2019年05月09日

【皇室】皇位継承問題を考える「語られなかった皇族たちの真実」竹田恒靖

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「語られなかった皇族たちの真実」

若き末裔が初めて明かす「皇室が2000年続いた理由」

竹田恒泰:著

小学館

「平成」から「令和」への御代替わりも無事に終わりましたね。それに伴いテレビでは連日、元号や皇室についての様々な特集などが放送されていました。

その中で何かと話題に上がっていた皇位継承問題。

ご存知のように現在、皇室には上皇陛下、天皇陛下を除けば男系男子は3名しかいらっしゃいません。

そこで以前より女性宮家、女性天皇、女系天皇を認めるべきか否かという議論が何度となく繰り返されてきましたね。

今後も皇位継承問題についての議論は行われていくと思います。国会の場やマスコミで取り上げられることもあるでしょう。

この本の中には私たちが皇位継承問題について考える時に、最低限これだけは知っておきたいことが書かれているので、簡単に内容をご紹介したいと思います。

Amazonの内容紹介

曾祖母は明治天皇の第六皇女昌子内親王。祖父はスポーツの宮家として知られた竹田恒徳。祖母は三条実美の孫娘。

著者は、明治天皇の玄孫として、旧皇族・竹田家に生まれた。本書は、自らの生い立ちに始まり、祖父から教えられたこと、さらには皇室が2000年以上の長きにわたって存続してきた理由についての歴史を繙き、天皇家の血のスペアとして宮家が果たしてきた役割を浮き彫りにする。その上で、現在も引き続き話題を集める皇位継承問題について、「男系維持」を強く主張する。

■万世一系

皇位継承問題について語られる時によく「万世一系」という言葉が出てきます。あまり耳馴染みのない言葉ですね。

「万世一系」と称される皇統の継承は、男系継承にほかならず、今まで一つの例外もない。男系継承とは、皇位が代々天皇の男系の子孫に受け継がれてきたということだ。(中略)「男系の子孫」とは、「父が天皇である」「父の父が天皇である」「父の父の父が天皇である」といったように、父方を辿った場合にどこかで天皇に行き着く人のことをいう。

現在の皇室典範では天皇の皇位継承は「男系男子」と定められていますが、この本の中では「男系の子孫」によって皇統は継承されてきたと説明されています。

「男系男子」「男系の子孫」その違いは何でしょう?

答えは「男系の子孫」には女性も含まれているということです。

ご存知の方も多いと思いますが、過去に女性天皇は存在していました。

全部で8人の女帝がいて、そのうち2人は一度退位した後に再び即位したので「10代8方」と言われたりもしてます。

そして、その8人すべてが天皇の皇女などの男系女子でした。

■女性天皇と女系天皇

女性天皇と女系天皇の意味するところは全く違うものです。

過去に存在した女性天皇は全員が男系の女帝、つまり女帝の父が天皇とか女帝の父の父が天皇ということです。

具体例を書くのは畏れ多いのですが、今上天皇の皇女である愛子内親王が将来、皇位に就いたら男系の女帝ということです。

それに対して過去に存在したことがない女系天皇の意味するものは、母が天皇(父は皇族ではない)とか、母の父が天皇という場合です。

女性天皇は男性か女性かという性別を表しているものです。

対して、女系天皇は血筋を表しているもので、女性天皇の皇子(男性)が即位すれば男性の女系天皇ということになるのです。

よく例として挙げられるサザエさんで考えると次のようになります。

仮に磯野家が天皇家だとして、父・波平と母・フネにはカツオという男系男子の長男がいます。でもまだ即位するには若いので、カツオが成長するまでの間をつなぐために娘のサザエが即位したら男系の女帝。

その後、カツオに何か問題があって即位できなくなった時に母・サザエと父・マスオの子供のタラオが即位したら女系男子の天皇ということになります。

着目すべき点はサザエさんはフグ田家に嫁いでいて、その子供のタラちゃんはフグ田家の子供であり、元々の天皇家である磯野家とは別の「家」の人という点でしょうか。

また、過去に女性天皇が存在したのは先に書いたとおりです。だけど、その女性天皇は即位後に結婚したり出産した例はありません。

女帝となったのはいずれも、天皇の皇女など、男系の女子であり、女系たる女帝の子息が皇位を継いだことは一度もない。(中略)男系継承を確実にするため、女帝は生涯独身を貫くこと、そして生涯出産をしないことの不文律が存在していた。女帝が即位後に結婚した例はなく、また同じく即位後に出産した例もない(ただし、即位する前に皇后として出産した例はある)

