2008年10月10日

人生のバランスシート「弾言」



Book-No.74


「弾言」


成功する人生とバランスシートの使い方

小飼 弾 / 山路 達也 著


アスペクト

言わずと知れたアルファブロガー、小飼弾さんが書かれた新刊です。

本書『弾言』では、バランスシートに基づいて世界をヒト、モノ、カネという


3つの要素に「仕訳」して考えます。実体のあるモノを、人間の知恵(ヒト)


によって活かし、カネという価値を生み出しているというわけです」(P005)

バランスシートというのは会社で作られている「貸借対照表」のことですね。


本書の中で、ヒト、モノ、カネがどのように仕訳されているかというと


「資産の部」=カネ


「負債の部」=モノ


「資本の部」=ヒト (※最近は「純資産の部」ですね)


このような形で考えられています。

■ヒトの再建と再生


仕事がない、給料が安い、休みが少ない、人付き合いに疲れる、


恋人ができない、やりたいことが見つからない、老後が心配・・・・


本書はいきなり、こんな暗〜い言葉のオンパレードで始まります(笑)


いや、笑いごとじゃないですね。

こんな暗い毎日から抜け出し、「自分という会社を建て直す」には


どうすればよいのか?


会社を再建する時に最初に手をつけるのはリストラであったり、経費削減という


いわゆる「出を制す」という事から始めることが多いですよね。


本書の中でも弾さんは、そこから書き出しています。


自分でコントロールできる経費削減から始めるのが楽に決まっています。


問題を解決するための基本は、自分でできることからやるということです


(P016)

生活に困ったら、まず経費削減から始めろ』 ⇒お金の節約


カネ以上に時間を節約すべし⇒自分時間の確保


時間がちょっとでも空いたら、本を読め』⇒自分価値の向上


ブログや日記を書いて、自分の状態を客観的に見てみよう⇒自分の現状分析


上手なヒトを徹底的に、真似できなくなるまで真似してみよう


⇒ベストプラクティスの学習


自分がグローバルな競争の渦中にあることを自覚しろ』⇒競合相手の分析


どんなものでも「強さ」になりえる=誰もが強くなれる⇒自分の「強み」の発見

※『』の中は本書の弾言から引用、⇒は私が書き足した部分です。

こうして、弾言を並べてみると、企業の再建手順とほぼ同じ順番で


書かれている事に気付きます。

経費削減、というか、生活に困ったら先ず節約と言うのは誰もが考え、


実行することだと思うのですね。

ただ、企業もそうですが、経費削減ばかりしていると先細りになって


やがて・・・・という事になりかねません。

成功した企業再建の事例を見ていると、リストラや経費削減を進めながら


そこで浮いたお金を原資にして、将来の成長のための投資を行っていることが多い。

本書の中では時間を節約し、本を読み、勉強をして自分価値の向上に努め、


自分の戦うべき土俵を見つけ出す、というような手順で論が進みます。


要は、ただ節約に努めるだけでなく、将来の自分自身の成長のための


投資をどのように行うかが大切なわけですね。

問題を解決するための基本は、自分でできることからやるということです


会社のせい、景気のせい、世の中のせい、と泣き言、恨み言を


いくら言ってみたところで何も解決しないのは自明の理。


先ずは自分で出来ることからスタートするというのは、まさにその通り!

ワーキングプアの問題の本質は、もらえる給料が少ないということでは


ないんです。多くの貴重な時間が奪われているということなんですよ」(P020)


日々を食べていくために、安い時給で長時間労働をするしかない、


その結果として、自分の時間が奪われていく・・・


個人が未来に向けての投資をする際に、お金も確かに必要ですが、


何よりも時間をどうやって捻出するかと云うのが大きな課題になる事って


ありますね。


今更、私がココで言うまでもなく時間は個人にとっての大事なリソースですから


これを安売りしていては、いつまで経っても将来に向けての展望も


ひらけないということです。


ワーキングプアの問題の本質は時間の搾取、というのは私にとっては


見落としていた部分でした。

■プロジェクト単位での働き方


オン・ザ・エッヂに入社した時に、自分のやるべきことをやったら、会社を


辞めようと思っていました。


(中略)


僕のようにプロジェクト単位で働く人間は、会社でベストを尽くしたらスパッと


辞めるべきなんですよ。そうでないと、その後は仕事をしていると


見せかけるためだけの仕事を取ってくることになってしまう」(P143)


今後はプロジェクト単位で人が集まり、それが終わったら解散して、


各人は別のプロジェクトに行く、そういう働き方が増えてくると思います


(P143)

弾さんが、オン・ザ・エッヂを去る時のことを書かれた文章です。


ココを読みながら、「プロジェクト単位で働く」という働き方があるんだ、


という事をはじめて知り、ちょっとしたショックを覚えました。

今、盛んに言われているのは「会社に隷属しない働き方」。


従来のように会社に言われるままに働くのではなく、


個人、個人が働き方を選べるように自分の実力を高めていくという事が


必要だというふうに考える人が増えてきていますよね。


(今のビジネス書ブームを支えているのも、そうした時代のニーズを


反映したものだというふうに言われていますし・・・)

