2008年12月30日

今年の感動本No.1 「奇跡のリンゴ」

 

Book-No.92
「奇跡のリンゴ」
「絶対不可能」を覆した農家・木村秋則の記録

石川 拓治 著
NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」制作班  監修
幻冬舍

&

 

DVD
プロフェッショナル 仕事の流儀
農家 木村秋則の仕事 りんごは愛で育てる

NHKエンタープライズ

 

いや、いや、泣きましたね。
涙する・・・なんてもんじゃなくて
嗚咽しながら読みました。

間違いなく今年の感動本No.1です。

ご存知の方も多いと思いますが、
元々はNHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」で
取り上げられ、あまりの反響のスゴさに
書籍化されたそうです。

内容としては、不可能と思われていた無農薬でのリンゴの栽培に
挑戦して、苦難の末に成功した一人の男の物語・・・
という事になるかと思います。

この本の冒頭部分に、こんな言葉が書かれています。
ひとつのものに狂えば、いつか答えに巡り合う

読んで頂ければ分かると思うのですが、
いつまで経っても成功しない無農薬でのリンゴ栽培に
普通、そこまでする・・・?
と思うくらいの執念で取り組み、
それでも一度は諦めて、自殺までしようとします。

まさに「狂う」という言葉でしか表現できない
挑戦だったわけです。

木村さんはリンゴ農家ですから、当たり前ですが、
リンゴが収穫できないという事は、
即そのまま現金収入が途絶える事につながる訳です。
実際、リンゴの木に農薬や化学肥料を与えるのを止めたその年から
害虫や病気にやられてリンゴは収穫できなくなり、
そこから木村さん一家は耐乏生活を強いられるようになってしまいます。
それも、1年や2年という時間軸ではなく、 9年間も!!

■家族の絆
一家の主として、そんなにも長期間
自分の家族に耐乏生活を強いる事なんて、
普通は出来ない・・・と思うのです(おまけに木村さんは婿養子!)

私の感覚で言うと、「よく家族が逃げ出さなかったなぁ」と
思ってしまうのですが・・・

リンゴ畑で、夫が珍しく弱音を吐いたことがあった。
「もう諦めた方がいいかな」
(中略)
子供たちにその話をすると、長女が思いがけない反応を見せた。
いつも大人しい彼女が、色をなして怒ったのだ。
「そんなの嫌だ。なんのために、私たちはこんなに貧乏をしているの?」
父親の夢は、いつしか娘の夢になっていた
」(P100)

このシーンを読んだ時には、安っぽい言葉かも知れませんが
家族の絆」というものを突き付けられたように感じました。
よく、「子は親の背中を見て育つ」と言いますが、
家族を巻き込んで、誰よりも苦しんでいる父親の気持ちが
娘さんたちにもいつしか、伝わっていたんでしょうね。

■成功までの時間の長さ
何年も花を咲かせなかったリンゴの木々が、いっせいに花を
咲かせていた。
本当に感動したとき、人は言葉も、表情すら失ってしまうものらしい。
何か言葉を発することも、そこから動くことすら忘れて、
二人はその場に立ち尽くしていた。
(中略)
夫の目にも、妻の目にも、うっすらと涙が浮かんでいる。
九年ぶりのリンゴの花見は、涙に濡れていた
」(P165)

9年・・・言葉にすると一言ですが、
失敗に失敗を重ね、苦悩の日々を送っていた木村さん夫婦にとっては
9年ではなく、もっともっと長い時間に感じられていたと思うのです。

前に和田さん(和田裕美さん)が、講演会で
3日がんばって、3日で散ってしまう花もあるし、
10年間がんばって、10年咲き続ける花もある

というような事を話されていたのを聞いた事があります。

私なんかは、どちらかと言うと早く成功したくて、
ちょっと頑張って、ダメだったらまた別の方法を試してみる・・・
そんなことの繰り返しをしているだけのような気もします。

でも丈夫な木が育つためには、先ず目には見えない根っこを
しっかりと張って、それから芽が出て幹が大きく太く育っていくように
人も、成功が目に見えるようになるまでには
長い年月を要することもある・・・
要は、それまで諦めないで継続できる力があるかどうかが
大事だということなのだと思うのです。

