2008年12月31日

人を幸せにするプロジェクト(思い出の1冊)


Book-No.99
実用企業小説
「プロジェクトマネージメント」

近藤 哲生 著
日本経済新聞社


このブログを始めた時から、いつか機会があったら
書きたいと思っていた1冊です。

最初に読んだのは、もう4年も前なのですが、
私にとっては忘れられない思い出の本です。

■言い渡された「半年納期」
本の内容を書く前に、私がこの本と出会った時の事を
先ずは書きたいと思います。

4年前、それまで店舗で使用していたレジシステムが古くなり
入れ替えをしないといけなくなりました。
(ちなみに私の勤め先は小売業の会社です)

単純にレジだけ取り替えれば話が済むのであれば、簡単なのですが、
当時のシステムの構成上、レジ端末、店舗系システム、
そして本社の基幹系システムまで取り替える必要があり
結構大掛かりな話でした。

当時、私は商品部というところで店で販売する商品の仕入担当を
していました。つまり、何事もなければシステムの入れ替えとは
全く関係のない部署です。

なのに、色々と事情がありまして・・・
私がシステム入れ替えのためのプロジェクトチームのリーダーに
なってたのです。

そして会社からは「半年でやり切れ!」という期限を付けられました。

SEの仕事をされている方なら、分かって頂けると思うのですが、
店舗数が十数店舗の規模とはいえ、基幹系まで入れ替えるとなると
それなりに期間は必要。
お付き合いすることになったシステム会社からは
半年・・・?絶対ムリですよ。最短でも1年!普通はもっと時間が掛かりますよ
と言われました。

・・・とまぁ、そんな状況下の中でIT系のプロジェクトなんか
仕切った経験も無いので、勉強しなければ!と思って手にした中の一冊が
この「プロジェクトマネジメント」でした。

■傾きかけたプロジェクトの再建物語
内容は傾きかけたプロジェクトを再建するために赴任した
新任のプロジェクトマネジャーが紆余曲折を経て、遂にはプロジェクトを成功に
導くという小説です。

私自身もありえない短納期と、全く未経験のプロジェクトリーダーという仕事に
不安だらけででしたので、この苦難を乗り越えてプロジェクトを成功させるという
物語には、ものすごく共感するところが多くて何度も何度も読み返していました。

■人を幸せにするプロジェクト
一人ひとりがそれぞれの力を発揮して、また皆が協力して、いくつもの
難関を見事に突破してきました。いま、僕は『僕たちは史上最強のプロジェクト
チームだ』と豪語できます
」(P273)

プロジェクトが人を幸福にするものになれば、まず僕たちが幸福になる。
僕たちが幸福になれば、僕たちの家族が幸福になる。わが社が幸福な会社になり
お客も幸福になり、一緒に仕事をしてくれている協力会社も幸福になる。
プロジェクトが人を幸福にするものになれば、幸福はどんどん皆に広がっていく。
そんな『人を幸福にするプロジェクト』の雛形を、僕はこのプロジェクトでつくることが
できたと思っています
」(P285)

これは小説の中でプロジェクトが成功を収め、その慰労会兼解散式で
プロジェクトマネジャーが語った一節です。

この部分が特に印象的で、本当に飽きもせずに繰り返し、繰り返し
読み返していました。そして、その度ごとに自分たちのプロジェクトも
こうした幸福な解散式が出来るようになろうと思って、その場の状況を
想像しながら読んでしましたね。

今から思えば、当時の私にとってこの本は不安な自分の心を支えるための
拠り所みたいな存在だったのですね。

「仕事はな、人間を幸福にするもんでないと、あかん」
これが徳永の口癖だった。
「幸福はな、人から人へ伝わって拡大する。けど、不幸もまた然りや。
伝染しよる。だからこそ、幸福を生みださなあかんのや」
こうした話をする時の徳永は、いつもぴしりと背筋を伸ばしていた

(P23)

今でこそ、口癖のように言っていますが、
仕事は人を幸福にするもの」だという事を強く意識するようになったのも
この本を読んでからでした。

■そして想像の場が現実のものに!
そして、私たちのプロジェクトは「絶対に無理」と言われていたにもかかわらず
予定通り半年後に、システムは無事に稼動を始めたのです。

短い準備期間でしたので、何か問題が残っているのではないか、
何か問題が起こっても当然だ、と思っていたシステム稼動初日、
店まで含めて本当に何も問題らしい問題が発生しなかったのには
自分でも驚きました。
その日の日報に「何も起こらない、というトンでもなく大きなことが起こった!」と
ちょっと興奮しながら書いたのを覚えています。

そしてプロジェクトの解散式。
会社の近所の居酒屋に社内外の関係者の方々に集まって貰ってやったのですが、
冗談のような大変なスケジュールで苦労したにもかかわらず、
本当に皆が笑顔でした。
自分が本を読んで思い描いていた通りの解散式が実現できたのです!

成功したのは別に私の力ではなく、社内、社外の関係してくれた人みんなが
最後の最後まで諦めないで、力を尽くしてくれたからなのですが、
本当にあのプロジェクトは今でも、ささやかながら私自身の誇りです。

プロジェクトの成功法則

不安とプレッシャーで何度も押しつぶされそうになり、
その度ごとに、この本を開いて解決策をさがしたりしていました。
実際に、この本の中に書かれているノウハウなどを、
そのまま現場に持ち込んで、成果につながったことも数多くあります。

でも、多分プロジェクトの成否を決めるのって、
チーム全員の心のあり方だと思うのです。
また、精神論かと思われるかもしれませんが、
一人ひとりのモチベーションをどうやって高め、維持していくことが
どれだけ大事なことかを、この物語を通じて無意識のうちに学んでいたようにも
思います。

それから、このプロジェクトをやっていた期間、私の生活はワーク一色でした。
チョッと前に記事にした「ワークライフ”アンバランス”みたいな感じ。
でも、本当に楽しかったです!
仕事の醍醐味みたいなものを感じられた初めての経験だったのかも知れません。
もう一回、同じ事をやれ!と言われたら・・・
ちょっと考えてしまうかもしれませんが、多分またやります(笑)


それでは、長々とお付き合いくださり、ありがとうございました。

(残り 1冊 タイムリミットまで約9.5時間



posted by penguin-oyaji at 14:19 | Comment(0) | TrackBack(0) | ビジネス書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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