2009年05月17日

投資フェスティバル2009 《竹中平蔵さん編》

ファイナンシャルアカデミー


投資フェスティバル2009


09年5月16日 よみうりホールにて


《竹中平蔵さん編》



前回の《和田裕美さん編》に続いて、


今回は竹中平蔵さんのお話について書きたいと思います。

先ず最初に・・・


・政府の職をすべて辞めた今、「言論の自由は良いなぁ」と


いうことを実感しています。


と言って会場を笑わせ、講演を始められました^^

■講演内容

◎100年に一度の〜

今、盛んに「100年に一度の」という言葉が使われている。


しかし、本当に100年に一度の危機が起こっているのだろうか?

アメリカの今と大恐慌時(1932年)との比較


GDP 現在:▲2.8% 大恐慌時:▲13%


失業率 現在:8.9% 大恐慌時:25%


※今、大変なことが起きているのは事実だが、大恐慌の時と


比較すると、それほど深刻ではない。

問題は、「100年に一度だから」といって、財政のばらまきが


行われたり、選挙の先延ばしをしているが、


「100年に一度」がエクスキューズ(言い訳)に使われている


のではないだろうか。

◎世界の中での日本の競争力低下

GDP、世界1位はアメリカで、2位は日本だが、


3位の中国が追い上げてきているので、もうすぐ抜かれるだろう。


そして、国民一人当たりGDPは92年時点では世界2位だったが、


今では19位に低下している。


この先、日本は頑張らないとさらに低下する可能性が大きい。

世界のものづくり企業トップ100(株価総額で比較)の中に


日本企業は8社しかランクインしていない。


(アメリカ:44社、英国:11社)


実は日本の企業規模は小さい(他国の企業に比べて


M&Aをあまり行っていない)

◎今、世界で起きていること

・グローバル化とデジタル革命が進行している


例えば、IPフォンが発達したことで、ブラジル銀行の東京支社に


電話をかけると、サンパウロにあるコールセンターにつながる。


(IPフォンであれば、世界中の何処にかけても費用は同じ)

今後、グローバル化が進む世界の中で生き残っていくためには


より付加価値を高め、発想の転換が求められる。

《アメリカで起きていること》


今、アメリカに必要なことは「金融機関の安定化」と


景気の拡大」の二つ。

それに対してオバマ大統領は打てる限りの施策を打って


その結果となる景気動向の変化を見る段階に来ている。


また、これらの問題を解決するためにガイトナー財務長官や


バーナンキFRB議長などベストの人選を行った。

しかし、今後もマイナスの資産効果がはたらき消費が減ることが


考えられるので、急激なV字回復ではなく、ゆるやかなL字回復に


なるだろう。

《中国で起きていること》


07年の世界経済の成長のうち半分はBRICsが担っている。

世界的不景気の影響で、成長は鈍化しているが、


それでも7%前後の成長は見込める。

政治的な安定を保つためには、6%以上の経済成長が必要。


(経済成長率が低下すると、天安門事件のような事が起こり


政治が不安定になる歴史的な流れがある)


また、国債を発行による景気刺激ができるだけの財政的な


余裕がある。

《日本で起きていること》


10−12月期のGDP成長率は▲12%、1−3月期は


さらに悪化している可能性が高い(▲15%くらいか?)

しかし、経済成長率が悪化にしているにもかかわらず、


不景気感がそれほどでもないのは、失業率が4.8%と


比較的低いレベルにあるから。

だが、それも今後のGDPの悪化や雇用調整金がどうなるかに


よって失業率は悪化する可能性がある。

過去最高となる15兆円の補正予算が組まれたが、


わずか2週間くらいで決められたもので、内容的には


「ばらまき」である。

◎今後、日本でやるべきこと(提言)


世界の多くの国で行われていることをやれば良い。


15兆円の予算を組めるのだから、難しいことではない。

・法人税の引き下げ(海外企業の誘致、日本企業の海外転出防止)

・納税者背番号制の導入(不法な未納税者から税金を徴収する)

・羽田空港のハブ空港化(拡張と24時間稼動)

◎夢と勇気とサムマネー

竹中さんが好きな言葉として、チャップリンの言葉を引用し、


夢と勇気とサムマネー」をあげていました。

夢を持つことが大事、


一歩を踏み出す勇気を持つ


そのために必要なサムマネーを持つ

◎これから必要なもの

「アメリカが悪い」とか「景気が悪い」、「政治が悪い」などと


人のせいにするな!

・「学び」と「行動」の両方が必要


それも学びながら、行動するというように両方同時に行う。

■感想など・・・

冒頭で「100年に一度」が言い訳につかわれているのでは


ないか、と言う話を聞いた時に感じたのですが、


マスコミなどで盛んに「100年に一度」というフレーズが


使われているのを聞いているうちに、


自分でも無意識に「100年に一度だから」と


思い込んで思考停止状態に陥っていたのではないか、と。

大切なのは、本当は何が起こっているのかという事を


自分の目で確認をして、見極めることなんでしょうね。

それから最後の方で、福沢諭吉が書いた「学問のススメ」に


ついてのお話があり、そこでは

「学問のススメ」は300万部も売れたとされ、


当時の日本の人口が約3,000万人程度だったので、


10人に1人が読んだことになる。


今になおせば、1,000万部以上のベストセラーとなる。

と話されていました。

今、ビジネス書では10万部でベストセラーといわれているので、


単純に、今のベストセラーの100倍も売れたということですね。

当時はマスコミとかの情報源が少なかったという要因も


あるかも知れませんが、


それにしても10人に1人が


あのような本を読んでいたとは・・・!!


実際、明治の人々は「学問のススメ」を読んで、


どんなことを感じ、何を考えたのでしょうね?


新しい時代に向けての天下国家を論じていたんでしょうか。


明治の人のメンタリティって、すごかったんですね。


ちょっと感動しました。

《参考図書》


とかく小泉・竹中路線が批判を浴びることもありますが、


今回の講演を聞いていて、マクロ経済の動きを読み、


分析して、提言をまとめられる能力の高さには


失礼な言い方かもしれませんが・・・


「さすがだなぁ」と思いました。

そして、現状の経済の動きを読んで、自分は何をすべきか、


そういうことを考える時に、


個人の枠にとどまらず、天下国家を論じたであろう


明治の人々を見習って、


私もより広い視野で物事を見て


考えられるようになりたいものです。

では、このへんで。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。



posted by penguin-oyaji at 21:40 | Comment(0) | TrackBack(0) | 講演会・セミナー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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