2008年12月15日

サキヨミに見る資本主義の暴走・・・

 

Book-No,88
「暴走する資本主義」

ロバート・B・ライシュ 著
雨宮 寛 / 今井 章子 訳
東洋経済新報社

 

昨日(12月4日)は・・・
ご存知の通り、赤穂浪士の討ち入りの日であり、
勝間和代さんの誕生日の日でもあり、
フジテレビ「サキヨミ」でChabo!の活動報告のVTRが
放映された日でもあります。

「サキヨミ」見ましたとも!(録画だけど・・・)

Chabo!を仕掛けられた勝間さんもスゴイと思いますし、
何よりも遠い異国の地で、苦労しながらも地道にコツコツと
活動を続けていらっしゃるJENのスタッフの皆さんには
頭が下がる思いです。

話は突然変わりますが・・・

「サキヨミ」の冒頭部分で、派遣切りの話しが取り上げられて
いましたよね。(見た?)

概要を簡単にまとめると、以下の通り。

・日本の派遣人口が急増したのは、2004年から
・当初は専門職に限定されていた派遣先が、2004年の法改正で
製造業への派遣が解禁されたのが主な要因
・2004年の法改正の背景として、経団連が2002年にまとめた
「規制改革要望」の中で、派遣対象業務の拡大を政府に提言をしたこと
・そもそも企業が派遣労働者を受け入れる目的は(1)低賃金労働者の活用
(2)(不況時などの)雇用調整の二つ。
・現在の派遣切りを2004年の法改正時点で予見できたのではないか

と、まぁこんな内容でした。
私、これを見ながら「暴走する資本主義」というこの本の事を思い出していました。
■超資本主義(スーパーキャピタリズム)

過去数十年の間、資本主義は私たちから市民としての力を奪い、
もっぱら消費者や投資家としての力を強化することに向けられてきたということで
ある
」(P6)

例えば、私たちは一人の「消費者」としてお店で生活に必要な物や欲しい物を
お金を出して買いますね。
もちろん、値段は安ければ安いほど良い訳で・・・
しかし反面で、企業に勤める「労働者」として考えるとどうでしょう?
自分たちが作ったものは、出来るだけ高く買って貰いたいと考えませんか?

デフレスパイラルの中、私は小売店舗で働いていましたので、
この矛盾は肌で感じていました。
安くしないと売れない!」でも、そうすると売上単価が下がりますし、
粗利額も減りますので、売上・利益の確保がものすごくキツかったのです。

しかし、競争が激しくなればなるほど、「消費者」側の方が力を持つように
なりますから、企業側(労働者)の負担は高まる一方になります。

また、本来は民主主義の主役である「市民」としての私たちの考えや意思は
政府の政策に、きちんと反映されているでしょうか?

ご存知のように、各政党には支持団体というものがあって、
そこに政党と団体との利害関係が発生してしまいます。
さらに力を付けた企業は、自分たちの企業活動が有利となるよう
政治家に働き掛けるロビー活動を展開するようになりました。
そうなると、政策も市民の意見ではなく、企業や利益代表団体に偏ったものに
なってしまうという弊害が生まれます。

また、企業は投資家の利益が最大化することに目を向けるようになり、
人件費を含めたコストの抑制に走るようになる・・・

つまり、資本主義が力を付ければつけるほど、民主主義の良さが失われていく
結果として、格差問題や環境問題などを引き起こしてしまう
、という問題点が
本書の中では数々の事例をあげながら、指摘されているのです。

ものすごーく、単純にまとめると本書の要旨はこんな感じなると思います。

■日本で起きている現実
さて、「サキヨミ」の話に戻ります。

先ず派遣労働法が改正された2004年の時代背景ですが、
バブル崩壊後の不景気に日本全体が喘いでいて、それでも少し回復の兆しが
見えてきた頃ですね。
で、小泉政権が着々と規制緩和路線をひた走っていた頃でもあります。
雇用問題としては、就職氷河期の末期に当たり、一時ほどではないにしても
大学生の就職活動ではまだまだ苦労を強いられていたような時期でもあります。

こうした時代の流れの中で経団連が政府に対して、派遣対象業務の拡大を
提言していたというのは、本書の中で描かれているように企業活動が
有利となるよう企業が様々なロビー活動を展開していた話と、ダブって見えます。

「サキヨミ」の中では、将来的に問題が露見する事が分かっていながら
法案を成立させてしまった政府に対する批判があったように思いますが、
私、個人的には政府だけの問題ではないと思っています。

法律には「整備」と「運用」という二面性が必ずあって、
この問題に関しての私の意見としては、

整備面」でいうと、経団連の目論見をどれだけ当時の政府が配慮したのか
分かりませんが、ある意味では、本書の中で指摘されているように
市民の意見ではなく、企業の見方になって法整備をしてしまった点に
一つ、問題があるように思います。

運用面」で考えると、これは当初の企業側の目論見どおりに不景気なった際に
立場の弱い派遣従業員の解雇に走るという企業側の誤った運用が目につきます。

つまり、力を持った企業が政府を動かし、自分たちの都合の良い法整備を進め、
自分たちの利益、投資家の利益を守るために、その法律を都合の良いように
振り回している・・・というふうにしか私には見えないのです。

ちなみに、その法改正を働き掛けたと言われている経団連に関しては
大前先生が著書の中で、こんな記述を残されています。

経済のパイを拡げる提案ではなく、加減乗除で辻褄合わせしかできない
経団連という組織は、政党の応援団みないなものに堕している。
世界広しといえども、増税、特に消費税増税を提案する経済団体など
見たことがない

(「サラリーマン「再起動」マニュアル」大前研一 著 P86より抜粋)

 

まさに本書の中で描かれている「超資本主義」の一片が、今の日本に
見て取れると感じています。

 

政府、企業、投資家・・・・誰が悪いと言うよりは
勝間さんが指摘されているように、アメリカ型の資本主義という
「制度」自体が疲弊しえきているのでしょうか?

