2015年04月23日

【「ビジネス「論語」活用法」小宮一慶:著】自分の生き方の原点を考える

「論語を知らなくても使えるビジネス「論語」活用法

小宮一慶:著

三笠書房

 

 

今は昔。私が前に務めていた会社で新人研修の講師をしていた時、よくこんな話しをしていました。

 

何か迷ったときに戻る場所、原点を新人のうちに身につけることが大切です。

 

研修の中ではその立ち戻る場所、原点のことを「自分のバックボーン」というふうに言ってましたが、これは仕事に限らず、自分の人生というか生き方においても大切だと思うんですよ。

 

道に迷ったときは原点に戻れ!と、よく言われますが、そもそも戻るべき原点が無ければ話しにならないわけで・・・

 

私も既に半世紀の人生を生きてきてしまったわけですが、今更ながら、自分の人生のバックボーンをちゃんとしておきたい!と殊勝なことを考えるようになり、最近はよく「論語」に関する本を読んだりしております。

 

Amazonの内容紹介

ビジネスで「成功するためのノウハウ」は2500年前に、すでに書かれていた。「知者」は惑わず、「仁者」は憂えず、「勇者」は恐れず、をモノにする本。

 

Amazonの内容紹介がアレなんで(笑)、ちょいと付け足し。

 

経営コンサルタントであり、100冊以上のビジネス書の著者でもある小宮一慶さんが、ご自身の経験、エピソードなどを織り交ぜながらビジネスシーンで活かせる論語のエッセンスを紹介、解説してくれているような1冊です。

 

学びて時にこれを習う、亦説ばしからずや

不遇な時代、うまくいかないときにこそ、どう過ごせばいいのか。その答えは、『論語』の冒頭に出てきます。

学びて時にこれを習う、亦説ばしからずや

(中略)

「学びて時にこれを習う」というのは、過去を振り返るのではなく、生き方や人生観、会社なら経営方針といった「原理原則」を思い出すことです。

そして実践することです。うまくいかなくなったら、まず、その原点に戻るという教えなのです。(P59〜P63)

 

ご存知の方も多いと思いますが、『論語』は今から2500年も前に書かれた(編集された)ものです。

 

そんな昔のものが21世紀の現代まで延々と読み継がれているわけです。

 

この本の「はじめに」で、小宮さんはこんなことを書かれています。

 

『論語』は2500年以上前に書かれたものです。

これだけの長い年月、多くの人に読み継がれているのは、そこに書かれている「原理原則」に、それだけ風雪に耐えるだけのものー人生を強く生き抜くうえでの心理ーが多く含まれているからです。

この「原理原則」をできるだけ早く身につけることが、人生やビジネスを成功させるためには必須だと私は考えています。

 

『論語』の中には人生を生き抜くうえでの大切な真理が詰まっている!だからこそ、時空を超えて読み継がれているわけですね。

 

で、私の話しですが・・・

 

かれこれ4、5年くらい前から「論語」に興味を持ち、今までに何冊か、色々な方が書かれた論語の解説本を読んだりしてきました。

 

実は、この小宮先生の本もたぶん3回くらいは読み返したと思います。

 

なのに!

 

全然、身になっていない!(ナンテコッタ、パンナコッタ!)

 

だからこそ、「学びて時にこれを習う」が必要なんですね。

 

この場合の「時に」っていうのは、必要な時に・・・とか、折に触れて・・・みたいな意味らしいです。

 

だから、論語っていうのは(論語に限らず)、一度学んでおしまい、ということではなく、折に触れて、復習する(学びなおす)ことが大切だ思うのです。

 

これを知るを知ると為し、知らざるを知らずと為せ。是れ知るなり

これを知るを知ると為し、知らざるを知らずと為せ。是れ知るなり

(中略)

文字どおりに訳せば、「知っていることを知っている、知らないことは知らないとする、これが知るということだ」となります。(P194)

 

・・・なんだかソクラテスの「無知の知」みたいな話しですね。

 

これをどう解釈するか?

 

小宮さんは、こんなふうに書かれています。

 

一所懸命に勉強し、知識を深め、学べば学ぶほど、分からないことは増えてくるものです。(P195)

 

分かっていると思っていたのに、勉強を深めたり人生経験を積むと本当に分かっていたのかな?

