2009年04月12日

経営者、リーダーのための心得・・・「成功する上司」

 

Book-No.115
「成功する上司」
リーダーシップのノウハウが学べる物語

小宮一慶 著
講談社

 

このブログは一応、読書関連のブログだと
思うのですが・・・・

気付いてみたら、ここ一ヶ月くらい
セミナー参加報告やら
個人的な日記ばかり書いていて
最近とんと読書のことを書いていませんでしたね・・・

あはは・・・

でも、本はちゃんと読み続けていますので
これからまた頑張って本の話題などを
書き連ねていきたいと思います。

で、

久々の読書ネタは、小宮一慶さんの
「成功する上司」を取り上げてみたいと思います。

小宮先生といえば、最近出版された
「社長力」養成講座が好調のようですが、
ちょっと前に書かれた、この本も良いです!

この本は、以前に通っていた「経営基本講座」の最終日、
打ち上げの懇親会の時に小宮先生から直接、
お勧めされたのがきっかけで、手にしました。

そして、この本は内容がビジネス小説のように物語形式に
なっているのも特徴の一つかと思います。

40歳の駆け出しのマネジャー、主人公の山村が
買収先の会社に出向を命じられ、
そこで社風や考え方の違う部下を持ち、
試行錯誤の末に組織をまとめあげ、困難と思われた
業務改善を成し遂げる・・・

そんなストーリーの中に小宮先生の経営に関する
基本的な考え方(経営哲学と言っても良いかも知れません)が
随所に織り込まれています。
ストーリーを追いながらリーダーとしての考え方、
行動について考えさせられ、学ぶことができる内容になっています。

■小さな行動から変えていく

山村は再度「リーダー心得帳」を読み返してみた。そして
その中に「意識を変えるにはまず小さな行動から変える」
という項目が目にとまった
」(P75)

この物語の中で、山村が変えてみるべき小さな行動として
ピックアップしたのは以下の5点です。

1.電話は3コール以内にとる
2.電話に出たら「ありがとうございます。暁産業○○です」と受ける
3.不在者のための電話連絡を徹底する
4.クレームが発生したらただちに上司に報告し、かつ即応する
5.来客はエレベーターホールまで見送る

どれを取っても、当たり前と言えば当たり前。
でもですね、これが完璧に出来ている組織って
相当、優秀だと思います。

それから自分の経験からして、
こうした当たり前のことが、ないがしろにされるようになると
組織って少しずつ崩れ始めるのですよ・・・(本当です!

だから、逆に考えると組織を立て直すためには
こうした「当たり前のこと」を当たり前にちゃんと出来るように
先ずは小さな行動から変えていくべきなのだと思うのです。
小さな事が出来もしないのに、大きな事なんて出来る訳ないのですから

また、これは組織だけの話ではなく、個人の行動にも
そっくり当てはまるような気がします。

例えば、前回の記事でも書いたように
「ありがとう」で返事をする、という小さな事を先ずは始めてみる。
最初はなかなか出来ないかも知れませんが、
続けていくと、やがてそれが習慣になって身に付くように
なるじゃないですか。

たった、それだけの事かも知れませんが、
できなかった時の自分と比べると、
少しだけ違う自分に変わっていると思うのです。

日常の中の小さな革命(レボリューション)を始めてみる・・・
組織も個人も、先ずはそこからスタートですね。

■数字と人の幸せを天秤にかけてはいけない

物語の後半。
思うように業績が上がらない山村がミーティングの場で
人を減らすなりして、コストを削減した方がいいのでは?」と
問いつめられる場面が描かれています。

そしてその時、そこに居合わせた社長の中山が烈火の如く怒りだし
次のように言うのです。

数字と人の幸せを天秤にかけてはいけない。
(中略)
簡単に『人を減らす』などということは、許されることではない。
数字合わせではなく、暁産業の売り上げを上げることを考えなさい

