2008年10月21日

「日本を変えよう」■貧困・格差問題・編


Book-No.75


「勝間和代の日本を変えよう」


Lifehacking Jpan

勝間和代 著


毎日新聞社


『勝間和代の日本を変えよう』刊行記念


勝間和代講演会&サイン会


08年10月17日(金) 東京ウィメンズプラザホールにて



この講演会報告も3回目に突入という事で・・・・(汗)

今日は「貧困格差問題」と「終身雇用制の弊害」について


まとめてみたいと思います。

■貧困・格差問題


日本の世帯年収の中央値は476万円。その半分の238万円に


満たない家庭を「貧困」とみなす。その割合は15.1%(約7軒に1軒の割合)。


欧米ではその割合を10%以下にしようと政策目標が掲げられている。

貧困家庭の割合が多いと、社会が不安定になると共に、生活保護などの


社会的な負担も増えてしまう。

格差が継承されてしまう要因の一つは「教育費」。


238万円では子どもを大学に進学させる事は非常に困難。


子どもの能力ではなく、「生まれ」によって進学できるかどうかが決まってしまう。


一方では日本の現状に於いては高卒で正規社員にはなる事は、


なかなか難しい。

年齢別賃金格差があることが貧困を生んでいる要因にもなっている。


中高年層に対して若年層の賃金が低すぎる。

■若年層の雇用問題


男女共同参画問題については構造問題として捉えられているが、


若者の雇用問題については、若者自身の自助努力の問題として


認識されてしまっている事が多い。

特に中高年世代では「俺も若い頃は苦労した」の一言で片付けられて


しまうことが多い。

昔は多少レベルが低くても正規雇用の道があったが、今は同じレベルであっても


非正規雇用の道しかない。

今後、今の非正規雇用の若者たちが40代になっていった時に、


仕事がなくなり、ホームレス化、貧困化して社会全体の負担が高まる。

派遣法の改正は「中高年の雇用を守るために」実施された。


結果として、若年層の雇用がなくなり、


やがて、ホームレス化、貧困化した人たちのための福祉と云う形で


社会全体の負担が増えるようになる。

■貧困・格差問題のボトルネックは何か?


男女共同参画・貧困格差問題をグルグルとかき回していくと


「終身雇用制度」が全てのボトルネックになっているのではないかと


考えられる。

出産退職をしてしまうと、再就職の道が閉ざされてしまっている。

企業側も期間限定的な正社員を雇いにくいという現状から、


育児休暇をとるくらいなら、辞めてもらった方が良いと考えている。

ワークライフバランスや育児休暇の制度がなくても、人を採用できてしまうので、


企業としては、それらを福利厚生の一環としてやっているだけで、


経営戦略になっていない。

フルタイムの正社員を前提とした、流動性の低い働き方においては


男性性社員を重視した施策が会社にとっても、合理的になっている。

男性正社員の大半は、自分が考えているよりも長く働かされていると


思っていて、幸福感が低いと答える人が多い。

■ここまでの、まとめ


ここまで勝間さんが話された事を私なりに要約してみたいと思います。

現在の日本の労働市場において「若年層」と「女性」の雇用、活用が


進んでいない。

若年層の雇用問題について、「若者自身の自助努力不足」と捉えられて


しまっている傾向が強いが、本当は構造的な問題。

女性の雇用問題については構造的な問題と認識されて、施策も行われて


いるが、まだまだ女性の社会進出レベルは諸外国と比べて低い。

若年層と女性の雇用問題がうまくいっていない事の弊害として、


「少子化」「男性の長時間労働・ワークライフバランスの欠如」


「貧困・格差問題」が発生している。


これらの問題は、将来的に社会不安や、社会的負担の増大につながる


ことが、分かりきっているので、なるべく早く手を打つべき。

大雑把にまとめると、だいたいこんな感じでしょうか。

《若年層の雇用問題について一言》


高校卒業と大学卒業の時に就職氷河期で、でも働かないと生きて


いけないので、フリーターになったり派遣で働き出す。すると、そのまんま


その状態が続いて。景気回復すればなんとかなると思っていたら、


自分たちには一滴のおこぼれもなく、それがもうずっと慢性的に続いて、


10年以上ということですね」(「日本を変えよう」P167)