そして企業側も、その時々の景況感に合わせて「雇用調整」という


名の下に従業員の調整をするようになってきました。


その調整弁がいわゆる非正規雇用の人たちと云うわけですが・・・・

ただ、その話とは別に企業が大きく成長するステージとか


あるいはM&Aによって新たな局面を迎えた時などに


外部からスペシャリストを招き入れて、働いてもらう。


そして、その人たちは自分の役割を終えたらまた、


別の会社へ移っていく・・・そんな人が今後ますます増えていくのは


想像に易しいですね。

また、最近「クラウド」という言葉を時々耳にするようになりましたが、


従来の会社組織とは違う、スペシャリスト個人の集まりという


緩いカタチの組織で働くという事も増えるかもしれません。

どうであれ、そこでは「絶対に成果を出す」という高いスキルが


求められるので、個人レベルでもそれに応えるだけの能力が無いと


ダメなわけですが。

■社会相続+ベーシック・インカムという制度


根源的にモノを所有することはできないのです。なぜかと言えば、


人間には寿命があるから。どんなモノでも、せいぜい80年レンタルにしか


ならないんですよ」(P173)

土地、資源、作物などのモノは、個人が「所有」しているのではなく、


この世界から借り受けているもの、というふうに考えてみる。

人が死んだ時に、借り受けていたものは・・・


今であれば、子孫に引き継がれますよね。


でも、この世界から借り受けているものであれば、世界に返すという


考え方、つまり「社会相続」という考え方になります。

ベーシック・インカムというのは、国民であれば一定金額の支給を


国から「無条件に」「個人が」受けられるという制度です」(P192)

死んだ人から社会に返されたモノは、ベーシック・インカムという制度で


国民全員に再配分されるというわけです。

この「社会相続+ベーシックインカム」という制度の良い点として


死んだ人間の持っていたカネがベーシック・インカムとして全員に


ばらまかれる、すなわちストックがフローとなって必要な人間に行き渡る


ようになるわけです」 (P193)

確かに、この考えたかは一理あると思いました。


弾さんは、ストックがーフローとなって必要な人に行き渡るという


カネの再配分」という面を取り上げられていますが、


私はもう一つ、「世襲による格差の是正」になるのではないかと思います。

『子孫に美田を残さず』、とは日本の旧き良き時代の言葉に


なってしまった感がありますが、


社会相続にしてしまえば、金持ちであっても、貧しくても


死んだ時点で、その子供たちには強制リセットが掛かる事になりますね。


確かに生まれてから、親が死ぬまでの間の格差は是正できませんが、


その格差は容認すべきだと私は思います

大切なのは個人の努力の結果によるカネならいくらあっても良いのです。


本人の努力ではない、親の努力の結果をそのまま相続し続けて


「金持ち」であり続ける点が是正できるだけで良い。

それだけでも、この国の形は変わっていくような気がします。

最後に・・・・


確かに弾さんのブログを拝見していると、ものすごく本を読んでいらっしゃるのは


分かっていましたが、よくまぁ本当に色々なことをご存知で!!


その知識や知見の深さには脱帽しました。

個人の問題から、環境問題、今後の社会のあり方まで


色々と多方面に言及されているので、興味ある方は是非、一読を!!

私も本当はもっと、書きたい事もあるのですが、


さすがに、これ以上長くなると読んで頂いている方から


モノを投げられるか、呆れられてしまいそうなので(笑)


今日は、このへんで。

明日からの3連休。皆さんも楽しまれてください!


(私は明日は前橋に行ってきます!)

今日もありがとうございました。

【▼単行本】

【▼kindle版】


posted by penguin-oyaji at 22:13 | Comment(2) | TrackBack(1) | 自己啓発 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ペンギンオヤジさん

おはようございます。

「弾言」自分も読みましたが、弾さん独特の本なので、まとめにくいなあと思っていたのですが、さすがはペンギンオヤジさんですね。見事にまとまっています。

このブログを読んでもう一度読んでみようと思いました。

3連休楽しく過ごして下さいね。
自分は本日出勤ですが・・・(*_*)

更新ありがとうございました。

Posted by kaizokuou at 2008年10月11日 08:17
kaizokuouさん、こんばんは!

いやいや、バランスシートはkaizokuouさんの方が専門家ですから
私よりも深く読めたのではないでしょうか?

実は、私もこの本は読み終わってから記事にするまで2日間くらいは
頭の中で寝かせてましたよ。どういう切り口で書こうかな〜って(笑)

個人価値を高めるために、自己資本比率を高めよう!という件があったと
思うのですが、あの部分も弾さんらしい弾言ですよね。

今日は出勤でしたか?お疲れさまでした。

土日はゆっくりとお休みですか?

いつも、コメントを頂きありがとうございます。
Posted by Penguin-oyaji at 2008年10月11日 22:03
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アルファブロガー小飼弾は『弾言』する
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Tracked: 2008-10-11 02:32
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