私、何だかこのあたりを読んでいたら、
涙が出てきてしまいました。

昨今の不況下で正社員、非正社員に限らず
人員整理を断行する企業が後を絶ちません。

確かに企業にとって人件費は、ほぼ固定費ですから
(それも、けっこう大きな額の・・・)
需要が減り、売上が下がってきた時には
固定費を削減しないと利益が出ないというのは
よく分かります。

ただ、もう片方で人材こそ企業の宝というのも
事実ではないかと思っています。

この物語りに登場する中山社長のような考えた方をもった
リーダーの下であれば、多少苦しい思いをしたとしても
この人に付いていこう!」と思えるのではないでしょうか?

こんなキレイゴト、物語の中だけだよ!と思いますか?

たしかに人減らしをして固定費を削れば短期的には回復も
早まるだろう。だが、一度「首切り」をすれば従業員の心に
傷が残る。次の好況期、会社に対する求心力がどれだけ働くだろうか。
(中略)
堀を埋められ城壁を壊されても雇用だけは守り抜く。当社にとって
「雇用は天守閣」なのである

(「プレジデント」2009.3.2号 P37 永森重信・日本電産社長の言葉より抜粋)

実際にこの不景気の中で雇用を守り抜く決心をして
戦っている経営者もいるのです。

短期の利益を追求し最大化を図るのであれば
景気が上向いている時には設備投資をして、
人員も雇入れて生産を増やす。
逆に、景気が悪くなったら余剰設備を切り離し
余剰人員を整理する、というのもアリだと思います。

しかし、この物語の舞台になっている暁産業の中山社長や
日本電産の永森社長のように、長期的視点に立って
雇用を重要視して経営をされている人もいる。

どちらが正しくて、どちらが間違っていると云うのではなく
まさしく、企業理念としてどう考えるかという
経営に対する姿勢や考え方の違いだと思います。

すくなくとも私は、短期的視点で利益を追求する企業(経営者)よりも
長期的な視点で人を大切にする企業(経営者)の下で
働きたいと考えます。

また将来、自分が経営というものに携わる事ができるようになったら
やはり、長期的な視点に立って人の幸せに役立つ経営をしたいと

考えるのです。

 
 
 
 
■「経営」は経営者だけのものにあらず

私、この本を読んで自分が今まで勘違いをしていた事に
一つ気付きました。

「経営」というのは、社長や役員といった経営レベルについている人が
学び、実践するものだと思っていました。

でも、この物語の主人公、山村の役職は事業部長。
その事業部長の仕事の中にも「経営」という仕事はあるのです。

もっと言えば、組織、チーム、グループがあれば、
そこにはリーダーが考えて実行すべき「経営」の仕事があるのですね。

私は今まで「経営」というものを、非常に狭い範囲でしか
考えていなかったように思います。

小宮先生によれば、経営の仕事は
・企業の方向付け
・資源の最適配分
・人を動かす
という3点に集約できるといいます。

確かに、係長や課長クラスだと企業全体の方向性を考えることは
仕事の範疇ではないかと思います。
でも、企業の方針や部の方針に従って自分の課やチームを
どう動かすかを考えるのは、
それぞれのリーダー(課長や係長)の仕事になりますよね。

だから、「経営」について学ぶのはある意味、すべてのビジネスパーソンにとって
必須なのではないかと思えるようになりました。

■最後に・・・

この本には小宮先生の「経営に対する考え方」が詰まっているのと同時に
現場で起きている事に対して、どう考えどう行動すべきかの
ヒントが多く書かれていると思います。

いくら立派な原理原則を知っていても、
結局、私たちは行動して結果を出してナンボの世界にいるのです。
だからこそ、物語を通して現場を疑似体験しながら
こういう場面であったら、自分はどう考えて、どう行動するかを
考えながら読むことに、この本の真価があるように感じました。

泣ける場面もあり、一読の価値は充分にあると思います。
まだ読まれたいない方は、ぜひっ!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


posted by penguin-oyaji at 16:26 | Comment(8) | TrackBack(0) | 読書(小宮一慶) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ペンギンオヤジさん

こんばんは。

当り前のことを当たり前にやるって本当に難しいと思います。自分も心がけてはいますが、まだまだです。

難しいことや大きなことに挑戦するのもすごいことだと思いますが、誰でも出来るような簡単な事を続けていく方が難しいのかもしれませんね。

精進します!

