^

土井さんのメルマガは私も購読してますよ。
でも・・・さて、何が書いてあったっけ?と
慌てて読み返しました(^^;;

土井さんと娘さんの絵のお話しですね。
人から評価されれば、そりゃ嬉しいに決まっていますが、
でも、その評価が絶対ではないという事を忘れないように
しないといけませんね。

コメント、ありがとうございました!
Posted by penguin-oyaji at 2009年07月04日 11:03
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