2008年07月05日

明日は今日よりもよくなるか・・・・?



Book-No.35


「3年で辞めた若者はどこへ行ったのか」


−アウトサイダーの時代

城 繁幸 著


ちくま新書

ディスカヴァー・トゥエンティワンの干場社長のブログ


触発されてしまい、今日は現在の若者の就職観、


仕事観などについて私なりに考えてみたいと思います。

この手の問題を考えるときに、参考になるのが


城繁幸さんが書かれた、この本。


本書は前作の「若者はなぜ3年で辞めるのか?」の


続編的な形になっていて、平成的価値観に従って働く


22人を追ったルポルタージュのような構成になっています。

■なぜ、また安定志向・・・?


学生の意識調査などを見れば、彼らが企業に求めるものに


「安定性、終身雇用」といったキーワードが際立て目に付く。


求人倍率についても、従業員数1000人以上の大企業に


集中する形で底上げされているのが現実で、一言でいうなら


昭和的価値観のゆり戻しが起きているのだ」(P235)


09年の就職戦線(※)もほぼ終了した観がありますが、


(私の会社は全然、採用できていないので、このまま秋採用に


突入です)


今年の学生の意識調査では、本書にもあるように


・安定志向


・大企業志向


がまた、復活してきています。


ちょっと前に人材会社の営業の方からこの調査結果の話を


聞いたときに、妙な違和感を覚えました。



(※、今は08年じゃん!と思われるかも知れませんが採用の業界では


入社年基準ですので、09年就職戦線とは、来年の春入社の新人採用


の事を指すのです)

このブログでも何度か、ロスジェネ世代の事について書いてきました。


本や雑誌で得た情報と私が採用の仕事の中で出会った人たちの


印象などから、ロスジェネ世代の特質として


・従来の日本型雇用(年功序列、終身雇用)を信用せず、


・会社に縛られない


・自立した生き方を求める人が


・それ以前の世代よりも多くいる


というふうに考えています。

・・・と、思っていたのにココに来てまた、従来のような


大企業に就職して、安定した生活を得て、定年まで働きたい」と


考えている学生が増えてきていることに、どうも納得がいかないのです。

干場社長もブログで同じようなことを書かれていますが・・・


年功序列、終身雇用制度が成り立っていた背景は間違いなく


大きな経済成長と人口の増加だと思います。


しかし、低成長時代に入り、少子化が進む現在で今後、


年功序列、終身雇用制度が機能しなくなる・・・


と言うよりは一部の人たちにしかメリットの無い制度になるのは


自明の理ではないでしょうか。

それに、会社が自分の事を定年まで守ってくれる・・・というのも


既に幻想、過去の遺物になっているのは言うまでも無いですよね。

それなのに何故また、安定志向?


それなのに何故また、大企業志向?

格差社会の中で「負け組み」に入りたくないという思いなのでしょうか?

■若者だって色々と考えている・・・・


昨日のブログでも少し書きましたが、ココ最近、たて続けに入社一年目の


営業マンが商談に来ました。


その中の、ある女性営業ウーマンの話。

彼女は今年の春、地方の某国立大学を卒業し、今は人材会社の


営業の仕事をしています。

商談が終わった後、例によって私は色々と質問を始めました。


(この世代の就職観とか仕事観に興味があり、ついつい仕事と関係ないのに


色々と質問攻めにしてしまうのです)

彼女の夢(予定)は30歳までに独立する。


独立して何をしたいかというと・・・セカンドビジネスとしてカフェをやりたい。


でも、カフェはあくまでもセカンドビジネスとしての位置づけなので、


本業としての仕事は、今の仕事を通して探していきたいし、そのための


人脈づくりとか人間関係も作っていきたいと


目をキラキラさせながら話してくれました。

自分の新人の頃とはスゴイ違いだ!と思いつつ、


平成的価値観にしたがって、しっかりと前を見て生きていることに


私は大きく頷いたのでした。

もう一人の新人営業マンは、地方の公立大学を卒業して上京し


やはり人材会社の営業をしている男性の方。

この彼が昨日のブログで登場してもらった、私が和田さんの本を


逆営業してしまった営業マンです。

彼とは和田さんの本の話をきっかけに、ビジネス書の話や、


現在の勉強本ブームの背景とか色々な話をしました。


その時、彼がこんな事を話してくれたのです。

本当は僕もそうした勉強の話とか、生き方の話しとかを自分の


上司にもしてもらいたいんです。でも、飲みに行っても上司は


数字の話しかしないし・・・・

■教えてもらいたがっている若者と、何も示さない大人


彼のその言葉を聞いた時に思いました。


教えてもらいたがっている・・・

社会人っていうのは、先輩の仕事ぶりを見て盗むんだ!とは


私が会社に入った頃に上司から言われた言葉です。

でも、いまどきの若者にその話は通用しません。


手取り足取り、教えてもらうのが当たり前と思っている子が


多いですからね。

少し前ならどの会社にもいた目標になる上司がいなくなり、


だからビジネス書やセミナーが必要になったのでしょう


(アエラ08年6月9日号、「ロスジェネ一発転進」より抜粋)