更新ありがとうございました。
Posted by kaizokou at 2009年04月13日 20:37
ペンギンオヤジさん、こんばんは。

>そして、この本は内容がビジネス小説のように物語形式に
>なっているのも特徴の一つかと思います。

自分が主人公の山村さんになった感じで疑似体験しながらリーダーシップを、経営を、学べる本なのですね!参考になります。

「どちらが正しくて、どちらが間違っていると云うのではなく 、…考えるのです。」のところは、「うん、うん」、とうなずきながら読んでしまいました。そうですよね、そういう会社、そういう経営者がいいですよね。

いつも更新ありがとうございます。

Posted by haru at 2009年04月13日 20:59
kaizokuouさん、こんばんは。

「当たり前の事を当たり前にやる事が一番難しい」って
何かの本にも書いてありましたよね。
昔、店長をやっている頃は、これが私の得意セリフでした(笑)

でも、本当に挨拶一つ、電話応対一つを取ってみても
きちんとやろうとすると案外難しかったりしますよね。

季節柄、初心に還る良いチャンスだと思うので、
私も精進します!

いつも、ありがとうございます。
Posted by penguin-oyaji at 2009年04月13日 23:00
haruさん、こんばんは。

本文でも書きましたが、経営原則とかフレームワークを
いくら知っていても、それを現場で使えなければ意味ないですからね。
この本では、現場への落とし込み方や、現場での活かし方が
学べるかなと思います。

考え方に賛同していただいて、ありがとうございます^^
雇用問題って、本当に浪花節だけでは解決できない問題だと
思うので、やはり業績好調な時に「不景気になったらどうするか?」を
考えて、解雇とかリストラをしないで済むような手を打っておく事が
経営者にとっては大事かなと思います。

いつも、コメントありがとうございます!!
Posted by penguin-oyaji at 2009年04月13日 23:06
ペンギンおやじさん、こんにちは!しののです。

深い本ですね。

短期的に見れば利益が出ても、その苦しい状況を脱してしまった場合のことを考えると、企業を加速させるのに必要な人員が少ない。

好転し始めた時に新しい人を雇ったとしても、経験値が少なくて企業を十分に動かすには少々不安が残る・・・


企業に入って人を幸せにするのも人で、企業を動かすのもまた人なんですよね。
企業の基本は人・・・言葉としては短いですが、真理のような気がします。

なんかすごく勉強になりました。ありがとうございます。
Posted by しのの at 2009年04月14日 10:34
この本はまだ読んでないんです!
この前penguin-oyajiさんにお会いした時良かったですよ〜と伺い、買ってはいたもののまだ積読なんです。今日の記事読んで、すぐにも読みたくなりました!ありがとうございます♪♪
Posted by 二代目 at 2009年04月14日 16:55
しののさん、こんばんは。

よく「企業は人なり」って言いますから、
やはり真理ではないかと私も思っています。

企業も仕事も、何のために存在しているかといえば、
やはり「人を幸せにするため」だと思うんですよ。
だから、企業も働いている人もお客様も取引先様も
みんなが幸せを感じられる経営を志したいですよね。

いつも、ありがとうございます。
Posted by penguin-oyaji at 2009年04月14日 22:45
二代目さん、こんばんは。

私もあまり人の事はいえませんが・・・
この本は「積読」は勿体ないです!!
すぐに、ツンドク山を切り開いて、読んでみて下さい。
ジーンとしますよ^^

いつも、ありがとうございます。
Posted by penguin-oyaji at 2009年04月14日 22:48
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。