1991年の秋に青森県を台風が直撃して、リンゴ農家が
壊滅的な被害を受けたことがある。
(中略)
ところが、木村の畑の被害はきわめて軽かった。
(中略)
リンゴの木は揺るぎもしなかった。根が普通のリンゴの木の何倍も
長く密に張っていたというだけでなく、木村のリンゴは実と枝をつなぐ
軸が他のものよりずっと太く丈夫に育っていたのだ
」(P186)

太くて丈夫な根が張っていれば、嵐にだって耐えられることを
木村さんのリンゴの木は教えてくれています。
人も、しっかりとした根っこがあれば、
苦難に襲われても、心が折れることなく前を向いて耐えられる・・・

時間が掛かっても、そんな「根っこ」を育てていきたいものです。

■柔和な顔
NHKでオンエアされたのを私は見ていないのですが、
幸いなことにDVDとして発売されていましたので、
本を読み終えた後、速攻でamazonに発注しました!

で、観ました。

テレビだと、本に書かれているような木村さんの苦労は
それほど伝わってこないのですが、
その代わりに、木村さんの柔和な笑顔とか優しい話し方が
よく伝わってきます。

長年、苦労を重ねてきた人というのは、
優しい、心から滲み出るような笑顔になるんですね。

それから、木村さんはご自身があれほど苦労して見つけ出した
無農薬でのリンゴの栽培方法を惜しげもなく人に教えているんです。
番組の中でも、そうやって木村さんから栽培方法を
教えて貰っている人が登場します。
で、その場面を見ていて分かりました。

大切なのは、ノウハウではなく「心」だという事が。

木村さんからノウハウを教えて貰っても、それを「受け止める心」が
無いと無農薬でのリンゴの栽培は成功しないんですね。
(※詳しくはDVDを観て下さいね)

これって、自己啓発本やビジネス書から単純にノウハウ、技術だけを
学ぼうとしても、身に付かない・・・というのと一緒ですね。
観ていて、そう思いました。

この本の中では、その他にも農業の在り方だとか
自然の生態系の素晴らしさだとか
色々と多くの事を読み取る事ができる内容でした。

本当はもっと、書きたいことが一杯あるのですが、
取りあえず、この辺で終わりにしたいと思います。

是非ぜひ、一度読んでみてください。おすすめです!

いかん、またウルウルしてきてしまった!

ありがとうございました。

(残り8冊、タイムリミットまで約46時間

posted by penguin-oyaji at 02:01 | Comment(2) | TrackBack(1) | 読書(その他) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ペンギンオヤジさん、こんにちは。

haruです。
私は、テレビあまり見ない方なのです。見始めちゃうとずーっと見ちゃうので(時間がいくらあっても足りなくなっちゃうので)。

でも、「プロフェッショナル 仕事の流儀」は、好きです(取りこぼし(見落とし?)ているものも多いですが)。幸い、無農薬でのリンゴの栽培の話は見ました。本当に、よく9年もがんばれたもんだ、そして、そのその成果がちゃんと実って、神様も捨てたもんじゃない、と感動ものでしたね。

本で読むのと、映像で見るのではちょっと印象がちがうのですね。文字(本)と映像、2つのメディア。「百聞は一見に如しかず」というように映像優位な場合もありますが、ディテールは文字の方が勝る場合も多々あると思います。

本の方は、残念ながら読んでません。本屋さんで平積みの表紙だけ見ました。(笑)

では。
Posted by haru(ハル) at 2008年12月30日 15:48
haruさん、連続でのコメントありがとうございます。

実は「プロフェッショナル・仕事の流儀」は見た事がないんですよ。
(今回、初めてDVDでみました)

そうですね。9年間の努力には頭が下がります。
「天は自ら助くる者を助く」という自助論の冒頭を
思い出しました。

本の方も是非ぜひ、読んでみて下さい。
映像とはまた違う感動があると思います。

ありがとうございました。
Posted by penguin-oyaji at 2009年01月01日 00:34
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