 

表面的に理解していただけじゃないのかな?ふと、そんなふうに思って立ち止まることがありますよね。

 

読書会などに参加していると、「読むたびに新しい発見がある!」という言葉をよく耳にします。

 

たぶん・・・

 

表面的な理解だけでなく、言葉の裏に込められた作者の真意まで読み取るには、読む側にもそれ相応の力量が求められます。

 

だから、読んだ時期や自分の成長度合いによって解釈は変わるものだと思うし、以前に読んだ時と読後感が変わらないのであれば、それは自分が成長していないか、底の浅い本であったかのどちらかなんだろう。。

 

「論語」の中にも一見、当たり前じゃん!ちょっと、孔子ちゃん大丈夫?(←失礼だろ!)と思うようなことも書いてあったりしますが、もしかすると、もっと自分が成長していけば「あぁ、裏では実はこういうことを言っているのかぁ!」と思うようになるのかもしれませんね。

 

人は馬ではない

まるでニンジンを目の前にぶら下げて馬を走らせるように、昇給やボーナスを餌に人を働かせるのは、誤りだと思います。

(中略)

人は馬ではないのです。(P99)

 

頑張って働いて、成果を出したならそりゃ、やっぱり報酬が欲しくなるのが人情ですよね、たぶん。

 

だけど

 

人はお金のためだけに働いていたら、どこかでおかしくなる。。そう思うんですよ。

 

なのに、「成果主義」だかなんだか分からないけど、成功報酬をエサにして社員を煽ることをしている企業って多いらしいですね。

 

「利によって行えば、怨み多し」

 

論語の中の一節ですが、私利私欲で行動すればそれだけ人から怨まれるということです。

 

誰だって、自分の利益のために行動している人なんて嫌いですよね。

 

「利の元は義」

 

これまた論語の一節ですけど、小宮さんは著書の中でよく「お金を追うな、仕事を追え」ということを書かれます。(この言葉は小宮さんが師匠である住職さんから教えられたものです)

 

仕事として正しいコトをしていれば、お金は後から付いてくる。そういう意味合いの言葉です。

 

では、仕事として正しいコトは何か?

 

お客さまに喜んでいただける商品やサービスを提供すること。つまり、お客さま第一主義。

 

これが仕事の目的であると小宮さんは書かれています。

 

お客さまに喜んでいただいたり、お役に立つことが「目的」で、その結果として「利益」が生まれる。

 

なのに、売上や利益をあげることが「目的」で、お客さま第一主義が「手段」と考えている人や企業がまだまだ多いみたいですね。

 

最後に・・・

 

論語の有名な一節に「過ぎたるはなお及ばざるが如し」というのがあります。多分、一度くらいは耳にしたことがあるかと。

 

 

徳川家康が、これをモジって遺訓の中で「及ばざるは過ぎたるよりまされり」って書いているんですね。

 

この本の中にも、そのことが触れられていて小宮さんなりの解説が書かれているのですが、残念ながらそれを読んでも正直、あまりピンとこないのです、私。

 

上の方で「読んだ時期や自分の成長度合いによって解釈は変わるものだと思う」と書きましたけど、この家康の言葉の真意が自分なりに解釈できるようになるのはいつなのかなぁ?と思っています。

 

こんなふうに、何度読んでも発見があったり、新たな疑問がわいてくるというのも、読書の楽しみの一つですよね。

 

多くの著者が論語の解説本を出版されてます。

 

そういう本を何冊か読むと気づくのですが、解釈の仕方が違う場合もあるし、論語の一節と関連づけて何を語っているかも違う。

 

これって、人によって論語がどういうふうに読まれているか?ってことが分かってとても面白いというか興味深い。

 

それから、もう一つ思うのはこういう論語の本を読んで、勝手に人生を悟ってはダメだということですね。

 

「君子は義に喩り、小人は利に喩る」なんて書いてあるのを読むと、思わずそーか、そーか!ってコトになるんだけど、それじゃ、今の自分にとっての「義」とはなにか?って感じで、自分に引き寄せて考えてみないと意味が無い。

 

もしかしたら、いくら考えても答えなんて出てこないかも知れないし、考える度に答えが変わってしまうかも知れない。

 

それでも、自分の頭で考え、自分の心に問い続けることが一番大切なんじゃないかと思うのでした。

 

おしまい

 

 



posted by penguin-oyaji at 22:29 | Comment(0) | 読書(小宮一慶) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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