この考え方を日本社会全体に拡げて考えてみると・・・

昭和的価値観(年功序列、終身雇用の安定した、将来を


約束された働き方)が崩壊し、格差社会、ワーキングプアなどの


問題も発生しました。そしてマスコミなどでは、それらの問題を


これでもか!」と煽り立ててきました。


でも、次にどんな働き方、どんな価値観を持って生きればよいのか、


を教え示している人が、あまりにもいないのではないか。


会社にも、日本社会の中にも・・・

そんな環境の中で、教えて貰いたがっている若者は


不安感だけがつのり、


取りあえずの安心材料を得るために


「大企業志向、安定志向」に走るのではないかと・・・・

■大人の役割


現在のような状況の中で私ら大人が果たしていかなければ


ならない役割とは何か・・・を自分なりにまとめて書いてみます。


(理念)


先ず絶対に必要なのは、大人が次世代に語れる


ビジョンを持つことだと思います。

(報酬制度)


それから、年功序列・終身雇用制度に代わる新しい日本的な


システムを提示し、構築すること。


筆者の城氏が言うように年功序列型の職能給制度から


職務給制度への移行のように・・・

(教育)


教えて貰いたがっている若者に対しては、企業理念から


始まって、実務までをきちんと教育する。



(新人にも役割を与える)


「俺が若い頃は、毎日毎日コツコツと下積みをしたもんだ」と


いう話は、終身雇用制が機能していた頃のお話ですから、


今時、説得力はありません。


新人にも責任ある仕事を任せ、将来のキャリアパスが


描けるように育てることが必要だと思います。

背中を見て覚えろ!は今の若者には通用しないと、先ほど


書きましたが、


でもやはり、若者の目標となる、手本となる人生の先輩に


なることが必要なのではないかと思います。


人は人から学ぶのですから・・・

さて、ここまで書いて何ですが・・・

自分の思いばかり書いていて、本の感想とかは


殆ど書いていませんね・・・

本書に学ぶ点、共感する点は多いのですが、


それはまた、別の機会に書かせてください。

それでは、今日も読んでいただき、


ありがとうございました。


【▼新書】


【▼kindle版】



この記事へのコメント
たしかに、私のブログでさっと書くようなことではありませんね。自分でも、もう少し整理したいと思っています。その意味で、わたくしも刺激をいただきました。
おっしゃっている4つのポイント、まさに、わたしがマネジメントの上で、ポイントとしていることです。でも、ちょっとコミュニケーションがなくなると、やる気を失っていくようです。まあ、その意味では、今問題の「ゆとり社員」のフィルターとなるとも言えますが。
Posted by 干場弓子 at 2008年07月05日 22:48
干場社長様

コメントを頂き、ありがとうございました。

干場社長がブログで書かれていた事は「もっとも」だと思っています。
それに、グローバル化が進んでいく今後の世界に対して、きちんと若者に
進むべき方向を教え示していると感じました。

コミュニケーションが不足しがちになると、やる気を失うのは
「認められたい」という願望の裏返しではないかと・・・
本来は自分の仕事、自分の使命に従って邁進していかなければならないと
思うのですが・・・

私もこの問題については、もう少し勉強したりして掘り下げていきたいと思っています。

どうも、ありがとうございました。
Posted by Penguin-oyaji at 2008年07月05日 23:02
ペンギンオヤジさん

こんばんは。

いつも思うのですがペンギンオヤジさんのブログはきれいにまとまっていて読みやすく、決して長さを感じさせないところがすごいですね!!!

その営業の若い子の話は興味深いですね。
生き方や、勉強の話ですか。

仕事だけでなく、そういったことも先輩としてしっかりと伝えていけるような自分でありたいものです。
Posted by kaizokuou at 2008年07月06日 20:54
kaizokuouさん、こんばんは。

いつも、コメントありがとうございます。

お褒めの言葉を頂き、嬉しいです。

ブログ書きながら、長いよなぁ・・・って気にしているんです。
他の方の書かれたブログって、そんなに長くないし、読み易いし
もう少し、短くまとめた方が良いかなって思っていた矢先です!

自分の事で精一杯だったりしますが、やはり後進の世代に恥じないように
単に職場の先輩というだけでなく、人生の先輩になれるようになりたいって
思うのです。
Posted by Penguin-oyaji at 2008年07月06日 23:05
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