だからこそポスト資本主義を模索する・・・と勝間さんも行動していますしね。
 
■ついでに・・・三毒追放なんて言ってられない!

今、派遣切りと並んで問題になっているのが来年4月に入社予定だった
大学生に対する「内定取消し問題」!
全国で300名以上の学生が内定取消しの憂き目にあっているという調査結果が
出ていますね。

勝間さん推奨の「三毒追放」(妬まない、怒らない、愚痴らない)を心掛けている
私ですが、この「内定取消し」のニュースを聞く度に、怒りが沸々と沸いてきます。

本当にひどい対応ですよ!
内定だから取り消し説明不要/自己都合で辞退と書いて送れ/・・・(毎日新聞)

不思議でならないのですが・・・
派遣契約の打ち切りをした企業は自分で公表もするし、マスコミでも社名付きで
報道されるじゃないですか。
なのに、内定取消し問題についてはあまり社名が報道されることがないですよね。
内定取消しって、立派な(?)違法行為なのに・・・

若者の人生をどれだけ、弄べば気が済むのでしょうか・・・?
この国の企業は・・・
同じ採用業務に携わる一人として、どーしても許せない!

ゴメンなさい、こんな個人的な感情をむき出しにして・・・
こんな事読むために、このブログに来て下さっている訳じゃないですよね。

でも、どうしても自分の意見として書いておきたかった・・・

私は怒ってばかりですが・・・
「はじめての課長の教科書」などの著者である酒井穣さんが
この内定取消し問題についても明るく前向きな提言をご自身のブログに
書かれていますので、良かったら読んでみて下さい。

軸を増やす苦しみと、内定取り消しについて

 
私も次からはもう少し明るい事を書きたいとおもいますm(_ _)m
今日も、ありがとうございました。
posted by penguin-oyaji at 22:55 | Comment(4) | TrackBack(0) | 読書(その他) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
非常にお恥ずかしい話で恐縮なのですが、実は私も立派な違法行為(薬事法)を堂々としている会社に勤務しております。(滝汗)

国が暗黙の了解としていることであれば違法行為ですら違法にはならないんだということを現場で学びました。

でも私が属する業界企業をたばねる団体がとある問題でネット通販企業を排除しようとしております。

私は自分たちが堂々と違法行為をしているのになぜネット通販企業をたたきつぶそうとするのか納得できません。

ですからpenguin-oyajiさんのどーしても許せないというお気持ちがすっごくわかります。

悲しいかな、自分さえよければ他者はどうでもいいっていう社会になってしまったんですかね〜。

幸い私もpenguin-oyajiさんも和田師匠から陽転思考について学ぶことができますので、まわりの人にわくわくを伝染させることはできますよね。^^

どーしても許せないということが起こっても陽転できる術を知っているってホントにすごいことだなって最近思うのです。

あ、結構長文になってしまいました。(^^ゞ
Posted by Alice at 2008年12月16日 01:36
Aliceさん、こんばんは。

コメントありがとうございました。

法令遵守が叫ばれていますが、まだまだ徹底されていないのが
現実ですよね。私の勤めている会社もお恥ずかしながら・・・
という部分は、やっぱりあります。

ただ、それが自分の良心にとって納得できないものであれば、
やはり声を上げるなり何かしらのアクションを起こすべきかなと
思うのです。

経済環境的には非常に厳しいので企業も生き残るためには
多少の事には目をつぶって・・・というのも分からないでも
ないのですが、酒井穣さんのブログに書かれているように
何かしらの知恵を使って、乗り切る方法を考えるべきですよね。

そうです!
嫌な事、許せない事があったら陽転して、どうしたら
その事から気持ちを切り替えて、問題解決できるかを
考えないといけませんよね。
私も怒ってばかりでなくて、内定取り消しとかの問題に対して
自分に出来ることは何かを考えて行動して行くようにします。

ありがとうございました。
Posted by penguin-oyaji at 2008年12月16日 23:03
ペンギンオヤジさん

こんばんは。

お怒りごもっともだと思います。
怒りがすべて悪いわけではないですよね。

でも今日の講演会で勝間さんがとにかく「三毒追放」が大事と言っていましたのでとにかく実践してみようと思っています。

怒りが大きいほど、困難な問題でも解決してやろうって気持ちを強く持てる機会でもあるかもしれませんね。

更新ありがとうございました。

Posted by kaizokuou at 2008年12月17日 00:26
kaizokuouさん、こんばんは。

怒りぶちまけで、ゴメンなさい。
ただ、誰かの本に書いてありましたが、
「怒り」は案外、感情のエネルギーとしては大きいですよね。
だから、怒りの感情の行き先を間違わないようにすれば、
けっこうパワーになるかなぁ、なんて都合の良いように思っています(笑)

いつも、ありがとうございます。
Posted by penguin-oyaji at 2008年12月17日 23:14
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