現在、議論されている女性天皇についてこれを認めた場合に結婚、出産は認めるのか否かということも考えないといけませんね。

まぁ、今の世の風潮から考えても女性天皇に結婚するな!子供は産むな!というのはいくらなんでも・・・という気がするのですが。。

加えて女性天皇が民間から夫を迎え入れたら、その男性は皇族になるのでしょうか?(たぶん、そうなるんでしょうね)女性天皇ではなくとも女性宮家を創設した場合も同じです。

ということは、女性天皇、女性皇族の民間出身の婿を陛下、殿下と呼びようになるということです。

■皇統の危機

今も盛んに天皇の後継問題が言われていますが、この本の中では過去の皇統の危機は3度あった。そしてその度にどのようにして男系を継承してきたのかということについて書かれています。

皇室始まって以来の皇統の危機を繋いだのは継体天皇だった。(中略)継体天皇は先代の武烈天皇から見ると十親等の隔たりがあり、「祖父同士がはとこ」という関係に当たる。(中略)「祖父同士がはとこ」とはもはや他人と呼んでも差し支えないほどの遠縁である。

室町時代の皇室に二度目の皇統断絶の危機が訪れた。このときに皇統を継いだのは後花園天皇だった。後花園天皇も先代の称光天皇から八親等の遠縁に当たる。

ちなみに3度目の皇統の危機は江戸時代後期、後桃園天皇の崩御により天皇が不在となった時との説明ですが、ここでは割愛します(詳しくは本書にあたって下さい)

3度の皇統の危機を継いだのはいずれも傍系の男系男子だったようです。著者が書いているとおり、今の私たちの生活だったら八親等、十親等の親戚と言われても「あんた誰?」ってなってしまいますよね。

でも、皇室はそれほどの遠縁であっても「男系」にこだわって皇統を繋いできたことが分かります。

今、再び天皇の後継問題を考えるに際してこうした過去の事例について知っておくことも大切なことなのではないでしょうか?

■今、私たちが考えるべきこと

そもそも何故、古来から皇室は男系による皇位継承にこだわってきたのか?女性天皇の問題点は何か?そういった根源的な疑問についても著者はこの本の中で考えをまとめています。

また、男系を継承するための「側室」や「宮家」が果たしてきた役割といったことについても書かれています。

これから私たちが皇位継承問題を考えるにあたって、突き詰めて考えていくとなぜ私たちは天皇陛下を尊いと考え、尊敬するのか?という疑問にぶつかるように思います。

    • 天皇という権威に憧れるのか?
    • 国民の幸せを祈る祈祷者だから尊いのか?
    • いつも国民に寄り添って下さる優しい方だから親しみを覚えるのか?
    • それとも、日本国民の象徴として国民の範を自ら示して下さるから尊敬するのか?

答えは人それぞれだと思います。

それから、もう一点。

よく男女平等の社会になったのだから、女性天皇でも良いのではないか?という意見を時おり耳にします。

なるほど、それも一理あるかも知れません。だけど、個人的にはこの意見に対して私は反対です。

天皇を仕事あるいは役割と捉えるなら男女平等論も「あり」でしょう。

だけど、皇位継承は天皇家という「家」の問題でもあるのです。

「家」を継ぐのは誰なのか?昔ほどこだわる人が少なくなったように思いますが、今でも男性が嫁を貰い「家」を継ぐことが多いと思います。

とくに歌舞伎などの伝統芸能を代々継承してきた「家」なら男性が跡取りになりますよね。

それぞれの「家」には、伝統があり「家」としての教えや言い伝えが継承されてきていると思うのです。

神話の時代を差しい引いても1000年以上の長きに渡って伝統やしきたりを継承してきた天皇家です。男女平等の世の中だからという理由で天皇家の継承を変更してしまっても良いのでしょうか?

最後にもう一点。女性宮家創設の議論には皇位継承問題とは別に公務の分担という側面があると思うんですよね。

皇族の人数が減少する中で、これまで通り女性皇族の方々が結婚を機に皇籍を離脱していくと、そう遠くない将来には公務を担う皇族の方が殆どいなくなってしまうでしょう。

しかし、女性宮家と女系天皇は完全に分けて考えられるものなのか?

まとめ

なんだか少し政治色というか思想色が強い記事になってしまいました。女性天皇、女系天皇、女性宮家、私は別にどれも否定するものではありません。

ただ、世界最古の皇室(王室)と言われる天皇家の今後を考えるにあたっては安易な判断を下すのでなく、知っておくべき伝統や歴史があると思うんですよね。

2019年の平成最後の新年の一般参賀には15万人の人が参列したそうです。

今年の5月4日、令和に代替わりして今上陛下にとって最初の一般参賀には14万人の人が集まったとの報道がありました。

多くの国民に愛されている皇室の将来について考えるにあたって、先ずは皇室の伝統、歴史を知るための1冊としておすすめします。

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posted by penguin-oyaji at 20:42 | Comment(0) | 読書(その他) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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