2014年07月25日

【リベラルアーツ】「おとなの教養 私たちはどこから来て、どこへ行くのか?」池上 彰:著

 おとなの教養―私たちはどこから来て、どこへ行くのか? (NHK出版新書 431)

「おとなの教養 私たちはどこから来て、どこへ行くのか?」

池上 彰:著

NHK出版新書

最近、めっきりビジネス書を読まなくなりました。

読まなくなった理由はいくつかあるのだけど、自分がここ数年、読む本といえばビジネス書ばかりでものすごく偏っていたんですよね。

だから、今は小説を読んだり、何をトチ狂ったか哲学書なんかも読んだりしてます。

何と言うか・・・ビジネス書の話ししか出来ないというのも、なんかやっぱり寂しいじゃないですか。。

それに、いい年こいてモノを知らないというのは恥ずかしい。

いわゆる「教養」というのをちゃんと身に付けたいと思うんですよ。

そんなコトを思っていた時に出会ったのが、この本。

Amazonの内容紹介 

現代の教養とは「自分を知ること」です。

いま、学ぶべき教養とは何か? 現代人必須の7科目とは、「宗教」「宇宙」「人類の旅路」「人間と病気」「経済学」「歴史」「日本と日本人」。

この7つを貫くのは、「自分がどういう存在なのか」を考えようとする問題意識だ。

7科目のエッセンスを講義形式で明快に説く決定版。

現代人の「生きる力」=教養の本質が一気に身につく! 

■リベラルアーツってなに? 

リベラルアーツの「リベラル(liberal)」は自由、「アーツ(arts)」は技術、学問、芸術を意味します。だからリベラルアーツの意味は『人を自由にする学問』ということです。

こういう教養を身につけていれば、人間はさまざまな偏見からあるいは束縛から逃れ、自由は発想や思考を展開していくことができる。

最近ちょくちょく「リベラルアーツ」という言葉を耳にしたりしていたのだけで、お恥ずかしながらそれが何なのかを知りませんでした(恥)

で、調べてみたらヨーロッパの大学で学問の基本とされた七科目のことらしいです。

具体的には、文法、修辞学、論理学、算術、幾何学、天文学、音楽の計7科目。

この序章では著者の池上さんが、リベラルアーツのことや、そもそも何故、教養が必要なのかということについて書かれています。

教養人=(単なる)物知り・・・・じゃないんですよね。

よく女性相手にあーだ、こーだとウンチクを垂れているおっさんがいるじゃないですか。

ああいう人は、確かに物知りかも知れないけど、教養人って感じはしないですよね。

■魚を与えるのではなく、魚の釣り方を教える 

すぐに役に立つことは、世の中に出て、すぐに役に立たなくなる。

すぐには役に立たないことが、実は長い目で見ると、役に立つ。

(中略)

「すぐに役に立つことは、すぐに役に立たなくなる」。

だから本当の教養というのは、すぐには役に立たないかも知れないけど、長い人生を生きていく上で、自分を支える基盤になるのです。その基盤がしっかりしていれば、世の中の動きが速くてもブレることなく自分の頭で物事を深く考えることができるようになるわけです。

この部分を読みながら、思い出した言葉があります。

以前にビジネス書作家の和田裕美さんの講演会を聞きに行った時に和田さんが、こんなコトを話されていました。

3日で咲いた花が3日で枯れてしまうこともあれば、

10年掛けて咲いた花が、10年間ずっと咲き続けることもある。

この時、和田さんはビジネス書などを読んですぐに結果を欲しがる人が多いけど、もっと上辺の知識だけを詰め込むのではなく、もっと自分の根っこになる部分を育てた方が良いのではないか、

そんな話しの流れの中で、上記の言葉を話されていました。

自分の根っこを育てるのに必要なものの一つが教養なのかもしれませんね。

そして私、自分のバカな頭をフル回転させながら教養とはなんぞや?ということを自分なりに考えてみたんですよ。

上の方でウンチクを垂れているオッサンの話しを書きましたよね。

あれが何で「単なる物知り」にしか見えないのか?

なぜ、教養のある人と思えないのか?

たぶんですね、ああいうウンチクおじさんは、どこかで誰かに聞いた話しや何かで読んだ話しを単純に「受け売り」しているだけだと思うんですよ。

右で聞いた話しを、左へ受け流しているだけで、自分の考えや見解、意見というものが無い!

または、あったとしても非常に薄っぺらい!

だから、単なる「物知り」で止まってしまっているように感じちゃうんですよ。

少し話しがそれますが・・・中国の古典の中の話しで「魚を与えるのではなく魚の釣り方を教えなさい」・・・っていうのがありますよね。

魚を与えればその日の飢えはしのげるが、魚の釣り方を教えれば、一生の食を満たすことが出来る。

・・・そんな意味です。

教養を身につけるというのは、つまり魚の釣り方を覚えるのと同じじゃないかっていう気がします。

覚えた知識や技術を使って、自分が生きていく力に変えるということです。

そのためには、単に知識を覚えるだけでなくそれを使って自分の頭で考えて判断して、行動できるようにならなければならない。

良く言われる「知識」を使って「智恵」を生み出せるようになることが大切なんだと思うのです。

■自分自身を知る 

「自分自身を知る」ことこそが現代の教養だろうと私は思います。

どこから来て、どこへ行こうとしているのか。この場合の「自分」とは、文字通りの自分のことでもあるし、日本人あるいは人類のことでもあります。

この本の中で池上さんは「私たちはどこから来て、どこへ行くのか?」という問いを立て、自分を知ることが現代の教養だと位置づけています。

そして、その問いを解くために現代のリベラルアーツとして「宗教」「宇宙」「人類の旅路」「人間と病気」「経済学」「歴史」「日本と日本人」という、7つのテーマを設定して、それについて解説されています。

自分自身を知る・・・そのためには、教養を「学ぶ」というスタンスではなく、もっと自分に引きつけて考えながら理解することが必要ですよね。

先日、ある哲学書(といっても入門書)を読んでいたら、こんなコトが書かれていました。

哲学者が何と言ったかを覚えることよりも、

何故その哲学者が、そういう考えに至ったのかの思考のプロセスを

学んで欲しい。

教養を「学ぶ」ということも、これと同じだと思うんですよね。

例えば、この本の中でダーウィンの進化論の話しが出てくるのですが、進化論で語られていることは自分とはどういう関係があるのか、その上で、人類(生物)の進化の中で自分はどういう位置付けになるのか?

そんなコトを考えながら読むと、池上さんがこの本で読者に問うている「自分自身を知る」ということが、つまりどういうコトなのかがよく分かるようになると思うのです。

そして、あぁ教養を身につけるというのは、こういうコトなのかと体感できると思います。

◇まとめ

今回抜き書きしたのは全て「序章」からです。

その後に本編として、宗教史や宇宙の話し、歴史の話しなどが書かれているのですが、私にとっては「序章」で書かれている教養とは何か?という部分がものすごく腹落ちして、なんというか、ちょっと勇気をもらったような感じです。

もちろん、本編の方も安心の池上クオリティーです(分かりやすい!)

「宗教」「宇宙」「人類の旅路」・・・・それぞれ深みはあまりありませんが、ひとつのきっかけ、入門書として読むには充分な内容だと思います。

posted by penguin-oyaji at 22:22 | Comment(0) | 読書(その他) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする