2015年03月12日

「人に強くなる極意」佐藤優:著 人生の難所を乗り切るための指南書

「人に強くなる極意」佐藤優:著青春新書

凡そ人生の悩みの大半は人間関係についてのもの・・・何かに書いてあった言葉だけど、確かにその通りかなぁと思う。実社会においても、家族の間であっても、人間関係の悩みは尽きない。。

この本、タイトルを見るとそういう人間関係の問題解決について書かれたように思うけど、実際に読んで見ると書かれている範囲はもう少し広くて、変化の激しい世界の中でこれからどのように生きていくべきか・・・そんな人生論がまとめられているように感じました。

著者の佐藤優氏はご存知の方も多いと思いますが、元外務省主任分析官で、いわゆるインテリジェンスの世界で活躍されていた方です。鈴木宗男事件(という言い方でいいのかな?)で背任と偽計業務妨害で逮捕、起訴された後に作家へと転身された方です。

逮捕、起訴といっても決して悪いコトをしたワケじゃないんですけどね。詳しくは佐藤氏の著書「国家の罠」に詳しく書かれているので、興味のある方は併せてそちらもどうぞ。

Amazonの内容紹介

どんな相手にも「ぶれない」「びびらない」「怒らない」――。ビジネスでも人生でも、人と相対したときにどう振る舞えるかが結果を大きく左右する。いつでも最高のパフォーマンスをするには、どんな心持ちでいることが重要なのか。外国の要人、日本国首相、そして特捜検察などに対してギリギリの交渉力を発揮してきた著者が、現代を“図太く"生き残るための処世術を伝授する。

■「怒り」と上手に付き合う

感情的な怒り、ドッと湧き出してくる怒りを完全になくすことはまずできません。(中略)ただし、感情が湧き出ることは抑えられなくても、それを別な方に向ける回路を組み込むことはできます。(P35)

物事を引いた目線で俯瞰してみる。すると怒っている自分を、もう一人の自分が客観的に見ているという構図が生まれます。この構図ができると、怒りで我を忘れるという神がかり的な状態にはまず陥らずにすむでしょう。(P36)

喜怒哀楽っていう人間の感情って、自然に湧き上がってくるものだから「よしっ、私はもう怒らない」とか、「もう悲しむのはよそう」って思ってもその感情を自分の思いのままにコントロールすることって、まず出来ないんですよね。ムリ!

大切なのは感情の発生をコントロールすることではなく、その感情に突き動かされるままに行動してしまうのではなく、自分を客観視することで冷静になり、行動をコントロールすること、・・・なんですよね。

ただ・・・

「怒り」とかって、ものすごく強いエネルギーを持ってるじゃないですか。だって、場合によっては人の命さえ奪ってしまうくらいですから。

これは、経営コンサルタントでビジネス書作家の神田昌典さんの本に書いてあったことなんだけど・・・

怒りが持っているパワーをマイナスの方向に使うのではなくて、プラス方向に使うと、すごく大きな力を得ることも出来る。。

例えば、私の経験談ですけど。。

社会人になりたての頃、当時の上司っていうのが、社内で一番怖い!と評判の人だったんですよ。

だからか、そりゃもう毎日のように怒られていました>私。朝、出社すると先ず「おい」と呼ばれ、上司の机の前に長い時で1時間くらい立たされてすげー勢いで怒られる!

ある時は「お前さんは大学を出たのに、コピーひとつ満足にとれないのか!」と、怒鳴られて・・・悔しくて情けなくて・・・会社の中で不覚にも涙を流して泣いてしまった・・・なんてこともありました(遠い目)

で、思いました。

絶対に仕事が出来るようになって、いつかアイツ(その上司)を見返してやる!って。

よく「悔しさをバネに・・・」って言いますけど、当時の私のモチベーションの源泉は、その上司に対する怒りというか、悔しさでした。

まぁ、おかげさまでその後、何とか人前に出ても(あまり)恥ずかしくないイッパシの社会人になれたのですが。。

えっと、何が言いたかったかというと、「怒り」も上手に使えば自分の成長のパワーに変えられる、ってことですね。

■「幽霊の正体見たり枯れ尾花」

もし皆さんの周りにびびってしまう相手がいたら、そんな時ほど相手をよく見ることです。怖がって目をそらしたり無視することが一番いけない。そうすると相手が見えなくなり、見えなくなるからこそますます恐怖感が大きくなる。(P57)

「幽霊の正体見たり枯れ尾花」という有名な故事がありますね。幽霊かと思ってよくよく見てみたら、ただの枯れたススキだった・・・それから転じて、怖い怖いと思っていると何でもないものまで、怖く感じる。(正体を知れば、なぁんだ、ということになる)