若年層の雇用問題や、ワーキングプアの問題が一般化した原因は


やはり「就職氷河期」にあったと私も思っています。


今や若年層の非正規の割合は50%、全労働人口に対しても30%で


2、3人に一人は非正規雇用という状態になっています。

別に非正規雇用という「働き方」がいけないとは思っていません。


問題は非正規雇用の賃金が異常に低い点にあること、その結果として


働いても働いても暮らしがラクにならない、いわゆるワーキングプア


問題を引き起こしている点が問題なのですね。

また、賃金だけでなく非正規の労働環境も不当に差別されている


実態があります。以下、「日本を変えよう」の雨宮処凛さんとの対談から


抜粋です。


例えば、工場で鉛を使う仕事をしていて、血の中の鉛の濃度が高まっちゃう。


同じ作業場で働いている正社員だけが特殊な健康診断を受けられて、


派遣と請負は健康診断の通知すらこなかった、ということがありました。


結局、健康診断の結果、正社員はすごい鉛濃度が高まっているとかで


その工程外されたんですけど、派遣と請負はそのまま。こんな仕事は


こいつらにやらせておけばいいんだ、みたいな」(P206)

もう、非正規と言うだけで人間扱いしていませんよね。


こういう話、けっこうネットとかで散見できますし常態化してしまっている


のかも知れません。

話を元に戻しますが・・・


バブル崩壊後、2004年くらいまで続いた「就職氷河期」という


若者切捨て施策(反面では既存正社員の雇用保護の為の施策)が、


若者を暗くした一つの原因になっているわけです。

《他人事でない貧困・格差問題》


中途採用の面接をしていて、ある時にこんな人が面接にやってきました。


大学を卒業してからずっと、政府の某外郭団体で働いてきて管理職まで


務めた方だったのですが、定年間直の55歳で退職をして新たな職場を


探しているというのです。

どう考えても、自主退職ではなく肩を叩かれてしまったとしか思えません。

民間企業でも戦力外通告を受けて、早期退職される方が増えてきています。

30代、40代くらいなら何とかなるにしても、50代になってからの再就職活動は


本当に辛い。


でも、いつ自分の身に降りかかってくるか分かりませんよね。

あるいは、親の介護でどうしても会社を辞めざるを得なくなり、その後で


再就職をしようとしても、これまた狭き門であることは変わりありません。

結局、会社から放り出されたら行くところがなく非常に苦しい生活を


余儀なくされるような社会になってしまったら、怖くて誰も会社を辞めなくなり、


労働市場の流動性はますます低くなり、閉塞感が増すばかりって事に


なるのではないかと思うのです。。

イカン!


書いてたら、暗くなってきた!

問題を指摘ばかりしていても、何も良くならないので


明るくするためには、何を、どうすれば良いのか、を


考えなければいけませんよね。

そのお話しは、また次回という事で。


(結局、3回で終わらなかった・・・スミマセン)

もう少しだけ、お付き合い頂ければ・・・・と。

こんな冗長なお話しにお付き合いくださり、ありがとうございました。

【▼単行本】


posted by penguin-oyaji at 20:59 | Comment(4) | TrackBack(0) | 講演会・セミナー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ペンギンオヤジさん

連日の更新お疲れ様です。

自分も同じ講演会にいたハズなのに、ペンギンオヤジさんの十分の一もまとめられていないのがなんか恥ずかしいです・・・。しっかりと問題の分析もされていて素晴らしいです。

当然、第四回目も楽しみにしていますのでよろしくお願いします。


今日もありがとうございました。
Posted by kaizokuou at 2008年10月21日 22:00
kaizokuouさん、こんばんは。

いやいや、今回は特別です!
いつもはご存知のように他力本願で与太話中心の講演会レポートですから・・・

いつもお付き合いくださって、ありがとうございます。
4回目の頑張ります!!!
Posted by penguin-oyaji at 2008年10月21日 22:19
こんにちは、シノです。

卒業後に就職が難しいという点では、決して他人事とは思えません。
今のところの進路としては、博士号取得→就職というのが希望なんですが、高学歴ワーキングプアなんてのも増えてってるようで。

まぁ、会社に勤めるだけが人生じゃないので、それほど危機感は感じてないのですが、、、こういう問題が表に出てくる度に少しビクッとなってしまいます。

いつも楽しんで読ませてもらっています。次も期待してます!


あ、勝手ながらブログにリンク貼らせていただきました。
もしダメだったら言ってくださいね。
Posted by シノ at 2008年10月24日 08:11
シノさん、こんばんは。

これから就職活動をする学生さんにとっては、
けっこうシビアな問題かなと思います。
ただ、これから「院」に行かれるのであれば、就活自体は
まだ、チョッと先の話ですし、その頃の日本経済とか
企業の採用状況がどうなっているのか、なんて誰にも分かりませんよね。

であれば、変にビクビクしないで自分の目標にまっすぐ進んでいくのが
良いのではないでしょうか?

ブログにリンクを貼って頂き、ありがとうございました!
確認させてもらいましたよ。感謝です。

これからも、よろしくお願いします。

Posted by penguin-oyaji at 2008年10月24日 21:53
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