人って、よく分からないもの、見えていないものに対して恐怖とか不安を感じるものなんですね。

で、よくよく考えると、相手の正体をよく調べもせずに盲目的に怖がったり不安に思っていることって自分の身の周りでもよくあるなぁ、って思いました。

例えば・・・

テレビの情報番組などを見ていると、「健康」とか「病気」について特集していることってよくあるじゃないですか。

お医者さんや医学生でもない限り、自分の身体の仕組なんてそんなに詳しくはないじゃないですか。

だから、「こんな生活をしていると」「こんなものばかり食べていると」病気になっちゃいますよ。と言われると、ちょっと不安になる。

そして

「だから、こういう生活習慣を心掛けて下さい」とか、「こういう食べ物が身体に良いから食べてみて下さいね」と言われると、ついつい信じてしまって翌日スーパーに買いに行ってしまう(笑)

一見、すごく有益な情報を教えてくれているように見えるけど、これって、よくよく考えると

相手がよく知らないであろうところを狙って不安を煽る  ↓↓↓解決策を提示する  ↓↓↓購買意欲を煽る

という、実に良く出来たマーケティングの手法であったりもするんですよね。

この本の中でも

相手を不安にさせて購買意欲を煽る現在の消費社会では、つねに自分が何に対してびびっているのか意識するとともにそれが仕掛けられたものでないかどうかを検証することが肝要です(P61)

と、あります。

マスコミの情報を鵜呑みにして盲目的に不安になるのではなく、きちんと自分で「本を読む」「ネットで情報を集める」「詳しい人に話しを聞く」などすることで、もしかしたら、スーパーに買いに走らなくても済むようになるかもしれませんよね。

■断らない力

同世代や同僚とは上手くコミュニケーションがとれるが、自分より上の世代や上司とは上手く会話できない。昔のような”飲みニケーション”の時代は終わったにしても、時には自分と全く話しがかみ合わないような異質な人たちと話してみる。これも大事な「断らない力」だと思います(P134)

上司って食事やお酒の席に部下を誘うのも、けっこう気を遣うんですよ。(少なくとも私はそうでした!)なのに!断るヤツがいるんですよ(プンプン)

まぁ、そんな私の話しはどーでも良いとして、

自分の世界に閉じこもって、異質の人とあまりコミュニケーションをとらない人って確かにいますよね。

そりゃ、自分と同じ趣味、同じ価値観の人とお付き合いしている方が楽しいし、気持ちもラク。

だけど

それだと、自分の世界が拡がらないんじゃないんですかねぇ〜?って、よく思う。

時には敢えて「アウェイ」の場に出て行くのも楽しい!って思うんですよ。もしも、いきなりは恥ずかしい〜というのであれば、ツイッターで違う世界の人たちをフォローしてみるのもひとつの手ですよ。

例えば・・・

昨年の夏。お友達から一本の万年筆をプレゼントして貰ったことでそこからドップリと万年筆の世界にハマったのですが、その時に、ツイッターで万年筆とかインクのことを呟いている人を探し出して、フォローしまっくったんですよ。

で、その人たちのツイートを追いかけてみると、なるほど、こーいう楽しみ方があるのか!とかっていう新たな発見があってますますハマるという(笑)

で、面白そうな人や何となく気が合いそうな人がいたらリプを送ってみる。それで、お友達になる。(いつかオフ会できたらいいなぁ)

あるいは、万年筆関係のイベントに行ってみたら、そこから新たなお付き合いが始まったなんてコトもありました。

ちょっと前の私って、読書好きな人、その中でも特にビジネス書とか自己啓発書をよく読む人とのお付き合いが主だったんですが、別の世界の人のツイッターを読むと、まるで違う価値観があってすごく面白いです!

「チャンスは人が連れてくる」っていう言葉もありますが、自分で壁を作らないで、色々な人と話しをしてみる、付き合ってみるというのは大切だと思うのです。

◇最後に・・・

この本、200ページちょっとの新書なんですけど、そこに・怒らない・びびらない・飾らない・侮らない・断らない・お金に振り回されない・あきらめない・先送りしないという8つのテーマが押し込まれているので、読んでみるとちょっと物足りない・・・と感じる部分もある。

だけど、裏を返せば著者、佐藤優氏の考え方や行動規範などの言ってみれば「核」となるものが書かれていると思うので、とても分かりやすいし、読みやすかったと感じました。

それに加えて、随所に外交官時代の要人との交渉や拘置所に留置されている時の体験談も書かれているので、ある意味「読み物」としても楽しめました^^おしまい。



posted by penguin-oyaji at 22:40 | Comment(0) | 自己啓発 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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